ウレア塗料(ウレア樹脂)は、従来の塗料を超える耐久年数の長さが魅力の新塗料です。紫外線に強く、時間が経っても劣化しにくいことから、次世代の塗料として高い注目を集めています。
しかし一方で、艶感やコスト面でのデメリットなども存在します。そこで本記事では、ウレア塗料の優れた点や注意すべき欠点を解説します。費用相場や耐用年数も紹介しているため、塗料を選ぶときの参考にしてみてください。
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ウレア塗料(ウレア樹脂)とは?
ウレア塗料とは、KFケミカル株式会社が2023年に発売した塗料「KFスーパーウレアコート」のことで、ポリウレア樹脂塗料の一種です。
ポリウレア樹脂は防水性や耐薬品性に優れており、橋梁やトンネルのコンクリート剥落防止材を始め、防弾チョッキにも使用されています。そのポリウレア樹脂の特性を外壁塗料に応用したのがウレア塗料です。
ウレア塗料(ウレア樹脂)の費用相場
ウレア塗料は他の塗料に比べて価格が高い傾向にあります。ウレア塗装の坪数ごとの費用相場は、以下のとおりです。
坪数 | クリア | 色付き |
20坪 | 約34〜51万円 | 約44〜69万円 |
30坪 | 約51〜88万円 | 約66〜103万円 |
40坪 | 約69〜118万円 | 約89〜138万円 |
50坪 | 約86〜148万円 | 約111〜172万円 |
60坪 | 約103〜178万円 | 約133〜207万円 |
70坪 | 約121〜207万円 | 約155〜242万円 |
80坪 | 約138〜237万円 | 約178〜277万円 |
上記とは別に、足場やコーキング工事などの費用が追加されるため、実際の工事費用は数割程度高くなります。
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ウレア塗料(ウレア樹脂)の耐用年数
ウレア塗料は他の塗料よりも価格が高い分、耐用年数が長い傾向にあります。
これまで最も耐用年数の長い塗料は無機塗料でしたが、ウレア塗料は無機塗料を上回る耐久年数を誇ります。
塗料の耐用年数について詳細を知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説
ウレア塗料(ウレア樹脂)のメリット
ウレア塗料には多くの強みがあり、紫外線や雨などの影響から建造物を長期にわたって保護します。ここでは、ウレア塗料の主なメリットを紹介します。
耐候性が高い
ウレア塗料は、ポリウレアの武器である、丈夫な性質、そして柔軟性も兼ね備えています。そのため、耐用年数が高く、加えて耐候性が高いのも特徴です。この性質により、塗膜のひび割れが起きづらくなっており、凍害が起きやすい地域でも威力を発揮します。
紫外線に強い
ウレア塗料の塗膜は強靭な塗膜耐久性を有しており、紫外線に強いのが利点です。紫外線による色褪せや剥がれなどの劣化症状を最小限に抑えることができ、きれいな外観を長期維持できます。実際、UV1600時間(30年以上相当)経過でも良好な状態を維持できたという調査研究もあります。
また、耐候性にも優れており、気温の変化や雨、風などによる劣化を防止できます。温度変化が激しい地域や雨が多い場所でも、外観の劣化を最小限に抑えることが可能です。
耐用年数が長い
ウレア塗料は耐用年数が20〜30年と長く、塗料の中ではトップクラスの耐候性を持ちます。従来は無機塗料が最も耐用年数の長い塗料でしたが、無機塗料の耐久性を上回る耐久性があります。
そのため、時間が経過しても色あせや剥がれなどの劣化症状が起こりにくく、頻繁にメンテナンスをする手間がかかりません。施工後の綺麗な状態を長く維持できるのは、他の塗料にはない利点です。長持ちする塗料を選びたい、塗り替える手間とコストを減らしたい、という場合にはウレア塗料がピッタリです。
防水性に優れる
ウレア塗料の塗膜は強靭で優れた防水性を持っており、雨などの水分から住宅を長期にわたり保護します。湿気による腐食や劣化も防止できるため、カビなどの増殖も防ぎながら、住宅の耐久性を向上できます。そのため、雨が多い地域や水に濡れやすい環境では、ウレア塗料による施工が適しています。
透明性が高い
まるで塗料を塗っていないような透明性の高さも、ウレア塗料の魅力です。実際に塗布したガラスと未塗布のガラスを比較しても差がわからないほど鮮明で、塗膜の劣化も少ないです。ガラス面のように透き通る透明感があるため、住宅の外観の印象を変えずに美観を維持できます。
ウレア塗料(ウレア樹脂)のデメリット
ウレア塗料はメリットが多い一方で、欠点もあります。良い面だけ見て施工すると後悔しやすいため、悪い面も把握したうえで施工すべきかどうかを判断することが大事です。
ここでは、ウレア塗料のデメリットを3つ紹介します。
他の塗料よりも単価が高い
