外壁塗装は、家の外観を美しく保つだけでなく、雨や紫外線から建物を保護する重要な役割を担っています。
しかし、その費用は決して安くないため、費用内訳や適正価格をしっかり理解して、後悔のない工事にすることが大切です。
そこで本記事では、一目でわかる外壁塗装の価格表を始めとし、内訳や平米単価、工事費用の算出方法などを解説します。
価格を安く抑えるためのポイントも紹介していますので、ご自宅の外壁塗装を予定している方はぜひ最後までご覧ください。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
【一目でわかる】外壁塗装の価格表一覧!工程ごとの平米単価をチェック
外壁塗装では、外壁の塗り替え以外にも、仮設足場や下地処理などといった様々な作業が必要になり、かかる費用は工程ごとに大きく異なります。
以下の一覧表に、一般的な塗装工程ごとの平米単価をまとめましたので、ぜひ参考に自宅の外壁塗装にかかるおおよその費用感をつかみましょう。
塗装工程 | 工事内容 | 施工価格(平米単価) |
仮設工事 |
仮設足場 | 750円〜/㎡ |
養生シート | 150円〜/㎡ | |
下地処理 |
高圧洗浄 | 100円〜/㎡ |
ケレン作業 | 400円〜/㎡ | |
クラック処理 | 1500円〜/㎡ | |
シーリング打ち増し | 500円〜/㎡ | |
シーリング打ち替え | 800円〜/㎡ | |
外壁塗装 |
下塗り | 500〜1000円/㎡ |
上塗り(2回塗り) | 1200〜5500円/㎡ | |
付帯部塗装 |
破風板 | 700円〜/㎡ |
雨樋 | 700円〜/㎡ | |
軒天 | 1200円〜/㎡ | |
雨戸・戸袋 | 2000円〜/枚 | |
諸経費 |
現場管理費 |
工事費用全体の5〜15%程度 |
一般管理費 | ||
産業廃棄物処分費 |
実際の費用は、外壁面積や建物の状態、使用する塗料の種類などによって変動します。さらに、物件によって必要な作業も異なるため、上記価格表はあくまで目安として参考にしてください。
より正確な費用を把握したい場合は、外壁塗装の専門業者に見積もりを依頼しましょう。なお、見積もり金額は業者によっても変わりますので、かならず3〜4社以上の複数業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
外壁塗装にかかる価格の費用内訳
外壁塗装の価格は、大きく分けて以下4つの費用から構成されています。
- 塗料代
- 足場代
- 工事代・人件費
- その他・諸経費
費用内訳とそれぞれの相場を正しく理解し、見積もり価格が適正かどうか判断できるようにしましょう。
塗料代
塗料代は、外壁塗装の最終的な仕上がりに直結する重要な要素となっており、一般的には費用全体の約20%を占めるとされています。
実際の価格は、使用する塗料の種類によってかなり幅があり、もっとも安価なアクリル塗料では1㎡あたり1200〜1600円ほど。もっとも高価な無機塗料では4500〜5500円程度の施工費用がかかります。
塗料の種類および、1㎡あたりの施工価格は以下のとおりです。
塗料の種類 | 耐用年数 | 施工価格(平米単価) |
アクリル塗料 | 5〜7年 | 1200〜1600円/㎡ |
ウレタン塗料 | 8〜10年 | 1700〜2200円/㎡ |
シリコン塗料 | 10〜15年 | 2300〜3000円/㎡ |
ラジカル塗料 | 12〜15年 | 2500〜3000円/㎡ |
フッ素塗料 | 15〜20年 | 3800〜4800円/㎡ |
光触媒塗料 | 15〜20年 | 4200〜5000円/㎡ |
無機塗料 | 20〜25年 | 4500〜5500円/㎡ |
なお、価格の高い塗料ほど耐用年数も長くなっているため、メンテナンスの手間とコストのバランスを考慮して選ぶことが大切です。
