2025-05-01 08:51:27 更新

屋根材8種類の特徴|費用相場や安いもの、本当に適正な選び方を解説

屋根材8種類の特徴|費用相場や安いもの、本当に適正な選び方を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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新築や屋根の葺き替え工事を考える際には、どの屋根材を選ぶかで迷ってしまう方が多いです。今後長く住み続ける自宅では、できるだけ耐久性の高い屋根材を使用したいですが、寿命が長い屋根ほど費用は高額になります。新築やリフォームの予算に収めつつ、自宅に最適な屋根材を選ぶためには、屋根剤の種類や特徴について把握しておくことが大切です。

そこで本記事では、住宅に使われる主な屋根材8種類の特徴について、耐久性や費用相場、具体的な選び方についてご紹介します。

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屋根材8種類の特徴と費用相場|一番安いのはどれ?

適切な屋根材の選び方

屋根材のメンテナンスと維持費用の目安

屋根材を用いるリフォームで失敗しないコツ

屋根材は主に8種類!安いだけで選ぶのはNG

屋根材8種類の特徴と費用相場|一番安いのはどれ?

住宅の新築や屋根リフォームで使われる屋根材には、主に次の8種類が存在します。

  • 化粧スレート屋根
  • 天然スレート屋根
  • ガルバリウム鋼板
  • アスファルトシングル
  • トタン
  • 瓦屋根
  • 銅板屋根
  • 陸屋根

どの屋根材が自宅に適しているのかを考えるためには、屋根に求める機能性や予算、耐久性などによって異なるため、それぞれの特徴をしっかりと理解しておく必要があります。

ここでは早速、住宅に使われる8種類の屋根材の特徴について紹介します。

化粧スレート屋根

化粧スレート屋根は、セメントに繊維質を混ぜて板状にした屋根材で、「カラーベスト」「コロニアル」などの商品が人気です。日本の住宅では最も人気がある屋根材であり、耐用年数は約20年と短めですが、平米単価4,000円〜8,000円と費用相場が安いことが大きな特徴です。

シンプルなデザインでカラーが豊富に用意されているので、家の外観を重視する方にも適しています。ただし衝撃に弱く割れやすいほか、塗装がはがれると劣化が進みやすくなるため、定期的な屋根塗装が欠かせません。なお、2004年以前に製造されたスレート屋根にはアスベストを含有している可能性があり、撤去・処分の際には追加費用が発生する点に注意が必要です。

天然スレート屋根

天然スレート屋根は、粘板岩と呼ばれる岩石を原料とする屋根材で、ヨーロッパでは古くから屋根材として使用されてきた歴史を持ちます。天然の岩石を使用しているため独特の美しさがあり、風雨にも強いのが特徴です。耐用年数は20年以上、費用相場は平米単価1万円以上と、屋根材の中では高額な部類です。

また、屋根材に重量があるため建物に負担をかけやすく、家の重心が上に移動することから耐震性が低下する点に注意が必要です。そのため天然の岩石の風合いを取り入れたい場合や、耐用年数の長い屋根材を使用したい場合に適しています。

関連記事:スレート屋根の特徴とは?寿命・補修時期・アスベスト処理について徹底解説

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ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、化粧スレート屋根とともに日本で高い人気を誇る屋根材で、アルミニウムや亜鉛を使った金属製の屋根材です。本体が非常に軽量なので住宅の耐震性が高まるほか、防水性や耐久性も高く、寿命は約30年となっています。費用相場は平米単価6,000円〜9,000円ほどと安価な部類で、価格と機能性に優れた屋根材の一つです。

古い屋根材の上に新たな屋根材を被せることで寿命を延ばす、「カバー工法」でも使われる屋根材です。ただしガルバリウム鋼板は、断熱性・防音性が低く、表面に傷がつきやすいデメリットがあります。寿命を延ばすためには定期的な再塗装が必要であり、長期的なメンテナンスコストもかかります。

