2024-11-07 08:24:56 更新

外壁塗装の費用内訳|相場や見積書を見るときの注意点を解説

外壁塗装の費用内訳|相場や見積書を見るときの注意点を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁塗装を業者に依頼するときに、費用がどれくらいかかるのか、どのような内訳になっているのか、気になる方も多いでしょう。あらかじめ工事の相場や見積書の見方を把握しておくと、業者を選ぶときの役に立ちます。

この記事では、外壁塗装の費用内訳を解説するとともに、見積書を見るときに注意すべきポイントを解説します。工事費用を安く抑える方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次閉じる

外壁塗装の4つの費用内訳

外壁塗装の費用相場【30坪・40坪・50坪・60坪】

外壁塗装の費用が高くなる事例

外壁塗装の費用を安く抑える方法

外壁塗装の見積書を見るときの注意点とチェックポイント

外壁塗装の費用内訳を理解して信頼できる業者に依頼しよう

外壁塗装の4つの費用内訳

外壁塗装の費用内訳は、以下の4つに大きく分けられます。

塗料・材料費 全体の約20%
足場代 全体の約20%
人件費 全体の約30%
運営費・諸経費 全体の約30%

ここでは、4つの内訳について詳しく解説します。

塗料・材料費

塗料・材料費は、塗装工事に必要な道具や材料にかかる費用です。塗料・材料費には、主に以下の費用が含まれます。

  • 塗料代
  • コーキング材
  • シーリング充填材
  • 下地調整材
  • ローラー刷毛等道具類
  • 養生テープ
  • 飛散防止ネット

特に塗料代は種類や量によって費用が大きく変動する要素であり、メンテナンスコストにも影響するため注意が必要です。高品質の塗料は耐久性が高く、初期費用は高くなります。しかし、メンテナンスコストが下がるため、長期的にみるとトータルコストは安く抑えられます。そのため、メンテナンスのことも考えて塗料を選ぶことが大切です。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

足場代

足場代は、高所作業時に建物の周りに組み上げられる構築物にかかる費用です。足場費用は「足場の外周の長さ×足場の高さ」で算出するのが一般的です。相場は500〜800円/㎡(15〜20万円)ですが、建物の大きさや高さによって費用が変動します。

足場代無料で工事を請け負う業者もいますが、安全かつ高品質な作業を行うには足場の設置が不可欠であり、必ずコストが発生します。にも関わらず、足場代無料としている業者は、足場代を他の項目に上乗せしたり追加請求があったりするので注意が必要です。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

人件費

人件費は、作業に従事する労働者にかかる費用です。外壁塗装には、専門的な技術と知識が欠かせません。そのため、スキルの高い職人に依頼すると人件費も高くなる傾向にあります。また、工事期間が長引いたり、職人の数が増えたりする場合も人件費が高くなります。

人件費は単価費用にあらかじめ含まれているため、見積書に人件費の項目はありません。一般的に30坪の住宅の外壁塗装には、約25~30万円の人件費がかかります。

運営費・諸経費

運営費・諸経費は、塗装工事をする際に発生する様々な雑費のことです。外壁塗装の運営費と諸経費には、主に以下のものが含まれます。

  • 運搬費
  • 作業員の交通費
  • 廃材処分費
  • 事務費
  • 保険料
  • 工具や機材のレンタル費
  • 塗装工事の許可取得費
  • 施工管理などの管理、等

大手ハウスメーカーやリフォーム業者に依頼すると、運営費・諸経費に会社維持費が上乗せされて、見積もり金額が相場より高くなることがあります。運営費・諸経費の費用や内訳は業者によって異なるので、わからない点があれば業者に聞いておきましょう。

外壁塗装の費用相場【30坪・40坪・50坪・60坪】

外壁塗装の費用相場は、建物の坪数によって大きく異なります。坪数ごとの相場費用は以下のとおりです。

坪数 費用相場
30坪 70~100万円
40坪 90〜120万円
50坪 120〜150万円
60坪 150〜180万円

外壁塗装にかかる費用は、平均的な30坪の戸建て住宅で70~100万円程度です。坪数が10坪増えるごとに、費用相場も20〜30万円程度高くなる傾向があります。

ただし、相場はあくまで目安であり、選ぶ塗料や業者によって価格は大きく変動します。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

外壁塗装の費用が高くなる事例

同じ延坪数でも、塗装する建物の大きさや状況、依頼する業者などによって費用が相場よりも高くなることがあります。ここでは、どのような要因で塗装費用が上下するかを紹介します。

関連記事:外壁塗装が高いと感じる理由5選|適正、正確な価格を見極める方法も解説

塗装面積が大きい

家が大きく、塗装する面積が広くなるほど、塗料費用は増加します。同じ30坪でも階数が増えると塗装面積が大きくなり、費用も10万円程度増えるので注意が必要です。

塗装面積(30坪) 費用相場
1階建て(90㎡~) 65万円~
2階建て(120㎡~) 80万円~
3階建て(140㎡~) 90万円~

ただし、同じ塗装面積でも、複雑な形状の壁面は特殊な機材や技術が必要になり、追加コストが発生することがあります。

関連記事:外壁表面塗装面積計算は見積りの時に役立つ?

