2024-06-30 09:52:13 更新

屋根塗料の5種類を徹底比較!自宅に最適な塗料選びのコツ

屋根塗料の5種類を徹底比較!自宅に最適な塗料選びのコツ
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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屋根塗装で使われる塗料には、「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」の主に5つの種類があり、どれを選ぶかによって耐用年数や費用相場が異なります。また、遮熱・断熱塗料や光触謀塗料など、特殊な機能を持たせた塗料も販売されているため、自宅に最適な塗料の種類がどれなのか、迷ってしまう方も多いでしょう。

そこで本記事では、屋根塗料に使われる主要な5種類の特徴を比較しながら、自宅に適した塗料選びのコツについてご紹介します。遮熱・断熱塗料や光触媒塗料など、特殊な機能を持たせた塗料についても解説しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

外壁塗装の塗料に関する詳しい解説はこちら

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屋根塗料の主要5種類の特徴を比較

屋根塗料の種類選びで知っておきたい機能性

5種類の中から自宅に最適な屋根塗料を選ぶコツ

まとめ

屋根塗料の主要5種類の特徴を比較

屋根塗装で使われる塗料の種類には、主に以下の5つが存在します。

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • フッ素塗料
  • 無機塗料

これらの塗料の特徴や費用相場について、一つひとつご紹介しましょう。

アクリル塗料

アクリル塗料は低価格で塗装できるのが大きな特徴で、平米単価は1,000円〜1,800円程度。非常に安価に屋根塗装を行うことができますが、一方で耐用年数は3年〜8年程度と短く設定されている塗料でもあります。発色が良く豊富なカラーバリエーションが用意されているのも魅力ですが、現在では屋根塗装でも外壁塗装でもあまり使われてはいません。

初期費用が安く済むからとアクリル塗料を選んでしまうと、数年後に再塗装が必要になり、工事の手間と費用が大きな負担となってしまいます。建て替えや住み替えの予定がある場合や、頻繁に塗り替えたいと考えている場合であれば、デメリットを理解した上で使用するのも良いでしょう。

関連記事:アクリル塗料とは?メリット・デメリットと他の塗料との違いを解説

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、高い弾性と密着性を持った扱いやすい塗料で、地震による塗膜のひび割れに強く、複雑な形状の屋根にも適しています。平米単価は1,800円~2,000円程度、耐用年数は6年~10年と長寿命ではありませんが、光沢のある高級感ある仕上がりになります。DIYでもよく使われる種類の塗料ですが、長く済む予定がある家では耐用年数の短さが気になるかもしれません。

なるべく塗装費用を節約するための方法として、雨どいなどの複雑な形状の部位のみウレタン塗料を使用し、それ以外の屋根ではシリコン塗料を使うなど、部位ごとに塗料を使い分ける選択肢もあります。その場合には部位ごとに寿命を迎える時期が異なる点に注意しましょう。

関連記事:ウレタン塗料とは?メリット・デメリットと費用相場を解説

シリコン塗料

シリコン塗料は、価格と耐用年数・機能のバランスが良く、高い人気を誇る塗料です。湿気通しやすい透湿性に優れた塗料で、カビ・藻の発生を抑えられるほか、内部結露を防止して屋根材の寿命を延ばしてくれる種類でもあります。平米単価は2,000円~3,000円程度で、耐用年数は8年~15年と、10年以上の寿命も期待できます。

人気の種類であることから、シリコン塗料にはメーカーごとにさまざまな特徴を持った塗料が販売されており、水性・油性の違いや、1液型・2液型の違いによっても性能は異なります。耐用年数は油性塗料の方が長いですが、水性塗料の方が施工中の臭いが少なく安全性が高まります。

また、ペンキの缶1つだけの1液型は安価に塗装できますが、2液型は2つの缶を混ぜる手間が発生する分、価格は高価だが耐久性に優れる傾向があります。

関連記事:シリコン塗料のメリット・デメリットとは?耐用年数や他の塗料との違いを解説

フッ素塗料

フッ素塗料は、耐候性・耐熱性が高く、長寿命の塗装を実現できる種類として近年注目を集めています。テフロンのフライパンなどにも使用されているフッ素樹脂を用いた耐久性の高い塗料です。親水性が高く汚れを落としやすいので、美しい屋根を長く保てるのも魅力の一つです。ただし平米単価が3,000円~4,800円と高額になる点に注意が必要です。

耐用年数は15年~20年と長寿命なので、長期的な屋根塗装の手間・費用を削減できるメリットがあります。今後も長く住み続ける予定がある場合や、屋根のメンテナンスを最小限に抑えたい方に適しています。

