2024-07-05 07:10:15 更新

シリコン塗料のメリット・デメリットとは?耐用年数や他の塗料との違いを解説

シリコン塗料のメリット・デメリットとは?耐用年数や他の塗料との違いを解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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シリコン塗料は、価格と耐久性、機能性のバランスに優れており、屋根塗装・外壁塗装では最も人気の塗料の一つです。アクリル塗料・ウレタン塗料といったグレードの塗料よりは高価ですが、塗膜が長持ちして美観を保つ性能を備えているので、塗料選びに迷った時にはシリコン塗料が勧められることも多いです。

しかし、シリコン塗料を屋根塗装・外壁塗装で使う場合には、デメリットや注意点についても理解しておく必要があります。本記事では、シリコン塗料のメリット・デメリットや他の塗料との違い、リフォームする際の注意点についてご紹介します。

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シリコン塗料とは?

屋根・外壁でシリコン塗料を使うメリット

屋根・外壁でシリコン塗料を使うデメリット

シリコン塗料でリフォームする時の注意点

まとめ

シリコン塗料とは?

シリコン塗料は、シャンプーやファンデーションにも使われるシリコン樹脂を使用した塗料で、屋根塗装・外壁塗装で最も高い人気を誇ります。住宅の塗装では、主にアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料の4種類が使われますが、その中でもシリコン塗料は価格と耐用年数のバランスが良く、自宅の塗装に選ぶ方が多いのです。

また、シリコン塗料は独特の光沢が長持ちする塗料でもあるため、艶のある仕上がりを求める方にも人気です。紫外線や風雨によって塗膜が劣化しにくく、美しい状態を長く維持することができます。

シリコン塗料の耐用年数

シリコン塗料の耐用年数は、約7年〜15年ほど。3年〜8年が寿命のアクリル塗料や、5年〜10年で寿命を迎えるウレタン塗料と比べると、耐用年数はやや長めとなっています。塗料の寿命が長ければ長いほど、次の屋根塗装・外壁塗装までの周期が長くなるので、トータルで見た時の塗装回数・塗装費用が安くなる傾向にあります。

より長寿命の塗料を使用したい場合には、耐用年数が12年〜20年のフッ素塗料も選択肢になります。寿命が長い塗料ほど単価が高額になりますが、将来のメンテナンスコストを押さえられるため、長期的に見るとリフォーム費用の節約になることもあります。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

シリコン塗料の費用相場

シリコン塗料の費用相場は、外壁塗装で使う場合の平米単価で2,300円〜3,500円が目安です。こちらの金額には、塗料の材料費に加えて、職人の人件費や高所での作業に欠かせない足場代なども含まれます。塗装が必要な家の面積と上記の単価を掛けることで、シリコン塗料を使った塗装費用の金額を計算することが可能です。

なお、アクリル塗料の費用相場は1,000円〜1,800円、ウレタン塗料は1,700円〜2,500円が相場なので、これらの塗料と比べるとシリコン塗料はやや高額です。一方で3,500円〜5,000円が相場のフッ素塗料と比べれば、塗装費用は安く抑えられます。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

シリコン塗料と他の塗料との違い

屋根塗装・外壁塗装で主に使われているのは、アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料の4種類です。アクリル塗料が最も単価が安く寿命は短い種類、フッ素塗料が最も単価が高く寿命が長い種類になっています。

自宅で使用する塗料を選ぶ時には、これらの塗料の費用相場や耐用年数をもとに決めることが多いですが、それぞれの塗料の機能性に着目して選ぶこともあります。たとえばアクリル塗料は、耐用年数の短さから現在では使われる機会が減っていますが、発色が良くカラーバリエーションも豊富なので、自宅のデザイン性を重視したい方に支持されています。

ウレタン塗料は、密着性に優れているので凹凸のある屋根・外壁にも塗りやすく、金属・コンクリート・木材の塗装にも向いているという特徴があります。フッ素塗料は汚れが付着しにくく、表面がツルツルとして滑りやすいのが特徴です。そのため頻繁なメンテナンスが不要で、屋根に雪が積もりにくいので、機能性を重視したい方に向いています。

