2024-08-09 02:16:32 更新

屋根材ごとの耐用年数一覧!寿命を延ばすメンテナンス方法や注意点を解説

屋根材ごとの耐用年数一覧!寿命を延ばすメンテナンス方法や注意点を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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ものを長く使っているといずれ壊れてしまうように、住宅の屋根や外壁にも、問題なく使い続けられる寿命、つまり「耐用年数」が存在します。

特に屋根の耐用年数は、劣化次第で家そのものの寿命にも影響が出るため、家を持っている方ならば必須知識と言えるでしょう。

そこで本記事では、屋根材ごとの耐用年数や注意点、屋根の寿命を最大限に延ばすためのメンテナンス方法などを解説します。

定期メンテナンスや寿命を迎えた際の工事にかかる費用相場も紹介していますので、屋根材選びに悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。

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目次閉じる

屋根の耐用年数とは?屋根材別の耐用年数一覧

【注意】屋根材だけでは不十分!下地材の耐用年数も知っておこう

屋根の耐用年数を最大限に延ばすためにはメンテナンスが大切

屋根の耐用年数を把握してメンテナンス・工事に備えよう

屋根の耐用年数とは?屋根材別の耐用年数一覧

屋根の耐用年数とは、腐食や雨漏りなどが発生することなく、建物にとって良い状態を維持できる期間のこと。つまり、屋根の「寿命」を指しています。

屋根の耐用年数は一般的に20〜30年程度とされていますが、使われている屋根材によっては、耐用年数が短いものや長いものもあるため注意が必要です。主な屋根材7種類の耐用年数は以下のとおりです。

屋根材 耐用年数
ストレート 20〜30年
ガルバリウム鋼板 30〜40年
トタン 10〜20年
ステンレス 40〜50年
日本瓦 50〜100年
セメント瓦 30〜40年
アスファルトシングル 20〜30年

以下からは、屋根材ごとの特徴や耐用年数、寿命を長く保つために必要なメンテナンスなどを詳しく解説します。

関連記事:屋根材8種類の特徴まとめ!耐久性・費用相場とリフォームでの選び方を解説

ストレート屋根

「ストレート」とは、セメントと繊維素材を混ぜて板状に加工した屋根材のことです。戸建住宅の屋根材として非常に人気が高く、「コロニアル」「カラーベスト」などの商品名でも広く知られています。

ストレート屋根の詳細
耐用年数(寿命) 20〜30年
メンテナンス周期・方法 5〜10年:屋根塗装
寿命後の工事 「葺き替え」または「カバー工法」

ストレート屋根は、基本的に20〜30年程度で耐用年数を迎えます。薄く加工されているため割れやすく、長持ちさせるにはこまめなメンテナンスが必要です。

5〜10年ごとに屋根塗装を行うことで、風雨や太陽光などからのダメージを防ぎ、屋根材の劣化を遅らせましょう。メンテナンスを怠ると、ヒビ・欠けや反り、色褪せやコケなどが発生し、寿命が縮まってしまうため注意してください。

関連記事:スレート屋根の特徴とは?寿命・補修時期・アスベスト処理について徹底解説

ガルバリウム鋼板屋根

「ガルバリウム鋼板」とは、亜鉛やアルミニウムなどで構成されたメッキが施された金属製の屋根材です。軽量かつ耐久性が高く、屋根材の中でもトップクラスの人気を集めています。

ガルバリウム鋼板屋根の詳細
耐用年数(寿命) 30〜40年
メンテナンス周期・方法 15〜20年:屋根塗装
寿命後の工事 「葺き替え」または「カバー工法」

ガルバリウム鋼板屋根の耐用年数は30〜40年程度とかなり長く、金属製にしては錆びにも強いため、こまめなメンテナンスは必要ありません。

15〜20年ごとの屋根塗装で色褪せや錆びを取り除き、屋根材の経年劣化を防ぎましょう。メンテナンスの回数が少ないため、長期的なコストパフォーマンスは非常に高いです。

関連記事:ガルバリウム鋼板とは?メリット・デメリットと費用相場・耐用年数を解説

トタン屋根

「トタン」とは、亜鉛メッキが施された金属製の屋根材です。安く施工できる反面、耐久性の低さや錆びやすさから利用数は減少しており、現在の金属屋根はガルバリウム鋼板が主流となっています。

