2024-08-07 14:23:36 更新

アスファルトシングルとは?価格や耐用年数、施工方法を紹介

アスファルトシングルとは?価格や耐用年数、施工方法を紹介
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
詳細を見る

アスファルトシングルは北米で一般的に普及している屋根材であり、日本でも住宅の屋根に使用するケースが増えています。価格が安くデザイン性が高いのがメリットですが、耐久性などに不安な面もあるため、実際に施工すべきかは慎重な判断が必要です。

この記事では、アスファルトシングルの価格や耐用年数を紹介するとともに、メリット・デメリットを解説します。屋根のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

屋根材に関する詳しい解説はコチラ

「この屋根材はいくら?」30秒で無料診断する

目次閉じる

アスファルトシングルとは?

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルの施工方法

アスファルトシングルのメンテナンス方法

アスファルトシングルのメリットをリフォームに活かそう

アスファルトシングルとは?

アスファルトシングルとは、ガラス基材にアスファルトを染み込ませ、表面に石粒を吹き付けてシート状にした屋根材です。日本やヨーロッパでは粘土で作られた瓦屋根が主流となっていますが、アメリカやカナダではこのアスファルトシングルが広く普及しています。

関連記事:屋根瓦の種類別に価格・耐用年数を比較!葺き替えや修理費用も紹介

アスファルトシングルの価格

価格は商品によって異なりますが、アスファルトシングルの施工費は1㎡あたり5,000〜7,000円が相場で、高くても8,000〜9,000円程度となっています。

アスファルトシングルは柔らかいシート状の屋根材となっていることから、ハサミやカッター、接着剤などで施工が可能です。このような特徴から、屋根材本体が安いというよりも、施工が容易で工期が短いことから、工事費用を安く抑えやすいというメリットに繋がっています。

他の屋根材と比較しても価格が比較的安い素材となっているため、新築住宅を建てるときの費用を安く抑えたい場合におすすめです。

アスファルトシングルの耐用年数

アスファルトシングルの耐用年数は製造された年代によって異なります。

製造された年代 耐用年数
20年前 15〜20年
現在の汎用品 20〜25年
現在の高耐久品 25〜30年

昔は耐久性が低いと言われていた素材ではあったものの、現在は製品の開発が進み、20~30年ほどの耐久性を持つようになりました。

なお、耐久性が高くなったとはいえ、立地や気候によっては10~20年で葺き替え、またはカバー工法によるリフォーム工事が必要になることがあります。

「この屋根材はいくら?」30秒で無料診断する

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルを住宅の屋根に使用することには、主に4つのメリットがあります。ここまでご紹介した特徴を踏まえてご紹介します。

施工費用が安い

上述した通り、アスファルトシングルの施工価格は、他の屋根材と比較して安くなっています。

屋根材 費用相場/㎡
アスファルトシングル 5,000〜7,000円
スレート屋根 5,000〜7,000円
ガルバリウム鋼板屋根 6,500〜8,000円
日本瓦(和瓦)・洋瓦 8,000〜15,000円

屋根材が柔らかく加工も簡単なアスファルトシングルは、手間代がかからないのがメリットです。高級な製品を選ばない限り、1㎡あたりの単価が8,000〜9,000円を超えることはないでしょう。

防水効果が高い

アスファルトシングルは仕上げ材に防水シートが使用されているため、防水保証が10~30年の商品が多数あります。また防水シートを施工するときに専用のセメント接着剤を使用し、穴を開けずに施工できるため、雨漏りの危険性が低いといったメリットもあります。

スレート屋根やガルバリウム鋼板などの他の屋根材は、防水シートを固定する際に釘やタッカーを使うことが多く、雨漏りの危険性が少し高くなります。雨が多い地域なら、アスファルトシングルを選んだ方が良いでしょう。

デザイン性が高い

アスファルトシングルは表面の砂の色をアレンジできるため、住宅の雰囲気に合わせて屋根材のカラーを決められます。見た目に温かみのあるマットでおしゃれな仕上がりになるため、家のデザインにこだわりたい方におすすめです。

またシート状の屋根材なので、加工しやすく、円錐型などの複雑な形状の屋根にも柔軟に対応できます。和風から洋風まで幅広い住宅にマッチするため、ほかの住宅と異なる個性的な仕上がりにできるでしょう。

耐震性が高い

アスファルトシングルは他の屋根材と比べて軽量で、耐震性が高いメリットがあります。

屋根材 重量/㎡
アスファルトシングル 9~12kg
スレート屋根 18~21kg
屋根瓦 45~60kg

屋根に重さがあると建物全体に負荷がかかり、耐震性が低くなりますが、軽量の屋根材にリフォームすれば耐震性を高められます。

アスファルトシングルは一般的に普及している屋根瓦と比べて5分の1程度の重量しかないため、地震の影響を抑えたい方におすすめです。

「この屋根材はいくら?」30秒で無料診断する

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルはメリットが多い一方で、少なからずデメリットも存在します。施工してから後悔しないためにも、事前にしっかりデメリットを確認しておきましょう。

強風に弱い

施工するときにセメント系接着剤や釘を使用する方法が主流のため、接着剤の塗布や圧着作業が不十分だと、強風が吹いたときにパタパタとあおられ、屋根が破損するリスクがあります。 

屋根材自体が薄く、屋根瓦の5分の1の重さしかないため、強風によって反りや破れが起こるケースもあります。万が一屋根材が強風で飛んでも、破損などのトラブルはほぼありませんが、台風や強風の後は念のため業者に屋根を点検してもらうと安心です。

