戸建て住宅の多くで使われているサイディング(サイディングボード)は、素材自体の耐用年数が15年〜40年ほどの耐久性のある外壁材です。しかしサイディングは紫外線や風雨にさらされやすい部位であり、再塗装・補修を適切な時期に施工しなかった場合には、早期に寿命を迎えてしまうケースもあります。
その際に必要となるのが、サイディングの張り替え工事です。張り替え工事では、古いサイディングを撤去・処分して新しいサイディングに交換するため、処分費用や外壁材自体の費用が加わって高額な工事費用となることも多いです。
本記事では、サイディング張り替え工事の費用相場について、張り替えが必要になる時期やメリット・デメリット、依頼する業者の選び方などとともにご紹介します。
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サイディング張り替え工事の費用相場は200万円~250万円
サイディング張り替え工事を実施する場合、30坪の一般的な広さの戸建て住宅で、200万円〜250万円が費用相場となります。サイディングの張り替えは、部分補修や重ね張り(カバー工法)では補修できないほどの激しい劣化が進んでいる外壁で用いられる工事であり、外壁リフォームの中では最も規模の大きな工事です。
そのため外壁塗装や重ね張り工事と比べて高額な見積もり金額となることが多く、まとまった予算が必要となります。なお、サイディング塗装の費用相場は30坪の場合で70万円〜100万円、重ね張り工事の費用相場は100平米あたり120万円ほどが目安となっています。
関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説
サイディング張り替え工事の費用内訳・見積り項目
サイディング張り替え工事の費用内訳には、次のような項目が含まれています。
中でも大きな割合を占めるのが新品のサイディングの材料費で、使用するサイディングの種類によっても費用相場は異なります。最も人気の窯業系サイディングが最も安価ですが、軽量で耐久性に優れた金属系サイディングや樹脂サイディングを選んだ場合、工事費用全体が高額になる傾向があります。
サイディング張り替え工事の種類ごとの相場
サイディング張り替え工事で使用するサイディングの種類ごとに費用相場・耐用年数をまとめると、下記の通りです。
| サイディングの種類 | 平米あたり費用相場 | 耐用年数 | メンテナンス時期 |
| 窯業系サイディング | 4,000円〜6,000円 | 40年 | 7〜8年 |
| 金属系サイディング | 5,000円〜7,000円 | 40年 | 10〜15年 |
| 木質系サイディング | 6,000円〜9,000円 | 15〜40年 | 5〜10年 |
| 樹脂系サイディング | 7,000円〜10,000円 | 25〜30年 | 10年 |
上記の表にある通り、高価なサイディングほど耐用年数が長く、メンテナンス周期も長くなる傾向にあり、長期的なメンテナンスコストが抑えられることも多いです。そのため交換するサイディングを選ぶ時には、初期費用だけではなく将来のメンテナンスでかかるコストも考慮するのがポイントです。
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関連記事:外壁材の種類はどれがおすすめ?サイディングの特徴や費用相場とともに解説
サイディング張り替え工事が必要になる時期・劣化サイン
サイディング張り替え工事は、外壁リフォームの中でも最も規模の大きな工事です。費用が抑えられる外壁塗装や重ね張り工事ではなく、本当に張り替え工事が必要になるのかどうか、しっかりと確認してから施工を依頼する必要があります。
ここではサイディング張り替え工事が必要になる時期と劣化のサインについてご紹介します。
サイディングの耐用年数を迎えた時
サイディング張り替え工事を検討するタイミングの一つとして、外壁材自体の寿命を迎えた時が挙げられます。適切なメンテナンスを実施したとしても、サイディングの耐用年数は長くて40年のため、築40年以上経過している住宅では外壁の張り替え工事が選択肢となります。
ただし、メンテナンス時期に合わせて外壁塗装や補修を実施していない場合には、サイディングの寿命が短くなり、張り替え工事が必要になるまでの時期が前倒しになることも多いです。そのため40年経過していなかったとしても、下記でご紹介する劣化サインがみられる場合には、張り替え工事を検討した方が良いでしょう。
関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説
サイディングの反り・ひび割れ・剥離がみられる時
サイディング張り替え工事が必要となる劣化サインとして、次のような症状が挙げられます。
- サイディングの反り・浮きが発生している
- 下地が見えるほどサイディングがひび割れている
- サイディングの表面がボロボロに剥離している

これらの症状がみられる場合、外壁材そのものが激しく劣化している可能性が高いです。そのまま放置すると、劣化した部分から雨水が侵入し、サイディングの内部や建材が腐食してしまう危険性も高まります。外壁塗装や重ね張り工事では補修できない可能性も高いので、早めに張り替え工事を検討することをおすすめします。
サイディングから雨漏りが発生している時
サイディング張り替え工事は、外壁から雨漏りが発生している時に実施するケースが多いです。外壁からの雨漏りは、下地を含めた外壁全体の腐食が始まっている可能性が高く、外壁塗装や重ね張り工事では対処できないからです。

外壁からの雨漏りは発生していることに気づきにくいことが特徴ですが、台風の時期や強風を伴う大雨のタイミングなど、横殴りの雨が降る時にのみ家の内側で雨漏りが発生する場合には、外壁からの雨漏りを疑った方が良いでしょう。雨漏りに気づいた時にはすでにサイディングの内側が傷んでしまっているケースも多いので、早めの対処が必要です。
