現在使用している外壁の劣化が目立ってきて、新しい外壁へのリフォームを考えている方には、約40年保つとされる高い耐久性で圧倒的な人気を誇っている「サイディング」です。
しかし、外壁リフォームは多くの時間とコストがかかる工事になるため、自宅の劣化状況にあわせた工法選びや、適切な費用相場・タイミングをしっかり理解しておくことが重要です。
そこで本記事では、外壁サイディングのリフォーム方法の種類や費用相場、張り替え・重ね張りを行う目安時期などを解説しています。
リフォームに失敗しないためのポイント・注意点も解説していますので、サイディングへの外壁リフォームを検討している方はぜひ最後までご覧ください。
外壁の塗り替え時期かも...
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外壁サイディングのリフォーム工法は3種類!特徴・費用相場を解説
外壁サイディングの美しさや機能を取り戻すためのリフォーム工法には、大きく分けて以下の3種類があります。
- 外壁塗装
- 張り替え
- 重ね張り(カバー工法)
外壁の劣化状況によって選ぶべき工法は異なるため、それぞれ特徴や費用相場を正しく理解して、自宅のサイディングに適した工法を選びましょう。
外壁塗装の特徴と費用相場
外壁塗装とは、サイディング表面の塗料を新しく塗り替えることで、外壁の劣化症状を補修し、美観や機能を回復させるリフォーム工法です。
「外壁の劣化が目立ってきた」と感じる場合は、まずは外壁塗装を検討しましょう。塗装のタイミングは、使用している塗料や劣化状況にもよりますが、おおよそ10〜15年に1回の周期で施工するのが一般的です。
定期的な塗装を怠ると、サイディングの耐久性が著しく低下し、本来の耐用年数を待たずして寿命を迎えることになるため注意が必要です。
外壁塗装にかかる費用相場は、30坪ほどの一般的な戸建て住宅で「約60〜100万円」が目安となります。より詳細な費用相場や施工方法については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせて参考にしてください。
おすすめ記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
張り替えの特徴と費用相場
張り替えとは、古くなった外壁をすべて撤去し、外壁全面を新しいサイディングに交換するリフォーム工法です。サイディングが耐用年数を迎えた場合や、外壁の劣化が塗装では対応できないほど深刻な場合は、「張り替え」または「重ね張り」のどちらかを選択して、外壁の全面リフォームを行いましょう。
張り替えにかかる費用相場は、使用する外壁材にもよりますが、30坪ほどの一般的な戸建て住宅で「約200〜250万円」が目安です。
重ね張りよりも多くのコストや施工期間が必要になりますが、耐用年数やデザインを一新できるだけでなく、外壁全体を補修できるので劣化症状の根本的な問題解決や、新しい機能性を付加させることも可能です。
そのため、外壁の劣化が激しく重ね張りできない場合や、長期間にわたって安心して住める耐久性を求める方には、張り替えでのリフォームをおすすめします。
なお、より詳細な費用相場や施工方法、メリット・デメリットなどについては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
関連記事:サイディング張り替え工事の費用相場は?必要な時期と業者の選び方を解説
重ね張り(カバー工法)の特徴と費用相場
重ね張り(カバー工法)とは、既存の外壁の上から新しいサイディングを重ねて張り付けるリフォーム工法です。サイディングが耐用年数を迎えた場合は、「重ね張り」または「張り替え」のどちらかを選択して、外壁の全面リフォームを行うことになります。
重ね張りにかかる費用相場は、30坪ほどの一般的な戸建て住宅で「約150〜200万円」が目安です。既存のサイディングを撤去する必要がないため、施工にかかる費用や期間を抑えつつ、外壁の美しさと耐久性を取り戻すことが可能です。
ただし、サイディングの劣化や損傷が激しい場合は、重ね張りができない場合もあるため要注意。新しく取り付ける外壁材の種類についても、自由度の高い張り替えとは異なり、重量や耐震性の都合でほとんど金属系サイディングに限られています。
そのため、劣化がそこまで激しくない外壁で、初期コストや施工期間を抑えてリフォームしたい方には、重ね張りでの工事がおすすめです。
なお、より詳細な費用相場や施工方法、メリット・デメリットなどについては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説
外壁の塗り替え時期かも...
