2024-07-05 05:57:22 更新

外壁コーキングの補修費用の相場とは?寿命の目安と打ち直し・増し打ちの違い

外壁コーキングの補修費用の相場とは?寿命の目安と打ち直し・増し打ちの違い
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁材の継ぎ目に使われるゴムのような部分は「コーキング」または「シーリング」と呼ばれ、外壁を雨水や劣化から守る重要な役割を果たしています。しかしコーキングは外壁材や塗装と比べて劣化が進みやすく、約5年〜10年でコーキングの補修が必要になるケースが多いです。

外壁コーキングの補修費用は25万円〜45万円と幅があり、「打ち直し」「増し打ち」のどちらを選ぶかによって必要な費用は異なります。また、コーキング補修は外壁塗装と同時に依頼することで、足場代を節約してリフォーム費用を抑えられることが多いので、積極的に検討するのも大切です。

本記事では、外壁コーキングの補修費用の相場と、補修が必要となる寿命の目安、打ち直し・増し打ちの違いなどについて詳しく解説します。

目次閉じる

外壁コーキングの補修費用の相場は25万円〜45万円

外壁コーキングの補修が必要となるタイミング・サイン

外壁コーキングの補修工事を依頼する時の注意点

外壁コーキングの補修は外壁塗装と同時に行うべき理由

まとめ

外壁コーキングの補修費用の相場は25万円〜45万円

外壁コーキングの補修費用は、広さ30坪でコーキングの長さが約180cmの場合で、25万円〜45万円が目安となっています。コーキングの補修費用は、コーキングを打つ長さとコーキング材の単価を元に計算されるため、規模の大きな家ほど高額となる傾向があります。

また、高所に位置するコーキングの補修には足場の設置が欠かせないため、足場代が上乗せされることも押さえておきましょう。

外壁コーキングの補修費用は「打ち直し」「増し打ち」で異なる

外壁コーキングの補修費用は、「打ち直し」「増し打ち」のどちらの方法で施工するかによって、相場が大きく異なります。

打ち直し(打ち替え)とは、古いコーキングを取り除いて新しいコーキング材を打つ方法であり、古いコーキングの撤去・処分費用がかかるので費用相場はやや高額となります。

一方の増し打ちは、古いコーキングはそのままに、上から新しいコーキング材を打つ方法になります。打ち直しと比べて補修費用は安くなりますが、古いコーキング材となじみにくいケースもあり、耐久性が劣る傾向にあります。

外壁コーキングの打ち直し費用の相場

外壁コーキングを打ち直しで補修する場合、1mあたりの費用相場は約900万円〜1,200円、これに足場代が加算され、30万円〜45万円ほどが目安になります。増し打ちと比べて古いコーキングの撤去・処分費用が必要になるため、単価がやや高くなるのが特徴です。

外壁コーキングの増し打ち費用の相場

外壁コーキングを増し打ちで補修する場合、1mあたりの費用相場は約500〜900円、足場代を加えて25万円〜35万円が相場です。打ち直しと比べて単価は抑えられますが、足場代が節約できるわけではなく、コーキングの耐久性や今後のメンテナンスコストを考えると、増し打ちの方が割高になる可能性もあります。

外壁コーキングの補修が必要となるタイミング・サイン

外壁の継ぎ目で使われているコーキングは、外壁材の隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐだけではなく、地震などで建物が揺れる時の緩衝材となり、外壁材のズレを吸収する重要な役割を持ちます。しかし屋外で紫外線や風雨にさらされることから、劣化が進みやすい部位でもあります。

ここでは外壁コーキングの補修が必要となるタイミングや劣化サインについてご紹介します。

コーキング自体の寿命を迎えるタイミング

外壁コーキングの寿命は、立地条件やコーキング材の種類によって変動しますが、約5年〜10年が目安です。遅くとも新築から10年、もしくは前回の外壁リフォームから10年経過するタイミングで、一度コーキングの点検・メンテナンスを行うことが大切です。

特に家の南側に位置する紫外線にさらされやすいコーキングや寒暖差の激しい地域のコーキングは、劣化が進むスピードが速いため、定期的に劣化症状をチェックする必要があります。

コーキングのひび割れ・肉やせ

外壁コーキングの劣化症状に挙げられるのは、ひび割れ・肉やせです。

コーキング劣化の初期症状として、コーキング材に縦に走るひび割れが発生することが多く、劣化によってコーキングの柔軟性が失われたサインとして知られています。そのまま放置すると、ひび割れが広範囲に広がり、破断してしまう危険性があるため早めの対処が必要です。

一方の「肉やせ」は、コーキングの弾力性が失われてコーキング材が縮んでしまい、継ぎ目に隙間が生まれる症状を指します。経年劣化のほかにも、コーキング材の充填量が不足する施工不良によっても発生する可能性があります。外壁の継ぎ目に隙間が生まれていることから、雨水が侵入しやすい状態となっているため、早急な補修が必要です。

外壁コーキングの補修工事を依頼する時の注意点

外壁コーキングの補修工事を実施する際には、次の3つのポイントに注意しながら施工するのが大切です。

  • 基本的にコーキングの「打ち直し」を選ぶ
  • DIYでの補修は避けた方が良い
  • 足場なしでの作業は困難

それぞれのポイントを解説しますので、参考にしながらコーキング補修を進めてください。

基本的にコーキングの「打ち直し」を選ぶ

外壁コーキングの補修には、打ち直し・増し打ちの2種類があることを解説しましたが、原則として「打ち直し」を選ぶことが望ましいです。というのも、古いコーキングを除去せずに増し打ちした場合、寿命が半分以下になってしまうケースが多く、今後のメンテナンス回数が増える可能性があるからです。