トタン屋根の詳細
耐用年数(寿命) 10〜20年
メンテナンス周期・方法 5〜10年:屋根塗装
寿命後の工事 葺き替え

トタン屋根の耐用年数は10〜20年と比較的短く、錆び付きやすく耐久性も低いため、5〜10年ごとのこまめなメンテナンスが必要です。

ただ、トタン屋根の耐用年数は長くて20年しか保たず、メンテナンス回数やコストも嵩むため、長期的に住む家の屋根材としてはおすすめできません。

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関連記事:トタン屋根とは?寿命や価格、修理方法まで詳しく解説

ステンレス屋根

「ステンレス」とは、鉄を主成分としたステンレス合金を原料にした金属製の屋根材です。導入コストが高い代わりに、ガルバリウム鋼板よりもさらに耐久性に優れ、錆びにも強いため、公共施設や海に近い住宅の屋根材として人気を集めています。

ステンレス屋根の詳細
耐用年数(寿命) 40〜50年
メンテナンス周期・方法 基本的に不要(20年前後:屋根塗装)
寿命後の工事 「葺き替え」または「カバー工法」

ステンレス屋根はメンテナンスフリーと言われており、屋根としての機能を維持するためのメンテナンスは基本的には不要です。

ただし、経年とともに色褪せてくるため、外観が気になる場合は約20年周期を目安に屋根塗装を施すとよいでしょう。

日本瓦屋根

「日本瓦」とは、形成した粘土を焼き上げてつくる、古くからの伝統的な屋根材です。防火性・防水性にも優れており、自然災害などで割れなければ50年以上保つ耐久性が魅力です。

日本瓦屋根の詳細
耐用年数(寿命) 釉薬瓦:50〜100年いぶし瓦:30〜50年
メンテナンス周期・方法 基本的に不要(10年前後:漆喰の補修)(30年前後:下地材の交換)
寿命後の工事 「葺き替え」または「葺き直し」

日本瓦は製造工程で釉薬を塗る「釉薬瓦」と、釉薬は塗らずに燻してつくる「いぶし瓦」の2種類に分けられ、耐用年数は釉薬瓦が50〜100年、いぶし瓦は30〜50年ほどとされています。

耐久性が高いため屋根材自体のメンテナンスは基本不要ですが、経年劣化がある漆喰部分や下地材など、屋根材以外のメンテナンスは適宜必要なため注意してください。

セメント瓦屋根

「セメント瓦」とは、セメントと川砂を混ぜて瓦型に形成した屋根材です。別名「モニエル瓦」とも呼ばれ、日本瓦よりも安価で施工できる反面、耐久性・耐震性が低く近年の利用数は減少傾向にあります。

セメント瓦屋根の詳細
耐用年数(寿命) 30〜40年
メンテナンス周期・方法 10〜15年:屋根塗装
寿命後の工事 葺き替え

セメント瓦屋根の耐用年数は30〜40年ほどなっており、平均よりは長く、日本瓦よりは短いのが特徴です。

セメント瓦は表面に塗装を施すため、日本瓦と違って定期的なメンテナンスが必要になります。塗装が剥がれてしまうと、風雨や太陽光からのダメージでヒビ割れが起き、雨漏りにつながる恐れがあるため、10〜15年ごとのスパンで屋根塗装を行いましょう。

関連記事:屋根瓦の種類別に価格・耐用年数を比較!葺き替えや修理費用も紹介

アスファルトシングル屋根

「アスファルトシングル」とは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させ、石粒をコーティングしてつくられるシート状の屋根材です。北米では広く普及している屋根材で、防水性・吸音性やデザイン性の高さから、近年では日本でも人気が広がりつつあります。

アスファルトシングル屋根の詳細
耐用年数(寿命) 20〜30年
メンテナンス周期・方法 10年前後:屋根塗装
寿命後の工事 「葺き替え」または「カバー工法」

アスファルトシングル屋根は、20〜30年程度で耐用年数を迎えます。非常に軽い素材を使っており強風などで剥がれやすいため、長く保つには定期的なメンテナンスが不可欠。約10年ごとに塗装工事することで屋根材の劣化を防げます。

なお、アスファルトシングル屋根を塗装する際は、かならず「水性塗料」を使用してください。油性塗料を使用すると、アスファルトの成分が溶けて耐久性が低下し、見た目も悪くなってしまうため注意が必要です。

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関連記事:アスファルトシングルとは?価格や耐用年数、施工方法を紹介

