2024-08-08 08:00:17 更新

外壁サイディングの4種類を徹底解説!耐用年数・費用相場と選び方を紹介

外壁サイディングの4種類を徹底解説!耐用年数・費用相場と選び方を紹介
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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従来のモルタルやタイルといった外壁材とは異なり、安価かつ施工しやすい外壁材である「サイディング」は、新築住宅の70%以上で使われるほど高いシェアを誇っています。最も人気なのはセメントなどの原料を使った窯業系サイディングですが、ほかにも金属系サイディングや樹脂系サイディングなど、それぞれの素材の強みを活かした種類が多く販売されています。

今回の記事では、外壁に使われる主な4種類のサイディングについて、特徴と耐用年数・費用相場を詳しくご紹介します。新築・外壁リフォームでどのサイディングを使うか迷った時の選び方についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次閉じる

外壁材に使われるサイディングとは?

外壁サイディングの4種類の特徴と耐用年数・費用相場

外壁サイディングの種類で迷った時の選び方

まとめ

外壁材に使われるサイディングとは?

「サイディング(Siding)」とは、パネル状・ボード状に工場で作られた外壁材のことを指します。家の外壁材といえば、従来はモルタルやタイルが主流でしたが、どちらも職人の手作業で外壁を整える必要がありました。そのため長い工期がかかり、人件費が増えることから施工費用も高額になる傾向がありました。

しかしサイディングの場合、すでに工場で作られてたパネルを外壁に取り付けるだけなので、職人による仕上げのバラつきが生まれにくく、工期・費用ともに削減できるメリットが得られます。サイディングが普及し始めたのは1990年代ですが、その作業性や価格の安さにより、爆発的に広まるようになりました。

現在では最も安価でデザインが豊富な「窯業系サイディング」をはじめとして、「金属系サイディング」「樹脂系サイディング」「木質系サイディング」の4種類が使用されています。サイディングの種類によって耐用年数や費用相場が異なるので、それぞれの特徴について理解しておくことが理想の家づくりに役立ちます。

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外壁サイディングの4種類の特徴と耐用年数・費用相場

サイディングの主な分類には、前述した4種類がありますが、それぞれの耐用年数・費用相場を一覧にすると次の通りです。

サイディングの種類 平米あたり費用相場 耐用年数 メンテナンス時期
窯業系サイディング 4,000円〜6,000円 40年 7〜8年
金属系サイディング 5,000円〜7,000円 40年 10〜15年
樹脂系サイディング 7,000円〜10,000円 25〜30年 10年
木質系サイディング 6,000円〜9,000円 15〜40年 5〜10年

窯業系サイディングは最も安価で耐用年数も長いですが、こまめな手入れが必要な種類。金属系サイディングはやや高価な施工費用が発生しますが、耐久性が高くメンテナンスの周期も長い種類であるなど、それぞれに違いがあります。

ここでは4種類のサイディングの特徴について、詳しく解説します。

窯業系サイディング

窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは、セメントをベースに繊維質を混ぜたものを窯を使って高温で焼き上げることで成形した外壁材です。サイディングの中でも最も人気が高く、新築住宅では70%ものトップシェアを誇る種類でもあります。

その理由として、ほかの外壁材と比べて価格が安く、施工費用を抑えられる点にあります。加えて各メーカーから豊富なデザインが用意されており、美観にこだわりたい方からも選ばれています。近年では紫外線による色あせを抑える商品や、セルフクリーニング機能を備えた商品も販売されており、機能性を重視する方にも人気です。

外壁材自体の耐用年数は40年ほど。平米あたり約4,000円〜6,000円が費用相場の目安ですが、サイディングの継ぎ目であるコーキング材の劣化やひび割れによる劣化を起こしやすいため、7年〜8年を目安に外壁塗装などのメンテナンスが必要です。

関連記事:窯業系サイディングとは?種類やおすすめのケース、価格の相場を紹介

金属系サイディング

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板と呼ばれるサビに強い素材を使った外壁材です。窯業系サイディングと比べるとやや高価ですが、外壁材自体が非常に軽量で建物への負担が少なく、耐震性の向上につながる種類となっています。外壁のリフォーム時には、古い外壁材の上から新しい外壁材を重ねる「カバー工法」で使われる唯一のサイディングでもあります。

金属系サイディングは均一の厚さで仕上げた外壁材であり、窯業系サイディングのようにひび割れを起こさないメリットがあります。コーキング材の補修工事も不要で、裏面に断熱材を貼り付けた商品であれば断熱性・遮音性も向上します。近年では加工技術が向上し、さまざまなデザインの商品がラインナップされているので、金属特有の冷たい印象が気になっていた方にもおすすめです。

外壁材の耐用年数は約40年で、平米あたり単価は5,000円〜7,000円ほど。10〜15年の周期でサビや凹みの点検を行えば十分なので、メンテナンスの手間・費用を抑えたい方に向いています。

