2024-08-08 08:32:48 更新

外壁劣化の原因は?主なサイン・種類と補修方法を解説

外壁劣化の原因は?主なサイン・種類と補修方法を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁は時間の経過とともに徐々に劣化していき、変色やひび割れなどのさまざまな症状を引き起こします。劣化のサインを放っておくと、建物全体に症状が広がり、最悪の場合は建物だけでなく、人体に悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

この記事では、外壁劣化の原因と主なサイン・種類を解説します。劣化が生じたときの補修方法も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてください。

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外壁劣化の原因

外壁劣化のサイン・種類

外壁劣化のサインを放置する危険性

外壁劣化の補修方法と費用相場

外壁劣化のサインを見つけたら早めに補修をしよう

外壁劣化の原因

外壁が劣化する原因は主に3つあります。

  • 紫外線
  • 雨風
  • 経年劣化

それぞれの原因について詳しく解説します。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

紫外線

外壁の塗膜表面が紫外線にさらされると、塗料の樹脂が破壊されて劣化の進行が早まります。建物は毎日紫外線を浴び続けており、真新しい外壁材も時間の経過とともに劣化が進んでいきます。

特に強い日差しが当たりやすい南側の外壁は、北側の外壁と比べて早期に劣化症状が現れるため、早めのメンテナンスが必要です。逆に北側の壁は日差しを浴びる時間が短い分、湿気がたまりやすく、結露やカビが原因で劣化する場合があります。

雨風

外壁は雨や風にさらされるたびにダメージを受けています。特に台風や強風によって雨が外壁に打ち付けられると、塗装の防水機能は次第に失われていき、雨水の侵入を許すようになります。

なお、海岸沿いの地域では、塩害による被害にも注意が必要です。海水や大気に含まれる塩分が風によって運ばれてくると、外壁の劣化が引き起こされ、ひび割れや剥離などを起こします。 塩分にさらされた外壁は腐食が進行し、次第に外壁内部に浸透してダメージが大きくなることもあります。

経年劣化

外壁に使用される塗料にはそれぞれ耐用年数があり、耐用年数を経過すると外壁を保護する機能が失われ、ひび割れや剥がれなどの劣化症状が目立つようになります。耐用年数が20年以上ある耐久性の高い外壁材でも、時間の経過とともに徐々に進行する経年劣化は避けられません。

また、日差しの強い場所や雨や雪の多い地域では外部環境によるダメージが激しく、耐用年数を迎える前に劣化することもあります。そのため、外壁に使用されている塗料や居住地域の環境に合わせて、適切なタイミングでメンテナンスを行う必要があります。 

外壁劣化のサイン・種類

外壁が劣化すると、さまざまなサインが現れるようになります。ここでは、主な外壁劣化のサイン・種類を紹介します。

変色・退色

外壁劣化の初期段階で発生するサインは、色あせや変色です。新築時と比較して外壁の色合いが変わってきたら、劣化が始まっているサインです。

変色や退色は、紫外線の影響により塗料に含まれる顔料が浮き上がってくるのが原因で、築3年ほどで現れ始めることが多い傾向にあります。特に日当たりのいい場所から徐々に変色が進み、色あせて劣化が進みます。

変色や退色は外観が古く見えるだけではなく、防水性の低下につながります。汚れと違い、清掃では取り除けないため、元の状態にするには塗装が必要です。

ひび割れ

築7年ほどが経過すると、外壁にひび割れが起こり始めます。0.3㎜以下の髪の毛の細さ程度のひび割れは塗膜の経年劣化が原因で起きた可能性が高く、経過観察でも問題ありません。

しかし、0.3㎜以上のひび割れは建物の構造部分にもひびが発生している可能性があるため、早急な補修が必要です。ひび割れを放置すると、そのひび割れから雨水が侵入し、雨漏りなどを引き起こす可能性があります。特に横方向のひび割れは雨が入りやすいので早めの対策が必要です。

関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用

チョーキング

チョーキングは、壁の表面にチョークのような白い粉が付着する現象です。外壁に触れたときに白い粉が手に付いたら、チョーキングが起きているといえます。

チョーキングの原因は主に紫外線です。塗装表面の塗膜が紫外線の影響で劣化し、塗料に含まれる顔料が粉状に浮き出ることで発生します。築6年ほどで現れ始めることが多く、チョーキングによって防水機能が失われ、水はけが悪くなったりコケやカビなどが発生しやすくなったりします。

関連記事:外壁から白い粉が!チョーキング現象とは?

剥がれ

築10年ほど経過すると、紫外線などの影響によって塗料の密着性が低下し、表面が剥がれてきます。剥がれが広範囲に及ぶと、下地の外壁材にもダメージを与えてしまい、急速に建材の劣化が進んでしまいます。そのため、塗装が剥がれてしまう前に塗り替えが必要です。

剥がれは塗膜の耐久性が失われた経年劣化によって起こる症状ですが、業者による施工不良が原因の場合もあります。塗装後1年以内に剥がれが発生した場合は、施工不良である可能性が高いため、保証内容を確認した上で相談・対応してもらいましょう。

関連記事:外壁塗装が剥離してしまうのは何故?

