2024-06-24 08:53:05 更新

ガルバリウム鋼板とは?メリット・デメリットと費用相場・耐用年数を解説

ガルバリウム鋼板とは?メリット・デメリットと費用相場・耐用年数を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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ガルバリウム鋼板(こうはん)は、屋根や外壁で使われる金属製の建材で、新築・リフォームを問わずに高い人気を誇る素材です。軽量で建物への負担が少なく、耐用年数も長いため、屋根材・外壁材の中でも高いシェアを獲得しています。従来のトタンと比べて耐食性が高いので、サビが発生しにくく、家の寿命が長持ちするのがメリットです。

一方で、ガルバリウム鋼板は最安クラスの建材ではないため、新築・リフォーム時にまとまった初期費用が必要になることがデメリットに挙げられます。金属製の薄い鉄板でできた建材なので、素材自体の断熱性・遮音性が低く、施工時には断熱材を使用するなどの工夫が求められる素材でもあります。

本記事では、ガルバリウム鋼板の特徴やメリット・デメリット、費用相場や耐用年数などについてご紹介します。ガルバリウム鋼板を長持ちさせるためのメンテナンスについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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ガルバリウム鋼板とは?

屋根・外壁にガルバリウム鋼板を使うメリット

屋根・外壁にガルバリウム鋼板を使うデメリット

ガルバリウム鋼板を長持ちさせるメンテナンス方法

まとめ

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは、鉄板にアルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキ加工を施したアメリカ発祥の建材を指します。金属製の建材といえば従来はトタンが主流でしたが、ガルバリウム鋼板はトタンのサビやすい弱点を克服し、耐久性を大幅に高めた素材です。ほかの建材と比べて極端に高額というわけではないので、新築・リフォームを問わず、多くの住宅の屋根・外壁で使われています。

新築・リフォームで人気の建材

ガルバリウム鋼板は、新築でもリフォームでも人気の建材ですが、特にリフォームでは圧倒的なシェアを誇ります。というのも、屋根や外壁の「カバー工法」で使用できる、ほぼ唯一の建材だからです。カバー工法とは、劣化した屋根や外壁の上からガルバリウム鋼板を被せて、二重構造にすることで家の耐久性を高める工事のことを指します。

屋根の葺き替え工事や外壁の張り替え工事と比べて、古い建材を撤去・処分する費用が節約できるので、家のリフォームで選ばれることの多い施工方法です。このカバー工法では、建物への負担を軽減するために軽量な建材を用いる必要があるのですが、屋根材・外壁材の中で最も軽量なのがガルバリウム鋼板なのです。

そのためカバー工法を使った屋根リフォーム・外壁リフォームでは圧倒的な人気を誇り、もちろん新築や葺き替え工事・張り替え工事にも使用できるので、多くの住宅で使われつつあります。

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

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ガルバリウム鋼板の費用相場

ガルバリウム鋼板の費用相場は、建材そのものの商品価格として平米あたり1,500円〜4,000円が目安です。ホームセンターで販売されているシンプルな建材であれば、1,500円程度で入手できることもあります。ガルバリウム鋼板の断熱性・遮音性を高めるために断熱材と一体化した建材であれば、3,000円〜4,000円が目安になるでしょう。

ただしガルバリウム鋼板を使ったリフォームでは、材料費よりも施工費の方が割高になります。専門技術を持った建築板金業者にリフォームを依頼すると、材料費や足場代・人件費を含めて、平米あたり5,000円〜1万円が費用相場となります。使用するガルバリウム鋼板の種類や、依頼する業者によっても金額は異なりますが、上記の金額を目安にすると良いでしょう。なお、葺き替え工事・張り替え工事によって廃材の撤去・処分が必要な場合、追加で廃材の処分費用が請求されることにご注意ください。