関連記事:金属サイディングのメリット・デメリットとは?後悔しない業者選びのコツも解説

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングとは、主に塩化ビニール樹脂を使った外壁材で、アメリカをはじめとする海外では主流の外壁材でもあります。非常に軽量な外壁材で、サビる心配がないので金属系サイディングでは塩害が気になる沿岸部の住宅にも適しています。コーキングを使用せずに施工できるほか、耐候性が高いのでメンテナンスの手間がほとんどかからないという特徴を持ちます。

しかし現在のところ樹脂系サイディングを扱うメーカーが少なく、実績あるリフォーム業者も少ないため、施工依頼は難しいのが現状です。メンテナンスの手間が少ない外壁材ではありますが、定期的に点検を依頼できる業者を見つけるのも難しいでしょう。選べるデザインが少なく、アメリカの典型的な住宅のような外観となることにも注意が必要です。

耐用年数は25年〜30年が目安で、平米あたりの単価は7,000円〜10,000円が相場です。10年を目安に点検を受けると安心ですが、劣化が少ない外壁材なのでメンテナンスの手間・費用は最小限に抑えられます。

関連記事:樹脂系サイディングの塗装で後悔しない!価格や種類、メーカーを比較解説

木質系サイディング

木質系サイディングは、天然の木材を使った板張りの外壁材です。木材の表面を加工し、防水性・防火性を高めたサイディングであり、機能性を高めつつ天然の風合いを楽しむことができます。雨水に弱いので定期的な再塗装を必要としますが、正しくメンテナンスを行えば長く使い続けられるサイディングです。

古い日本家屋では外壁に木の板を使っていることも多いですが、それらも木質系サイディングの一種と言えます。天然の木材を使うため施工費用が高価になり、将来のメンテナンスコストも割高になる傾向です。しかし近年では、若い世代を中心に板張りの家を好む方も多く、再び注目を集めつつあります。

木質系サイディングの耐用年数は、商品によっては適切にメンテナンスを行うことで40年使い続けられることもあります。費用相場は平米あたり6,000円〜9,000円ほどで、5年〜10年ごとに再塗装などの手入れが必要です。

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関連記事:木質系サイディングの種類・価格は?メンテナンス頻度やおすすめメーカーを紹介

外壁サイディングの種類で迷った時の選び方

ここまでご紹介してきた通り、サイディングには4つの種類があり、それぞれで特徴や費用相場も異なります。新築または外壁リフォームの際にサイディングを選ぶ時にも、どの種類を選んだら良いのか迷ってしまう方は多いでしょう。

ここでは外壁サイディングの種類で迷った時の選び方について、次の4つの観点からご紹介します。

  • 一番人気は窯業系サイディング
  • 耐久性重視なら金属系サイディング
  • 凍害・塩害から守るなら樹脂系サイディング
  • 木質系サイディングが気になる場合は木目調デザインも

サイディングの種類選びの参考に、ぜひお役立てください。

一番人気は窯業系サイディング

サイディングの中でも最も人気なのは、デザインが豊富でコストパフォーマンスに優れた窯業系サイディングです。新築住宅では70%以上の外壁で使用されているほどで、迷ったら窯業系サイディングをおすすめされることも多いです。なるべく費用を抑え、こだわりの外観を実現したい方は、窯業系サイディングの中から商品を選んでみると良いでしょう。

耐久性重視なら金属系サイディング

耐久性が高くメンテナンスの手間が少ないサイディングを使用したい場合には、金属系サイディングがおすすめです。窯業系サイディングとは異なり、金属系サイディングはひび割れを起こすことがなく、コーキング材の補修工事もほぼ必要ありません。外壁リフォームの際には、金属系サイディングを使ったカバー工法で外壁を二重構造にすることで、断熱性・遮音性を高めるのも効果的です。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

凍害・塩害から守るなら樹脂系サイディング

寒冷地や沿岸部に位置する家で、凍害・塩害による外壁の劣化を防ぎたい場合には、樹脂系サイディングを扱う業者を探してみると良いでしょう。樹脂系サイディングであれば凍害・塩害に強いため、過酷な立地条件でも長持ちする家を建てることができます。

木質系サイディングが気になる場合は木目調デザインも

木質系サイディングを使った板張りの家が気になっているが、メンテナンスの手間や費用がネックに感じる場合、木目調デザインを使った窯業系サイディングや金属系サイディングを検討してみるのもおすすめです。

近年では加工技術の向上により、本物の木材と見間違えるほどのサイディングも多く登場しています。木目調デザインのサイディングを選ぶことで、木の質感と高い耐久性・メンテナンス性を両立させることも可能なので、まずはリフォーム業者に問い合わせてサイディングのサンプルを見せてもらうことをおすすめします。

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まとめ

外壁材に使われるサイディングには、窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4つの種類があります。最も安価かつ人気なのが窯業系で、木質系が最も高価なサイディングとなります。メンテナンスの手間が少ないのは金属系と樹脂系のサイディングなので、長持ちする家を建てたい方におすすめです。

また、窯業系・金属系のサイディングでは豊富なデザインの商品がラインナップされているため、木目調など外観にこだわりたい方にも向いています。まずはリフォーム業者に相談してサイディングのサンプルをチェックしながら、理想の外壁材を選んでみてください。

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