コケ・藻

紫外線などの影響で塗膜が劣化して外壁の防水性が低下すると、雨水が浸み込みやすくなり、コケや藻が発生します。 コケはカビを発生させる原因にもなり、湿気の影響で腐食の原因にもなるので注意が必要です。

日当たりの悪い北側の外壁や風通しの悪い部分は水分が乾燥しにくいため、コケやカビが多く見られます。 また、家の周辺に池や川、田んぼや水田などがある場合も、コケが発生しやすいといえます。

長期間放置していると根が内部にまで入り込んでしまい、掃除では簡単に落とせません。外壁材が腐るなど、大きなトラブルにつながる恐れがあるため、コケや藻を見つけたら早めのメンテナンスが必要です。

関連記事:外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説

外壁劣化のサインを放置する危険性

外壁劣化のサインを放っておくと、家の見た目が悪くなるだけでなく、大きなリスクを招く恐れがあります。ここでは、外壁劣化のサインを放置してはいけない理由について詳しく解説していきます。

建物の寿命が縮む

外壁劣化のサインを放っておくと劣化が進行し、建物の寿命を縮めてしまいます。最初は小さなサインでも、次第に建物の内部まで劣化が進み、気がついたときには手遅れの状態になっていることもあるので注意が必要です。

上述した通り、外壁のひび割れや剥がれは、雨水の侵入を許し、雨漏りの原因になります。建物の内部まで雨水が入り込んでしまうと、建材は腐食しやすくなり、耐久性が大きく低下します。地震がきたときに、壁が崩れて倒壊するなどの大きな事故につながりかねません。

最悪の事故を引き起こさないようにするには、劣化症状を放置せずに、早めに対処することが大切です。

人体に悪影響を及ぼす

外壁が劣化すると、外壁の隙間から雨水が侵入して建物内部にカビが発生しやすくなり、人体に悪影響が及ぶ可能性があります。

カビの胞子はアレルギーや呼吸器疾患を引き起こす恐れがあり、小さい子供や高齢者にとっては健康リスクが高いです。また、地震が発生したときに劣化した外壁が落下する危険性もあり、ケガをする恐れもあります。

住人の健康と安全を守るためにも、外壁劣化を放置せずに、早めにメンテナンスや補修を行いましょう。

修理費が高くなる

外壁劣化は、初期段階であれば部分的な補修などで対応できますが、放置すると劣化症状が建物全体に広がり、大掛かりな工事が必要になります。修繕工事の規模が大きくなるほど、修理費も高額になります。

建物の構造まで劣化が及ぶと、修繕工事だけでは対応できない場合もあるので注意が必要です。外壁劣化は放置せずに早めに対処することで、メンテナンスや修繕費を安く抑えることができ、長期的なコスト削減につながります。

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

外壁劣化の補修方法と費用相場

外壁劣化の補修には主に3つの方法があり、それぞれ費用が異なります。

外壁洗浄 2~3万円
部分補修 1mあたり2,000~3,000円
塗り替え 100万円前後
重ね張り・張り替え 150~250万円

補修の規模が大きくなるほど費用相場も高くなるので、外壁劣化のサインを見つけたら早めに業者に相談しましょう。

外壁洗浄

カビやコケなどで外壁の表面のみが汚れている場合は、高圧洗浄機を使い、水や専用の薬剤で外壁を掃除します。

高圧洗浄とは、水を高圧にして水の力だけで汚れを落とす作業です。汚れがひどい場合は、バイオ洗浄液を外壁に吹きかけて高圧の水で洗い流す「バイオ洗浄」が効果的です。高圧洗浄の費用は2~3万円、バイオ洗浄は2.5~4万円が相場です。

ただし、劣化してもろくなった外壁に高圧洗浄を行うと破損する可能性があるため、別の方法で補修しましょう。

関連記事:外壁塗装で高圧洗浄機の清掃後、濡れたままコーキングをしても大丈夫か?

部分補修

ひび割れなどの軽度な劣化は、部分的に補修できる場合があります。部分補修の費用は広さや症状によって異なりますが、1mあたり2,000~3,000円が相場です。部分的な工事のため、費用は安く抑えられます。

ただし、部分補修は補修跡が残ってしまうため、場所によっては目立つ場合があります。補修跡を残さずにきれいに補修したい場合は、塗り替えによる補修がおすすめです。

関連記事:一部だけ外壁塗装して費用を抑えるのはNG!注意したいデメリットと予算不足への対策

塗り替え

外壁全面に劣化の症状が広がっていて部分補修で対応が難しい場合は、塗り替えを行います。費用は100万円前後かかりますが、塗り替えによって外壁全面の補修ができるだけでなく、新築時のようなきれいな外観に仕上げられます。既存の外壁とは異なる色の塗料で塗り替えれば、外観の印象を大きく変えることも可能です。

外壁の塗り替えに適した季節は、気温や気候が安定している春や秋です。この時期は塗り替えの需要が高く、予約を取りにくいため、塗り替えをしたい場合は早めに業者に相談しましょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

重ね張り・張り替え

塗り替えでは対応しきれない劣化がある場合は、現在の壁の上に新しい外壁材を施工する「重ね塗り」を行います。劣化の症状がひどい場合は、古い壁材を剥がしてから新しい壁材を張り替える必要があります。

重ね塗りの費用は150~240万円、張り替えの費用は180~250万円が相場です。張り替えは古い壁材を剥がす工程が必要になるため、他の補修方法と比べて費用が高くなります。手間と費用のかかる方法ですが、外壁を根本から修繕したい場合は張り替えを行うと良いでしょう。

関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説

関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説

外壁劣化のサインを見つけたら早めに補修をしよう

外壁劣化は変色・退色から始まり、ひび割れ、剥がれというように時間の経過とともに徐々に進行していきます。劣化の初期段階で補修すれば補修費用を安く抑えられますが、劣化を放っておくと建物内部まで劣化が進行し、大掛かりな補修が必要になるため注意が必要です。外壁劣化のサインを見つけたら、早めに業者に相談して、適切な補修をしてもらいましょう。

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