関連記事:ガルバリウム鋼板の相場価格とは?リフォーム費用を抑えるコツを解説

ガルバリウム鋼板の耐用年数

ガルバリウム鋼板の耐用年数は、約30年が目安です。多くの住宅では、25年〜35年ほどでガルバリウム鋼板の寿命を迎えることが多いですが、中には40年以上使い続けられるケースもあります。ガルバリウム鋼板の劣化は、サビの発生による穴空きから進んでしまうため、5年〜10年ごとに定期的に点検を行い、適切にメンテナンスを行えば、寿命を大きく延ばすことが可能です。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

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屋根・外壁にガルバリウム鋼板を使うメリット

続いて、屋根や外壁のリフォームでガルバリウム鋼板を使うメリットについて、以下の3つをご紹介します。

  • 耐用年数が長い
  • 耐震性に優れる
  • 豊富なデザインが選べる

それぞれ順番にご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

耐用年数が長い

ガルバリウム鋼板の大きなメリットとして、耐用年数の長さが挙げられます。安価な屋根材として知られるスレート屋根や、安価な外壁材である窯業系サイディングと比べて、ガルバリウム鋼板の耐用年数は長くなる傾向にあります。同じ金属製の建材でも、トタンは10年〜20年で寿命を迎えるのに対して、ガルバリウム鋼板は約30年、場合によっては40年以上使い続けられることもあります。

耐用年数が長ければ、次の葺き替え工事や張り替え工事が必要になるまでの周期が長くなり、長期的なメンテナンスコストを節約することに役立ちます。そのため今後も長く住み続ける予定がある場合、ガルバリウム鋼板が最適な選択肢となることも多いです。

耐震性に優れる

ガルバリウム鋼板は非常に軽量な建材なので、建物への負担が少なく、耐震性にも優れる性質を持っています。屋根材や外壁材に重量のある建材を用いると、家の重心が安定せず、地震があった時に揺れの影響を大きく受けることも少なくありません。しかし軽量なガルバリウム鋼板であれば、地震による揺れの影響を最小限に抑え、高い耐震性を実現することができるのです。

ただし、屋根や外壁が二重構造になるカバー工法の場合、古い建材と新しいガルバリウム鋼板の重さが加わり、耐震性が低下しやすくなる点に注意が必要です。

豊富なデザインが選べる

ガルバリウム鋼板は、従来は金属の冷たいイメージのある建材しか選べない時代もありましたが、現在は加工技術が向上し、豊富なカラーバリエーションやデザインの商品を選べるようになっています。屋根材・外壁材として最も人気が高いことから、各メーカーもデザインに力を入れているという事情が背景にあります。

デザイン性の高いガルバリウム鋼板は、シンプルなデザインのものよりも高価になる傾向がありますが、デザイン性にこだわりたい方にも適しているのがメリットです。

関連記事:外壁塗装のデザイン|おしゃれな外壁にするための基礎知識

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屋根・外壁にガルバリウム鋼板を使うデメリット

一方でガルバリウム鋼板を選ぶデメリットには、以下の3つが考えられます。

  • 初期費用がやや高価
  • 周辺環境によってはサビが発生することも
  • 素材自体の断熱性・遮音性は低い

これらのデメリットも考慮した上で、ガルバリウム鋼板を使ったリフォームを検討しましょう。

初期費用がやや高価

ガルバリウム鋼板は、最安クラスの建材ではないため、初期費用がやや高価に感じられることがあります。費用相場と耐用年数を踏まえるとコストパフォーマンスは随一ですが、なるべく費用を抑えてリフォームを行いたい場合には適さないかもしれません。

より安価な屋根材を選ぶのであればスレート屋根、外壁材であれば窯業系サイディングが選択肢となります。ただしこれらの建材は、経年劣化によってひび割れが発生しやすく、長期的に見るとガルバリウム鋼板よりもメンテナンスコストが高くなることもあるので注意しましょう。

周辺環境によってはサビが発生することも

ガルバリウム鋼板は耐食性に優れる建材ですが、海に近いエリアや工場の排気ガスの多い工業地帯、枯れた枝葉と接触しやすい地域では、サビが発生しやすくなる点に注意しましょう。上記の条件に当てはまる住宅の場合、ガルバリウム鋼板のこまめな手入れを行うか、金属以外の屋根材・外壁材を選ぶことをおすすめします。

