2024-07-05 06:10:33 更新

外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説

外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁の経年劣化が進むと、外壁の表面に緑色のコケや藻が発生しやすくなります。コケは水分を含みやすいため、外壁の塗料や外壁材の劣化を早め、住宅を傷めてしまう原因になります。そのため外壁のコケが発生している時には、手が届くところはご自身での掃除、高所や落としにくいコケは専門業者に依頼して除去することが大切です。

今回の記事では、外壁でコケが繁殖しないように予防する方法や、コケを放置した場合のリスクについて解説します。コケが生える原因についても紹介しているので、美しい外壁を長持ちさせるためにぜひ参考にしてください。

目次閉じる

外壁のコケをスッキリ落とす方法は2つ

外壁にコケが発生する原因とは?

外壁のコケを放置した時のリスク

外壁にコケを繁殖させないための予防法

まとめ

外壁のコケをスッキリ落とす方法は2つ

すでに外壁のコケが発生してしまっている場合、外壁の劣化を防ぐためにも早めに取り除くことが大切です。コケをスッキリ落とすための方法には、自分で洗剤やブラシを使って落とす方法と、業者に依頼して高圧洗浄や業務用クリーナーを使って落とす方法の二種類があります。

ここではそれぞれのメリット・デメリットや注意点をご紹介します。

自分で掃除する

外壁のコケを自分で掃除できるのは、コケの程度が軽く、かつ外壁の一階部分など低い位置に発生している場合です。軽度のコケであれば、家庭用のコケ洗浄剤を使い、コケ取り用のブラシやスポンジで擦り洗いすることで落とすことができます。コケ落とし用の洗剤やアイテムはホームセンターでも売られているので、手軽に調達することができます。

ただし、根深いコケが広範囲に広がっている場合には、家庭用の洗剤では落としきれない可能性が高く、強く擦ってしまえば外壁材を傷める原因になります。また、2階部分など高所にあるコケは、足場を組んで洗浄する必要が出てくるため、DIYでの掃除は避けた方が良いでしょう。足場なしで高所作業を行い、転落して怪我を負ってしまうリスクもあるため、無理せずに専門業者に依頼するようにしてください。

専門業者にクリーニングを依頼する

外壁に重度のコケが発生している場合や、高所のコケを取り除きたい場合には、専門業者による高圧洗浄でコケを落としてもらいましょう。家庭用には販売されていない強力な業務用クリーナーを用いて、外壁材を傷めることなくコケと取り除くことも可能です。また、事前に足場を組んでエアコンの室外機などは養生を施してから作業を行うので、汚水で家の周りが汚れる心配もありません。

自分でコケ掃除する場合を比べるとコストがかかるのがデメリットですが、コケをスッキリと除去することで外壁材の劣化を抑え、家の寿命を延ばすことができると考えれば、費用対効果の高いメンテナンスです。クリーニングの前に現地調査を依頼して、外壁の再塗装や張り替え工事が必要な状態でないかを確認してもらうことで、クリーニングではなく新品への交換を検討することもできるでしょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

外壁にコケが発生する原因とは?

外壁のコケをきれいに落とし、今後繁殖させないためには、コケが発生する条件や原因について知っておくことが大切です。ここでは外壁にコケが発生する以下の3つの原因について、対策とともにご紹介します。

  • 日当たり・風通しが悪い
  • 水場や植物が近い
  • 外壁の塗膜が劣化している

それぞれ順番にチェックしていきましょう。

日当たり・風通しが悪い

外壁にコケが発生する大きな原因として、日当たりが悪く、風通しが悪い環境が挙げられます。コケは湿った環境を好み、日光で乾燥しにくく、湿った空気が溜まりやすい場所で繁殖しやすい植物です。そのため隣家や建物の影になってしまう部分や、日が当たりにくい北側の外壁は、コケが発生しやすい傾向にあります。

日当たり・風通しの改善は難しいことが多いですが、湿った空気が留まりにくいよう、地面に軽石を混ぜたり雑草を定期的に抜いたりして、外壁の周りを乾燥した状態に保てるように工夫するのが効果的です。

水場や植物が近い

外壁にコケが発生するのは、コケの胞子が飛来して外壁に付着してしまうことが原因です。コケの胞子は自然界のあちこちに存在しますが、特に林・森の近くや川の近くから飛んできやすい性質があります。コケの胞子は目に見えないため、気づいた時には外壁の広い範囲でコケが繁殖していることも少なくありません。

こうした立地条件の住宅では、定期的に外壁の表面を洗い流し、付着した胞子を落とすように心がけるだけでも対策になります。外壁の掃除は、カビや藻の繁殖を防ぎ、外壁の劣化状況をチェックできるメリットもあるので、定期的に手入れしてみましょう。

外壁の塗膜が劣化している

外壁の塗料が作っている「塗膜」が劣化すると、外壁の防水性が失われて外壁に水分が浸透し、コケの栄養源となる水分が溜まってしまいます。さらに雨が降って湿度が上がれば、カビの繁殖も招いてしまう原因になります。