カビやコケが発生しやすい

屋根が北側にある場合や、湿気がこもりやすい地域の場合には、カビやコケが発生しやすくなります。 アスファルトシングルの表面は石粒が吹き付けられており、凸凹しているため、雨水が入り込みやすく、カビやコケの原因となります。

カビやコケは高圧洗浄で除去できますが、洗浄後に塗装もしくはカバー工法のリフォームが必要になる可能性があります。メンテナンス費用が高額になりやすいため、地域によっては別の屋根材を施工した方が良いでしょう。

勾配が少ない屋根には向かない

勾配が緩い屋根に施工すると水はけが悪くなり、雨漏りを引き起こすため、施工できるのは原則3.5寸以上の勾配がある屋根とされています。

アスファルトシングルは暑い時期に熱膨張し、気温が低い時期は収縮するため、それを繰り返すと屋根材に隙間ができて雨水が浸入してしまいます。そのため、基準値をクリアした勾配の屋根にしか施工はできません。

ただし、下地の工事の仕方によっては緩勾配の屋根でも施工できる場合があるので、まずは業者に確認してみましょう。

施工できる業者が少ない

日本ではあまり普及していない屋根材のため、施工できる業者が少ないのが現状です。部分補修や塗装をしたくても、メンテナンスを依頼できる業者が限られており、トラブルが起きたときに困る可能性があります。

そのため、屋根をリフォームするときは、アフターメンテナンスも含めて対応してくれる業者を探しましょう。施工実績の豊富な業者であれば、施工後のトラブルも起きにくいので安心です。

「この屋根材はいくら?」30秒で無料診断する

関連記事:納得できる屋根修理業者の探し方とコツ|悪徳業者を見分ける方法も

アスファルトシングルの施工方法

アスファルトシングルの施工は以下の手順で行います。

  1. 防水シートを貼る
  2. 屋根の軒先部分に軒先キャップ・軒先板金を取り付ける
  3. シングル材を必要な数、長さに切る
  4. 施工箇所に接着剤を塗る
  5. シングル材を接着剤と釘で止める 
  6. 棟を板金や同質役物で仕上げる

柔らかいシート状の屋根材であるため、カッターやハサミなどでも簡単に切ることができ、曲面にも貼れます。複雑な形状の屋根でもリフォームしやすいことから、物置小屋の屋根のDIYで使用するケースも増えています。

「この屋根材はいくら?」30秒で無料診断する

アスファルトシングルのメンテナンス方法

メンテナンス方法には、以下の4種類があります。

  • 部分補修
  • 葺き替え
  • カバー工法
  • 塗装

メンテナンスにかかる手間も確認したうえで、実際に施工すべきかどうか判断しましょう。

部分補修

屋根の一部に剥がれや浮きがある場合は、接着剤やタッカーを使った部分補修で対応できます。事前に周辺を清掃して、問題のある箇所を接着剤で貼り合わせれば、補修跡がわからないくらいまできれいに仕上がります。

部分補修なら費用もあまりかからず、短時間で済ませることが可能です。しかし、剥がれや浮きを放置しておくと雨漏りしやすくなり、修理費用も高くなるので、トラブルに気づいたら早い段階で補修しましょう。

葺き替え

屋根材の劣化がひどい場合は、既存の屋根を撤去し、新しい屋根材に葺き替える工事が必要です。

撤去の費用に加え、解体作業や廃材処理、工事費用がかかるため、他のメンテナンス方法と比べてトータルコストは高額です。工事期間も長くなりますが、屋根材の劣化をリセットできるメリットがあります。

屋根が新築のときと同じような状態になり、家の寿命を延ばせるため、長く暮らす予定なら葺き替えを行うことをおすすめします。

関連記事:屋根の葺き替え工事とは?費用相場やカバー工法・屋根塗装との違いを解説

カバー工法

表面の屋根材が傷んでいるだけで、屋根の下地に問題がない場合は、カバー工法を行います。カバー工法とは、既存の屋根材の上からそのまま新しい屋根材を重ねる工事のことです。 

アスファルトシングルは軽量のため、既存の屋根の上から新しい屋根をかぶせることが可能です。カバー工法なら屋根材の撤去と廃材処理の手間がかからず、葺き替え工事よりも費用がリーズナブルで工期も短く済みます。

屋根が二重になることで防水層も厚くなるため、断熱効果や防音効果が高まるメリットもあります。

関連記事:屋根カバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット、工事できない家の条件も

塗装

塗装工事は葺き替え工事やカバー工法に比べて費用が安いのがメリットです。定期的に塗り替えを行うことで美観を維持できるだけでなく、屋根材の耐久性や防水性も高められます。

ただし、塗装する際に油性塗料を使用すると、アスファルトシングルの成分が染み出て美観性と耐久性が低下する可能性があります。そのため、塗装リフォームする場合は、必ず水性塗料で塗装しましょう。

「この屋根材はいくら?」30秒で無料診断する

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

アスファルトシングルのメリットをリフォームに活かそう

アスファルトシングルはデザイン性が高くて、工事費も抑えられるコストパフォーマンス良好な屋根材です。日本ではまだあまり普及していませんが、耐震性が高いことから、今後は需要が高まることが予想されます。

屋根リフォームの施工業者を探すときは、「外壁塗装の窓口」が役立ちます。全国の優良なリフォーム業者のみ厳選して紹介しているので、業者を探すときの参考にしてみてください。

外壁塗装の窓口で相場チェックしてみませんか?
ページトップ