2024-11-07 04:53:00 更新

トタン屋根とは?寿命や価格、修理方法まで詳しく解説

トタン屋根とは?寿命や価格、修理方法まで詳しく解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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トタン屋根は住宅から工場、倉庫まで幅広く使用されている屋根材です。聞いたことはあっても、具体的にどのような特徴があるのか把握していない方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、トタン屋根の寿命や価格、メリット・デメリットを解説していきます。修理やメンテナンス方法についても紹介しているので参考にしてください。

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トタン屋根とは?

トタン屋根のメリット

トタン屋根のデメリット

トタン屋根の修理やメンテナンスの方法

トタン屋根を修理するときの注意点

トタン屋根の特徴を把握して施工を検討しよう

トタン屋根とは?

トタン屋根とは、トタン板(亜鉛メッキ鋼板)が使用されている屋根材のことです。

日本の住宅は昔から瓦屋根が主流でしたが、トタン屋根は瓦屋根に比べて価格が安く、施工もしやすい特徴があります。高度経済成長期に需要が拡大し、全国各地の住宅で使用されるようになりました。

現在はトタン屋根よりも耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」が主流になっており、トタン屋根の施工は減っていますが、昔からある住宅や工場などではまだ多く使用されています。

トタン屋根の種類

トタン屋根は以下3つの種類に大別できます。

波板トタン屋根 薄い鉄板の強度を高めるために、トタンを波型に加工したタイプ。幅広い形状・サイズがあり、勾配がない屋根にも使用できる。
瓦棒葺きトタン屋根 屋根の頂上から軒先に向かって縦方向にトタン板を設置していくタイプ。心木と呼ばれる木材が等間隔に設置されているのが特徴。
折板トタン屋根 水はけをよくするために、トタンを折り曲げて台形状に加工したタイプ。工場、倉庫、体育館などの大型建築物に使用されることが多い。

トタン屋根の寿命

トタン屋根の寿命は15~20年程度です。使用環境や気候などによって寿命は変わりますが、定期的にメンテナンスすることで寿命を20年までのばすことができます。

なお、トタン屋根は施工から5年ほど経つと、色褪せが目立つようになります。5年ごとに塗り直しや簡単な修繕をすることで、性能だけでなく見た目もきれいに維持できるでしょう。

※屋根のパーツによって寿命は異なるため、場所によっては早めに寿命がくることもあります。

トタン屋根の価格

トタン屋根の価格は、1㎡あたり5,000〜6,000円が相場です。

屋根材 1㎡あたりの価格
トタン 5,000〜6,000円
ガルバリウム鋼板 6,000~9,000円
6,000~12,000円

他の屋根材と比べるとトタン屋根の価格は安いため、費用面を重視する方には選択肢の一つになるでしょう。ただし、価格が安い分、性能は他の屋根材より劣ります。

価格だけでなく、性能や耐久性も重視するなら、他の屋根材も選択肢に含めて検討しましょう。

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トタン屋根のメリット

トタン屋根には、主に以下3つのメリットがあります。

  • 価格が安い
  • 軽量で雨漏りしにくい
  • 耐震性が高い

それぞれのメリットについて解説します。

価格が安い

トタン屋根は他の屋根材に比べて1㎡あたりの価格が安く、施工費用を安く抑えられます。施工が簡単で工事が短時間で済むことも、価格が安い理由の一つです。

瓦屋根と比較するとコストを約半分まで抑えられるため、価格重視で屋根材を選びたい方や、施工費用を抑えたい方には大きなメリットと言えるでしょう。

また塗り替えや修繕などのメンテナンスコストも安い傾向にあるため、長い目で見た際のコストパフォーマンスも良好です。

軽量で雨漏りしにくい

トタン板は日本瓦と比べて100分の1の重量しかなく、スレート屋根と比べても4分の1の重量しかありません。簡単に持ち上げられるほど軽量なため、雪が積もった際に建物が倒壊するリスクを軽減できます。