外壁の劣化が激しい

外壁が激しく劣化している場合、塗装する前に補修や下地処理が通常よりも多く必要になるため、追加コストが発生します。築年数が長くなるほど補修範囲が広くなり、補修や修繕にかかる費用が高くなりがちです。

同じ築年数でも、定期的な補修・メンテナンスをしていれば追加費用を安く抑えられます。しかし、メンテナンスをせずに破損や汚れが激しい場合は、塗装工事だけでは補修しきれないため、追加で費用がかかります。

関連記事:外壁劣化の原因は?主なサイン・種類と補修方法を解説

下請け・孫請け業者に依頼している

下請けや孫請けに塗装工事を委託した場合、工事費用に中間マージンが上乗せされるため、トータルコストが高くなります。特に大手ハウスメーカーやリフォーム業者などは、下請けの業者に工事を依頼するため費用が高くなります。

同じ工事内容であっても、中間マージンによって費用が最大2倍になることもあるので注意が必要です。そのため、見積もりをもらうときは、実際にどの業者が工事を行うのかを明確にすることが重要です。

外壁塗装の費用を安く抑える方法

外壁塗装は高額な費用がかかる工事ですが、少し工夫することで費用を安く抑えられます。ここでは、外壁塗装の費用を安く抑える3つのコツを紹介します。

相見積もりを取る

外壁塗装を業者に依頼するときは、少なくとも2〜3社から相見積もりを取りましょう。外壁塗装の費用は業者によって数万円から数十万円違うこともあるため、最初から1社に絞って決めてしまうと損する可能性があります。事前に相見積もりを取ることで、より適正価格に近い業者を見極めることができ、損するリスクを軽減できます。

ただし、安すぎる見積もりを出す業者は手抜き工事をする可能性もあるので、価格だけでなく、各業者のサービス内容や保証期間の違いを比較検討したうえで判断することが大切です。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

地元密着の業者に依頼する

外壁塗装は、地域密着型の業者に依頼するのがおすすめです。 大手のハウスメーカーやリフォーム業者に依頼すると、実際の工事は下請け業者が担当する場合が多く、工事費用に中間マージンが上乗せされます。

地域密着型の業者は自社施工であるケースが多く、中間マージンが発生しないため、手数料分が安くなります。また、計画段階から工事完了まで一貫したサービスを受けることができ、コミュニケーションが取りやすいので、最後まで安心して依頼できるでしょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

塗料のグレードを下げる

外壁塗装の費用は塗料の種類によって大きく変わるため、使用する塗料のグレードを下げれば費用を安く抑えられます。 外壁塗料には主に4種類があり、耐用年数が大きくなるにつれて価格も高くなる傾向にあります。

塗料 耐用年数 相場(平米単価)
アクリル塗料 3〜8年 1,000〜1,800円
ウレタン塗料 5〜10年 1,700〜2,500円
シリコン塗料 7〜15年 2,300〜3,500円
フッ素塗料 12〜20年 3,500〜5,000円

最も安価な塗料はアクリルですが、耐久性が低く劣化が早いので、新築以外ではあまり使われていません。シリコン塗料は耐久性とコストのバランスが良いので、近年高い人気があります。数年以内に引越しや建て替えを予定しているなら、グレードの低い塗料でも十分でしょう。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

外壁塗装の見積書を見るときの注意点とチェックポイント

外壁塗装は高額な費用がかかるので、見積書の内容を隅々までしっかりと確認する必要があります。金額だけを見て業者を選定すると、手抜き工事をされたり予定よりも工事が長引いたりする可能性があるため注意が必要です。ここでは、見積書を見るときに注意すべきポイントを紹介します。

関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

塗装面積が数値で記載されているか

外壁塗装の費用は塗装面積を根拠に金額を算出するため、見積書に塗装面積が数値で明確に示されているかどうかを確認しましょう。面積を出しづらい部位や工程であっても、数値で記載するのがベストです。

数値の記載がない場合、実際の工事もおおざっぱに行われる可能性があるため注意が必要です。数値の記載がある場合でも、実際の数値とかけ離れていないか、適切な数値かどうかを確認しましょう。

塗料の名称や数量が記載されているか

外壁塗料の費用は使用する塗料の種類によって金額が大きく変わるため、塗料の名称や数量が記載されているかをチェックする必要があります。塗料の名称だけでなく、塗料のグレードまで明確に書かれていれば安心です。

塗料の名称をインターネットで検索すれば、機能や価格を簡単に調べられます。事前に調べておけば、法外な価格が記載されていてもすぐに気付けるため、業者選定をする際の役に立ちます。

塗料は3回塗りか

外壁塗装の工事が3回塗り工程になっているかを確認することも大切です。屋根や外壁の塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの合計3回の塗り工程が基本です。塗り工程を省いてしまうと、塗料が持つ性能が発揮されず、施工後すぐに劣化症状が現れ始めます。

下塗りや中塗りを省いて利益を増やそうとする業者も存在するので、見積書に3回塗り工程が金額で明確に示されているかを確認することが重要です。工事の工程が「一式」と表示されている場合、内容がわからないため、不明点を確認した上で納得してから依頼しましょう。

工事の日程が記載されているか

外壁塗装工事は最短でも10日ほどかかりますが、建物の面積や施工する季節によって日数が前後するため、工事の日程がきちんと記載されているかを確認しましょう。

工事が順調に進めば10日ほどで終わりますが、住宅の規模が大きく劣化が激しい場合は、14日を超えることもあります。工期が長くなるほど費用もかさむので、事前確認が必要です。

ただし、必要以上に工期が短い場合は、手抜き工事をされる可能性があります。工期が短いと感じたら、その理由を業者に問い合わせて確認しておきましょう。

外壁塗装の費用内訳を理解して信頼できる業者に依頼しよう

外壁塗装費用には、塗料・材料費、足場代、人件費、運営費・諸経費の4つの内訳があります。業者から出された見積書を見るときは、内訳が詳しく記載されているか、面積や金額が数値で明確に記載されているかを確認することが大切です。

外壁塗装の費用内訳と見積書の見方を把握できれば、悪徳業者に騙されるリスクを回避でき、スムーズに工事を進められます。費用内訳についてわからない点があれば、契約前に確認し、きちんと納得してから業者に依頼するようにしましょう。

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