外壁は時間の経過とともに劣化症状が目立つようになります。劣化症状が現れたら補修が必要ですが、補修にかかる費用は劣化の症状や外壁の素材によって異なります。
ここでは、外壁補修にかかる費用の相場を劣化症状別・素材別に解説します。補修費用を安く抑えるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
外壁の塗り替え時期かも...
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劣化症状別|外壁補修にかかる費用相場
外壁の劣化症状はさまざまあり、症状の度合いによって費用相場が異なります。
劣化症状 | 費用相場 |
汚れ | 200~250円/m2 |
ひび割れ | 約1〜10万円/箇所 |
コーキング | 約500~1,200円/m2 |
サビ | 約200~2,000円/m2 |
凹み・欠け | 約1~6万円/箇所 |
カビ・藻・コケ | 200〜500円/m2 |
チョーキング | 約1,700~5,000円/m2 |
浮き・膨れ・はがれ | 業者と要相談 |
劣化症状が軽度であれば費用もさほどかかりませんが、症状が大きくなるにつれて補修費用も大きくなるので注意が必要です。
汚れ
外壁の表面にあるホコリなどの汚れは、スポンジなどで洗い落とせます。ただし、汚れがこびりついていて取れないときは、業者による高圧洗浄が必要です。
外壁全体の汚れを高圧洗浄で落とす場合は、2~4万円の費用がかかります。費用がかかるからといって汚れを放置すると、塗料の機能が低下し、劣化が進んでしまうので、早めに業者に依頼しましょう。
ひび割れ
ひび割れは、大きさによって補修費用が異なります。幅0.3ミリメートル以下の小さなひび割れであればコーキング材を擦り込む簡易的な補修で対応できますが、幅0.3ミリメートル以上のひび割れは基礎部分まで劣化が進んでいるため、補修に手間と費用がかかります。そのため、補修費用も1箇所あたり1~10万円程度と幅があります。
小さなひび割れを放っておくと、雨が染み込んで外壁内部や木材を腐食させ、大掛かりな補修工事が必要になるので、症状が軽度なうちに早めに対応しましょう。
関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用
コーキング
外壁の目地にあるコーキングにひび割れなどの劣化が発生すると、劣化した箇所から水分が入ってしまい、住宅の腐食につながります。コーキングは外壁よりも早く寿命を迎えるため、劣化症状を見つけたら早めの補修が必要です。
コーキングの補修方法には、既存のコーキングの上から充填する「増し打ち」、または新しく取り替える「打ち替え」の2種類があります。増し打ちよりも打ち替えの費用が高く、既存のコーキングを除去する場合は、1〜3万円程度の追加費用がかかるので注意が必要です。
関連記事:外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説
サビ
外壁に鉄や金属素材を使用している場合、新築から5~10年経つと、赤茶色のサビが発生しやすくなります。サビを放置すると穴が開いて内部まで腐食が進んでしまうため、早めの補修が必要です。
補修作業では、サビを落とすケレン作業をした後に、サビの防止効果のある塗料を塗布する方法が一般的です。塗装費用は500~1,000円/㎡程度ですが、サビが進行していれば2,000円/㎡になることもあります。
凹み・欠け
台風などで飛んできた物が外壁に当たり、凹みや欠けが発生する場合があります。凹みや欠けを放っておくと、そこから雨水が浸水して雨漏りにつながる恐れがあります。
凹みや欠けの補修費用は、1箇所につき1~6万円が相場です。症状が軽度であれば、パテで埋めたあとに塗装して補修できますが、症状が広範囲にわたる場合は張り替えが必要になる場合があります。
カビ・藻・コケ
日当たりの悪い場所や湿気の高い場所は、外壁にカビや藻、コケが生えてくることがあります。コケや藻、カビなどは業者に依頼して高圧洗浄機で落とせますが、DIYで洗浄することも可能です。
業者に依頼したときの費用は、200〜500円/m2が相場です。コケやカビを放置すると、増殖して体調に影響を及ぼす危険性があるので、なるべく早めに補修しましょう。
