外壁塗装において、業者に見積もりを作成してもらい、「想定よりも費用が高い」と感じる方も少なくありません。このように費用が高いと感じてしまう背景には様々な理由があります。
本記事では、外壁塗装の相場や高いと感じる理由、費用を抑えるポイントなどについて解説します。費用が高いかどうかを見極めるポイントについても取り上げるため、外壁塗装を検討している方は参考にしてください。
外壁塗装が高いと感じる理由は?5つの理由と背景を紹介
なぜ「外壁塗装が高い」と感じるのか、その理由を紹介します。「損をした」という気持ちにならないためにも参考にしてください。
相場を把握していない
外壁塗装の費用は30坪程度の住宅で60〜90万円が目安となります。これらの相場を把握していないために、自分が想像していた金額よりも高い見積もりを見て「高い」と感じる方も少なくありません。
しかし、「外壁塗装は壁に塗料を塗って終わり」というシンプルなものではありません。施工にあたってはやるべきことが多く、作業日数が多くなり、それに伴い費用(主に人件費)も高くなります。例えば外壁塗装工事を行う前段階においては、近隣住民への挨拶、足場の設置、洗浄、下地処理、養生などが必要になります。これらの工程を経てようやく塗装に取り掛かります。※なお、塗装工事自体も下塗り・中塗り・上塗りとステップを踏む必要があります。また工事が完了した後は足場の解体もしなければなりません。
このように、“塗装”とは言っても、実際には“工事”のように、大掛かりな作業が必要になることから、数十万〜数百万円の金額がかかってくるのです。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
塗装面積が広い
外壁塗装の費用は基本的に塗装面積に比例します。
塗装面積が広ければ広いほど、工数はもちろん、用意する塗料の数量なども多くなり、その分費用がかかってくるからです。塗装面積が広く、金額を高いと感じている場合には、外壁全体ではなく汚れが目立つ箇所の部分塗装などの対応がベターです。
塗料のグレードが高い
外壁塗装で用いられる代表的な塗料として、下記の4種類が挙げられます。
種類 | 1㎡あたりの金額 | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 1,000〜1,800円 | 3〜8年 |
ウレタン塗料 | 1,700〜2,500円 | 5〜10年 |
シリコン塗料 | 2,300〜3,500円 | 7〜15年 |
フッ素塗料 | 3,500〜5,000円 | 12〜20年 |
表でまとめている通り、塗装面だけでなく、塗料の種類に応じて外壁塗装の金額は変動します。あまりにもグレードの高い塗料を選んでいる場合は、塗料の見直しも考慮に入れておきましょう。
なお注意点として、塗料が安い場合は、耐用年数が短く、トータルで考えるとグレードの高いものを選ぶ方が費用負担を抑えられるといったこともあります。目先の価格だけで判断することなく、トータルでのコスパも計算しておくと安心です。
関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう
足場の設置が難しい or 工数がかかる足場の家での工事
塗装面積自体は広くない、グレードの低い塗料も使っている…にも関わらず相場よりも高い金額になっている場合、足場代が高額になっているケースも少なくありません。
上述した通り、外壁塗装は足場を組んでから塗装を実施します。しかし足場の設置が難しい立地にある家や、足場の高さが必要になる家(3階建ての家など)、足場を組むのに複雑な工程が必要な家の場合には、費用相場を上回る料金になることもあります。
関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格
屋根の塗装も併せて行っている
外壁と併せて屋根の塗装も依頼している場合、塗装面積が大きくなるため、当然コストもかかります。確かに、屋根と外壁の塗装をセットで行うことによって、足場代などを節約できることから、“それぞれの”塗装費用は相場よりも安くなることがあります。
しかし、外壁塗装のみに絞って金額を抑えたいのであれば、業者と相談をしながら屋根塗装の工事のタイミングをずらすことも考慮に入れておきましょう。
関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介
中間マージンが発生している
ハウスメーカーを代表に、依頼先によっては、見積もりや応対をしている会社とは別に、下請け会社が工事を行うケースもあります。このような場合は中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向にあります。
外壁塗装費用が高いか(適正な価格か)を見極めるための対策
ここまでで、なぜあなたが外壁塗装に対して高いと感じるのか、その理由を紹介しました。ここでは、外壁塗装の見積もりを作成してもらったものの、その費用が高いのかどうかを見極めるポイントを紹介します。
相見積もりを取る
あなたの家の外壁塗装工事に対して、その金額が適正かどうかを見極めるのに最も良い方法は「相見積もりを取る」ことです。
相見積もりは、複数の会社から見積もりを取得する方法のことを言います。相見積もりを取ることによって、自分の家に必要な工事は何か、そしてそれにあたってどれくらいの費用がかかるのかを細かく比較することができるようになります。
なお、当サービス「外壁塗装の窓口」では複数社への相見積もり依頼、契約前のご相談から施工後まで無料のサポートなどを行なっています。5つの項目を記入するだけであなたの家の外壁塗装の相場が分かる「簡単10秒相場CHECK」も行っているので、是非使用してください。
関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
見積り項目を確認する
相見積もりなどを取った上で、業者から見積もりを回収した後には、各見積もり内容の項目も確認しておきましょう。見積書の費用項目の内訳をチェックすることで、どこにどれくらいの金額がかかっているのかを確認できます。
なお、見積もり項目において、数量や単位に「一式」と記載されている場合は注意してください。これは、一式とまとめることで、費用相場を把握しにくくしていることもあるからです。まずは担当者にその内訳について教えてもらう、それでも教えてくれない・濁すような場合は別の業者に依頼することをおすすめします。
関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説
相場よりも安すぎる金額には注意
相場よりも安すぎる見積りを出された場合には注意しましょう。本来必要な手順が飛ばされている、塗装会社の都合で工事が行われるなど、粗悪な塗装工事によって、結果的に塗り直しの工事が必要になることもあります。まずは自分の実現したい塗装工事をもとに、費用相場を把握し、複数社から検討することが重要です。
関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは
現地調査をお願いする
より正確な金額での見積もり希望する場合には、実際に家まで業者に来てもらう“現地調査”をお願いしましょう。オンラインや電話のみのやり取りで見積書を回収することは可能ですが、外壁塗装は一概に坪数や塗装面積、使用する塗料のグレードだけで費用が決まるわけではありません。外壁の状態や足場の組み方なども費用に影響するため、より正確な金額は現地調査をしなければ算出できないこともあります。
外壁塗装費用を安くする方法は?