関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう
足場代
足場代は、外壁塗装を安全かつ効率的に施工するために不可欠な費用です。
一般的に費用全体の20%程度を占めるとされており、足場の費用だけでなく、塗料の飛散を防ぐための養生シートなどといった、仮設工事にかかる費用が含まれます。
足場代に分類される、工事内容ごとの施工価格は以下のとおりです。
塗装工程 | 工事内容 | 施工価格(平米単価) |
仮設工事 |
仮設足場 | 750円〜/㎡ |
養生シート | 150円〜/㎡ |
なお、具体的な価格は住宅の階数や外周の長さ、設置する足場の種類などによっても変動します。大きな家であるほど費用は増加しますが、安全に作業を進めるために必ず必要な費用であることを理解しておきましょう。
工事代・人件費
工事代・人件費とは、職人が行う外壁塗装作業そのものにかかる費用のことです。
一般的に費用全体の約30%を占めるとされており、たとえば高圧洗浄やシーリング工事、外壁・付帯部塗装などにかかる費用が含まれます。
工事代・人件費に分類される、塗装工程ごとの施工価格は以下のとおりです。
塗装工程 | 工事内容 | 施工価格(平米単価) |
下地処理 |
高圧洗浄 | 100円〜/㎡ |
ケレン作業 | 400円〜/㎡ | |
クラック処理 | 1500円〜/㎡ | |
シーリング打ち増し | 500円〜/㎡ | |
シーリング打ち替え | 800円〜/㎡ | |
外壁塗装 |
下塗り | 500〜1000円/㎡ |
上塗り(2回塗り) | 1000〜5500円/㎡ | |
付帯部塗装 |
破風板 | 700円〜/㎡ |
雨樋 | 700円〜/㎡ | |
軒天 | 1200円〜/㎡ | |
雨戸・戸袋 | 2000円〜/枚 |
なお、工事代・人件費には、職人の数や技術力の高さ、工事日数なども影響します。
そのため、同じ工事内容であっても、依頼する業者はもちろんのこと、季節や地域によっても価格が大きく変動する点には注意しておきましょう。
その他・諸経費
その他・諸経費は、直接的な工事費用以外にかかる費用です。
たとえば廃棄物処理費や資材運搬費、保険料や事務手数料などといった、現場管理や会社運営にかかる費用が含まれます。
項目 | 内容 | 価格 |
諸経費 |
現場管理費 |
工事費用全体の5〜15%程度 |
一般管理費 | ||
産業廃棄物処分費 |
諸経費は、一般的に費用全体の5〜15%程度が相場とされていますが、工事の規模や地域、業者の方針など、様々な要素によって変動するため注意が必要です。見積もりを取得した際には、諸経費の内訳も詳しくチェックしておきましょう。
外壁塗装にかかる価格の正しい算出方法
ここでは、外壁塗装の価格を算出するためのポイントについて解説します。
外壁塗装にかかる価格を把握するには、業者に見積もり依頼することが1番簡単ですが、正しい計算方法を知っていればおおよその費用をあらかじめ知ることが可能です。
取得した見積もり金額が適切かどうかなど、業者の信頼性を自分で判断しやすくなりますので、適切な計算方法はしっかり理解しておきましょう。
おおよその価格は「平米単価 × 外壁面積」で算出可能
外壁塗装の価格は、「平米単価 × 外壁面積」の計算式でおおよその金額を算出可能です。
平米単価は1㎡あたりの工事にかかる金額を、外壁面積は実際に塗料を塗る面積を指し、外壁面積は「延床面積 × 1.2(係数)」で求められます。
たとえば一般的な30坪の住宅の場合、延床面積は「30(坪)× 3.3(1坪あたりの㎡)= 99㎡」となるため、「99㎡(延床面積)× 1.2(係数)= 118.8㎡」。つまり、30坪の住宅の外壁面積は約119㎡だと分かります。
このように求めた外壁面積と、本記事で解説してきた工程ごとの平米単価をかけることで、外壁塗装にかかるおおよその金額を算出可能です。
坪表記には要注意!見積書で見るべきところは?
