2024-06-24 08:54:22 更新

外壁タイルの特徴とメリット・デメリットを解説!種類・サイズの選び方も

外壁タイルの特徴とメリット・デメリットを解説!種類・サイズの選び方も
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁タイルは耐久性・デザイン性に優れた外壁材で、サイディングやモルタルと比べてメンテナンスの手間・費用を削減できるなど、さまざまなメリットがあります。一方で外壁タイルは素材自体が高額なので、初期費用が高額になる点や、タイルの間の目地のメンテナンスは定期的に発生することに注意が必要です。

本記事では、外壁タイルの特徴やメリット・デメリット、タイル材の種類・サイズについてもご紹介します。新築または外壁リフォームでタイル材を使用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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外壁タイルの特徴

外壁にタイルを使うメリット

外壁にタイルを使うデメリット

外壁タイルの種類・サイズと選び方

まとめ

外壁タイルの特徴

外壁で使われるタイルは、石や粘土といった無機質を1,000℃以上の高温で焼き固めることで成形した素材です。キッチンや浴室などでも使われるケースが多く、高い耐久性とほかの素材にはない意匠性の高さが大きな魅力です。表面は石のように硬く、紫外線や風雨で劣化することも少ないので、耐久性が求められる外壁にも適した建材となっています。

外壁タイルの費用相場

外壁タイルは素材自体が高価であり、1平米あたり1万円以上の費用が必要になります。デザイン性の高いタイルや高級なタイルを使用した場合、1平米あたり5万円の費用が発生することもあります。これらの費用には、材料費に加えて足場代や施工費、人件費なども含まれており、タイルを使用する外壁の面積が広いほど高額になる傾向があります。

タイルを使った外壁は、外壁材の中でも初期費用が最も高価になる傾向がありますが、将来の外壁塗装や張り替え工事などのメンテナンス費用を抑えられるので、長期的に見ると費用の節約になるケースもあります。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

外壁タイルの耐用年数

外壁タイルは非常に長い寿命を持ち、耐用年数は約40年ほど。適切にメンテナンスを行えば、どの外壁材よりも長く使い続けられる建材です。タイルが部分的に割れてしまうなど、劣化が進んだ場合にも、外壁全面の張り替えではなく、一部のタイルだけの交換で補修が完了するのも魅力です。

ただし、タイル自体の耐用年数は非常に長いですが、タイル同士の隙間を埋めるコーキング材の寿命は約5年〜10年とされています。このコーキングは定期的に交換してメンテナンスを行う必要があり、怠れば外壁の内側に雨水が侵入したり、タイルが落下したりする危険性が高まります。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

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サイディング・モルタルとタイルの違い

外壁ではタイル以外にも、サイディングやモルタルといった外壁材も人気です。サイディングは、金属やセメント、樹脂などを原料としたボード状の外壁材で、施工が容易なので施工費用を安く抑えることが可能です。一方で耐用年数は短く、タイルほどの耐久性は持ち合わせていません。

モルタル外壁は、職人の手作業で外壁を成形するので、デザインや模様の重度が高く、外壁材の継ぎ目も発生しないのがメリットです。タイル外壁と比べるとモルタル外壁の方が安価ですが、耐用年数も短くなる傾向にあります。

また、サイディング外壁・モルタル外壁はいずれも定期的な外壁塗装が必要になりますが、タイル外壁では再塗装が不要です。寿命が長く張り替え工事が必要になる時期も遅いので、長期的なメンテナンス費用はタイル外壁が最も少額になります。

関連記事:サイディング塗装の費用相場はいくら?外壁塗装が必要な時期や塗料を解説

関連記事:モルタル外壁の特徴とは?メリットやデメリット、メンテナンス方法などを一挙紹介

外壁タイルのメンテナンス方法

外壁に使うタイル材は耐久性に優れ、メンテナンスフリーと言われることもあります。確かにタイル外壁では、ほかの外壁材で必要な外壁塗装が不要で、張り替え工事が必要になるまでの期間が長いため、比較的メンテナンスの手間が発生しない外壁です。

