「窯業系サイディング」は、種類豊富なデザイン性と圧倒的なコストパフォーマンスで、一般的な戸建て住宅にもっとも多く採用されている人気外壁材です。
低コストで必要十分な耐久性・機能性が期待できるため、窯業系サイディングを使ったリフォームを考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、窯業系サイディングの平米単価や工事・メンテナンス別の施工単価などを徹底解説します。
施工時に後悔しないためのポイントも紹介していますので、窯業系サイディングでの外壁工事を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
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窯業系サイディングの単価はいくら?【種類別比較】
まずは、新築やリフォームなどあらゆる工事のおおまかな目安となる、窯業系サイディングボードそのものの単価を見ていきましょう。
- 窯業系サイディングの平米単価
- その他サイディング3種類との単価比較
窯業系以外のその他サイディングとの比較も紹介していますので、ぜひ外壁材を選ぶときの参考にしてください。
窯業系サイディングの平米単価は約4000~6000円前後
窯業系サイディングの単価は、足場代や人件費などを含まない「材料費」のみで1㎡あたり4,000~6,000円前後が相場です。
種類豊富なデザインが選べる点や、低価格ながら必要十分な耐久性・機能性を備えている点から、数ある外壁材の中でも圧倒的な人気を集めています。
近年では、一般的な戸建て住宅の約70〜80%に窯業系サイディングが採用されており、工場で大量生産できる体制が整っていることが、コストパフォーマンスの高さにつながります。
なお、窯業系サイディングの特徴やメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:窯業系サイディングとは?種類やおすすめのケース、価格の相場を紹介
窯業系とその他サイディング3種類との単価比較
サイディングには、窯業系以外にも「金属系」「木質系」「樹脂系」といった種類が存在します。以下の表で、それぞれの単価および特徴・耐用年数を比較しましたので、ぜひサイディングを選ぶ際の参考にしてください。
種類 | 平米単価(1㎡あたり) | デザイン性 | 耐久性 | 耐用年数 |
窯業系サイディング | 4,000~6,000円 | ◎ | ◯ | 約40年前後 |
金属系サイディング | 5,000~7,000円 | ◯ | ◎ | 約40年前後 |
木質系サイディング | 6,000~9,000円 | △ | △ | 約15〜40年 |
樹脂系サイディング | 7,000~10,000円 | △ | ◎ | 約25〜30年 |
窯業系サイディングは、4種の中でも特にデザイン性とコストパフォーマンスに優れたサイディングです。コストを抑えつつ外観にもこだわりたい方は、窯業系サイディングを選べば後悔することはないでしょう。
なお、メンテナンスの容易さやより優れた耐久性を求める方には、金属系サイディングもおすすめです。金属系や木質系など、それぞれの特徴や選び方をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:外壁サイディングの4種類を徹底解説!耐用年数・費用相場と選び方を紹介
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窯業系サイディングのリフォーム工事にかかる施工単価
窯業系サイディングのリフォームには、主に「外壁塗装」「張り替え」「重ね張り」の3種類の工法があり、それぞれの施工単価は下記のとおりです。
リフォーム工事 | 施工単価(30坪・戸建て) |
外壁塗装 | 約60〜100万円 |
張り替え | 約200〜250万円 |
重ね張り(カバー工法) | 約150〜200万円 |
以下からは、リフォーム工事それぞれの概要や施工単価、施工時期・タイミングなどについて詳しく見ていきましょう。
関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説
外壁塗装にかかる施工単価
施工単価(30坪・戸建て) | 約60〜100万円 |
施工の目安時期・タイミング | 約8〜10年ごと |
外壁塗装は、サイディング表面の塗装を新たに塗り替えることで、外壁の美観や保護機能を維持・向上させるリフォーム工事です。
足場代や材料費、人件費などを含めた外壁塗装全体の施工単価は、30坪ほどの戸建て住宅で60〜100万円ほど。施工時期・タイミングとしては、おおよそ8〜10年ごとの外壁塗装が推奨されています。
ただし、施工単価および施工時期は、サイディングの塗装面積や劣化状況、使用する塗料などによって変動するため、上記の単価・時期はあくまで目安としてお考えください。
なお、外壁塗装に使う塗料や施工方法については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。サイディングの塗装を検討している方はあわせてご覧ください。
関連記事:サイディング外壁の塗装は必要!?塗装が必要な時期と補修費用を解説
張り替えにかかる施工単価
施工単価(30坪・戸建て) | 約200〜250万円 |
施工の目安時期・タイミング | 40年前後(外壁材が寿命を迎えたとき) |
張り替えは、劣化したサイディングをすべて撤去し、新しい外壁材に交換するリフォーム工事になります。
施工時期・タイミングとしては、サイディングの耐用年数である40年前後を基準に行うのが一般的です。後述する「重ね張り(カバー工法)」とどちらかを選択して施工します。
材料費や人件費などを含めた張り替えリフォーム全体の施工単価は、30坪ほどの戸建て住宅で約200〜250万円。もっとも大規模な外壁工事となるため、重ね張りより多くのコストがかかりますが、外壁のデザインや耐用年数を一新させたい場合には最適な工法です。
関連記事:サイディング張り替え工事の費用相場は?必要な時期と業者の選び方を解説
重ね張り(カバー工法)にかかる施工単価
施工単価(30坪・戸建て) | 約150〜200万円 |
施工の目安時期・タイミング | 40年前後(外壁材が寿命を迎えたとき) |
