2024-07-05 07:19:30 更新

フッ素塗料の価格は?メリット・デメリットとおすすめメーカーを紹介

フッ素塗料の価格は?メリット・デメリットとおすすめメーカーを紹介
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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「外壁に長持ちする塗料を使いたい」という方には、フッ素塗料がおすすめです。フッ素塗料は他の塗料と比べて耐用年数が長く、外壁の劣化を最小限に抑えてくれます。しかし、価格が高いといった注意点もあるため、予算も考慮しながら選ぶ必要があります。

この記事では、フッ素塗料の特徴を紹介するとともに、メリット・デメリットを解説します。フッ素塗料を販売しているおすすめメーカーも紹介するので、外壁塗装の塗料選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の塗料に関する詳しい解説はこちら

目次閉じる

フッ素塗料とは?

フッ素塗料の効果・メリット

フッ素塗料のデメリット

フッ素塗料のおすすめメーカー5選

フッ素塗料で外壁の耐久性を高めよう

フッ素塗料とは?

フッ素塗料とは、「蛍石(ほたるいし)」を原料としたフッ素樹脂を含む塗料のことです。耐久性が高い塗料として人気が高く、住宅をはじめビルなどの大型建造物の外壁塗装に用いられます。一般住宅では、紫外線による劣化が大きい屋根や外壁、シャッターなどに使われることが多いです。

フッ素塗料の耐用年数

フッ素塗料は代表的な塗料の中で、最も長い耐用年数を誇ります。 

塗料の種類 耐用年数
アクリル 5〜8年
ウレタン 7〜10年
シリコン 10〜13年
フッ素 13〜15年超

外壁は15年以上、劣化しやすい屋根でも12〜15年の耐用年数があり、4種類ある住宅用塗料の中でもっとも高いグレードです。

耐用年数が長ければメンテナンスの回数も少なくなるため、長い目で見るとトータルコストで安く済むケースがほとんどです。

フッ素塗料の価格相場

建物の外壁塗装に用いられる塗料とフッ素塗料の価格相場を比較してみました。

塗料の種類 単価相場(1㎡あたり)
アクリル 1,000〜1,800円
ウレタン 1,800~3,000円
シリコン 2,500~4,000円
フッ素 3,500~5,500円

他の塗料に比べると価格は高めですが、その分、耐久性が高いため、長い目で見ればコストパフォーマンスの良い塗料だと言えます。とはいえ、一回あたりの施工費用は高いので、予算と相談しながら使用すべきか判断する必要があります。

フッ素塗料の効果・メリット

フッ素塗料には、主に以下4つの効果・メリットがあります。

  • 耐久性・耐候性に優れている
  • 親水性がある
  • 防藻性・防カビ性がある
  • 耐摩耗性が高い

それぞれの効果について詳しく解説します。

耐久性・耐候性に優れている

フッ素塗料の耐久年数は外壁で15~20年、屋根は12〜15年と言われており、その耐久性・耐候性の高さが魅力です。

フッ素塗料は外壁にしっかり密着するため、風雨に晒されても隙間をつくらず、紫外線のダメージで破壊されにくいメリットがあります。色あせや劣化の進行を抑えることができ、塗り替え頻度を少なくすることが可能です。

温度変化にも強いため、北海道などの寒い地域や沖縄などの暑い地域でもしっかりと性能を発揮します。家を長持ちさせたい方や、長期的なコストを抑えたい方におすすめの塗料です。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

親水性がある

親水性とは、水に溶けやすく混ざりやすい性質のことです。フッ素塗料は親水性に優れているため、空気中のホコリや排ガスが塗膜に付着しても、雨によって自然に汚れが落ちていきます。

汚れが付着しても、水が接着面に入り込んで汚れを落とすため、汚れにくいメリットがあります。外壁をきれいに保ちたい方には適した塗料だと言えるでしょう。

防藻性・防カビ性がある

塗膜に防藻性や防カビ性があるため、太陽の光が当たりにくい北面の壁や湿気がこもりやすい壁でも、藻やカビの発生を抑えることが可能です。そのため、カビや藻の発生によって建物の美観を損うことなく、時間が経過しても綺麗な状態を長く維持できます。日当たりが良くない場所や湿気の多い地域には、欠かせない性能だと言えます。

耐摩耗性が高い

フッ素塗料は耐摩耗性が高く、塗膜の光沢保持力に優れています。20年経過しても光沢はわずか10%しか減少しないと言われており、塗装したてのピカピカの外観が長持ちします。光沢感のある仕上がりは住宅を新築のようにきれいに見せてくれるため、築年数の古い住宅でもきれいな見た目を取り戻せるでしょう。

光沢のある質感が好みの方にはおすすめですが、環境によっては安っぽく見えるので注意が必要です。仕上がり具合は外壁塗装に用いる色や住宅の外観に大きく左右されるので、住宅との相性も考えながら判断しましょう。 

フッ素塗料のデメリット

フッ素塗料はメリットが多い一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 価格が高い
  • 再塗装が難しい
  • ひび割れが発生しやすい
  • 取り扱いが難しい

メリットだけでなくデメリットも考慮したうえで、建物に適した塗料を選びましょう。

価格が高い

フッ素塗料は高価な部類の塗料なので、必然的に初期費用は他の塗料に比べて高くなります。そのため、一般住宅では屋根など限られた箇所に使用されることが多いです。

屋根は外壁より面積が小さいので、塗り替え費用を安く抑えられます。外壁は価格の安いシリコン系やウレタン系の塗料を使用し、屋根はフッ素塗料を使用する、というように塗り分けを行うのも一つの方法です。