しかし完全なメンテナンスフリーというわけではなく、タイルの継ぎ目であるコーキングの定期的な交換が必要です。コーキング材は約5年〜10年が寿命なので、遅くとも10年周期で外壁の点検・メンテナンスを受けることが大切です。

コーキングの補修を除けば大規模なメンテナンスは不要ですが、年に1回程度、外壁の表面を水洗いして洗浄すると良いでしょう。

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外壁にタイルを使うメリット

自宅の外壁材としてタイルを使うメリットには、次の3つが挙げられます。

  • 独特のデザインを実現できる
  • メンテナンス費用を抑えられる
  • 傷や汚れに強く劣化しにくい

それぞれ解説しますので、タイルを使用するかどうかの判断材料として活用してください。

独特のデザインを実現できる

外壁タイルでは、ほかの外壁材では難しい独特のデザインを実現できるメリットがあります。表面の艶や光沢により高級感のある外壁を作ったり、無機質の質感を活かした重厚感ある印象を持たせたりできる外壁材です。一枚一枚のタイルのカラー・デザインを調整することも可能で、バイカラー・ツートンカラーの外壁はもちろん、ワンポイントの差し色を加えた外壁なども実現できます。

サイディング外壁でも「タイル調」のデザインが用意されていますが、本物のタイルとは印象が大きく異なるため、高額な費用を出してでもタイル外壁を選ぶ方は少なくありません。

関連記事:外壁塗装のデザイン|おしゃれな外壁にするための基礎知識

メンテナンス費用を抑えられる

外壁タイルは無機質の素材を使っているため、耐久性が高く劣化しにくい外壁材です。そのため外壁全体を交換する張り替え工事が必要になるまでの期間が長く、ほかの外壁材で必要となる外壁塗装も不要です。コーキングの定期的な補修は必要ですが、もしタイルが劣化して落下したり、ひび割れたりしたとしても、タイル一枚ごとの補修で対処できることが多いです。

そのため長期的に見るとメンテナンス費用を大幅に節約できるのが、タイル外壁の大きなメリットです。

傷や汚れに強く劣化しにくい

外壁タイルは傷や汚れに強く、耐候性や耐水性にも優れる建材です。外壁は紫外線や風雨、カビ・コケ・藻などの影響を受けやすく、屋根とともに劣化が進みやすい箇所です。そのため耐久性に優れたタイルを選ぶメリットは大きく、家の美観を長く保つことが可能です。

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外壁にタイルを使うデメリット

一方で、外壁材にタイルを選ぶデメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • 初期費用が高額
  • 目地のメンテナンスが不可欠
  • 頑丈な住宅を設計する必要がある

これらのデメリットも考慮しながら、使用する外壁材を選びましょう。

初期費用が高額

外壁タイルは耐久性が高く将来のメンテナンス費用を抑えられる一方で、素材自体が高価なので初期費用が高額になる傾向があります。最も安価な外壁材として窯業系サイディングが挙げられますが、窯業系サイディングの費用相場は平米あたり5,000円程度。対してタイル外壁の費用は平米あたり1万円を超えるのが相場なので、2倍以上の差が生まれることもあります。

一枚一枚のタイルを職人の手で貼り付けるため、人件費が高額になるほか、工期も長期化する傾向にある点にも注意が必要です。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

目地のメンテナンスが不可欠

外壁タイルは大規模なメンテナンスが不要な点がメリットですが、一方で目地の部分であるコーキングは定期的な手入れが必要です。コーキングの寿命は約5年〜10年なので、遅くとも10年単位でコーキングの打ち替え(打ち直し)を行わなければなりません。

