2024-07-05 05:21:12 更新

70坪の外壁塗装の費用相場はいくら?内訳と安く抑える方法を注意点とともに解説

70坪の外壁塗装の費用相場はいくら?内訳と安く抑える方法を注意点とともに解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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70坪の住宅で外壁塗装工事を依頼した場合、平均的な費用相場は180万円~210万円です。使用する塗料や工事の有無によっては、200万円を超える規模の工事となることもあり、十分な予算を用意しておく必要があります。しかし、複数の業者の相見積もりを取り、外壁塗装の換算機に依頼するなど、外壁塗装の費用を安く抑える方法も存在します。

今回の記事では、70坪の外壁塗装の費用相場について、費用の内訳や安く抑えるコツ、業者に依頼する時の注意点などについて解説します。

目次閉じる

70坪の外壁塗装の費用相場は180万円~210万円

70坪の外壁塗装の費用内訳

70坪の外壁塗装の費用を安く抑える方法

70坪の外壁塗装を依頼する時の注意点

まとめ

70坪の外壁塗装の費用相場は180万円~210万円

70坪の広さの住宅で外壁塗装を依頼した場合、目安となる費用相場は180万円~210万円です。同じ70坪の住宅でも、建物の形状によっては塗装面積が変動するほか、使用する塗料によっても料金は異なります。そのため自宅の場合の正確な外壁塗装費用を知りたい場合には、塗装業者に現地調査を依頼して、正確な見積書を作成してもらうと安心です。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

建坪70坪と延床面積70坪の違いに要注意

なお、ここで言う「70坪の家」とは、延床面積が70坪ある家を指すことに注意してください。家の広さを表す坪数には、建坪(建築面積)や敷地面積などの種類がありますが、外壁塗装費用の計算で使われるのは延床面積です。たとえば、1階が40坪、2階が30坪の2階建ての住宅が、70坪の家に相当します。

自宅を上から見下ろした時の建物の広さを表す建坪や、庭や駐車場を含めた土地の面積を表す敷地面積で計算してしまうと、実際の外壁塗装の費用相場と大きく乖離してしまうことにご注意ください。

70坪の外壁塗装の費用内訳

続いて、70坪の外壁塗装費用である180万円~210万円の内訳について、下記の4つの項目ごとに詳しくご紹介します。

  • 塗料代
  • 人件費・工事費
  • 足場代
  • その他の費用

それぞれの費用がどのような用途で使われているのか、費用全体に占める割合とともに解説します。

塗料代

塗料は外壁塗装で使用する塗料の材料費です。外壁塗装費用全体のうち、約2割〜3割を占め、塗料の種類ごとの平米単価に住宅の塗装面積を掛けることで求めることができます。塗料の種類ごとの費用相場は、下記の通りです。

種類 耐用年数 m2あたり費用相場
アクリル塗料 約5年~8年 約1,000円~1,800円
ウレタン塗料 約8年~10年 約1,700円~2,500円
シリコン塗料 約10年~15年 約2,100円~3,500円
ラジカル塗料 約8年~16年 約2,200円~4,000円
フッ素塗料 約15年~20年 約2,000円~5,000円
セラミック塗料 約10年~25年 約3,500円~5,000円
無機塗料 約20年~25年 約3,500円~5,500円

70坪規模の住宅では塗装面積が広いため、塗料の単価の小さな違いが、大きな価格差につながります。たとえば、1坪あたり単価5,000円の塗料と単価1万円の塗料では、10坪の家では5万円と10万円の違い(5万円の差)ですが、70坪の家になると35万円と70万円の違い(35万円の差)です。

塗料の単価が上がるとそれだけ耐用年数が長く、機能性も高くなりますが、予算をオーバーしないように注意しましょう。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

人件費・工事費

塗装費用全体のうち、約3割を占めるのが人件費・工事費です。人件費や職人の方々の作業日数によって変動するため、塗装面積が広く作業に時間がかかる70坪の住宅では高額になりやすい傾向があります。工事費は下記の表のように作業内容と単価によって計算されます。