関連記事:ガルバリウム鋼板とは?メリット・デメリットと費用相場・耐用年数を解説

アスファルトシングル

アスファルトシングルとは、ガラスの繊維をアスファルトでコーティングした、シート状の屋根材です。独特の見た目を実現できるためデザイン性を重視する方に適しており、屋根材が割れたりサビたりしないことや、費用相場が5,000円〜6,000円と割安になる点がメリットです。耐用年数は約20年〜30年ほど。

ただし強風によってシートがはがれてしまうことがあるほか、通気性に劣るためカビやコケが発生しやすい性質を持ちます。アメリカでは主流の屋根材では、日本ではまだまだ普及が進んでおらず、施工を依頼できる業者が少ないこともデメリットに挙げられます。

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トタン

トタン屋根は古くからの建物に多い屋根材で、耐用年数は約10年程度と短い一方で、非常に安く施工できることからコストパフォーマンスに優れるのが特徴です。平米単価は5,000円〜6,000円が相場で、軽量な屋根材なので耐震性にも優れます。

一方で耐用年数の短さから定期的な屋根リフォームが必要になるほか、断熱性・防音性が期待できないデメリットもあります。また、経年劣化によってサビが発生しやすいので、長期的に住み続ける家には不向きです。

瓦屋根

瓦屋根の種類には、セメント瓦や粘土瓦、陶器瓦などが挙げられます。特に陶器瓦は長寿命で再塗装が不要なことから、近年の注文住宅でも根強い人気を誇っています。耐用年数は50年以上が見込まれるほか、表面の再塗装は必要ありません。断熱性や防音性に優れるメリットがありますが、平米単価は9,000円〜12,000円と、かなり高額です。

また、屋根材に重量があるため既存の屋根の葺き替えには不向きであり、重い屋根を支えるための高い強度を持った建物が必要です。屋根材そのものは劣化しにくいですが、漆喰の部分は経年劣化を起こすため、完全にメンテナンスが不要なわけではない点に注意しましょう。

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銅板屋根

銅板屋根は、神社やお寺の屋根にも使われる伝統的な屋根材で、瓦屋根と同様に再塗装が不要で、屋根材の中では最も耐用年数が長いことが特徴です。軽量かつ耐震性に優れ、サビが発生しても劣化が進みにくいメリットもあります。耐用年数は60年以上とされていますが、平米単価は2万円以上と、最高級クラスの予算が必要です。

銅板屋根に対応した業者を探す手間や必要な資金を考えると、一般的な戸建て住宅に使用するのは現実的ではないかもしれません。手間とお金を惜しまず、とにかく耐用年数の長い屋根材を探している方は検討してみると良いでしょう。

陸屋根

陸屋根は、低層マンションの屋上などに使われている平らな屋根を指します。屋上のスペースを有効活用できるため新築の際に検討されることもありますが、屋根リフォームの際に別の屋根から変更することはできません。常に人が立ち入ることができるためメンテナンスが容易で、点検や補修がしやすいのもメリットです。

耐用年数は10年〜20年ほど、費用相場は平米あたり6,000円〜7,000円です。ただし手入れを怠ると雨漏りが発生しやすくなるため、水路を含めた定期的なメンテナンスを必要とします。直射日光を浴びるため2階部分が熱を帯びやすい点に注意が必要です。

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適切な屋根材の選び方

次に、ここまで解説してきた屋根材について、どのような観点から自宅に適したものを選べば良いのかを解説しましょう。屋根材を選ぶ基準としては、耐久性・費用相場・デザイン性の3つが挙げられます。屋根材で重視する条件をもとに、おすすめの屋根材をご紹介します。