素材自体の断熱性・遮音性は低い

ガルバリウム鋼板は薄い金属製の建材なので、素材自体の断熱性や遮音性は低い性質があります。そのためガルバリウム鋼板を使ったリフォームで、雨音がうるさいと感じたり、冷房代・暖房代が高額になるケースもあります。

しかし近年のガルバリウム鋼板は、素材の裏に断熱材を貼り付けた商品が主流となっており、こうした商品を使うことで断熱性・遮音性を改善することが可能です。また、古い屋根材・外壁材の上から被せるカバー工法であれば、既存の断熱材のおかげでデメリットが気にならないケースもあります。

断熱性・遮音性が気になる場合には、リフォームの際に業者に相談してみると安心です。

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ガルバリウム鋼板を長持ちさせるメンテナンス方法

最後に、ガルバリウム鋼板の寿命を延ばし、長く使い続けるためのメンテナンスのコツについてご紹介します。

  • 手が届く範囲の洗浄を行う
  • サビによる劣化を約5年おきに点検する
  • 約10年を目安に再塗装・コーキング補修を依頼する

これらのメンテナンスを心がけることでガルバリウム鋼板を長持ちさせることができるので、ぜひ実践してみてください。

手が届く範囲の洗浄を行う

ガルバリウム鋼板の日常的な手入れとして、手が届く範囲の洗浄をこまめに行うことが挙げられます。簡単な水洗いで構いませんので、表面の汚れを定期的に取り除くことにより、サビの発生を抑えて寿命を延ばすことが可能です。特に雨があたらず、表面の汚れが溜まりやすい場所は、なるべくこまめに洗浄すると良いでしょう。

ただし、2階部分の外壁や屋根など、高所での作業が必要になる部分については、転落による怪我のリスクがあるので無理に行う必要はありません。高所の汚れが気になる場合には、プロの業者に洗浄を依頼するようにしましょう。

サビによる劣化を約5年おきに点検する

ガルバリウム鋼板の劣化の原因であるサビが発生していないかどうか、約5年を目安に業者の点検を受けるのもおすすめです。普段の生活では気付きにくい屋根のサビなどをチェックするためにも、業者のドローン点検などを活用してメンテナンスを行うと良いでしょう。

もしサビによる穴空きが発生している場合にも、穴埋め補修を行うことで今後もガルバリウム鋼板を使い続けることが可能です。

約10年を目安に再塗装・コーキング補修を依頼する

新築またはリフォームから10年が経つ頃には、一度屋根・外壁のリフォームを検討すると良いでしょう。表面の再塗装、もしくは建材の継ぎ目であるコーキング部分の補修を実施することで、ガルバリウム鋼板の寿命を大幅に延ばすことが可能です。

ガルバリウム鋼板の劣化が激しく進んでしまうと、部分的な補修工事では対処できず、屋根・外壁全体の交換が必要になるケースもあります。大規模なリフォームになると費用も高額になるので、定期的な点検・メンテナンスを怠らないようにしましょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

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まとめ

ガルバリウム鋼板は、表面にメッキ加工を施した金属製の建材で、新築はもちろんリフォームでも高いシェアを誇っています。素材自体が軽量でカバー工法にも適しているので、特にリフォームで使用されるケースが多いです。屋根材・外壁材の中では最安クラスではありませんが、約30年という耐用年数を考えるとコストパフォーマンスが高いことが人気の理由です。

人気の高まりにつれて各メーカーも豊富なデザインを発売しており、デザイン性を重視する方にも適した建材ですが、周辺環境によってはサビが発生しやすくなる点に注意が必要です。素材自体は薄い金属製の板なので、断熱性や遮音性が低く、同時に断熱材を使用するなどの工夫も求められます。

ガルバリウム鋼板を使ったリフォーム後は、手が届く範囲の水洗いや定期的な点検を行うことで寿命を延ばすことができるので、適切なメンテナンスを行いながら大切な家を守りましょう。

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