2024-07-05 06:13:38 更新

外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説

外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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自宅のメンテナンスに欠かせない外壁塗装は、業者に依頼すると60万円〜90万円ほどの費用が発生します。外壁の劣化が激しい場合や、建物が大きく塗装面積が広い場合には100万円以上の見積もりとなる可能性も高いので、費用を節約するためにDIYできないかと考える方は少なくありません。

DIYであれば、業者に依頼した時の人件費や事務手数料がかからず、材料費のみで外壁塗装できると考えている方も多いです。しかしDIYによる外壁塗装は、塗装前の高圧洗浄や養生が不十分で大きな手間が発生したり、外壁材に合わない補修材や塗料を使用したことで施工不良を起こしたりする危険性があります。

そのためDIYによる外壁塗装は、十分に手順や塗装方法を理解した上で、安全に行える範囲内で実施する必要があります。本記事では、外壁塗装をDIYするための道具や手順、業者に依頼した方が良いケースについてご紹介します。

その他の外壁塗装を安くする方法はこちらで解説しています

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外壁塗装はDIYした方が安くなる?

外壁塗装のDIYで必要な道具

外壁塗装をDIYする方法・手順

外壁塗装をDIYする時の注意点

外壁塗装をDIYせず業者に依頼した方が良いケース

まとめ

外壁塗装はDIYした方が安くなる?

外壁塗装を専門業者に依頼することなくDIYした場合、面倒なやり取りが発生せずに好きなタイミングで作業できるメリットがあり、初期費用が安く抑えられる傾向にあります。

しかし実際にDIYで外壁塗装した方の中には、施工不良を起こして外壁の状態が悪化してしまい、結局専門業者に依頼して高額な費用が発生するケースが珍しくありません。素人の間違った塗装や補修で業者の作業が増えた結果、最初から業者に依頼しておけば発生しなかった費用まで請求されることが多いのです。

また、施工不良を起こしている外壁をそのまま放置してしまった結果、外壁の保護機能が失われ、外壁材の劣化が進んでしまうこともあります。表面の塗装だけではなく外壁材自体が傷んでしまえば、外壁塗装よりも大規模なリフォームである「張り替え工事」が必要になることもあります。外壁塗装と比べて張り替え工事では、工事の規模が大きくなる分、費用は高額になります。

こうしたケースが多いことを考えると、DIYによってその場では費用を安く抑えられたが、長期的にみると余分な費用が発生してしまい、トータルコストが膨らんでしまう可能性が非常に高いのです。高所での作業は落下の危険性があり、養生が不十分だと近隣トラブルの原因にもなるため、原則としてDIYでの外壁塗装はおすすめできないことを押さえておきましょう。

外壁塗装のDIYで必要な道具

DIYでの外壁塗装はなるべく避けた方が良いですが、高所での作業が発生せず、狭い範囲の外壁であれば、DIYで応急的な外壁塗装を行うことが可能です。その際に必要となる道具には、以下のようなものが挙げられます。

  • 塗料(上塗り用と下塗り用の2種類)
  • ローラーまたは刷毛
  • ローラー皿
  • バケツ、バケット
  • マスク、ゴーグル、ビニール手袋
  • ウエス
  • 高圧洗浄機
  • 養生シート、ブルーシート
  • マスキングテープ、養生テープ、マスキングテープ
  • スクレーパー、はく離材
  • ワイヤーブラシ、金属製のたわし、サンドペーパーなど
  • ローラーの延長棒

いずれも通販やホームセンターで買い揃えることは可能ですが、高圧洗浄機など高額な商品も含まれるためご注意ください。また、外壁塗装で使う塗料には、上塗り用と下塗り用の2種類が必要になることを押さえておきましょう。

外壁塗装をDIYする方法・手順

続いて、DIYで外壁塗装を行う方法について、具体的な手順ごとにご紹介します。

  • 外壁の洗浄・養生
  • 下地処理
  • コーキングの打ち直し
  • 下塗り
  • 上塗り

これらの工程について順番に解説していきます。

外壁の洗浄・養生

外壁塗装を行う際には、まず外壁と周辺の洗浄・養生を済ませる必要があります。外壁材に塗料が密着しやすくなるよう、高圧洗浄機やスクレーパーを使って外壁の汚れを落とします。汚れの程度によっては家庭用の高圧洗浄機では水圧が足りず、業務用高圧洗浄機が必要になることもあります。

また、塗料がエアコンの室外機や窓サッシなどに飛散しないよう、シートで覆う養生も欠かせません。隣家との距離が近い住宅の場合には、丁寧に養生を行わなければ近隣トラブルの原因になります。

下地処理

下地処理は、外壁に発生したひび割れを補修し、隙間を埋める作業のことを指します。外壁材に合わせて最適な補修材や充填材が必要になりますので、自宅がどのような外壁材を使っているのかを調べた上で作業を進める必要があります。下地処理に失敗してしまうと、補修材がすぐにはがれてしまったり、上から塗った塗料が浮いてしまったりして、見栄えが悪くなるためご注意ください。

コーキングの打ち直し

コーキングとは、外壁材の継ぎ目や目地に使われるゴムのような部分です。外壁塗装が必要になるタイミングでコーキング材の寿命を迎えていることも多いため、劣化したコーキングを取り除き、コーキングガンを使って新たなコーキング材を充填します。コーキング材にもいくつかの種類があり、浴室やキッチン用のコーキング材ではなく、外壁用に設計された製品を選ぶ必要があります。

関連記事:外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説

下塗り

上塗りに使用する塗料がしっかりと外壁と密着するよう、まずは外壁全体に下塗りを施します。下塗りは、外壁が塗料を吸収することを防ぐ役割もあるため、広い面にはローラーを使い、角の部分には刷毛を使いながらムラがないよう塗装します。下塗りでは塗料を厚く塗りすぎないように注意してください。