またトタン屋根にはつなぎ目がなく、雨漏りしにくいメリットもあります。傾斜が少ない屋根でも雨漏りのリスクが少ないため、雨や雪が多い地域では特に有用です。

関連記事:雨漏り修理にかかる費用はいくら?修理箇所ごとの相場や火災保険の適用条件を解説

耐震性が高い

トタン屋根は軽いため、地震が起きても揺れが少ないのが特徴です。地震による建物の揺れは屋根の重さと密接な関係があり、屋根が重いと地震が発生したときの建物の揺れも大きくなります。

屋根が重いほど重心が上がり、建物自体のバランスが悪くなりますが、トタン屋根は日本瓦やスレート屋根と比べて非常に軽いため、地震が発生したときに建物に大きな負担がかかりません。

屋根材だけでなく、外壁のひび割れや落下した屋根材による外構の崩壊などの被害リスクを軽減できるため、耐震性は高いと言えるでしょう。

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トタン屋根のデメリット

トタン屋根にはメリットが多い一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • サビやすい
  • 断熱性・遮音性が低い
  • メンテナンス周期が早い

良い部分だけでなく悪い部分も把握したうえで、実際に施工すべきかどうか慎重に判断しましょう。

サビやすい

トタン屋根は鉄板なので、表面のめっきが剥がれやすく、サビが発生しやすい特徴があります。サビを放置しておくと、さらに劣化が進んでトタンに穴があき、雨漏りの原因になります。​​

トタン屋根に使用される塗料の耐用年数は7〜10年程なので、この間に塗り替えるのが望ましいです。劣化が激しくなると全面貼り替えなどの大がかりなメンテナンスが必要になるため、サビが発生する前にメンテナンスを行いましょう。

断熱性・遮音性が低い

トタン屋根は素材そのものが薄く軽いため、断熱性や遮音性が低いデメリットがあります。

遮音性が低いと外の音などが室内に響くので、騒音によるストレスを抱える可能性があります。また断熱性が低いと屋外の暑さや寒さが伝わりやすいため、夏と冬は冷暖房設備が欠かせません。断熱性が低いと冷暖房効率も悪くなるため、光熱費が高額になりがちです。

トタン屋根を使用する際は、屋根裏に吸音材を施工したり断熱材を入れたりするなどの工夫が必要になるでしょう。

メンテナンス周期が早い

トタン屋根はサビや色褪せ、凹みなどの不具合も起きやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。 

瓦屋根のメンテナンスは20~30年に1度程度、ガルバリウム鋼板のメンテナンスは10~15年に1度であるのに対し、トタン屋根は5~10年に1度はメンテナンスが必要になります。

他の屋根材と比較するとメンテナンス周期が早いため、面倒だと感じることもあるでしょう。メンテナンスを怠ると雨漏りなどが発生して、日常生活に支障が出るため注意が必要です。

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トタン屋根の修理やメンテナンスの方法

トタン屋根を長く使い続けるには、定期的なメンテナンスや修理が欠かせません。トタン屋根の修理やメンテナンスの方法には主に4種類あり、劣化状況によって適切な修理方法は異なります。

ここでは、トタン屋根の劣化状況に合わせた修理・メンテナンス方法を解説していきます。

塗装

軽度なサビや色あせであれば、トタン表面の塗り替えで対応できます。一般的な30坪の住宅の場合、塗装にかかる費用は40万円ほどです。

耐用年数の高い塗料を使用すると費用が高額になる場合もありますが、他のメンテナンス方法と比較すると全体の費用は安めです。そのため、劣化症状が悪化する前に塗装メンテナンスをすると良いでしょう。