屋根・外壁でシリコン塗料を使うメリット

続いて屋根塗装・外壁塗装でシリコン塗料を使うメリットについて、以下の3つをご紹介します。

  • 耐久性に優れる
  • 低汚染性が期待できる
  • 色や価格帯の選択肢が豊富

一つずつ順番に解説しましょう。

耐久性に優れる

シリコン塗料は、住宅に使われる塗料の中でも耐久性が高い部類で、約7年〜15年の寿命を持ちます。シリコン塗料は硬い塗膜を形成する塗料であり、防水性・撥水性が高く汚れにくい性質を持ちます。また、600℃の熱にも耐える耐熱性や、紫外線・酸性雨でも劣化しにくい耐光性を備えており、今後も長く住み続ける予定がある家の塗装に適しています。

低汚染性が期待できる

シリコン塗料は、表面に汚れが付着しにくい低汚染性も備えている塗料です。塗装から時間が経過しても汚れが目立ちにくいので、美しい家を長く保ちたい方に適しています。また、透湿性が高く結露が発生しにくいため、家の内側にカビが発生して傷んでしまうことを防げるメリットもあります。

色や価格帯の選択肢が豊富

シリコン塗料は、主要な塗料の中でも最も人気な種類なので、各メーカーがラインナップに力を入れており、カラーや価格帯のバリエーションが豊富なこともメリットに挙げられます。シリコン塗料の中でも価格が抑えめの商品を選んだり、機能性に優れた商品を選んだりすることも可能で、家の雰囲気に合わせた色を選ぶこともできます。デザインを重視したい方はもちろん、費用を安く抑えつつ寿命の長い塗料を選びたい方にも適しています。

関連記事:外壁塗装の色選びで後悔しないためのコツ!人気のおすすめカラーを解説

屋根・外壁でシリコン塗料を使うデメリット

一方でシリコン塗料を使うデメリットに挙げられるのは、次の3つです。

  • アクリル塗料・ウレタン塗料よりも高価
  • フッ素塗料よりも耐用年数が短い
  • 弾性が低くひび割れしやすい

それぞれ解説しますので、これらのデメリットも考慮しながら使用する塗料を検討すると良いでしょう。

アクリル塗料・ウレタン塗料よりも高価

シリコン塗料は、主要な塗料の中ではやや高価な部類で、アクリル塗料・ウレタン塗料と比べると平米単価も割高になります。屋根塗装・外壁塗装のためにまとまった予算を用意できない場合には、シリコン塗料はやや不向きになるでしょう。ただしアクリル塗料・ウレタン塗料と比べて耐用年数が長いので、次の塗り替えまでの周期を長く見積もることができます。そのため長期的に見ると屋根・外壁のメンテナンス費用を節約できることも多いです。

関連記事:アクリル塗料とは?メリット・デメリットと他の塗料との違いを解説

関連記事:ウレタン塗料とは?メリット・デメリットと費用相場を解説

フッ素塗料よりも耐用年数が短い

主要な塗料の中で最も高価なフッ素塗料と比べると、シリコン塗料はやや耐用年数が短くなる傾向があります。最も耐用年数が長い塗料を選びたい場合、シリコン塗料は中途半端な選択肢のように思えるかもしれません。新築する建物の屋根塗装・外壁塗装で、今後何十年と住み続ける予定がある場合には、シリコン塗料よりもグレードの高いフッ素塗料などを選ぶことをおすすめします。

関連記事:フッ素塗料の価格は?メリット・デメリットとおすすめメーカーを紹介

弾性が低くひび割れしやすい

シリコン塗料は表面の塗膜が硬く、柔軟性が低い塗料なので、劣化するとひび割れを起こしやすい性質を持っています。地震の際に外壁材が割れてしまうと、シリコン塗料の塗膜も一緒に割れてしまうことが多いのです。硬い塗膜を持つおかげで高い防水性・撥水性を実現しているのですが、ひび割れが気になる場合にはウレタン塗料などの別の塗料を選ぶ、もしくは弾性シリコン塗料と呼ばれる弾性塗料を検討すると良いでしょう。