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関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
サイディング張り替え工事のメリット・デメリット
続いて、サイディング張り替え工事を実施する場合に、外壁塗装や重ね張り工事と比べたメリット・デメリットにはどのようなものがあるかをご紹介します。
サイディング張り替え工事のメリット
サイディング張り替え工事を実施するメリットは、主に次の3つです。
- 下地や防水シートを含めた外壁全体の補修が可能
- 次の外壁リフォームまでの時期が長く、費用が安価になる
- 外壁のデザイン・カラーを一新できる
張り替え工事によってサイディング全体を交換することで、下地や防水シートを含めた補修が可能になるため、外壁からの雨漏りの根本的な解決が期待できます。新品のサイディングを使用することで外壁の寿命もリセットされるため、次の外壁リフォームまでの時期が長くなるほか、補修箇所が少なくなり費用も安価になる傾向があります。
また、デザインやカラーの異なるサイディングに張り替えることで、家の外観を一新できるのも大きなメリットです。
サイディング張り替え工事のデメリット
一方でサイディング張り替え工事を依頼するデメリットとして、次の2つが挙げられます。
- 外壁リフォームの中では最も費用が高額になる
- 大規模な工事のため工事期間が長期化する傾向
外壁塗装や重ね張り工事と比較して、サイディング張り替え工事は規模の大きな工事となるため、かかる費用や工期が増加するのが大きなデメリットです。場合によってはリフォームローンの申請が必要になったり、窓を開けられず洗濯物を外に干せなかったりする影響も出てくるため注意が必要です。
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サイディング張り替え工事の流れ・手順
サイディングの張り替え工事は、以下の手順で進められます。
工事の流れ
| 1. 現地調査・見積もり |
| 2. 契約 |
| 3. 近隣への挨拶 |
| 4. 足場設置 |
| 5. 既存サイディング撤去 |
| 6. 下地処理 |
| 7. 防水シート施工 |
| 8. 新規サイディング施工 |
| 9. シーリング工事 |
| 10. 足場解体 |
| 11. 清掃・検査 |
| 12. 引き渡し |
1. 現地調査・見積もり
業者が現地調査を行い、建物の状態やサイディングの種類、希望などを確認します。この際、業者は、建物の図面や写真、サイディングのサンプルなどを持参し、お客様に説明を行います。見積もりは、複数の業者に依頼し、比較検討することが重要です。
2. 契約
見積もり内容に納得したら、業者と契約を締結します。契約書には、工事内容、費用、工期、保証などが明記されていることを確認しましょう。
3. 近隣への挨拶
工事前に、近隣住民へ挨拶を行います。工事期間中の騒音や振動などについて、事前に理解を得ておくことが重要です。
4. 足場設置
安全に作業を行うために、足場を設置します。足場は、建物の形状や高さに合わせて、適切な種類と規模のものが選ばれます。
5. 既存サイディングの撤去
既存のサイディングを撤去します。撤去作業は、手作業で行われる場合と、電動工具を使用する場合があります。アスベスト含有のサイディングの場合は、特別な処理が必要になります。
6. 下地処理
下地の状態を確認し、必要に応じて補修や交換を行います。下地が劣化している場合は、サイディングの張り付けに支障をきたすため、適切な処理が必要です。
7. 防水シートの張り付け
雨水の浸入を防ぐために、防水シートを張り付けます。防水シートは、透湿性のあるものが使用されます。
8. 新規サイディングの張り付け
新しいサイディングを張り付けます。サイディングの張り付けは、釘や接着剤、金具などを使用して行われます。サイディングの種類やデザインに合わせて、適切な方法が選択されます。
9. シーリング工事
サイディングの継ぎ目や窓枠との隙間をシーリング材で埋めます。シーリング材は、防水性や耐久性に優れたものが使用されます。
10. 足場解体
足場を解体します。足場解体後、周囲の清掃を行います。
11. 清掃・検査
工事箇所を清掃し、仕上がりを確認します。お客様と一緒に、工事箇所を確認し、問題がないか確認します。
12. 引き渡し
お客様に工事完了の報告を行い、引き渡しを行います。保証書や取扱説明書などを渡します。
最初に既存の外壁を撤去して内部の劣化状況を確認し、必要であれば補修を行います。補修が不要な場合でも、断熱材の補強や耐震補強を行う場合もあります。その後、あらかじめカットしておいた新しいサイディングボードを外壁に張り付けていきます。張り終わったら、シーリング材を充填して隙間を埋め、完了検査によって不備がなければ、足場を解体して工事完了です。
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サイディング張り替え工事と重ね張り工事の違い
劣化したサイディングのメンテナンスでは、張り替え工事とともに重ね張り工事が検討されることが多いです。ここでは張り替え工事と重ね張り工事の違いについて、費用相場やメリット・デメリットとともに解説します。
関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説
サイディング張り替え工事
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費用
重ね張り工事に比べて、費用が高くなる傾向があります。 |
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特徴
既存のサイディングをすべて撤去し、新しいサイディングを張り付ける工事方法です。 |
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メリット
下地補修が可能/断熱性能の向上/建物の寿命を延ばせる。 |
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デメリット