耐久性を重視する場合

屋根の耐久性を重視して屋根材を選ぶ場合、新築であれば瓦屋根・銅板を選ぶと、メンテナンス不要で長寿命の屋根が手に入ります。陶器瓦は近年の注文住宅でも人気の屋根材なので、耐久性やメンテナンス性にこだわりたい方におすすめです。葺き替え工事の場合には、屋根材が軽量でリフォームに適したガルバリウム鋼板がおすすめです。

費用相場を安く抑えたい場合

屋根材にかかるコストを抑えたい場合には、化粧スレート屋根もしくはガルバリウム鋼板が適しています。費用だけをみるとトタン屋根も選択肢になりますが、耐用年数が非常に短いことに注意しましょう。これらの特徴から、屋根材においては安い価格に引っ張られすぎてもNGです。耐久性とコストのバランスを重視したい方は、ガルバリウム鋼板を選ぶのがおすすめです。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

デザイン性に凝りたい場合

デザイン性にこだわって屋根材を選びたい場合には、独特の外観を実現できるアスファルトシングルや、伝統的な日本家屋のような印象を与える瓦屋根がおすすめです。カラーバリエーションが豊富なのは化粧スレート屋根、金属ならではの質感やスタイリッシュな見た目を求める場合には、ガルバリウム鋼板が選択肢になるでしょう。

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屋根材のメンテナンスと維持費用の目安

屋根材のメンテナンスには主に3つの方法があり、それぞれ費用が異なります。

工法 特徴 維持費用
塗装 屋根材の表面に塗装を施す 30~70万円
カバー工法 既存屋根の上から新しい屋根材を被せる 60~150万円
葺き替え 既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材を施工する 80~200万円

屋根材の表面が劣化している程度なら塗装で十分ですが、劣化が激しい場合やカバー工法または葺き替えが必要です。また、上記の費用は目安であり、屋根材によってメンテナンス方法や維持費用も変わります。

関連記事:屋根工事の費用相場をリフォーム内容別に解説!補助金・火災保険で安く抑えるコツも

屋根材別のメンテナンス方法と維持費用を比較

屋根材別のメンテナンス方法と費用は以下のとおりです。

屋根材の種類 塗装 カバー工法 葺き替え
スレート屋根 1,200~5,000円/㎡ 5,000~15,000円/㎡ 7,500~25,000円/㎡
ガルバリウム鋼板 3,000~10,000円/㎡ 5,000~15,000円/㎡ 9,000~20,000円/㎡
アスファルトシングル 2,000〜2,400円/㎡ 3,600〜5,000円/㎡ 8,500〜10,000円/㎡
トタン 2,000~3,000円/㎡ 8,000~12,000円/㎡ 10,000~14,000円/㎡
瓦屋根 14,000~19,000円/㎡

瓦屋根は耐久性が高く、塗装でのメンテナンスは不要です。また、瓦屋根は波立っている形状であり重量もあるため、既存屋根の上から新しい屋根材をかぶせるカバー工法は行いません。基本的にはメンテナンスフリーですが、瓦の種類によってメンテナンス方法が異なるので、業者に相談してみましょう。

屋根のメンテナンスが必要な劣化症状

屋根に以下のような劣化症状が現れたら、業者に点検を依頼しましょう。

チョーキングは、塗膜表面の樹脂が劣化して白い粉状になる現象です。劣化の初期段階のため経過観察でも問題ありませんが、雨漏りが発生したときは早急な対応が必要です。雨漏りが起きているということは、建物の内部まで劣化が進んでいる可能性が高く、大掛かりなメンテナンスが必要になります。

まだ雨漏りが発生していなくても、ひび割れなどの劣化症状を放置しておくと家の耐久性が低下します。劣化が進むほど工事費用も高くなるので、劣化症状を見つけたら早めにメンテナンスを行いましょう。

屋根材のメンテナンスは必須!放置するとどうなる?