シリコン塗料でリフォームする時の注意点

最後に、シリコン塗料を使って屋根・外壁をリフォームする時の注意点として、以下の3つをご紹介します。

  • シリコン樹脂の含有率を確認する
  • 水性・溶剤と1液型・2液型の違いを押さえておく
  • シリコン塗料の施工実績が豊富な業者を選ぶ

これらのポイントを踏まえながら、屋根塗装・外壁塗装を業者に依頼しましょう。

シリコン樹脂の含有率を確認する

シリコン塗料は、アクリル樹脂とシリコン樹脂を混ぜた塗料なので、別名アクリルシリコン塗料とも呼ばれます。商品によってアクリル樹脂とシリコン樹脂の割合は異なり、シリコン樹脂の含有率が高いほど耐用年数が長くなる性質を持ちます。

そのためシリコン塗料の長い耐用年数を期待して塗料を選んだものの、実際にはシリコン樹脂の含有率が低く耐用年数が低かった場合、家の塗装がすぐに劣化してしまう可能性があります。シリコン樹脂の含有率はメーカーのカタログなどに記載されておらず見分けるのが難しいのですが、エスケー化研や日本ペイントといった大手メーカーの塗料を選ぶと安心です。逆に、塗装業者のオリジナル塗料は避けた方が良いでしょう。

水性・溶剤と1液型・2液型の違いを押さえておく

シリコン塗料に限らず塗料の分類として、水性・溶剤(油性)と、1液型・2液型の分類があります。水性・溶剤は、塗料を薄める時に使用する液体の違いにあり、水で薄めるのが水性、シンナーのような溶剤で薄めるのが油性塗料です。塗料の耐久性は油性塗料の方が高い傾向にありますが、塗料の臭いが強いため、住宅街など近隣への影響を抑えるために水性塗料が選ばれることも多いです。

1液型・2液型は、塗料が1つの缶に入っているか、塗料と硬化剤が別々の間に入っており塗装の際に混ぜて使用するかの違いにあります。1液型は塗料が余っても翌日に使い回せますが、2液型は当日中に使い切る必要があるため、2液型の方がコストは高額になります。その分、耐用年数が長く塗膜が密着しやすくなる性質があります。

これらの水性・溶剤、1液型・2液型の違いを抑えておき、求める耐用年数や予算に合わせてシリコン塗料の商品を選ぶのが大切です。

シリコン塗料の施工実績が豊富な業者を選ぶ

シリコン塗料を使った屋根塗装・外壁塗装を依頼する時には、なるべくシリコン塗料を使った施工実績が豊富な業者を選ぶと良いでしょう。会社ホームページなどでシリコン塗料を使った施工実績が多く公開されている業者であれば、メーカーごとのシリコン塗料の特徴を熟知し、自宅に最適な塗料を提案してもらえる可能性が高いからです。

また、シリコン塗料の扱いに慣れていない業者に依頼してしまうと、施工不良を起こして美観の悪化や劣化の原因にもなります。そのため1社の見積もりだけで決めるのではなく、複数の業者に見積もりを依頼して打ち合わせを重ねつつ、信頼できる業者を選ぶと良いでしょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

まとめ

シリコン塗料は、屋根塗装・外壁塗装で使われる主要な塗料の中でも、耐用年数が長くコストパフォーマンスに優れた塗料です。アクリル塗料やウレタン塗料と比べるとやや価格は高くなりますが、最も人気な塗料なのでカラーバリエーションが豊富で、デザインを重視する方にも適しています。

ただしシリコン塗料を使った塗装工事を行う時には、シリコン樹脂の含有率や水性・溶剤の違い、1液型・2液型を抑えておき、自宅に最適な塗料を選ぶのが大切です。どの塗料が適しているのかわからない場合には、シリコン塗料の施工実績が豊富な、信頼できる業者に相談しながら工事を進めることをおすすめします。

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