費用が高い/工期が長い/騒音が発生する。 |
関連記事:外壁の張り替えにかかる費用一覧|外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説
サイディング重ね張り工事(カバー工法)
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費用
張り替え工事に比べて、費用が安く済む傾向があります。 |
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特徴
既存のサイディングの上から新しいサイディングを重ねて張り付ける工事方法です。 |
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メリット
費用が安い/工期が短い/騒音が少ない。 |
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デメリット
下地補修ができない/重量が増加する可能性がある/既存のサイディングの状態によっては施工できない。 |
関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説
どちらを選ぶべきか
サイディングの劣化が深刻な場合や、下地の補修が必要な場合は、張り替え工事がおすすめです。一方、サイディングの劣化が軽微で、費用を抑えたい場合は、重ね張り工事がおすすめです。
また、重ね張り工事を行う場合は、建物の構造に負担がかからないように、軽量のサイディングを選ぶ必要があります。専門業者に相談し、建物の状況に最適な工事方法を選択しましょう。
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サイディング張り替え工事は自分でできる?DIYをおすすめしない理由
サイディング張り替え工事は費用が高いため、「自分で工事をして費用を抑えたい」と考える方もいるでしょう。しかし、DIYにはさまざまなリスクが伴うため、無理して工事を行うのは危険です。ここでは、DIYをおすすめしない3つの理由を紹介します。
専門道具を揃える必要がある
外壁の張り替え工事をする際は、電動カッターなどの専門道具を一通り揃える必要があります。工事費用は安くても、専門道具を揃えるだけで費用と手間がかかるため、時間がない人や専門知識が乏しい人には不向きです。
高所作業は危険性が高い
外壁工事は高所作業を伴うため、人や物の落下リスクが存在します。高所で作業する際は、事前に足場を組み立てる必要がありますが、足場を組む際は資格が必要なため、素人には対応できません。足場を組み立てずに工事を行うことは大変危険であり、工事にも支障が出ます。DIYに慣れていて腕に自信のある人でも、工事は業者に任せた方が安心です。
工事が長期化しやすい
作業に慣れていない初心者がDIYを行うと、工事完了までに時間が長引く傾向にあります。業者に依頼すれば数日ほどで終わる作業も、一人で施工すると半年近くかかる場合があります。
万が一DIYで失敗した場合は、業者に工事を依頼し直さなければならず、工事がさらに長期化します。失敗してから業者に依頼する場合は、通常よりも費用が高くなりやすいので、手先に自信のない方は最初から業者に依頼した方が良いでしょう。
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外壁の張り替えの際には重量増に注意
外壁のサイディング張り替え工事を行う際、特に重ね張り(カバー工法)を選択する場合、外壁の重量増加に注意が必要です。建物の構造に過度な負担がかかると、耐震性の低下や建物の寿命を縮める原因となる可能性があります。
重量増加がもたらす影響
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耐震性の低下
建物全体の重量が増加することで、地震時の揺れが大きくなる可能性があります -
建物の寿命を縮める
構造体への負担が増え、建物の劣化を早める可能性があります -
不同沈下のリスク
地盤が弱い場合、重量増加により不同沈下のリスクが高まる可能性があります
重量増加を避けるための対策
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軽量なサイディング材の選択
金属系サイディングや軽量窯業系サイディングを選ぶことで、重量増加を抑えることができます -
重ね張りではなく張り替えを検討
既存サイディングを撤去して張り替えることで、重量増加を最小限に抑えられます -
構造計算の実施
専門家による構造計算で、重量増加が建物に与える影響を事前に評価します -
下地補強の検討
必要に応じて下地を補強し、サイディングの重量に対応できるようにします
専門家への相談
外壁のサイディング張り替え工事を行う際には、必ず専門業者に相談し、建物の構造や地盤の状態を考慮した上で、最適な工事方法を選択することが重要です。重量増加によるリスクを理解し、適切な対策を講じることで、安心してサイディング張り替え工事を行うことができます。
まとめ
サイディング張り替え工事の費用相場は、30坪の家で200万円〜250万円が目安です。こちらの費用には、新しいサイディングの材料費や、古いサイディングの撤去・処分費用なども含まれており、外壁リフォームの中では最も高額となる工事です。
サイディングの張り替えは、外壁材自体の寿命を迎えたタイミングや、反り・ひび割れなどの劣化症状がみられるタイミングで検討することが多いです。外壁塗装や重ね張り工事と比べて費用や工期は増加しますが、雨漏りなどの根本的な対処につながるため、激しく劣化が進んでいる場合には最適な選択肢です。
本記事で解説してきた張り替え工事のメリット・デメリットや、依頼する業者の選び方も参考にしながら、適切にサイディングのメンテナンスを行いましょう。
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