屋根材のメンテナンスを怠ると、劣化が進行して耐久性が下がります。耐久性の下がった屋根材を放置すると、台風や地震が発生したときに屋根材が落下する可能性があり、大変危険です。また、隙間などの劣化した箇所から雨水が侵入し、雨漏りを引き起こす恐れもあります。雨漏りが発生すると、屋根材以外の補修が必要になり、工事費用が高額になってしまいます。大規模な補修工事を避けるには、日頃からこまめなメンテナンスが必要です。

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屋根材を用いるリフォームで失敗しないコツ

屋根材のリフォームは大掛かりな作業であり、費用も高くなりがちです。だからといって工事に手を抜くと失敗しやすいため、慎重な判断が必要です。ここでは、屋根材のリフォームで失敗しない方法を3つ紹介します。

屋根材をDIYで取り付けることはおすすめできない

屋根のリフォームは高所作業のため、作業に慣れていない素人がDIYで取り付けるのは危険です。専門知識や技術のない素人がメンテナンスをすると失敗する可能性が高く、工事に失敗したときは業者に依頼し直さなければなりません。DIYに失敗してから業者に依頼すると、通常よりも費用が高くなるため、屋根材の取り付けは業者に依頼するのが無難です。

古い屋根材にはアスベストが含有されている可能性がある

アスベストは健康被害があることから現在は使用が禁止されていますが、2004年以前に施工された古い屋根材にはアスベストが含有されている可能性があります。アスベストが含有されている屋根材を処分する場合、通常よりも工事費用が高額になるので注意が必要です。

自宅の屋根材がアスベストを含むか否かわからない場合は、施工してもらった専門業者に問い合わせてみましょう。施工業者がすでに廃業している場合は、専門業者に依頼してアスベスト事前調査をしてもらいましょう。

屋根材をリフォームする際は外壁も一緒に行うと◯

屋根のリフォームをするときは、同時に外壁もリフォームするのがおすすめです。屋根と外壁のリフォームはどちらも高所作業を伴うため、足場の設置が必要です。足場の設置には20万円近くかかりますが、屋根と外壁のリフォームを同時に行えば、足場代を1回に抑えられます。短期的に見ると費用は高額ですが、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。

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リフォームの屋根材選びは専門業者へ相見積もりを

ここまで屋根材の耐用年数や費用相場、重視するポイントごとの選び方についてご紹介してきましたが、屋根の葺き替え工事のための屋根材選びでは、リフォームを依頼する専門業者と相談しながら選択するのが大切です。というのも、既存の屋根材や建物によって、選択できる屋根材が限定されるためです。専門業者のアドバイスをもとに適切な屋根材を選ぶと、後悔のない屋根リフォームを実現できるでしょう。

ただし屋根のリフォーム業者の中には、利益重視の悪徳業者がいるのも事実です。安心して屋根リフォームを任せられる専門業者を選ぶためには、複数の業者に相見積もりを依頼して比較するのがおすすめです。同じ条件・同じ屋根材を使用した場合にどのくらいの見積もり金額になるのかを調べつつ、担当者の対応や丁寧さをみることで、信頼できる業者を見極めることができるでしょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

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屋根材は主に8種類!安いだけで選ぶのはNG

新築や葺き替え工事で使われる屋根材には、主に8つの種類があります。それぞれの屋根材によって耐久性や費用相場は異なり、使用できる家の条件も変わってきます。本記事でご紹介してきた屋根材の特徴をもとに、自宅に最適なものを選んでみてください。

なお、自宅に適した屋根材を判断するのが難しい時には、複数の業者に相見積もりを取って比較しながら、安心して任せられる専門業者にも相談してみましょう。

なお相見積もりを取る際には「外壁塗装の窓口」の利用がおすすめです。

厳しい審査をクリアした全国5,000社以上の優良店の中から、依頼者の希望に沿った施工店を無料で紹介。また契約前から施工後まで、経験豊富なアドバイザーによる一貫したサポートを無料で提供しています。塗装以外のリフォームも依頼可能となっているので、是非お気軽にご相談ください。

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