2024-08-08 07:58:57 更新

樹脂系サイディングの塗装で後悔しない!価格や種類、メーカーを比較解説

樹脂系サイディングの塗装で後悔しない!価格や種類、メーカーを比較解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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樹脂系サイディングは耐久性が高く、北米で人気の高い外壁材です。日本での普及率は低いですが、メンテナンスに手間がかからないといったメリットがあるため、外壁塗装をするときの選択肢の一つとしておすすめです。

この記事では、樹脂系サイディングのメリット・デメリットを解説するとともに、塗装で後悔や失敗しないためのコツを紹介します。施工価格やおすすめのメーカーも紹介しているので、外壁塗装を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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樹脂系サイディングとは?

樹脂系サイディングのメリット

樹脂系サイディングのデメリット

樹脂系サイディングの塗装で後悔や失敗を防ぐ方法

樹脂系サイディングの人気メーカーを比較

樹脂系サイディングのメリットを活かした外壁塗装を実現しよう

樹脂系サイディングとは?

樹脂系サイディングとは、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を主原料としてつくられた外壁材です。耐久性が高く凍害にも強いことから、北米では50年以上も前から普及しており、シェア率は約50%を占めます。

日本でのシェア率はわずか1%程度ほどしかありませんが、北海道などの寒冷地などでは、重ね張りや張り替えの際に選ばれることがあります。

サイディングの種類

サイディングには、窯業系・金属系・樹脂系・木質系の計4種類があります。

窯業系サイディング 繊維などを混ぜたセメントを板状に成型してつくられた外壁材。優れた耐久性とコストパフォーマンスが人気で、新築戸建て住宅の70%超で使用されている。
金属系サイディング 金属板にウレタンなどを裏打ちしている外壁材。モダンでシャープな外観が特徴で、ひび割れや凍害の恐れがない。
樹脂系サイディング 塩化ビニル樹脂を使った軽量で耐久性の高い外壁材。メンテナンスの手間が少なく、凍害や塩害に強いことから、寒い地域や海の近くでの使用に適している。
木質系サイディング 木の板材を表面加工し、防腐・防蟻処理を施した外壁材。 自然木ならではの温もりを感じられるデザインが魅力だが、耐久性は低い。

上記のうち、日本で普及率が高いのは窯業系です。単純に「サイディング」と書かれているものは窯業系を指します。

樹脂系サイディングの価格相場と耐用年数

樹脂系サイディングは、他のサイディング材と比べて耐用年数に優れており、メンテナンスがほとんどいりません。その一方で、材料費が高い傾向にあります。

外壁材 材料費 耐用年数
樹脂系 約8,000~10,000円/㎡ 20~30年
木質系 約6,000~10,000円/㎡ 7〜10年
窯業系 約4,000~5,000円/㎡ 7~10年
金属系 約3,000~9,000円/㎡ 10~15年

材料費は高額ですが、その分耐久性が高いため、20〜30年は塗装をしなくても問題ありません。メンテナンス費用を抑えられることを考えれば、コストパフォーマンスは良好だと言えるでしょう。

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関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

樹脂系サイディングのメリット

日本ではあまり普及していない樹脂系サイディングですが、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  • 傷や汚れがつきにくい
  • 変色・ひび割れが起きにくい
  • 凍害・塩害に強い
  • 軽量で耐震性が高い

それぞれのメリットを詳しく解説します。

傷や汚れがつきにくい

樹脂系サイディングは独特な弾力性を持っており、傷や割れ(クラック)、へこみが発生するリスクが低いです。また汚れにくい性質もあるため、表面にほこりが付いても、雨で簡単に洗い流されます。

雨が当たらない箇所の汚れや、苔や藻が発生した場合でも、高圧洗浄機などを使って水をかければきれいに落とせます。普段の掃除やメンテナンスに手間がかからず、常にきれいな状態を維持できるのは、樹脂系ならではの強みです。

変色・ひび割れが起きにくい

樹脂系サイディングは材料そのものに色がついているため、時間がたっても色落ちがほぼありません。

窯業系の場合、サイディングボードに塗料を吹き付けて着色するため、経年劣化によって変色するリスクがあります。しかし、樹脂系は形成する前に樹脂そのものに顔料を練りこむため、退色や変色が起きにくく、いつまでも美しい外壁をキープできます。

また、素材自体に弾力があるため、台風などで物がぶつかっても、ひび割れを防ぐことが可能です。

凍害・塩害に強い

寒い地域では水分を含んだ外壁が凍って膨張し、ひび割れなどを引き起こす「凍害」が発生することがあります。しかし、樹脂系サイディングは撥水性のある塩化ビニール樹脂を主原料としているため、吸水性が低く、凍害の影響を受けにくい特徴があります。弾力もあるため、凍結してひび割れるケースはほぼありません。

さらに潮風などによる塩害にも強く、海沿いの地域でもサビや腐食などの心配はありません。寒冷地域や海浜地域では、樹脂系サイディングが重宝するでしょう。

軽量で耐震性が高い

樹脂系サイディングはモルタルやタイル外壁に比べて軽量で、国内で最も普及している窯業系サイディングと比べても約1/10の重量しかありません。そのため、建物への負担が少なく、耐震性が高いメリットがあります。

建物の重量は耐震性に大きく影響します。重い外壁材を用いると耐震性がダウンしてしまいますが、軽量にすることで耐震性を向上できます。カバー工法などのリフォームにおいても、軽量な樹脂系は重宝するでしょう。