【注意】屋根材だけでは不十分!下地材の耐用年数も知っておこう

家の寿命を長く保つためには、屋根そのものの耐用年数だけでなく、屋根の下地材である「ルーフィング(防水シート)」の耐用年数にも注意が必要です。

「ルーフィング」とは、屋根で防ぎきれなかった雨水の侵入を防ぐ役割を持つ防水シートで、別名「下葺き材」とも呼ばれ、屋根材の下に敷いて使用します。

耐用年数は商品にもよりますが、基本的に約30年前後とされており、寿命を過ぎると腐食や雨漏りの原因となるため、屋根材の状態にかかわらず交換が必要です。

なお、屋根材の耐用年数がまだ残っていたとしても、ルーフィングだけを交換することはできません。例外として日本瓦だけは、ルーフィングのみ交換して屋根材は再利用する「葺き直し」が可能です。

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屋根の耐用年数を最大限に延ばすためにはメンテナンスが大切

ここまで解説した内容から分かるように、屋根の耐用年数を最大限に延ばすためには、定期的なメンテナンスがもっとも大切です。

塗装などの屋根材ごとのメンテナンス以外にも、台風や豪雨、地震などが発生した際には目視で点検し、異常があれば業者に補修を依頼し、大きな劣化や雨漏りを防ぎましょう。

以下からは、屋根のメンテナンスに関する以下2つの内容を解説します。

  • 屋根のメンテナンス・工事にかかる費用相場
  • 耐用年数を過ぎた屋根をそのままにする危険性

関連記事:屋根リフォームの種類と費用は?部分修理の費用や補助金も紹介

関連記事:屋根工事の費用相場をリフォーム内容別に解説!補助金・火災保険で安く抑えるコツも

屋根のメンテナンス・工事にかかる費用相場

屋根のメンテナンスおよび、寿命が来た際の工事にかかる費用相場は以下のとおりです。

メンテナンス方法 工事内容 費用相場(100平米の場合)
部分補修 瓦・金属板の一部交換、漆喰の補修など 5〜30万円
屋根塗装 屋根の表面を塗装することで防水性や耐久性を高め、経年劣化を防ぐメンテナンス方法 40〜60万円
カバー工法 古い屋根材の上から新しい屋根材およびルーフィングを被せる工事方法 80〜120万円
葺き替え 古い屋根材を撤去して新しい屋根材・ルーフィングに交換する工事方法 100〜180万円
葺き直し ルーフィングのみを交換し、既存の瓦を再利用する工事方法(日本瓦屋根のみ可) 140〜200万円

メンテナンス・工事にかかる費用は、既存の屋根材や広さ、使用する材料によっても変わりますが、100平米あたりおおむね上記程度の料金がかかります。

なお、古い屋根材の上から新しい屋根材を被せる「カバー工法」は、瓦屋根や経年劣化が激しい屋根材には施工できないためご注意ください。

耐用年数を過ぎた屋根をそのままにする危険性

耐用年数を過ぎた屋根をそのままにしていると、屋根材やルーフィングの経年劣化によって以下のような症状を引き起こす危険性があります。

【屋根の劣化を放置するリスク】

  • 屋根の経年劣化による雨漏り
  • 雨漏りによる漏電や基礎構造の腐食
  • 雨漏りによるカビやシロアリの繁殖

このような状態で放置していると、家の構造自体が脆くなって大きな自然災害に耐えられず、家自体の寿命が縮まることはもちろん、倒壊によって命の危険につながる可能性も十分考えられます。

そのため、屋根のメンテナンスや寿命を迎えた際の工事には、専門業者に依頼してしっかりとした工事を施してもらいましょう。

ただし、異常がないにもかかわらず、不安を煽って契約を取ろうとする訪問営業には注意が必要です。かならず複数の会社から相見積もりを取得し、より信頼できる優良業者に依頼してください。

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屋根の耐用年数を把握してメンテナンス・工事に備えよう

本記事では、屋根材ごとの耐用年数や注意点、メンテナンス・工事方法などを解説しました。

屋根の耐用年数は、一般的に20〜30年程度とされていますが、屋根材によっては大きく異なり、寿命を最大限に延ばすためには定期的なメンテナンスが欠かせません。

最後にもう一度、屋根材ごとの耐用年数および、メンテナンス周期をおさらいしておきましょう。

屋根材 耐用年数 メンテナンス周期(屋根塗装)
ストレート 20〜30年 5〜10年
ガルバリウム鋼板 30〜40年 15〜20年
トタン 10〜20年 5〜10年
ステンレス 40〜50年 基本的に不要
日本瓦 50〜100年 基本的に不要
セメント瓦 30〜40年 10〜15年
アスファルトシングル 20〜30年 10年前後

なお、屋根のメンテナンスや工事は大変な危険が伴うため、プロの業者に施工を依頼しましょう。3〜4社の複数業者から相見積もりを取得すれば、安心して頼める優良業者がかならず見つかるはずです。

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