外壁塗装の見積書にて、工程ごとの価格が「坪」表記になっている場合は要注意です。
坪数は一見分かりやすい指標ですが、「1坪=約3.3㎡」のため大雑把な数値になりやすく、外壁塗装などの費用計算ではより正確な「㎡」が使用されます。
また、見積書を見るときは、単位以外にも下記のようなポイントに注目し、良い業者かどうかを見極めることが大切です。
【良い見積書の特徴】
- 外壁塗装の施工内容・単価が細かく表記されている
- 施工範囲が「㎡」などの具体的な単位で表記されている
- 使用する塗料の種類・商品名・塗装回数が明記されている
- 相場とかけ離れた平米単価・価格になっていない
なお、外壁塗装で実際にかかる費用は、面積だけでなく、外壁の素材や劣化状況、使用する塗料や付帯部の数によっても大きく変動します。
物件によっては追加で必要な作業や逆に不要な作業もあり、算出した価格と大きな誤差が出る場合もあるため、正式な依頼をする前にかならず自宅の条件に応じた見積もりを取得しましょう。
外壁塗装の価格を安く抑えるためのポイント3つ
外壁塗装の価格を安く抑えるポイントは以下の3つです。
- 塗料のグレードを調節する
- 繁忙期の工事依頼を避ける
- 助成金制度や火災保険を活用する
これらのポイントをしっかり押さえて、費用を節約しつつ、納得のいく外壁塗装を依頼しましょう。
塗料のグレードを調節する
外壁塗装の費用を抑えるためには、使用する塗料のグレードを調節することが効果的です。
塗料の施工価格と耐用年数は比例しており、耐用年数が短い塗料を選べば初期費用を抑えられ、逆に耐用年数の長い塗料を選べばメンテナンスの手間とコストを抑えられます。
数年以内に引っ越しの予定がある場合は、その期間維持できる最低限のグレードを。長く住む予定であれば、将来的な負担を減らせるグレードの高いものを選ぶなど、自分のケースに応じた最適なバランスを見つけることが大切です。
繁忙期の工事依頼を避ける
外壁塗装の価格は季節によっても変動するため、繁忙期を避けることで価格を抑えられる可能性があります。
一般的に外壁塗装の繁忙期は「春」「秋」とされており、この時期は空気が乾燥していて天候も安定している点や、梅雨前・台風シーズン前ということもあって需要が高まりやすく、それに伴い価格も高額になりがちです。
逆にこれらの時期を外して、閑散期とされる「夏」「冬」に依頼すれば、比較的安く工事を依頼できる可能性が高くなります。
ただし、湿度が高く天候が安定しない閑散期は、塗装工程で不都合が起きやすい季節でもあるため、実績や技術、知識がしっかりある信頼できる業者を選ぶことがより重要です。
関連記事:外壁塗装に適した時期とは?季節ごとのメリットと塗り替え周期も解説
助成金制度や火災保険を活用する
外壁塗装では、条件次第で助成金制度や火災保険が適用できる可能性があり、助成金・保険金が得られれば工事費用を大幅にカバーできます。
助成金制度の一般的な相場は10〜20万円ほどとなっており、制度の有無や適用条件は市区町村・自治体によって異なるため、まずはお住まいの地域自治体HPを確認してみてください。
また、自然災害や事故による損害を受けて外壁の修繕を行う場合は、火災保険が適用される場合もあります。補償対象になるかどうかは、加入している保険プランによって変わるため、まずは保険会社に相談してみましょう。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説
関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
適正価格を把握して後悔のない外壁塗装を行おう
本記事では、外壁塗装の平米単価や費用内訳、費用の算出方法や安く抑えるためのコツを解説しました。
外壁塗装の価格は、塗料代や足場代など複数の要素で構成されており、さらには工事内容ごとに1㎡あたりの平米単価が設定されています。
これらの相場を正しく理解し、取得した見積もりが妥当かどうかを見極めることが、後悔しない外壁塗装を行うための第一歩です。
また、外壁塗装を依頼する際にもっとも重要なのは「信頼できる優良業者を選ぶこと」です。かならず3〜4社以上の複数業者から相見積もりを取得し、サービス内容や価格などを総合的に判断して、より安心して任せられる業者に依頼しましょう。