上塗り

下塗りで使った塗料が乾燥してから、上塗り用の塗料を使って仕上げます。なお、上塗りでは中塗り・上塗りの2回同じ塗料で塗装を繰り返す必要があり、2回塗りすることで塗りムラを減らし、塗装の耐久性を高めるメリットがあります。見た目も美しく仕上がるので、必ず2回塗りで塗装するようにしましょう。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

外壁塗装をDIYする時の注意点

外壁塗装のDIYは、上記の道具と手順によって進めることは可能ですが、その際には以下の3つの点には十分に注意する必要があります。

  • 安全のため必ず足場を設置する
  • 塗装前に必ず洗浄・養生を行う
  • 施工不良を防ぐためには技術が必要

それぞれ解説しますので、DIYを行う前に必ず目を通しておいてください。

安全のため必ず足場を設置する

外壁塗装をDIYする場合にも、安全のため必ず足場を設置するようにしてください。特に高所での作業が発生する場合には、はしご・脚立を使った塗装は非常に危険です。足場の設置を専門としている業者も存在しますので、そうした業者にも依頼しながら安全に作業できる環境を整えてから、外壁塗装のDIYを行いましょう。外壁塗装や屋根塗装中の落下事故は、プロの業者でも発生しているほどですので、ヘルメットや安全ベルトなどを使わずに屋根に登って塗装するのは絶対に避けてください。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

塗装前に必ず洗浄・養生を行う

外壁塗装は、外壁に汚れが残ったままでは塗料が密着せず、施工不良を起こす原因になります。カビ・コケ・藻が付着していれば洗浄して取り除き、古い塗料やサビが残っている場合にもスクレーパーを使って削り落とす作業が必要になります。業務用の高圧洗浄機であればスムーズに洗浄できますが、家庭用の高圧洗浄機では水圧が足りず、汚れを落としきれない可能性もあるのでご注意ください。

また、建物の美観を損なうことを防ぎ、近隣トラブルを起こさないためにも、丁寧に養生して塗料が飛散しないように配慮することも重要です。

施工不良を防ぐためには技術が必要

外壁塗装では、塗料選びや塗料の乾燥時間、下塗り・中塗り・上塗りのタイミングなどを正しく守って施工するために、専門の技術が必要となります。外壁材に合わない安価な塗料を選んでしまえば外壁塗装の寿命は縮んでしまいますし、塗料の乾燥時間や上塗りのタイミングなども当日の天気に合わせて考えなければなりません。

施工不良を防ぎ、正しく外壁塗装を行う自信がない場合には、時間と労力を無駄にしないためにもプロの業者に頼ると良いでしょう。

外壁塗装をDIYせず業者に依頼した方が良いケース

最後に、外壁塗装をDIYせずに業者に依頼した方が良いケースについて、以下の3つをご紹介します。

  • 高所での作業が必要になる場合
  • 外壁の傷みがひどい場合
  • 美しい仕上がりにこだわりたい場合

これらのうち一つでも当てはまる場合には、業者に依頼した方がトータルコストを抑えられる可能性が高いので、相見積もりをとって料金を比較しながら、自宅に合った塗装業者を選ぶようにしましょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

高所での作業が必要になる場合

住宅の2階部分や屋根の塗装など、高所での作業が必要になる場合には、プロの業者に依頼した方が良いでしょう。高所での作業では別途足場の設置を依頼する必要がありますし、足場の設置のみ業者に依頼して外壁塗装をDIYするよりも、外壁塗装全体をプロの業者に任せてしまった方が安心です。また、はしごや脚立を使った作業は落下して怪我を負う危険性もあるため、無理にDIYしようとせずにプロの業者を頼るようにしましょう。

外壁の傷みがひどい場合

外壁に大きなひび割れや外壁材の反りが発生しているなど、外壁の痛みがひどい場合にもプロの業者を呼んだ方が良いでしょう。外壁の劣化具合によっては、外壁塗装ではなく張り替え工事やカバー工法が必要になることがあります。下地補修やコーキングの補修なども必要になる可能性が高いため、まとめてプロの業者に依頼した方が安心です。外壁の劣化を直すために塗装以外の作業も発生しそうであれば、最初から業者の力を借りるようにしましょう。

美しい仕上がりにこだわりたい場合

外壁塗装の仕上がりにこだわりたい場合にも、DIYではなくプロの業者に依頼する方が賢明です。素人のDIYでは、どれだけ気をつけていても塗りムラが発生し、完成後にも悪目立ちしてしまうことが多いです。住宅の外壁材には、それぞれ適した塗料や色が存在するので、プロの業者の知見を利用して美しい仕上がりになるよう依頼するのがおすすめです。業務用の塗料であれば、塗料の機能性やカラーバリエーションも豊富なので、積極的に依頼してみましょう。

まとめ

外壁塗装は正しい道具と手順によってDIYすることは可能で、業者の都合に左右されることなく好きなタイミングで塗装できるほか、業者との面倒なやり取りが発生しないメリットがあります。しかし素人のDIYでは、外壁塗装の初期費用が安くなったとしても、長期的なメンテナンスコストが上昇して将来的に高額な費用が必要となることも多いです。

また、足場を設置せずに高所で作業を行った結果、落下して怪我を負ってしまうリスクも高まります。高圧洗浄機やスクレーパーを使って外壁の汚れを落とし、塗料が飛散しないように養生しておく作業も欠かせません。

そのため2階部分や屋根を含めた高所の外壁塗装が必要な場合や、外壁の劣化が激しい場合、美しい仕上がりにこだわりたい場合などは、はじめからプロの業者に依頼することをおすすめします。失敗しない外壁塗装業者の選び方については下記のページでも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

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