作業内容 費用相場
飛散防止ネット 150円~400円/m2
養生 200円~300円/m2
高圧洗浄 250円〜450円/m2
シーリング(打ち換え) 700円~1,500円/m
シーリング(増し打ち) 500円~1,000円/m
軒天(軒裏) 800円~1,600円/m2
雨どい 800円~1,800円/m
雨戸 2,000円~4,000円/枚
廃棄物処理 10,000円~30,000円/式

外壁の劣化が進み、塗装だけではなくシーリング(外壁の繋ぎ目部分)の打ち替えが必要な場合や、下地の補修が必要となる場合には、付帯工事費用が追加で発生することもあります。

足場代

足場代は外壁費用全体のうち約2割を占め、足場の設置面積に約800円〜1,200円/m2の単価を掛けて計算します。足場の設置面積は住宅によって異なりますが、家の外周にゆとりを持って設置するため、塗装面積の1.3倍が目安となります。70坪(約231m2)の住宅の塗装面積は約280m2なので、1.3倍すると約364m2です。この広さに800円〜1,200円/m2の単価を掛けて計算すると、約29万円〜44万円が足場代の相場です。

足場の設置面積は平屋よりも2階建て、2階建てよりも3階建ての方が高さの分広くなりますので、階数が多い建物ほど足場代は高額となります。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

その他の費用

上記の費用に加えて、事務手数料や交通費、駐車場代などの料金が、その他の費用として計上されます。塗装業者の見積書では、「諸経費」としてひとまとめになっているケースも多いです。費用全体の約2割が相場ですが、相場よりも金額が高い場合や、内訳が気になる場合には、見積もりを取る際に業者に問い合わせてみると確実です。

70坪の外壁塗装の費用を安く抑える方法

70坪の外壁塗装では、塗装面積が広く塗料の使用量が多いことや、作業日数がかかることから、200万円前後の見積もり金額となることも少なくありません。塗装費用をできるだけ安く抑えたい場合には、以下の方法を検討するのがおすすめです。

  • 複数の業者の相見積もりを取る
  • 屋根塗装を同時に依頼する
  • 外壁塗装の閑散期に依頼する
  • 火災保険や補助金を活用する

それぞれどのように手続きすれば費用負担が軽減されるのか、詳しく解説します。

複数の業者の相見積もりを取る

外壁塗装費用を相場よりも安く依頼するためには、1社の見積もりだけではなく、複数の業者の見積もりを取り寄せることが最も重要です。同じ塗料・同じ塗装面積の条件で複数の業者に現地調査を行ってもらい、自宅の外壁塗装費用がどのくらいの価格帯に収まるのかを調べることがポイントです。

それぞれの業者の見積もり金額を平均して、他社よりも安すぎる業者や高すぎる業者は、選択肢から外すという判断を下すことができます。また、それぞれの担当者の対応や、見積書の丁寧さ・わかりやすさを比較して、信頼できる塗装業者を見つけることにも役立ちます。そのため、2社〜3社以上のできるだけ多くの塗装業者の見積もりを比較・検討してみましょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

屋根塗装を同時に依頼する

70坪の住宅の長期的なメンテナンスコストを抑えるためには、外壁塗装とともに屋根塗装を依頼するのも効果的です。これらの工事を同時に依頼することで、足場の組立・解体を一度で済ませつつ、職人の方々の作業時間も短縮できるため、別々で依頼するよりも大幅な節約効果が見込めます。

そのため塗装業者の現地調査を依頼する際には、外壁とともに屋根の状態をチェックしてもらい、必要な場合には屋根塗装を同時に依頼することも検討しましょう。

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

外壁塗装の閑散期に依頼する

外壁塗装費用を節約したい場合には、夏場または冬場の、外壁塗装工事の閑散期に依頼するのも効果的です。外壁塗装の閑散期には、職人の手が空いているため塗装費用の割引を受けられることが多く、費用全体を安く抑えられる可能性があります。外壁塗装工事の繁忙期は、塗料が乾燥しやすく天候が安定している春・秋のシーズンです。

一方で閑散期にあたる夏・冬は、従来は外壁塗装に向いていないシーズンとされていましたが、現在は塗料の品質向上により、季節を問わず工事が行えるようになっています。夏は日照時間が長いこと、冬は空気が乾燥していることから塗料が乾きやすく、工期の短縮も見込めるため、塗装費用を安く抑えたい場合には夏・冬に依頼することを検討してみましょう。