重ね張り(カバー工法)は、既存のサイディングの上から新しい外壁材を重ねて張り付けるリフォーム工事になります。
施工時期・タイミングとしては、上述した「張り替え」と同様に、サイディングの耐用年数である40年前後を基準に、どちらかを選択して施工するのが一般的です。
材料費や人件費などを含めた重ね張りリフォーム全体の施工単価は、30坪ほどの戸建て住宅でおおよそ150〜200万円。既存の外壁材を撤去する必要がない分、工事費用を比較的安く抑えることが可能です。
ただし、外壁の劣化があまりにひどい場合は、重ね張りができない可能性があります。新しく重ね張りする外壁材も、重量や耐震性などの理由から一部に限られているため、張り替えほどの自由度やデザイン性はないため、目的や予算と相談してより自宅に適した工法を選びましょう。
関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説
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窯業系サイディングの補修・メンテナンスにかかる施工単価
窯業系サイディングに必要な補修・メンテナンス方法および、それぞれの施工単価は以下のとおりです。
補修・メンテナンス方法 | 施工時期・タイミング | 施工単価 |
シーリングの増し打ち | 約8〜10年ごとに「シーリングの打ち替え」と選択 | 500〜1,000円/㎡ |
シーリングの打ち替え | 約8〜10年ごとに「シーリングの増し打ち」と選択 | 800〜1,200円/㎡ |
ひび割れ補修 | サイディングに部分的な「ひび割れ」が見られる場合 | 1〜10万円/箇所 |
ねじの増し打ち | サイディングに部分的な「反り」や「浮き」の劣化が見られる場合 | 1〜10万円/箇所 |
部分張り替え | サイディングに部分的な「欠け・剥がれ」「凹凸」が見られる場合 | 5〜6万円/枚 |
窯業系サイディングにかかわらず、外壁を美しい状態で長持ちさせるためには、部分補修や定期的なメンテナンスを怠らないことが大切です。
はじめは小さな劣化であっても、長く放置していると雨漏りや内部腐食といった建物自体の耐久性に影響を与える深刻な症状につながりかねません。劣化が進行するほど、大規模な補修が必要となり、当然ながら工事にかかる時間や費用も跳ね上がります。
外壁の美観を維持させるためだけでなく、建物を健全な状態に保ち、将来的なコストを削減するためにも、劣化を見つけしだい適切なメンテナンスを行いましょう。
関連記事:【劣化症状別】外壁サイディングの補修方法・費用を解説!DIYはできる?
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窯業系サイディングの施工で後悔しないためのポイント
ここからは、窯業系サイディングの施工で後悔しないために大切なポイントを解説します。
- 窯業系サイディングを単価の安さだけで選ぶのはNG!
- 相見積もりを比較して信頼できる優良業者に依頼しよう
上記2点は、窯業系サイディングにかかわらず、すべての外壁工事に共通しているポイントです。後悔のない施工にできるよう、しっかり押さえておきましょう。
窯業系サイディングを単価の安さだけで選ぶのはNG!
窯業系サイディングを選ぶ際、単価の安さだけで決めるのは非常に危険です。
一般的な相場と比べて安すぎるサイディングを選んでしまうと、機能性や耐久性が期待に届かず、快適性が失われたり大規模修繕や頻繁な補修が必要になる可能性があります。
初期費用を抑えることも大切ですが、最終的なトータルコストが高くなっては本末転倒です。
サイディングを選ぶ際は単価だけでなく、耐用年数やメンテナンス性、信頼できるメーカーであるかなども考慮し、長期的な視点で自宅に適したサイディングを選ぶことが後悔のない施工につながります。
相見積もりを比較して信頼できる優良業者に依頼しよう
窯業系サイディングにかかわらず、塗装やリフォームなどの外壁工事に失敗しないためには「信頼できる優良業者に依頼すること」がもっとも重要です。
いくら高品質なサイディングを準備しても、工事を行う業者に技術不足や手抜き施工があれば、そのサイディング本来の機能性や耐久性を十分に発揮させることはできません。
そのため、窯業系サイディングの施工を依頼する際は、かならず3〜4社ほどの複数業者からの相見積もりで施工単価や工事内容、アフターフォロー制度などを比較し、価格・質ともに納得のいく業者を選びましょう。
また、業者のホームページやSNS上の口コミなどで、会社・職人の情報や施工実績、顧客からの評判なども調べると、信頼できる優良業者かをより確実に見極められます。
なお、塗装や張り替えといった外壁リフォームは、特に多くの費用と時間がかかる大掛かりな工事です。施工の品質を左右する業者選びは、家族や専門家と相談しながら焦らずじっくりと行いましょう。
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関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
窯業系サイディングの施工単価を理解して工事に備えよう
本記事では、窯業系サイディングの平米単価や工事・メンテナンス別の施工単価、後悔しないためのポイントなどを解説しました。
窯業系サイディングの単価は、材料費のみで1㎡あたり4,000~6,000円前後。リフォーム工事別の施工単価は以下のとおりです。
リフォーム工事 | 施工単価(30坪・戸建て) |
外壁塗装 | 約60〜100万円 |
張り替え | 約200〜250万円 |
重ね張り(カバー工法) | 約150〜200万円 |
外壁塗装や張り替えなどの工事は、たしかな技術を持つ業者が、品質の良い製品を用いて施工することでその真価を発揮します。
材料や工事にかかる費用相場を正しく理解し、提示された見積もり金額が妥当かどうか、またその業者が優良か悪徳かどうかを見極めることが、後悔しない外壁工事を行うための第一歩です。
ぜひ本記事を参考に、窯業系サイディングの単価を正しく把握し、価格・質ともに納得できる施工を実現しましょう。
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