2024-07-05 06:12:20 更新

外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説

外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁のコーキングは、外壁材の継ぎ目に使用される伸縮性のある素材で、雨水の侵入を防いだり、建材を固定したりする目的で使用されます。コーキングの耐用年数は5年〜10年ほどとなっており、ひび割れなどの劣化が進んだ際には補修工事が必要となります。もし外壁コーキングの劣化を放置してしまうと、外壁からの雨漏りが発生して建物が傷んでしまうことがあるのです。

本記事では、外壁コーキングの劣化を放置した時のリスクと、コーキングがひび割れてしまう原因、そしてコーキングの補修費用についてもご紹介します。

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外壁のコーキング(シーリング)とは?

外壁コーキングの劣化症状

外壁コーキングの劣化を放置した場合のリスク

外壁コーキングの補修費用

外壁コーキングの補修を依頼する時のポイント

まとめ

外壁のコーキング(シーリング)とは?

外壁のコーキングとは、「シーリング」とも呼ばれる部分で、外壁の継ぎ目・目地を埋めるゴムのような素材を指します。外壁材同士がぶつからないようクッションとしての役割を果たすほか、継ぎ目から雨水が侵入しないように防水性を高める機能もあります。コーキングは外壁で使われる以外にも、キッチン・浴室・屋根などさまざまな場所で使用されています。

外壁コーキングが劣化する原因

外壁コーキングが劣化する原因には、主に紫外線や風雨による経年劣化が挙げられます。外壁に使われるコーキング材は5年〜10年で寿命を迎えるため、新築や前回のリフォームから5年以上経過した外壁でコーキングのひび割れなどが見られる場合には、経年劣化であると判断できます。

一方で、新築もしくはコーキングの補修工事から数ヶ月〜1年程度で劣化が発生している場合には、施工業者による施工不良が原因であることが考えられます。充填するコーキング材の量が不足している場合や、外壁材と相性の悪いコーキング材を使用してしまったケースが考えられます。

外壁のコーキング・シーリングの違い

外壁材の継ぎ目や目地に使われるコーキングは、「シーリング」と呼ばれることも多いですが、これらはほぼ同一のものと考えて良いでしょう。コーキング・シーリングはいずれも継ぎ目や目地を埋めるために使われるものであり、リフォームの現場でも同じ材料を刺して使われる言葉です。職人の年代や依頼する業者、もしくは地域によって呼び方に違いはありますが、どちらも同じ意味として理解して問題ありません。

外壁コーキングの劣化症状

外壁コーキングの寿命を迎えて劣化が進むと、コーキング材には以下のような症状が見られるようになります。

  • コーキングの硬化
  • コーキングのひび割れ
  • コーキングの肉痩せ

それぞれ詳しく解説します。

コーキングの硬化

外壁コーキングの劣化の初期症状は、コーキング材の柔軟性が失われる硬化現象です。施工直後と比べてコーキング材そのものが硬くなり、衝撃に弱くなる傾向があります。硬化したコーキング材に振動や衝撃が加わると、ひび割れを起こしてさらに劣化が進行します。

コーキングのひび割れ

外壁コーキングの主な劣化症状が、コーキング材のひび割れです。紫外線や風雨にさらされることでコーキング材の柔軟性が失われ、振動などの衝撃が加わることでひび割れが発生します。ひび割れた外壁コーキングを放置してしまうと、ひび割れが深くなり、コーキング材そのものが切れてしまう「破断」という症状につながるため、早めの補修工事が必要です。

コーキングの肉痩せ

外壁コーキングの劣化症状には、充填したコーキング材が細くなってしまう「肉痩せ」という症状も挙げられます。外壁材の継ぎ目を埋める役割が果たせなくなり、外壁材とコーキング材との間に隙間が生まれてしまう状態です。さらに劣化が進むと、コーキング材と外壁材の間に大きな隙間が空いてしまう「剥離」が起こる可能性があります。

外壁コーキングの劣化を放置した場合のリスク

劣化した外壁コーキングは、丁寧に点検しなければ気づきにくく、補修せずに放置してしまうことも珍しくありません。しかしコーキング材の劣化を放置してしまえば、次のようなリスクにつながってしまいます。

  • 外壁から雨漏りが発生する
  • カビ・シロアリの被害が広がる

こうした事態を防ぐためにも、コーキング材は定期的に点検し、劣化が見られる場合には早めに補修工事を検討するのが大切です。劣化を放置したリスクについてそれぞれ詳しく解説します。

外壁から雨漏りが発生する

外壁コーキングは、外壁の防水性を高める役割を持っており、ひび割れや破断・剥離によって隙間が生まれてしまえば、その部分から雨水が侵入する危険性があります。雨漏りといえば屋根から起こるイメージがあるかもしれませんが、風の強い雨の日などは外壁から雨漏りが進むことも少なくありません。

外壁からの雨漏りは室内からは確認できないことが多く、壁に大きなシミができる頃には雨漏りが大きく進行していることもあります。雨漏りが発生した外壁は、内側の外壁材を傷めてしまい、外壁や建物自体の耐久性が低下して寿命が縮んでしまう可能性が高いです。こまめにメンテナンスすればコーキングの補修工事だけで済んでいたところが、コーキングの劣化を放置したことで外壁全体の張り替え工事が必要になるケースもあるのです。