関連記事:外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説
チョーキング
チョーキングとは、塗料が紫外線や雨の影響で劣化し、チョークの粉のように表面に浮き出てしまう現象のことです。チョーキングは外壁の防水性が低下しているサインなので、高圧洗浄をした後に塗り替えが必要です。高圧洗浄は200~250円/m2、外壁塗装は一般的な30坪の住宅で60~100万円程度が相場です。
関連記事:外壁に生じるチョーキング現象とは?原因や放置リスク、補修・対策方法を解説
浮き・膨れ・はがれ
塗膜が浮いたり膨れたり剥がれたりしている場合は、塗膜ではなく外壁自体が劣化している可能性があります。塗膜の劣化が原因の場合は塗装で済みますが、外壁の劣化は部分的な張り替えが必要です。部分的な塗装や張り替えは15~40万円程度が相場ですが、症状が進行して全体的に張り替えが必要な場合は、費用が100万円を超えるケースもあります。
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素材別|外壁補修にかかる費用相場
外壁にはさまざまな素材があり、それぞれ補修にかかる費用が異なります。
素材 | 費用相場(1m2あたり) |
サイディング | 塗装:5,000円〜1万円張り替え:3,500円~9,000円 |
モルタル | 塗装:約1,700円~5,000円張り替え:約7,000円~9,000円 |
ALCボード | 塗装:1,200~1,700円張り替え:7,000〜15,000円 |
タイル | 塗装:2,000〜4,000円張り替え:1〜5万円 |
ガルバリウム鋼板 | 塗装:4,300〜7,000円張り替え:4,000〜6,000円 |
ここで外壁の素材の特徴と補修にかかる費用を把握しておきましょう。
関連記事:外壁材の種類はどれがおすすめ?サイディングの特徴や費用相場とともに解説
サイディング
サイディングは断熱性・遮音性が高く、費用も手頃であることから、住宅の外壁に選ばれることが多い素材です。サイディング材には「窯業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」の4種類があり、それぞれ補修費用が異なります。
最も安価なのは窯業系と金属系であり、木質系と樹脂系は施工業者が限られていることから、費用が高い傾向にあります。種類によって費用が異なるため、塗装と張り替え費用の相場にも幅があります。
関連記事:サイディング塗装の費用相場はいくら?外壁塗装が必要な時期や塗料を解説
モルタル
モルタルは、セメントと砂を混ぜて水と練り合わせて作られた外壁材です。サイディングのような繋ぎ目がなく、デザイン性の高いおしゃれな見た目が特徴で、耐火性や耐久性に優れています。
しかし、汚れが目立ちやすく、外壁の保護のために塗装などの補修が必要です。モルタル外壁を塗装する場合の費用は、30~40坪の住宅で70~120万円が相場です。モルタルを張り替える場合は、モルタルの撤去費用が高額になるため、総額が250万円を超えるケースもあります。
関連記事:モルタル外壁の特徴・メリットを解説!メンテナンスが必要な劣化症状とは
ALCボード
ALCボードは、コンクリートの内部に気泡を含んだ外壁材です。軽量で断熱性や遮音性に優れた特徴を持ち、耐久性が高いのが魅力です。しかし、水や湿気を吸いやすく、膨張やひび割れが起きやすいため、定期的に塗装をして防水性を高める必要があります。
塗装費用は他の素材と比べると比較的安いので、メンテナンスコストを抑えやすいのが利点です。耐用年数は50〜60年あるとされており、張り替えも頻繁に行う必要はありません。
関連記事:ALCパネルとは?外壁材に用いるメリット・デメリットと費用相場を解説
タイル
タイルは高温で焼き固めてあるため、耐傷性・耐久性が高く、色あせなどの劣化が起きにくい素材です。見た目も高級感があり、デザインのバリエーションも豊富です。また、表面に親水性があり、汚れがついても雨で自然に流れ落ちるため、メンテナンスに手間がかからないメリットがあります。
初期費用は高いですが、塗装費用はサイディングの半額程度に抑えられるため、長期的に見てコストパフォーマンスの高い素材だといえます。
