2024-07-05 08:41:35 更新

一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのはNG!注意したいデメリットと予算不足への対策

一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのはNG!注意したいデメリットと予算不足への対策
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁塗装にかかる費用を節約するための方法として、紫外線の影響を受ける南側の外壁など、一部だけの塗装で済ませたいと考える方は少なくありません。DIYで一部の外壁塗装を済ませてしまえば、大幅に費用を節約できるのではないかと考えることもあるかもしれません。

しかし外壁塗装で一部だけ工事することは、原則として避けるべきです。増改築したケースや施工不良を起こしたケースを除けば、一部だけ外壁塗装して費用を抑えようとしても、将来的に大きなメンテナンスコストが発生することになるからです。本記事では、一部だけ外壁塗装して費用を節約するのがNGな理由や、予算が足りない時にコストを抑えるコツについて解説します。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

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一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのはNGな5つの理由

一部だけの外壁塗装でも問題ないケースとは?

DIYで一部だけ外壁塗装するのは非推奨

外壁塗装の予算が足りない時に費用を抑えるコツ

まとめ

一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのはNGな5つの理由

一部だけ外壁塗装を依頼することは、傷んでいる箇所だけを修理して最小限の費用でリフォームする、効率的な方法と感じる方もいるかもしれません。しかし実際には、次の5つのような理由から一部だけの外壁塗装はNGとされることがほとんどです。

  • 長期的な費用が膨らむリスクがあるから
  • 建物の美観が悪化するから
  • 今後のリフォーム計画が立てにくくなるから
  • 家全体の劣化が進む恐れがあるから
  • 一部だけの外壁塗装でも長い工期が必要だから

これらの理由について、それぞれ詳しくご紹介しましょう。

長期的な費用が膨らむリスクがあるから

一部だけの外壁塗装は、短期的な費用は抑えられたとしても、長期的な費用が膨らんでしまうリスクが存在します。というのも、高所での作業が必要となる外壁塗装では、工事を依頼するたびに「足場代」が発生するからです。足場代は約30坪の広さの家で設置する場合で、約15万円〜20万円が相場なので、一部だけの外壁塗装を繰り返し、工事回数が増えるごとにトータルの費用が増加します。

一方で、最初から全面塗装を行うことにより、足場代を最小限に抑えられるので、長期的な費用を節約しやすいのです。一部だけの外壁塗装だったとしても、工期は全面塗装とほとんど変わらないため、日常生活に影響が出る工期が長くなるデメリットも発生します。そのため一部だけの外壁塗装はNGとされることが多く、全面塗装がおすすめされることが多くなります。

関連記事:外壁塗装が高いと感じる理由5選|適正、正確な価格を見極める方法も解説

建物の美観が悪化するから

一部だけの外壁塗装により、塗装が新しい部分と劣化している部分が混在すると、建物の美観が大きく悪化することにも注意が必要です。一部だけ塗装した部分が悪目立ちしてしまい、家の老朽化が進んでいるような印象を受けます。塗料の色選びや塗装の工夫により、バイカラー・ツートンカラーデザインの住宅のように仕上げることは不可能ではないですが、色ムラによって美観が悪化する可能性が高く、一部だけの外壁塗装は避けられる傾向にあるのです。そのため自宅のデザイン性にこだわる方にとっては、特に一部だけの外壁塗装はおすすめできません。

今後のリフォーム計画が立てにくくなるから

一部だけの外壁塗装を行ってしまうと、その後のリフォーム計画・メンテナンス計画が立てにくくなるデメリットもあります。外壁塗装は、一般的には10年ほどの周期で再塗装を行いますが、一部だけ外壁塗装してしまうと塗膜の寿命を迎えるタイミングがバラバラになり、次の施工の時期を決めにくくなってしまうのです。

将来、耐用年数が残っている部分を含めて全面塗装するのであれば、最初から全面塗装する場合と比べて、一部だけ外壁塗装したコストが無駄になってしまいます。一部塗装した部分以外の劣化を放置してしまうリスクも高まるので、外壁塗装は基本的に全面塗装が推奨されています。

家全体の劣化が進む恐れがあるから

専門業者の点検を受けることなく、DIYによって一部だけ外壁塗装した場合には、目立つひび割れや劣化を補修する一方で、目立ちにくい箇所の傷みを見逃してしまう可能性が高く、家全体の劣化が急速に進んでしまう恐れがあります。「まだこのひび割れは小さいから大丈夫」と素人判断で全面塗装を先送りにしてしまうと、外壁からの雨漏りが発生するなど、家の寿命を縮める危険性があるのです。

全面塗装のための予算が不足してしまうなど、やむを得ない理由で一部だけの外壁塗装で済ませる場合にも、必ず専門業者に見積もりを依頼し、現地調査を受けることをおすすめします。外壁塗装にかかる費用の相談に乗ってくれる業者も多いので、自己判断で外壁塗装を決めるのではなく、プロの力を借りるようにしましょう。

一部だけの外壁塗装でも長い工期が必要だから

外壁塗装は、一部だけの場合も全面塗装の場合も、ほぼ同じくらいの工期がかかることにも注意が必要です。外壁塗装のためには、古い塗装や汚れを落とすための高圧洗浄や、高所で安全に作業するための足場の設置・解体、そして塗料を乾燥させるための時間も必要になります。

これらの工程には約1週間ほどの期間を要するので、一部だけの外壁塗装であれば工事が早く終わるとは限りません。同じ程度の工期がかかるのであれば、全面塗装を選んだ方が効率が良いと判断する方が多いのです。

関連記事:外壁塗装の工期は最低でも2週間?工程中のチェックポイントも解説

一部だけの外壁塗装でも問題ないケースとは?