タイル外壁が完全なメンテナンスフリーであると思い込んだまま施工してしまうと、思わぬ出費が負担になってしまうこともあるので注意しましょう。

関連記事:外壁コーキングの補修費用の相場とは?寿命の目安と打ち直し・増し打ちの違い

頑丈な住宅を設計する必要がある

外壁でタイルを使用する場合、地震によって建物が揺れた時にタイルが剥離しにくいよう、頑丈な住宅を設計する必要があります。タイルは建材自体に重量があるため、地震の際に家の重心が不安定になりやすく、丈夫な構造の家を建てなければなりません。

そのため新築・リフォームでタイル外壁を選ぶ時には、家の設計・構造からしっかりと計算し、適切な施工を提案してくれる業者に依頼するのが大切です。

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外壁タイルの種類・サイズと選び方

外壁タイルには各メーカーからさまざまな種類・サイズが販売されており、選び方によって費用相場や美観も異なってきます。ここでは外壁タイルの種類・サイズについて、選び方とともにご紹介します。

外壁タイルの主なサイズ

外壁タイルの主なサイズとして、以下の4種類が存在します。タイル外壁は一枚一枚のサイズによって印象が異なるので、それぞれの種類を押さえておくと良いでしょう。

  • 二丁掛タイル(約227mm×60mm)
  • ボーダータイル(約227mm×30mm)
  • 小口平タイル(約108mm×60mm)
  • 50角タイル(約45mm×45mm)

二丁掛タイルが最もスタンダードなサイズで、レンガと同じ大きさをイメージするとわかりやすいでしょう。二丁掛タイルの縦幅を半分にしたのがボーダータイルで、シャープでスタイリッシュな印象を与える外壁になります。

小口平タイルは従来は主流だったサイズですが、近年では種類が少なくなっている傾向です。50角タイルは目地を含めた寸法で50mm四方になる正方形のサイズで、モザイクタイルの外壁でよく使われる種類となっています。

外壁タイルの釉薬の種類

外壁のタイル材は、タイルの表面に施す釉薬(ゆうやく)の種類により、カラーや光沢、防汚性が変わります。釉薬は「うわぐすり」とも呼ばれ、タイルを焼く前に塗るガラス質の素材を指します。

美しい光沢を持つラスター釉タイルのほか、艶消し仕上げのマット釉タイル、釉薬を施していない無釉タイルといった種類があります。どの種類を選ぶかによって外壁の印象が大きく異なってくるため、メーカーからサンプルを取り寄せながら選ぶことをおすすめします。

外壁タイルの施工方法

外壁タイルの施工方法には、「湿式工法」「乾式工法」の2種類があります。湿式工法は昔ながらの施工方法で、外壁の表面にモルタルを塗ってから、タイルを貼り付ける流れです。手作業の工程が多いため、職人の技術力により精度にばらつきが生まれることもあります。モルタルを用意する時には水を使うため、雨の日には施工できないことも特徴です。

一方の乾式工法は、下地となるサイディングの上から接着剤を使ってタイルを貼り付ける工法です。接着剤の性能向上に伴って開発された比較的新しい工法であり、タイルが落下しにくく、職人の技術力によるばらつきが生まれにくいメリットがあります。

戸建て住宅では、湿式工法よりも重量が軽く作業効率の良い乾式工法が用いられることが多いです。特にこだわりがない場合には、乾式工法での施工を依頼すると良いでしょう。

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まとめ

外壁タイルは非常に耐久性が高くデザイン性に優れた外壁材で、ほかの外壁材と比べて外壁塗装などのメンテナンスが不要になるメリットがあります。傷や汚れに強く、美しい外壁を長持ちさせることができるので、新築の注文住宅でも人気を集めています。

ただし完全にメンテナンスフリーの外壁材ではなく、目地となるコーキング材の定期的な交換が必要です。また、外壁材に重量があるため、丈夫な構造の家を設計しなければならない点にも注意しましょう。

本記事で解説してきた外壁タイルの種類・サイズや施工方法も参考に、理想の外壁リフォームを実現してください。

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