関連記事:外壁タイルの特徴とメリット・デメリットを解説!種類・サイズの選び方も
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、鋼板に金属のメッキ加工をした外壁材のことで、おしゃれでスタイリッシュな外観が特徴です。耐久性が高く、長期的に見るとコストパフォーマンスは良好ですが、塩害がある地域には向きません。
ガルバリウム鋼板で塗装の剥がれが起きると、穴が空く可能性があるため、定期的な塗り替えが必要です。広範囲で塗装の剥がれが発生している場合は、張り替えを検討しましょう。張り替え費用は他の素材よりも比較的安価なので、メンテナンス費用を抑えられます。
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関連記事:ガルバリウム鋼板とは?メリット・デメリットと費用相場・耐用年数を解説
外壁補修の費用を抑える方法
外壁補修の費用は工夫次第で安く抑えられます。ここでは、費用を抑えたいときに役立つ4つの方法を紹介します。
DIYで自分で補修する
DIYで自分で補修すれば、業者への依頼費用を抑えられます。ただし、DIYができるのは症状が軽度な範囲に限られます。
表面的な塗膜の剥がれやひび割れ、コケや藻の除去ならDIYでも対応できるケースが多いです。しかし、劣化が激しくて広範囲に進行している場合は、かえって被害が拡大してしまう恐れがあるため、プロに依頼するのが無難です。
関連記事:外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説
助成金・補助金を活用する
外壁の修理には、自治体の補助金を活用できる場合があります。基本的に補助金を受け取れるのは、断熱や耐震を目的とする工事をする場合です。ほかにも細かな条件が定められており、すべてクリアしないと補助金を受け取れません。補助金の受け取り条件は自治体によって異なるので、ホームページなどで事前に確認しておきましょう。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説
火災保険で補償をしてもらう
大雨や台風、落雷やひょうなどの自然災害が原因で外壁を破損した場合は、火災保険で補償をしてもらえます。事前に保険会社の審査を受ける必要があるため、保険金を必ず受け取れるわけではありませんが、審査に通れば補修の費用負担を大幅に軽減できます。
ただし、経年劣化による破損は補償の対象外です。また、審査に通っても受給までに時間がかかる場合があるので、保険会社に問い合わせて確認しておきましょう。
関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
相見積もりを取る
工事を業者に依頼する際は、必ず相見積もりを取り、複数の業者の工事費用を比較しましょう。塗装工事は業者によって価格が異なるため、1社の見積もりだけでは費用相場がわかりません。
複数の業者から相見積もりを取れば、相場を把握できるとともに、相場より安すぎる業者や、法外な高額費用で工事を請け負う悪徳業者を回避できます。費用だけでなく、アフターフォローや接客対応なども比較して、信頼できる業者を選びましょう。
なお「外壁塗装の窓口」では、外壁や屋根の施工を行っている全国の優良店のみを厳選して紹介しています。経験豊富なアドバイザーが、契約前の相談から施工後まで無料でサポートするため、業者探しで困ったときはお気軽にご相談ください。
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関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
外壁補修の費用相場を把握して信頼できる業者に依頼しよう
外壁補修にかかる費用は、劣化症状や外壁の素材によって異なります。劣化症状が初期段階であれば費用も安く抑えられますが、劣化が激しく広範囲に広がっている場合は、費用も高くなる傾向にあります。
費用を安く抑えたい場合は、火災保険や補助金の活用を検討するとともに、業者の相見積もりを行いましょう。相見積もりをすることで相場を把握でき、信頼できる業者を見つけやすくなります。
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