2025-01-10 16:28:37 更新

サイディングの劣化症状と原因は?適切な補修・メンテナンス方法を解説

サイディングの劣化症状と原因は?適切な補修・メンテナンス方法を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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サイディング外壁は、時間の経過とともに劣化症状が現れ始めます。症状を放置しておくと劣化が建物全体に及び、補修に手間と費用がかかるので注意が必要です。

この記事では、サイディングの劣化が発生する原因と主な症状を解説します。適切な補修工事についても紹介するので、メンテナンスをする際の参考にしてください。

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関連記事:外壁劣化の原因は?主なサイン・種類と補修方法を解説

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サイディングの種類と耐用年数

サイディングの劣化症状と原因

サイディングは放置NG!DIYではなく業者へ依頼しよう

サイディング劣化症状の補修・メンテナンス方法

サイディングの劣化症状を知り早めに補修・メンテナンスをしよう

サイディングの種類と耐用年数

サイディングボードには主に4つの種類があり、それぞれ耐用年数と価格が異なります。

サイディングの種類 価格 耐用年数
窯業系サイディング 4,500~8,000円/㎡ 7~8年
金属系サイディング 3,000~7,000円/㎡ 10~15年
木質系サイディング 3,000~10,000円/㎡ 8~12年
樹脂系サイディング 3,000~5,000円/㎡ 10〜20年

まずは種類ごとの特徴や費用を把握しておきましょう。

関連記事:外壁サイディングの4種類を徹底解説!耐用年数・費用相場と選び方を紹介

窯業系サイディング

窯業系サイディングは、日本の住宅に最も普及している外壁材です。セメントと繊維質原料を混ぜて作られており、耐震性や防火性、防音性や遮音性などに優れています。デザインのバリエーションが豊富で、ムラが出にくいなどメリットが多いことから、多くの住宅に選ばれています。

ただし防水性が低いというデメリットがあり、耐用年数も他の種類に比べて低いため、定期的なメンテナンスが必要です。

金属系サイディング

金属系サイディングは金属素材で作られており、水に強く凍結が起きにくいのが特徴です。耐水性や耐熱性に優れているため、室内を快適な温度に保つことができ、暮らしやすい環境を実現できます。窯業系ほどデザインの幅は広くありませんが、石壁調や木目調などのデザインがあるので、好みに合わせて選べます。

金属の中ではサビにくいですが、何らかの衝撃によって傷が付くと、傷からサビが発生して広がりやすいので注意が必要です。サビの発生を防ぐためには、定期点検が必要です。

木質系サイディング

木質系サイディングは、天然木に塗装した外壁材であり、断熱性に優れた特徴を持ちます。環境に優しく、天然木ならではの温もりのある風合いが魅力です。

ただし、防火性が低く、腐食が起こりやすいため、他の種類よりもメンテナンス頻度が高くなります。最近は不燃処理が施された製品も増えているので、劣化を防ぎたい場合におすすめです。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは塩化ビニール樹脂を原料としており、北米で人気の高い外壁材です。耐久性や耐候性に優れており、凍害や塩害に強いため、厳しい環境下でも使用できます。また衝撃に強く、破損しても部分的な補修で済ませられるため、メンテナンスも楽です。

しかし、デザインの選択肢が少なく、初期費用が高いため、日本ではあまり普及していません。ランニングコストは抑えられるので、メンテナンスの手間や費用を節約したい人に最適です。

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関連記事:外壁材の種類はどれがおすすめ?サイディングの特徴や費用相場とともに解説

サイディングの劣化症状と原因

新築からしばらく経つと、外壁の表面に劣化症状が現れはじめます。外壁を長持ちさせるためには、劣化症状の特徴を把握しておくことが重要です。ここでは、代表的な6つの劣化症状を紹介します。

チョーキング

塗膜の劣化により、塗料に含まれている顔料が粉化することをチョーキングといいます。外壁を触ったときに、手に粉が付いたら外壁が劣化しているサインです。

塗料は色を付ける粉に樹脂を混ぜて作られますが、紫外線の影響により樹脂がなくなると粉だけの状態になります。再塗装をすれば塗膜の機能を回復できますが、放置しておくとカビやコケの発生につながるので注意が必要です。

関連記事:外壁に生じるチョーキング現象とは?原因や放置リスク、補修・対策方法を解説

カビ・コケ

外壁の塗装が劣化すると、水を弾きにくくなり、カビやコケが発生しやすくなります。特に日当たりが悪い北面や、家の周りに川や湖がある場合は、カビやコケが繁殖しやすいので注意が必要です。

日が当たらないところに部分的に繁殖している程度であれば、さほど深刻な状態ではありません。しかし、繁殖が広範囲に及んでいる場合は、塗料の撥水機能が衰えている可能性があるため、塗装工事によるメンテナンスが必要です。

関連記事:外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説

色褪せ

外壁は紫外線などの影響により、次第に色褪せが発生します。部分的な色褪せではなく、建物全体が色褪せていて、他にも劣化症状がみられる場合は、外壁材自体が傷んでいるので早めの補修工事が必要です。

色褪せた状態を放っておくと、雨漏りや害虫の侵入などが起きやすくなります。外壁が古く見えるというデメリットもあるため、なるべく早めに補修をしましょう。

剥がれ・膨れ

チョーキングなどの劣化症状を放置して外壁に水分が染み込むと、塗膜表面の剥がれや膨れが起こることがあります。塗膜の剥がれが広範囲に及ぶと、塗膜が剥がれた部分から水が侵入してしまい、建物内部にまで影響が広がりはじめます。