また、増し打ちしたコーキング材と古いコーキング材がなじまず、新しいコーキング材だけがはがれ落ちてしまうことも考えられます。その結果、劣化が早まってもう一度補修工事を行う必要が出てきます。

増し打ちは打ち直しと比べて、リフォーム費用が安く工期が短くなるメリットもありますが、今後のメンテナンスコストを考慮して、基本的には打ち直しを選ぶようにしましょう。

DIYでの補修は避けた方が良い

外壁コーキングに必要なコーキングガンやコーキング材は、ホームセンターで購入できるため、DIYで補修できないか考える方は多いです。しかし局所的なコーキングの補修でもない限り、DIYでの補修は避けた方が無難です。

というのも、コーキングの補修では古いコーキングの除去・洗浄や、新しいコーキング材の乾燥など、プロの技術が必要となる工程が多いからです。素人の作業で施工不良を起こしてしまうと、改めてプロに補修工事を依頼した際に高額な費用が発生することも考えられるため、DIYは避けることをおすすめします。

また、高所でのコーキング補修には足場の設置が欠かせませんが、節約のために屋根に上って作業したり、脚立だけで作業したりすると、転倒による怪我のリスクも高まるため非常に危険です。

関連記事:外壁塗装をDIYする方法とは?業者に依頼した方が良いケースや注意点を解説

足場なしでの作業は困難

外壁コーキングの補修を業者に依頼する際、足場代が高額になることがネックに感じる方は多いです。30坪の家で外壁コーキングを補修する場合、足場の設置代だけで約15万円〜20万円必要となり、場合によってはリフォーム費用の半分以上を占めることもあります。

そのため足場代を節約し、はしごやロープを使って施工できないかと考える方も少なくありません。しかし高所での作業が欠かせない外壁コーキングの補修工事は、職人の方の安全性を確保するためにも足場の設置が必須です。

もし足場代の費用が割高に感じられる場合には、「外壁塗装と同時に依頼する」という方法を検討するのがおすすめです。その理由は次の項目で詳しくご紹介します。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

外壁コーキングの補修は外壁塗装と同時に行うべき理由

外壁コーキングの補修が必要な場合には、コーキングの補修工事だけを依頼するのではなく、外壁塗装との同時施工を推奨されることが多いです。その理由として、次の3つが挙げられます。

  • 足場代の節約になる
  • 先打ちの場合コーキングの寿命が延びる
  • 工期の短縮につながる

それぞれ順番にご紹介しましょう。

足場代の節約になる

外壁コーキングの補修工事を外壁塗装と同時に依頼した場合、同じ足場を使い回して作業できるので、別々で施工を依頼した場合と比べて足場代の節約につながります。コーキングの補修工事と外壁塗装で別々に依頼した場合、約15万円〜20万円の足場代が2回発生しますが、同時施工の場合には1回で済みます。そのため少なくとも約15万円〜20万円の節約効果が見込めるのです。

コーキングの補修工事では、足場代がリフォーム費用の大半を占めることも多いので、外壁のメンテナンスコスト全体を抑えるためにも、外壁塗装と一緒に依頼することをおすすめします。

先打ちの場合コーキングの寿命が延びる

外壁コーキングの補修工事と外壁塗装を同時に依頼する場合、塗装の前にコーキングを打つ「先打ち」であれば、コーキングの寿命が延びるメリットも生まれます。これはコーキング材の上から塗装を行うことで、塗膜がコーキングを保護する役目を果たし、耐久性が高まることが理由です。

ただし、外壁塗装で使われる塗料の塗膜は、コーキングよりも柔軟性が低いため、地震などによってコーキングが伸縮する際にひび割れが起こることがあります。また、コーキングの補修工事を外壁塗装の後に行う「後打ち」の場合には、コーキングの寿命が延びるメリットは得られないので注意が必要です。

工期の短縮につながる

外壁コーキングの補修工事と外壁塗装を同時に依頼することで、外壁リフォーム全体の工期短縮につながるメリットもあります。コーキング材は充填後の乾燥時間を確保する必要があり、外壁塗装でも塗料の乾燥を待つ期間が発生します。

また、外壁リフォームは天候の影響を受けやすく、雨が降ると工事がストップしてしまうことも多いです。別々の業者に依頼することで見積もり・足場設置の期間も必要になることを踏まえると、コーキングの補修工事と外壁塗装を同時に依頼することで、大幅な工期短縮が見込めるのです。

まとめ

外壁コーキングの補修費用は、25万円〜45万円が相場です。古いコーキングを取り除く「打ち直し」か、古いコーキングの上から施工する「増し打ち」かによって費用相場は異なり、いずれの場合にも足場の設置費用が発生することに注意が必要です。

外壁コーキングは約5年〜10年で素材の寿命を迎えるため、遅くとも築10年、または前回の外壁リフォームから10年の周期で点検・メンテナンスを行うと良いでしょう。ただしコーキングのひび割れ・肉やせなどの劣化症状が見られる場合には、寿命に関わらず早めの対処が必要です。

外壁コーキングの補修費用を抑えるためには、足場を使い回せる外壁塗装と同時に依頼するのが効果的です。コーキングの寿命が延びたり、工期が短縮されたりするメリットも得られるので、ぜひ外壁塗装と一緒にコーキング補修を依頼することを検討してみてください。

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