関連記事:外壁塗装を安く依頼する12のコツ!費用相場よりも割安に工事するには

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

再塗装が難しい

フッ素塗料の塗膜には硬くて親水性が高いという特徴があるため、外壁を再塗装するときの塗料の密着性が妨げられることがあります。そのため、塗料の密着性を高める特殊な下塗り材で下塗りを行う必要があります。

特別な下塗りが必要となる分、外壁の再塗装の難易度が高くなり、他の塗料より費用が掛かるため注意が必要です。

ひび割れが発生しやすい

フッ素塗料は耐久性が高い反面、塗膜が硬くて弾力性がないという弱点もあります。他の塗装に比べて塗膜が伸びにくいため、モルタル外壁などの動きのある素地に塗装すると、ひび割れ(ヘアクラック)が発生して塗膜も一緒に割れることがあります。 

フッ素塗料の塗膜は硬いため、震度1〜2程度の細かな揺れに順応できません。小さな地震が頻発する地域では、外壁の表面にヘアクラックが発生しやすいので注意が必要です。

特にモルタル外壁はヘアクラックが起こりやすいため、フッ素塗料との相性はよくありません。ただし最近は柔軟性の高いフッ素塗料も出てきているため、外壁のヘアクラックを防ぎたい場合は、柔軟性の高い商品を選びましょう。

関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用

取り扱いが難しい

フッ素塗料は塗膜が硬くて親水性が高いため、再塗装する際は特殊な下塗り材が必要になるなど、取り扱いが難しい塗料です。そのため、取り扱いに慣れていて、正確な知識を持っている塗装業者でないと正しく施工できません。そもそも取り扱っている業者の数が少ないため、地域によっては施工を依頼できない場合もあります。

知識やスキルの伴っていない業者に依頼すると、フッ素塗料が持つメリットを正しく発揮できず、建物外壁を保護する本来の目的を果たせません。業者のホームページには過去の施工実績が掲載されているので、フッ素塗料の使用歴があるかを確認しておきましょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

フッ素塗料のおすすめメーカー5選

フッ素塗料はさまざまなメーカーが販売しているため、どれを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。そこでここでは、おすすめのメーカー5つをご紹介します。

  • 日本ペイント
  • エスケー化研
  • 関西ペイント
  • 菊水化学工業
  • KFケミカル

それぞれの特徴を比較して、適したものを選びましょう。

日本ペイント

日本ペイントは1881年の創業以来、100年以上にわたって業界をリードしている国内最大手の塗料メーカーです。住宅だけでなく、自動車や大型建築物の塗料を製造・販売しています。

日本ペイントが扱うフッ素塗料の中で有名なのは「ファイン4Fセラミック」です。15年以上の長い耐久年数をもち、超低汚染性を持ち合わせているため、汚れを防ぎながら美しい外壁を長期間維持できます。

商品名 ファイン4F セラミック
価格 約3,600円/㎡~
耐用年数 約15年以上

エスケー化研

エスケー化研は、建築用の塗料や仕上げ材の総合メーカーです。とりわけ仕上塗材においては国内シェアトップを誇ります。  

エスケー化研が扱うフッ素塗料では「クリーンマイルドフッ素」が有名です。高い耐久性と低汚染性に加え、防カビ性・防藻性にも優れており、長期にわたって美しい外壁を維持できます。塗装可能な素材(適用下地)も多いので、幅広い建物の外壁に使用可能です。

商品名 クリーンマイルドフッ素
価格 約2,800円/㎡〜(下塗り材別)
耐用年数 15〜20年

関西ペイント

関西ペイントは、建築用や船舶などの塗料を製造・販売する大手塗料メーカーで、100年以上の長い歴史を持ちます。代表的なフッ素塗料としては「セラMフッソ」が挙げられます。

耐久性・耐候性・耐汚染性に優れているだけでなく、内部塗装にも適応性があるのが特徴で、幅広いシーンに使用されています。

商品名 セラMフッソ
価格 約5,400円/㎡~
耐用年数 15〜20年

菊水化学工業

菊水化学工業は、下地から仕上げまでの建築用塗料・塗材の製造・販売を行う塗材メーカーです。菊水化学工業では長期間の耐候性の持続が期待できる「キクスイ SPパワーフッ素」を販売しています。速乾性があり、工期を短縮できるため、工事中の不便を最小限に抑えられます。

商品名 キクスイ SPパワーフッ素
価格 3,000~3,200円/㎡
耐用年数 16~20年

KFケミカル

KFケミカルは、土木資材や建築塗料を製造・販売するメーカーです。KFケミカルが扱うフッ素塗料では「セミフロンスーパーマイルドⅡ」が有名です。

耐候性に優れる無機成分「オルガノ ポリシロキサン」と4フッ化フッ素の融合した塗料なので、従来の4化フッ素樹脂塗料に比べて耐候性や耐汚染性が高く、使いやすさも向上しています。

商品名 セミフロンスーパーマイルドⅡ
価格 2,500~3,300円/㎡
耐用年数 15~20年

フッ素塗料で外壁の耐久性を高めよう

フッ素塗料は耐用年数が長く、親水性や防汚性能に優れる塗料です。性能が高いため価格は高めですが、メンテナンスの頻度を抑えることができるうえに、時間が経過しても美しい外観を維持できます。

ただし取り扱いが難しい塗料であり、ひび割れしやすいデメリットもあるため、豊富な実績のある業者に任せた方が安心です。フッ素塗料のメリットを十分に発揮して外壁の耐久性を高めるために、施工実績のある優良業者に依頼しましょう。

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