外壁の張り替え工事は、コーキングの補修工事よりも大規模な工事を必要とするため、リフォーム費用も高額になります。将来のリフォーム費用を抑えるためにも、外壁コーキングは定期的に点検・メンテナンスを行うことが大切です。

カビ・シロアリの被害が広がる

外壁コーキングの劣化を放置して雨漏りが発生すると、カビ・シロアリの被害が広がることもあります。雨漏りによって外壁材の内側の湿度が高まってカビの原因になるほか、外壁材の浮き・反りが発生してしまうことからシロアリの被害を受けやすくなるのです。カビ・シロアリも建物の寿命を縮める大きな原因であり、大規模な外壁リフォームが必要になる可能性が高まるので、十分に注意する必要があります。

外壁コーキングの補修費用

外壁コーキングの補修工事では、一般的な広さの住宅で25万円〜45万円が補修費用の目安とされています。古いコーキングを取り除いてから新しいコーキング材を充填する「打ち直し」の方が補修費用は高くなる傾向にありますが、古いコーキングを取り除かない「増し打ち」ではコーキングの耐久性が低下する危険性があります。

また、外壁コーキングの補修工事で高所での作業が含まれる場合には、職人が安全に作業できるよう足場の設置が必要となります。足場代は約15万円〜20万円ほどが目安なので、コーキングの補修費用のうち足場代が大きな割合を占めることになります。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

外壁コーキングの補修を依頼する時のポイント

最後に、外壁コーキングの補修を依頼する時のポイントについて、以下の3つをご紹介しましょう。

  • DIYは避けてコーキングの「打ち直し」を依頼する
  • 外壁塗装と同時に依頼する
  • 5年〜10年ごとに定期的に点検する

外壁コーキングの寿命を延ばし、補修費用を節約するためにも、これらのポイントを踏まえて補修工事を依頼してみてください。

DIYは避けてコーキングの「打ち直し」を依頼する

コーキングの劣化はDIYによる補修を検討する方は少なくありませんが、外壁コーキングは外壁の寿命を左右する重要な部位であり、素人のDIYで施工不良を起こしてしまうと、建物の寿命を縮める原因になります。また、DIYに失敗したコーキングの後処理をリフォーム業者に依頼した場合には、DIYする前に補修工事を依頼した場合と比べて高額になることも多いです。そのためDIYでの補修工事は避けて、最初から専門のリフォーム業者に依頼することをおすすめします。

その際には、古いコーキング材を取り除いてから新しいコーキング材を充填する「打ち直し」を指定することも忘れないようにしましょう。古いコーキング材を取り除かない「増し打ち」では、コーキングの内側で劣化が進んだ場合に気づきにくく、大きな劣化が進んでしまう可能性があるためです。

関連記事:外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説

外壁塗装と同時に依頼する

外壁コーキングの補修工事は、外壁塗装と同時に依頼することをおすすめします。外壁コーキングの寿命を迎える5年〜10年後には、外壁の塗装が寿命を迎えていることも多く、同時にメンテナンスすることで外壁の耐久性や美観を改善することができるからです。使用するコーキング材によっては、コーキング材を充填してから表面を塗装することで、コーキング材の劣化を防いで寿命を延ばせることもあります。

また、外壁コーキングの補修工事と外壁塗装を同時に依頼すれば、一つの足場をそれぞれの工事で使い回すことができるため、別々に工事を依頼した場合と比べてトータルの費用を節約できるメリットもあります。新築または前回の外壁塗装から10年以上経過している場合には、コーキングの補修工事とともに外壁塗装も依頼してみると良いでしょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

5年〜10年ごとに定期的に点検する

外壁コーキングは紫外線や風雨にさらされやすく、約5年〜10年で寿命を迎えてしまいます。外壁や建物の寿命を縮めてしまわないためにも、5年〜10年ごとに定期的に外壁を点検すると良いでしょう。プロの業者に点検を依頼し、補修工事が必要な状態かどうかを相談してみるのも効果的です。

こまめな点検・メンテナンスを実施すれば、一回あたりの補修費用を抑えて長期的なメンテナンスコストも節約できるので、劣化がひどくなる前に早めに点検を依頼してみましょう。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

まとめ

外壁コーキングは、外壁材の継ぎ目や目地を埋めることで、外壁材を保護するクッションの役割や雨水の侵入を防ぐ役割があります。外壁コーキングは紫外線や風雨によって少しずつ経年劣化が進み、コーキング材の硬化やひび割れ、肉痩せといった劣化症状が現れます。そうした劣化症状を放置してしまうと、外壁からの雨漏りが発生したり、カビ・シロアリによる被害が広がったりするため、早めに補修工事を行うことが大切です。

外壁コーキングの補修費用では、高所での作業に必要な足場代が大きな割合を占めているため、足場を使いまわせるように外壁塗装を同時に依頼するのがおすすめです。外壁や建物の寿命を延ばすためにも、コーキング材の寿命を迎える5年〜10年ごとに点検・メンテナンスを行いましょう。

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