外壁の塗料は、短いもので5年程度で寿命を迎えるものもあります。コケが生えてきたと感じた頃には、塗料の防水性が失われている可能性も高いため、早めに外壁の再塗装を行うことをおすすめします。その際には、光触媒塗料などのコケ・汚れに強い塗料を使用すると、コケが生えにくい外壁を維持することができます。

外壁のコケを放置した時のリスク

コケ自体は自然界に生息する植物であり、放置しても大きな問題はないのではないかと考える方もいるかもしれません。しかしコケを放置することは、外壁を劣化させて家の寿命を縮め、さらにカビの繁殖を招いて健康被害につながる可能性もあるのです。

なぜ外壁のコケを放置するのがNGなのか、その理由と考えられるリスクを解説します。

外壁材に水分が侵入して劣化が進む

外壁に生えたコケを放置すると、コケ自体が水分を多く含むため、外壁材の天敵である湿度が高い状態が続いてしまいます。表面にコケが付着した状態が続けば、少しずつ外壁材に水分が浸透し、外壁の反り・浮きを招く原因になるのです。外壁材に隙間ができて雨水が侵入してしまえば、外壁材の内側が腐食してしまう可能性も考えられます。

外壁材の内側が傷んでしまうと、外壁塗装や補修工事では対処できず、外壁前面の張り替え工事が必要となることもあります。外壁リフォームは大規模な工事ほど費用が高額になるため、コケを放置した結果高額なリフォーム費用が発生することもあるのです。

カビの繁殖が進み人体への影響も

外壁で繁殖したコケは、カビが好む水分や有機物のもととなるため、健康被害を招くカビが発生する危険性があります。発生したカビが室内に入り込むことで、アレルギー症状を起こす原因になるのです。また、コケが放出する胞子にもアレルギー症状を起こす可能性があるため、小さなお子様がいる家庭では特に注意が必要です。

外壁に繁殖したカビも、コケと同様に専門業者に依頼すれば落とすことが可能です。緑色のコケだけではなく、黒カビや赤カビも発生しているようであれば、早めのクリーニングを依頼しましょう。

外壁にコケを繁殖させないための予防法

最後に、外壁にコケを繁殖させないためにできる予防法について、次の3つをご紹介します。

  • 家の周囲の風通しを良くする
  • ツヤのある塗料や光触媒塗料で塗装する
  • 金属系サイディングに交換する

これらの対策を行いながら、美しい外壁の状態を保ちつつ、家族の健康を守りましょう。

家の周囲の風通しを良くする

外壁にコケが生えるのを予防するためには、外壁の周りに物を置かないように心がけ、風通しを良くするのがコツです。植木鉢や掃除用具、古い家具などを家の周りに放置してしまうと、湿気が溜まりやすい空間が生まれ、コケの繁殖を招いてしまいます。自宅の外観も損ねてしまうため、家の周囲はできるだけきれいに片付けて、空気の流れを改善すると良いでしょう。

また、伸び放題の雑草も湿気が上昇する原因になるため、定期的に雑草を取り除くのも大切です。

ツヤのある塗料や光触媒塗料で塗装する

外壁のコケは、外壁塗装で使う塗料を工夫することでも予防できます。防カビ性能を備えたツヤのある塗料を選べば、表面に胞子や汚れが付着しにくく、コケが繁殖しにくい外壁を作ることができます。また、「光触媒塗料」を使うと、表面の汚れを浮かせて雨水で洗い流すセルフクリーニング機能を備えているため、コケ・カビの抑制につながります。

機能性の高い塗料は、そうでない塗料よりも費用は高価になりますが、大切な住宅をコケから守り、カビの健康被害から家族を守るためにも、積極的に検討してみることをおすすめします。

関連記事:光触媒塗料を外壁塗装に使うメリット・デメリットとは?費用相場や注意点を解説

金属系サイディングに交換する

自宅の外壁材の寿命を迎えている場合や、外壁リフォームでデザインを一新したい場合には、コケが発生しにくい金属系サイディングを選ぶのがおすすめです。表面の凹凸が少ない金属系サイディングであれば、水分や湿気が溜まりにくく、コケの胞子も付着しにくいからです。

金属系サイディングは、モルタル外壁や窯業系サイディングのようにひび割れることもないため、ひび割れから雨水が侵入することもありません。近年では金属系サイディングにも豊富なデザインが販売されており、デザイン重視の方にも選びやすい外壁材となっているため、一度リフォーム会社に相談してみると良いでしょう。

関連記事:金属サイディングのメリット・デメリットとは?後悔しない業者選びのコツも解説

まとめ

外壁で発生したコケは、低所にある軽度のコケであればDIYで洗い流すことも可能です。しかし根深く広範囲に広がったコケや高所で繁殖したコケは、専門業者に依頼してクリーニングしてもらうことをおすすめします。コケは湿気を好む植物であり、日当たり・風通しが悪い場所で特に繁殖しやすい性質を持ちます。水場や植物が多い環境でも発生しやすいので、こまめに外壁を洗い流すなどの手入れが必要です。

外壁のコケを放置すると、建物の寿命を縮めるだけではなく、家族の健康を損ねてしまう可能性もあります。そのため外壁の周囲を片付けて風通しを良くしたり、コケが生えにくい外壁材・塗料を使用したりして、コケを繁殖させないための対策を実施してみましょう。

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