【外壁材別】サイディングに張り替え・重ね張りリフォームする目安時期
古くなった外壁をサイディングにリフォームする場合、現在使用している外壁材の種類によって、施工のタイミングが大きく異なります。外壁材ごとの、張り替え・重ね張りリフォームの目安時期は以下のとおりです。
外壁材の種類 | リフォームの目安時期(張り替え・重ね張り) | メンテナンスの目安周期(外壁塗装) |
窯業系サイディング | 40年 | 7〜10年 |
金属系サイディング | 40年 | 10〜15年 |
木質系サイディング | 40年 | 5〜10年 |
樹脂系サイディング | 40年 | 20〜30年 |
モルタル | 30年 | 8〜10年 |
ALC(軽量気泡コンクリート) | 50年 | 10〜15年 |
タイル | 40年 | 塗装不要 |
張り替え・重ね張りリフォームの時期は、外壁材ごとの耐用年数によって大きく異なります。サイディングやタイルは約40年、モルタルは約30年、ALCは約50年が目安です。
ただし、これらのリフォーム時期は、定期的な外壁塗装・メンテナンスをしっかり行っていた場合を想定しています。外壁の劣化がひどく進行している場合は、目安よりも早めのリフォームが必要になるため、定期的なメンテナンスは怠らないようにしましょう。
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サイディングのリフォームに失敗しないためのポイント・注意点
ここからは、外壁サイディングのリフォームに失敗しないために知っておくべき、以下3つのポイント・注意点を解説します。
- 外壁の劣化状況に適したリフォーム工法を選ぶ
- 重ね張り(カバー工法)ができる外壁は限られる
- 信頼できる優良業者にリフォーム工事を依頼する
外壁の劣化状況に適したリフォーム工法を選ぶ
サイディングのリフォームを行う際は、外壁の劣化状況に合わせて適切なリフォーム工法を選ぶことが重要です。
【劣化状況ごとの適したリフォーム工法】
- 外壁表面の軽度・部分的な劣化→「外壁塗装」または「部分補修」
- 外壁内部まで進行している深刻な劣化→「張り替え」または「重ね張り」
たとえば、外壁表面に色あせやチョーキング現象、小さなひび割れなどの軽い劣化症状が見られる場合は「外壁塗装」による修繕が適しています。外壁塗装をするまでもない部分的な劣化であれば、部分補修でも十分な場合も。
しかし、深刻な劣化症状が外壁全体に広がっていたり、劣化による雨漏りや腐食など、建物内部まで劣化が進行している場合は、「張り替え」や「重ね張り」を検討する必要があります。
誤った判断でリフォーム工法を選ぶと、余計な施工コストがかかるだけでなく、期待した効果が得られなかったり、施工後すぐに大規模な補修が必要になる可能性も考えられます。
そのため、サイディングのリフォームを行う際は、外壁の劣化状況に適した工法を選択することが大切です。自分で判断するのが難しい場合は、専門家に相談してアドバイスを求めるとよいでしょう。
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関連記事:外壁工事にかかる費用・種類を徹底解説!工期や業者選びのコツもご紹介
重ね張り(カバー工法)ができる外壁は限られる
重ね張り(カバー工法)は、上述したとおり既存のサイディングの上に新しいサイディングを張り付けて、外壁を二重にするリフォーム工法です。張り替えよりも低コスト・短期間で施工できるリフォーム工法ですが、一部の限られた外壁でしか適用できないため注意が必要です。
たとえば、重度のひび割れや剥離などによって雨水が侵入し、外壁内部まで腐食が進行している場合などが挙げられます。この場合に外壁を二重にするだけの重ね張りを行うと、下地に生じた腐食の進行が止められず、建物そのものの寿命を著しく縮めてしまう可能性があります。
また、重量や耐震性の都合上で、新しく重ねる外壁材はほとんど金属系サイディングに限られます。金属系にも様々なデザインはありますが、窯業系や木質系からは選べない点には注意しておきましょう。
信頼できる優良業者にリフォーム工事を依頼する
サイディングにかかわらず、外壁のリフォームを成功させるためには、信頼できる優良業者に依頼することがもっとも重要です。
リフォーム技術は施工業者によって大きく異なるので、仕上がりの美しさはもちろん、施工にかかる期間やコスト、発揮される耐久性や機能性も変わります。
そのため、外壁リフォームを依頼する際は、複数業者から見積もりを取り、施工費用や工事スケジュール、保証・アフターフォローの内容などをじっくりと比較検討して、より信頼できる業者を選ぶことが大切です。
また、ネット上の口コミや評判、ホームページに掲載されている施工実績やスタッフの情報も、優良業者を選ぶうえでの良い判断材料となります。施工業者に関する様々な情報を総合的に判断し、価格と工事の質の両方が納得できる優良業者を選びましょう。
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関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは
サイディングを正しく理解して満足のいくリフォームを
本記事では、外壁サイディングのリフォーム方法の種類や費用相場、張り替え・重ね張りを行う目安時期、リフォームに失敗しないためのポイントなどを解説しています。
満足のいくリフォームを行うためには、まずサイディングの劣化状況に応じた工法を選ぶことが大切です。
【劣化状況ごとの適したリフォーム工法】
- 外壁表面の軽度・部分的な劣化→「外壁塗装」または「部分補修」
- 外壁内部まで進行している深刻な劣化→「張り替え」または「重ね張り」
上記を参考に自宅に適したリフォーム工法を選び、リフォームの施工費用や得られる効果を最適化しましょう。外壁の劣化状況によっては、重ね張りができない場合もあるため注意が必要です。
なお、サイディングのリフォームを施工させるための最重要ポイントは「信頼できる優良業者に施工を依頼すること」です。かならず3〜4社以上の複数業者から見積もりを取り、価格面や工事の質ともに納得のいく優良業者を選ぶことが、より満足度の高い外壁リフォームにつながります。
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