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樹脂系サイディングのデメリット

メリットの多い樹脂系サイディングですが、実際に施工する際には知っておきたい欠点や注意点があります。 ここでは、主なデメリットについて解説します。

色やデザインが少ない

他の外壁材に比べると、色やデザインのバリエーションは多くありません。樹脂自体に色が施されているため、変色しないメリットがある一方で、複雑なデザインは再現ができないのです。単色デザインのみとなるため、やや物足りない印象を受けてしまうでしょう。

また生産も少ないため、他のサイディング材と比べると商品数が限られます。機能面では優れていても、気に入ったデザインや色がないことから、施工を諦めるケースも少なくありません。デザイン性を重視したい人や、気に入った色に施工したい人は、他のサイディング材を検討したほうが良いでしょう。

施工費が高い

樹脂系サイディングの施工費用は、一般的な30坪の住宅で約150~300万円が相場です。外壁材の主流である窯業系は100~200万円程度が相場なので、やや高額といえるでしょう。

施工費用は高額ですが、耐久性が高く、塗装やシーリングのメンテナンスなどが必要ないため、トータルコストで考えると安くなるケースもあります。

他のサイディング材は、10年程度を目安に塗装やシーリングなどのメンテナンスを行う必要があります。外壁塗装は1回の施工で約100万円程度かかるため、メンテナンス費用まで含めて考えると、樹脂系のコストパフォーマンスは決して悪くありません。

軽量な樹脂系はカバー工法などでも使えるので、モルタル外壁などからリフォームする人も増えています。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

対応業者が少ない

樹脂系サイディングの国内シェア率は1%程度とかなり低いため、施工できる業者は限られます。 

凍害などへの耐久性が高いことから、北海道や東北などの寒冷地では外壁に採用する住宅が比較的多く、リフォーム会社が施工を推奨しているケースもあります。

しかし、それ以外の地域は普及率も認知度も低いため、業者探しで苦労するかもしれません。取り扱いがある業者であっても、施工経験が少ないことがあるため注意が必要です。

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樹脂系サイディングの塗装で後悔や失敗を防ぐ方法

樹脂系サイディングは普及率が高くないだけに、業者選びを間違えると塗装で失敗するリスクがあります。施工してから後悔しないためには、業者の選定が重要です。

ここでは、塗装業者を選ぶときに注目すべき2つのポイントを紹介します。

自社施工の塗装業者に依頼する

施工費用をなるべく安く抑えるために、自社で工事をしている業者に依頼しましょう。

ゼネコンやハウスメーカーに依頼すると、工事を下請け会社に委託するため、中間マージンが施工費用に上乗せされてしまいます。依頼した会社が工事もすべて行えば、余計なコストが発生しないため、費用は1〜3割ほど安くなります。

自社施工の業者を見抜くために、会社のホームページを確認しましょう。ホームページに職人の顔写真などを載せていれば、職人を直接雇用して自社で工事をしている可能性が高いです。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

実績が多い塗装業者を探す

樹脂系サイディングの施工経験が豊富な業者に依頼することも重要です。施工実績が乏しい業者に依頼すると、工事に失敗して劣化しやすくなります。施工後に頻繁なメンテナンスが必要となるため、トータルコストも高額になるでしょう。

もともと施工できる業者が限られているため、離れた市区町村の会社も含めて見積もりを依頼することが大事です。見積書やホームページで施工実績を確認して、信頼できる業者に依頼しましょう。

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樹脂系サイディングの人気メーカーを比較

国内での普及率は高くないものの、樹脂系サイディングを製造・販売しているメーカーがいくつかあります。 ここでは主なメーカーと主要商品を紹介します。

ゼオン化成「ゼオンサイディング」

ゼオン化成のゼオンサイディングは、 5種類のデザインと豊富なカラーバリエーションを用意しています。横張りはもちろん、縦張りデザインの製品もあるので、さまざまな住宅デザインが可能です。

ゼオンサイディングなら、デザイン性が低いといわれる樹脂系の欠点を補えるため、機能性だけでなく見た目も満足できる仕上がりを期待できるでしょう。

また、既存壁に直接施工するオープンジョイント工法での施工に対応しているため、工事費用を安く抑えたい人にもおすすめです。

エポックス「永久美人」

エポックスの永久美人は、永久という名前の通り、耐久性の高さが魅力です。最高級の高耐久酸化チタンを配合した樹脂を使用しているのが特徴で、30年という長いメーカー保証が付いていることからも、耐久性への自信はかなりのものだと言えます。

1997年ごろから販売を開始し、すべての工事を自社施工で行っているため、施工実績も豊富です。資料請求をはじめ、施工例見学会も随時行っており、事前に出来上がりを確認したうえで依頼ができます。

ニチハ「モエンエクセラード」

ニチハのモエンエクセラードは、樹脂系から窯業系まで多彩なバリエーションを有する外壁材です。再現性の高い柄表現と高い機能性が特徴で、イメージにぴったりの雰囲気に仕上げます。

超高耐候塗料のプラチナコートをはじめ、セルフクリーニング機能のマイクロガードや15年の変色保証などを有しているため、施工直後の美しさを長く保ちたい人におすすめです。ホームページには施工例が載っているので、実際に施工する際の参考になるでしょう。

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樹脂系サイディングのメリットを活かした外壁塗装を実現しよう

樹脂サイディングは耐久性が高く、メンテナンスの手間がかからない優れた外壁材です。軽量で耐震性も高いため、地震が多い日本にぴったりだと言えるでしょう。

利点が多い一方で、流通量が少なく、施工できる会社が少ないといったデメリットがあります。地域によっては、施工できる業者が見つからないこともあるでしょう。

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