関連記事:外壁塗装に適した時期とは?季節ごとのメリットと塗り替え周期も解説

火災保険や補助金を活用する

自然災害によって傷んでしまった住宅の外壁塗装を行う場合や、お住まいの自治体の助成対象となっている場合には、火災保険・補助金によって外壁塗装費用の負担を軽減することができます。

火災保険は、火災による損害だけではなく、強風や雪による損害も補償範囲に含まれることが多く、外壁や屋根の補修の際に保険金が下りる場合があります。

断熱性能・遮熱性能の高い塗料を使った外壁塗装工事は、ヒートアイランド対策や省エネ対策の観点から、国や自治体の補助金が用意されていることも多いです。

それぞれ保険会社や自治体の窓口に相談することで、利用できるかどうか確認できますので、当てはまる可能性がある場合には積極的に活用しましょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ

70坪の外壁塗装を依頼する時の注意点

最後に、70坪の住宅で外壁塗装工事を依頼する場合に、押さえておきたい注意点についても解説します。格安料金を提示して手抜き工事を行う悪徳業者に依頼しないためにも、以下のポイントに注意して塗装業者を比較・検討しましょう。

  • 施工業者の過去の実績を確認しておく
  • 訪問営業で即決しない
  • 格安価格や「足場代無料」を提示する業者は要注意

一つひとつの注意点を順番に解説します。

施工業者の過去の実績を確認しておく

安心して依頼できる外壁塗装業者を選ぶためには、会社名で検索して公式ホームページをチェックし、「お客様の声」や「施工事例」などのページから、過去の施工実績を確認するのがおすすめです。手書きのアンケート用紙の写真や、塗装工事における各工程の画像・動画など、豊富なコンテンツが揃っている業者は、自分たちの仕事ぶりに自信を持って過去の実績を公開している証拠となります。

一方で、公式ホームページの情報量が少なかったり、何年も前に更新が停止されていたりする場合には、優良業者であるとはっきり判断しにくくなるため、見積もりの際の担当者の対応や見積書のわかりやすさなどを踏まえて、判断すると良いでしょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

訪問営業で即決しない

外壁塗装業者の中には、外壁が傷んでいる住宅を探して訪問営業で契約を勧めてくるケースもあります。そうした訪問営業を受けたとしても、その場で即決しないことが重要です。訪問営業を行っている業者が全て悪徳業者というわけではありませんが、キャンペーン価格や期間限定価格などの煽り文句で契約を決めようとする業者には注意が必要です。

訪問営業をきっかけに外壁塗装を検討し始める方も少なくありませんが、その場合にも一旦業者からの見積書を作成してもらい、複数の業者と比較しながら依頼する会社を決めるのがおすすめです。

関連記事:外壁塗装の詐欺でよくある手口とは?訪問営業で騙されないための対策

格安価格や「足場代無料」を提示する業者は要注意

現地調査や見積もりの際に、相場よりも大幅に安い金額を提示したり、「足場代を無料にします」といったセールストークで契約を勧めてくる業者も要注意です。外壁塗装工事で大幅な値引きを実現するため、本来3回の重ね塗りが必要な塗装を2回で済ませたり、使用する塗料のグレードを無断で落としたりと、手抜き工事が行われる可能性が高いからです。

そのため塗装業者の見積もり金額を比較する時にも、あくまで相場の範囲内で割安な業者を見極めることが大切です。相場よりも大幅に安い業者は、裏に何か理由があると考え、積極的に依頼するのは避けるようにしましょう。

関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

まとめ

70坪の外壁塗装工事では、180万円~210万円が費用相場の目安となります。ただし、ここで言う「70坪の家」とは、建坪や敷地面積ではなく、延床面積を指していることに注意が必要です。

外壁塗装費用の内訳として、塗料代や人件費・工事費などが含まれており、できるだけ費用を安くするためには、複数の業者の見積書を取り寄せて比較することが重要です。見積もりの際の担当者の対応や見積書のわかりやすさを見て信頼できる業者を選ぶように心掛け、訪問営業で即決したり、相場よりも大幅に安い業者に依頼したりすることは避けるようにしましょう。

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