一部だけの外壁塗装は原則としてNGとされますが、特別な事情がある場合には塗装業者から一部だけの外壁塗装を提案されることもあります。ここでは一部だけの外壁塗装でも問題ないケースとして、次の3つをご紹介します。

  • 増改築した住宅の場合
  • 未塗装の外壁を塗装する場合
  • 業者の施工不良が発生した場合

それぞれ詳しくご説明しましょう。

増改築した住宅の場合

家を増改築して外壁を設置したタイミングが異なる場合には、古い外壁だけを一部塗装することが考えられます。新しい外壁に大きなひび割れなどの劣化症状がなく、耐用年数も残っているようであれば、絶対に全面塗装する必要性はないでしょう。ただし、次回の外壁塗装では家全体の全面塗装を実施して、増改築した部分を含めて外壁塗装のタイミングを統一することをおすすめします。

未塗装の外壁を塗装する場合

給湯器やエアコンの室外機の交換により、未塗装の外壁が露出してしまう場合に、一部だけの外壁塗装を行うこともあります。未塗装のまま紫外線や風雨にさらされてしまうと、外壁材を痛めて家の寿命を縮める原因になります。そのため設備の交換やリフォームの際に、未塗装の外壁が出てきた場合には、早めに部分塗装を依頼しましょう。

業者の施工不良が発生した場合

外壁塗装を依頼した直後に不具合やトラブルが発生するなど、業者による施工不良が疑われる場合にも、一部だけ外壁塗装することが考えられます。使用する塗料にもよりますが、一般的な外壁塗装の耐用年数は10年ほどであり、数年で外壁に異常が現れてしまうのは施工不良の可能性が高くなります。塗装業者の多くは、施工後のアフターサービスや工事保証を用意しているので、前回依頼した業者に問い合わせて再塗装を依頼することをおすすめします。

DIYで一部だけ外壁塗装するのは非推奨

外壁の一部だけが劣化しているだけだからと、DIYで外壁塗装できないかと考える方は少なくありません。しかし、やむを得ない理由で一部だけ外壁塗装する場合であっても、必ずプロの業者の現地調査を受け、素人判断のDIYで外壁塗装してしまうのは避けた方が良いでしょう。

DIYで外壁塗装を済ませた結果、別の箇所の外壁の劣化が見過ごされてしまい、家の寿命を縮める危険性があるからです。また、高所での作業を適切な足場なしで行った場合に、転落して怪我を負うリスクも考えられます。DIYによる素人の塗装が原因で、後になって塗装業者に依頼する時の工事の手間が増え、追加費用が請求される可能性もあります。

このようなデメリットが多く存在するため、たとえ一部だけの外壁塗装であってもDIYで済ませることなく、最初からプロの業者に依頼することをおすすめします。

関連記事:外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説

外壁塗装の予算が足りない時に費用を抑えるコツ

最後に、外壁塗装の予算が足りない場合に、費用負担を抑えて業者に依頼するコツをご紹介しましょう。

  • 相見積もりを取って比較する
  • リフォームローンを申請する
  • 中間マージンが発生しない地元業者に依頼する

上から順番に解説していきますので、外壁塗装を依頼する時の参考にしてみてください。

関連記事:外壁塗装を安く依頼する12のコツ!費用相場よりも割安に工事するには

相見積もりを取って比較する

外壁塗装をなるべく安く施工するためには、一つの業者の見積もりで即決するのではなく、複数の業者からの相見積もりを取って比較するのが大切です。複数の業者の見積書を比べることにより、割安な業者や丁寧な仕事をしてくれる業者を見極めることに役立つからです。相見積もりを取らずに依頼してしまうと、業者から渡された見積書の内容が正確なのか、適正価格なのかを判断しにくくなるため、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

リフォームローンを申請する

外壁塗装のためのまとまったお金を用意するのが難しい場合には、銀行のリフォームローンを申請するのがおすすめです。リフォームローンを活用することで、外壁塗装にかかる費用を分割で返済することが可能なので、一時的な費用負担を抑えることができます。住宅ローンを借りている金融機関に相談することで、有利な条件でローンを申し込めることもあります。ただしリフォームローンにも金利は発生するので、無理のない範囲で早めに返済する計画を立てるようにしましょう。

関連記事:外壁塗装でローンを組むメリット・デメリット解説!注意点や負担を抑える減税制度も

中間マージンが発生しない地元業者に依頼する

外壁塗装を依頼する業者を選ぶ時には、大手ハウスメーカーや工務店ではなく、地元で外壁塗装を専門としている業者に依頼するのも効果的です。大手ハウスメーカーや工務店の場合、実際の塗装作業を下請け業者に外注するケースが多く、その際に中間マージンが発生するので、費用が高額になる傾向があります。余計な中間マージンが上乗せされないよう、優先的に地元業者を選んで依頼することをおすすめします。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

まとめ

一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのは、原則としてNGです。その背景として、本記事では以下の5つの理由を解説してきました。

  • 長期的な費用が膨らむリスクがあるから
  • 建物の美観が悪化するから
  • 今後のリフォーム計画が立てにくくなるから
  • 家全体の劣化が進む恐れがあるから
  • 一部だけの外壁塗装でも長い工期が必要だから

これらのデメリットも踏まえた上で、増改築した部分の塗装や、未塗装だった部分の塗装などを除き、全面塗装を依頼することをおすすめします。また、外壁塗装のための予算が不足する場合には、相見積もりを取って割安な業者を調べるのが効果的なほか、リフォームローンで資金を借りたり、地元業者を選んで中間マージンを省いたりするのも有効なので、ぜひ実践してみてください。

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