ここまで、「外壁塗装が高いと感じる理由」「外壁塗装費用が高いかどうかを見極めるための方法」を通じて、適正な価格かどうかを見極めるためのポイントを紹介しました。
適正な価格ではあったものの、それでも費用を抑えたい方も中にはいるでしょう。そこで続いては外壁塗装にかかる費用を抑える主な方法を紹介します。より詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:外壁塗装を安く依頼する12のコツ!費用相場よりも割安に工事するには
火災保険が適用されるかどうかを確認する
「台風によって外壁にひびが入った」など、自然災害によって修繕が必要となる場合、火災保険が適用されることもあります。
なお、火災保険が適用されたとしても、外壁塗装にかかる費用の全額が補償されるわけではなく、あくまでも保険会社に申請した後の審査によって保険金が決まる点に注意しましょう。保険の申請が受け入れられるかどうかは、保険会社の判断となるため、まずは保険が適用できるか、下記の記事を参考に判断してください。
関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
閑散期に依頼する
外壁塗装では、気温・湿度と天候が安定した時期が適していることから、春・秋は繁忙期となります。繁忙期には依頼が集中し、業者も値上げして対応するケースが多いことから、工事費用も高額になる傾向があります。
一方で、梅雨や夏、真冬の時期については依頼数も少なくなる傾向にあり、割安で対応してもらえることも少なくありません。このように、繁忙期での依頼は避け、閑散期に依頼することで安く工事を済ませられるようになることもあります。
関連記事:外壁塗装に適した時期とは?季節ごとのメリットと塗り替え周期も解説
他の工事と合わせて依頼する
前述した通り、外壁塗装を他の工事と同時に依頼することで、それぞれの施工費用が抑えられ、結果的にコストパフォーマンスが高くなることもあります。たとえば、外壁と屋根の塗装を一緒に行うことによって、1つの足場でそれぞれの工事が完結するため、足場代を安く抑えられるケースもあります。また業者によっては、まとめて工事依頼をすることで基本工事費を割引してくれることもあります。
一度に負担する金額は大きくなるものの、トータルで考えると安く抑えられるため、長期的な視点から、コストパフォーマンスを計算しておくのがおすすめです。
関連記事:格安で外壁塗装を依頼するポイントとは?優良業者に相場より安く施工してもらうコツ
ハウスメーカーではなく自社施工の業者に依頼する
塗装費用をより安く抑えたい場合、ハウスメーカーではなく、完全自社施工の業者に依頼するようにしましょう。
確かに、自宅の施工を手がけたハウスメーカーに依頼することで、建物に関する情報を既に把握していることから、工事が進みやすいといったメリットがあります。しかしハウスメーカーの場合は下請け・孫請けの業者が施工を担当するケースが多く、その分中間マージンが発生するため、金額が割高になる傾向にあります。その点、完全自社施工の塗装業者であれば、中間マージンが発生せず、その分費用も割安になります。
値引き交渉を行う
値引き交渉を行うのも外壁塗装を安く抑えるためのポイントの一つです。
ただし、あまりにもしつこい値引きはあなたへの印象を悪化させることにもつながります。一方的な値引きを交渉するのではなく、「現金一括払いで支払うので、〇円にしてほしい」「〇円になるのであれば、この場で即決する」など、あなたから条件を提示した上で、双方合意のもと契約を進めましょう。
関連記事:外壁塗装で価格交渉するコツは?見積もり費用の値引きを受けるためのポイント
関連記事:外壁塗装で値引きはできる?交渉を成功させるコツと注意点を解説
外壁塗装が高いと感じる理由を理解した上で、適正価格で依頼しよう
本記事では外壁塗装の費用相場を始め、費用が高いと感じる理由などについて解説しました。外壁塗装が高いと感じる場合、相場を適切に把握していない可能性が大いにあります。
外壁塗装は壁を塗って終わりではなく、複数のステップを踏む必要があり工期が長くなるほか、足場も組まなければならないため、費用が高くなりがちです。
少しでも費用を抑えたい場合は、相見積もりを行い、費用相場から乖離していないかどうかをチェックすることをおすすめします。