防水性や防腐性の高い塗料を塗り重ねれば、トタン屋根の寿命を長く伸ばすことができます。

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

葺き替え

屋根が崩れるほど重度なサビや穴がある場合は、葺き替えが必要です。葺き替えとは、既存のトタン屋根を撤去し、新しい屋根材と交換する工法です。

葺き替えでは工程数が多いため、100万円以上の費用がかかるのが一般的です。メンテナンスコストは高額で、施工期間も2週間程かかりますが、屋根の寿命をリセットできるメリットがあります。

新しいトタン屋根への張替えも可能ですが、現在は耐久性の高いガルバリウム鋼板に変更するのが主流となっています。

関連記事:屋根の葺き替え工事とは?費用相場やカバー工法・屋根塗装との違いを解説

カバー工法

屋根全体がサビている場合は、カバー工法を行います。カバー工法とは、既存のトタン屋根の上に新しい屋根を設置する工法です。

葺き替えと違い、既存の屋根を撤去する手間がかからないため、費用を抑えやすいのがメリットです。施工費用は一般的な30坪住宅で100万円前後、施工は3〜5日ほどで終わるため、日常生活への支障を最小限に抑えられます。

ただし、屋根の劣化具合によってはカバー工法ができない場合があります。仮に施工できたとしても、屋根の重量が増えて住宅への負担がかかるため、費用的に葺き替えをするのが難しい場合の選択肢として考えると良いでしょう。

関連記事:屋根カバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット、工事できない家の条件も

部分修理

屋根の一部に穴やサビがある場合は、部分修理を行いましょう。部分修理であれば、一カ所あたり数万円の費用で済みます。

日頃からこまめな部分修理をしておくと、屋根全体の劣化が進むのを抑えることができ、大掛かりな修理をせずに済みます。

ただし修理範囲が大きい場合や、足場を組まなければならない場合は、数十万円ほどの費用がかかることもあります。修理内容によって費用は変動するため、契約前にきちんと確認しておきましょう。

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トタン屋根を修理するときの注意点

トタン屋根は修理の対応を間違えると、ケガをしたり、修理費用が高額になったりするため注意が必要です。

ここからは、トタン屋根を修理するときに気を付けるべきポイントを解説していきます。

高い場所のDIYは危険

トタン屋根はDIYで補修したり塗装したりすることも可能ですが、高所で作業するのは危険が伴うためおすすめできません。

そもそも高所作業に慣れていない素人が屋根に登ること自体、危険な行為です。実際、屋根の修理をDIYで行おうとして転落した方もいます。

屋根のトラブルは素人ではわからないことも多く、自分ではうまく補修したつもりでも見えないところで劣化が進んでいる可能性もあります。トタン屋根の修理は自分で行わず、経験豊富なプロの業者へ依頼しましょう。

悪徳業者に依頼しない

トタン屋根の修理業者の中には、高額な契約を交わそうとする悪徳業者も存在します。屋根の劣化を大げさに伝えて、契約を急かすような業者には要注意です。

悪徳業者に騙されないようにするために、複数の業者から見積もりを取り、修理の価格やサービス内容をしっかり比較しましょう。

複数業者の見積もりを比較したいときには「外壁塗装の窓口」が役立ちます。厳しい審査基準を満たした塗装業者のみを紹介しているため、初めての方も安心して利用できるでしょう。

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関連記事:屋根修理詐欺に要注意!点検商法に騙されない対策と被害に遭った時の対処法

トタン屋根の特徴を把握して施工を検討しよう

トタン屋根は他の屋根材に比べて価格が安く、軽量で耐震性が高いメリットがあります。施工費用を安く抑えたい方におすすめの屋根材ですが、サビやすく、防音性・断熱性が低いといったデメリットもあるので注意が必要です。

トタン屋根のメリットだけでなく、デメリットやメンテナンス周期なども考慮したうえで、施工すべきかどうか判断しましょう。

トタン屋根の施工業者を探すときは、「外壁塗装の窓口」が役立ちます。見積もり相場を無料でチェックできるため、適正価格で依頼できる業者を簡単に探せます。

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