ウレア塗料は耐用年数が長い分、他の塗料と比べると価格が高い傾向にあります。一般的な30坪の住宅で50〜100万円の費用がかかるため、価格重視の人には不向きです。
ただし、一度塗ってしまえば綺麗な外観を長期維持できるため、頻繁な塗り替えは必要ありません。そのため、メンテナンスにかかる手間とコストを節約できます。初期費用は高いですが、メンテナンスを含めたトータルコストを考えると、コスパは良好です。
艶感が気になる
ウレア塗料は、塗装したときに見た目の艶感が気になる場合があります。艶のある見た目を好む人にはピッタリの塗料ですが、マットで落ち着いた仕上がりを好む人には合わないかもしれません。仕上がり具合が気になる場合は、実際にどのような仕上がり具合になるかを事前に業者に相談しておきましょう。
取り扱い業者が少ない
ウレア塗料はまだ新しい塗料であるため、取り合い業者が少ないのが難点です。また取り扱いのある業者でも、経験数が少なく、施工に慣れていないことが少なくありません。そのため、地域によっては業者の選択肢が限られる場合があります。
近くに施工業者が見つからない場合は、全国に対応している業者や遠方の業者への依頼も検討する必要があります。しかし、地元以外の業者に依頼するとコストがかかりやすいため注意が必要です。
ウレア塗料(ウレア樹脂)の施工の流れ
ウレア塗料には決まった施工手順があります。正しい方法で施工しないと、ウレア塗料の持つ特性が十分に発揮されません。外壁塗装を成功させるためにも、正しい手順を把握しておきましょう。
1.高圧洗浄
最初に施工箇所の高圧洗浄を行い、ホコリやカビなどの汚れを取り除きます。塗装をする前に汚れを取り除いておくことで、塗料の密着性が高まり、仕上がりも良くなります。汚れが残ったままだと、施工後に剥がれなどのトラブルが起きやすいため、時間をかけてしっかり汚れを落とす必要があります。高圧洗浄した後は、時間をかけて乾燥させましょう。
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2.コーキング
高圧洗浄によって汚れを落としたら、ひび割れや隙間のある箇所にコーキング剤を施します。コーキングをすることで、外壁にひび割れや隙間を発生しにくくし、雨水や汚れが侵入するのを防止できます。
ウレア塗装では、耐用年数の長いオートンイクシードを使ってコーキングを行います。コーキング工は塗装職人でも施工できますが、コーキング専門の職人が施工する業者もあります。
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3.養生
塗料が施工箇所以外に付着するのを防ぐために、ビニールや布などで覆います。特に屋根の塗装は塗料が飛び散りやすいため、窓やサッシの養生が不可欠です。
どこまで養生するかは、業者によって異なります。特に換気扇やエアコン、玄関戸や窓などの対応は業者によって違うため、「工事中も使いたい」などの要望がある場合は事前に相談しておきましょう。
4.下塗り
養生を終えたら、ウレア専用の下塗り剤を塗っていきます。下塗りはウレア塗料の密着性を高めるための役割を担っており、2回行うのが基本です。2回塗ることで塗料に厚みが出て耐久性も上がり、仕上がりも綺麗にできます。
なお、1回塗り終わった段階で、一定の乾燥時間を空ける必要があります。夏なら乾燥も早いですが、梅雨時や冬などは乾燥に時間がかかるため、工期も長引きます。
関連記事:外壁塗装で下塗りは不可欠!下塗りの重要性と役割、作業手順を解説
5.ウレア塗装
下塗りを終えたら、ウレア塗料を塗装します。ウレア塗料は1回塗りと2回塗りから選択でき、それぞれメーカーの保証内容が異なります。2回塗りの保証期間は15年ですが、費用を抑えたいなら保証期間10年の1回塗りを選ぶと良いでしょう。
6.完工
すべての作業を終えたら、完了検査を行います。検査で問題がなければ、足場を解体して家の周りの清掃し、引き渡しをして完工です。すべての作業は業者が行いますが、工事終了後は一時的にトラックなどの出入りが多くなるので、近所迷惑にならないようにあらかじめ挨拶まわりをしておきましょう。
ウレア塗料(ウレア樹脂)の施工は経験豊富な業者に依頼しよう
ウレア塗装は従来の塗料よりも耐用年数が長く、時間が経過しても綺麗な外観を維持できるのがメリットです。紫外線や雨に強いので、劣化症状が起きにくく、塗り替えなどの手間がかかりません。他の塗料よりも初期費用は高くなりますが、耐久年数が30年あるため、長期的に見ればコストパフォーマンスは良好です。
ただし、まだ新しい塗料のため施工できる業者の数が限られています。近くに施工業者が見つからない場合は、「外壁塗装の窓口」が役立ちます。外壁塗装の窓口には、全国5,000社以上の優良施工店が登録しており、依頼者の希望条件に合う施工店を見つけられます。
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