外壁材の傷みが少ない場合は、塗装工事で対応できます。しかし、傷みが大きい場合は張り替えなどの大掛かりな補修工事が必要になるので、剥がれに気づいた段階で早めの対処が必要です。

関連記事:外壁塗装が剥がれる原因は5つ!補修方法と費用相場を解説

ひび割れ・欠け

外壁表面の塗膜が劣化すると、雨水が侵入してひび割れが発生することもあります。ごく小さなひび割れで範囲も狭い場合は、しばらく様子を見ても問題はありません。しかし、割れ目が大きく、すでに水が浸入している場合は、大がかりな補修工事が必要です。

また、経年劣化によって外壁が反ったり欠けたりすることもあります。見た目に異変を感じたら、なるべく早めに補修を行いましょう。

関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用

雨漏り

雨漏りが発生している場合は、すでに建物内部まで劣化が進行しているため、早急に補修工事が必要です。雨漏りを放置すると、建物を支える柱にシロアリが集まるようになり、建物全体の劣化に繋がります。

雨漏りの対処方法は原因によって異なりますが、一度外壁材をすべて剥がして、下地の状況確認が必要です。被害の状況が深刻であれば、工事の規模だけでなく費用も高額になるので注意が必要です。

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サイディングは放置NG!DIYではなく業者へ依頼しよう

サイディングの劣化症状を放置すると、劣化がどんどん進行してしまい、建物の内部にまで影響が及びます。一つでも気になる症状を見つけたら、プロに外壁の点検を依頼して補修してもらいましょう。

軽度な症状であればDIYで補修ができますが、どのタイミングでどのような補修をすべきかはプロでなければ判断できません。見た目では問題ないように見えても、内部にまで影響が広がっている可能性があるため、業者に依頼して正確な判断をしてもらうのが賢明です。

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サイディング劣化症状の補修・メンテナンス方法

サイディングの適切な補修・メンテナンス方法は、劣化症状によって異なります。軽度な症状であれば簡単な工事で終わりますが、症状が重度だと工事の規模も大きくなり、費用も高くなるので注意が必要です。ここでは、サイディングの補修・メンテナンス方法と費用相場を紹介します。

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

洗浄

ホコリなどの汚れやカビなどは、高圧洗浄やバイオ洗浄で除去できます。定期的に洗浄することで、外壁の劣化を防止できます。

高圧洗浄の総費用は1〜3万円くらいが相場ですが、バイオ洗浄だと倍以上の費用がかかります。しかし、バイオ洗浄はバイオ系の洗浄剤を使っており、頑固なカビやコケなどの汚れを根元から分解・殺菌できます。高圧洗浄で落としきれない汚れがある場合は、バイオ洗浄をおすすめします。

部分補修

キズや剥がれなど、症状の範囲が狭くて軽度である場合は、パテ埋めなどの部分補修で対応できます。補修範囲が狭いため、費用は5〜30万円程度で済みます。

部分補修ならDIYでも可能ですが、補修に使用する道具やコーキング剤等を間違えると、かえって被害が拡大する恐れがあります。補修に失敗してから業者に依頼すると余剰料金が発生するので、最初から業者に依頼するのが無難です。

関連記事:一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのはNG!注意したいデメリットと予算不足への対策

塗装

外壁全体の色褪せやカビやコケの発生、塗膜の剥がれ・膨れなどの症状は、塗装工事で対応できます。どの症状も紫外線による劣化が原因なので、紫外線から外壁を守るには塗装が必要です。 

塗装工事の費用は60~120万円が相場ですが、塗料の種類によって費用は変動します。耐用年数の多い塗料や機能性の高い塗料を選ぶと、相場を大幅に超える場合もあるので、業者とよく相談して決めましょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

カバー工法

カバー工法は、既存の外壁材の上から新しい外壁材をかぶせる方法です。既存の外壁材を撤去せずに工事できるため、撤去費を節約できる利点があります。住宅の外壁全体をカバー工法で補修する際の費用は、150万円前後が相場です。

ただし、カバー工法ができるのは、劣化が内部まで進行してない場合です。内部まで劣化が進行している場合は、一度外壁材を撤去する必要があります。

関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説

張り替え

張り替えは、既存の外壁材を剥がして新しいものに交換する方法です。広範囲にひび割れが発生していたり、雨漏りしたりしている場合は、 張り替え工事を行ないましょう。 

外壁全体を張り替える場合の工事費用は、180~250万程度です。外壁材の撤去処分費がプラスされる分、費用は高めですが、外壁内部の修繕ができるため、一度張り替えればメンテナンスの頻度と費用を少なく抑えられます。 

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関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説

サイディングの劣化症状を知り早めに補修・メンテナンスをしよう

サイディングは新築5~7年を経過した頃から劣化が始まり、色褪せやひび割れなどのさまざまな症状が発生するようになります。劣化症状を放っておくと症状が拡大して、最悪の場合は雨漏りを引き起こします。劣化が進行すると、補修工事も大掛かりなものになるので注意が必要です。

外壁に劣化症状が現れ始めたら、早めに業者に相談しましょう。適切な時期に適切な方法でメンテナンスを行うことで、外壁の寿命を長くのばすことができます。

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