関連記事:フッ素塗料の価格は?メリット・デメリットとおすすめメーカーを紹介

無機塗料

無機塗料は、セラミック・ケイ素などの無機物を主原料とした塗料で、紫外線や風雨によって劣化しにくいことから高い耐用年数を実現しています。アクリル樹脂やシリコン樹脂などの有機物だけを使った塗料と比べて、燃えにくくコケ・カビが発生しにくいメリットもあります。

平米単価は5,000円~6,000円ほどと、主要な塗料の中では最も高価な部類です。しかし耐用年数は20年以上が見込めるので、屋根材が傷んでしまうまで、塗り替えを必要とせずに使い続けられることもあるでしょう。無機塗料の寿命を迎える前に屋根材が寿命を迎えることも考えられるので、屋根材の耐用年数も考慮しながら塗料を選ぶことをおすすめします。

関連記事:無機塗料を選ぶメリット・デメリットとは?耐用年数・費用相場も解説

屋根塗料の種類選びで知っておきたい機能性

屋根塗装で使われる塗料には、前述した5種類の塗料以外にも、次のような機能性を持った塗料が存在します。

  • 遮熱・断熱塗料
  • 光触謀塗料
  • ラジカル制御型塗料

それぞれどのような機能性が期待できるのか、どのような家に適しているのかをご紹介しましょう。

遮熱・断熱塗料

遮熱塗料は太陽光を反射して屋根の温度を下げる機能を持った塗料、断熱塗料は家の熱が外に逃げないよう、そして外部からの熱が伝わらないように保つ塗料を指します。いずれも住宅の省エネ性能に貢献してくれる塗料であり、屋根に断熱材が入っていない場合におすすめな種類となっています。屋根だけではなく外壁に使用できる遮熱・断熱塗料も販売されているので、屋根には遮熱塗料、外壁には断熱塗料と使い分けるのも効果的です。

関連記事:断熱塗料とは?効果やメリット・デメリット、おすすめ商品を紹介

関連記事:遮熱塗料は効果なしって本当?メリット・デメリットや選び方を解説

光触謀塗料

光触謀塗料とは、紫外線によって化学反応を起こす性質を持った塗料で、紫外線を浴びることで屋根の表面の汚れを浮かせ、雨水で洗い流すセルフクリーニング機能を備えています。汚れが付着しにくく紫外線にも強いので、フッ素塗料や無機塗料と同程度の高い耐久性が期待できます。そのため将来のメンテナンスコストを抑えたい方に向いていますが、塗膜が硬くひび割れしやすい点や、光触謀塗料の扱いに慣れた業者を見極める必要がある点に注意しましょう。

関連記事:光触媒塗料を外壁塗装に使うメリット・デメリットとは?費用相場や注意点を解説

ラジカル制御型塗料

ラジカル制御型塗料は、屋根の塗装を劣化させてしまう「ラジカル」という物質の発生を抑える塗料です。人気のシリコン塗料と同程度の費用相場ながら、シリコン塗料よりも長い耐用年数を期待できることから、コストパフォーマンスに優れた塗料として注目が集まっています。塗料としての歴史が浅く、何十年と使い続けた場合の実績が少ないデメリットはありますが、初期費用も将来のメンテナンス費用も抑えたい方に適しています。

関連記事:ラジカル制御塗料の特徴・耐用年数・費用相場!シリコン塗料との違いも解説

5種類の中から自宅に最適な屋根塗料を選ぶコツ

本記事で紹介してきた種類の中から、自宅に最適な塗料を選ぶためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは自宅に適した屋根塗料選びのコツを以下の3つの観点からご紹介します。

  • 予算・寿命から塗料の種類を選ぶ
  • 屋根塗装の機能性を決める
  • 塗料のカラーとツヤの有無を決める

それぞれ詳しく解説していきましょう。

予算・寿命から塗料の種類を選ぶ

屋根塗装で使用する塗料は、本記事でご紹介してきた主要5種類、その中でも寿命が短いアクリル塗料やウレタン塗料を除いた3種類の中から、予算や寿命に合わせて選ぶことをおすすめします。一番人気なのはシリコン塗料で、価格と耐用年数のバランスも優れているので、迷った場合にはシリコン塗料を検討すると良いでしょう。シリコン塗料であればカラーバリエーションも豊富なので、デザイン性にこだわりたい方にも適しています。

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

関連記事:屋根材8種類の特徴まとめ!耐久性・費用相場とリフォームでの選び方を解説

屋根塗装の機能性を決める

塗料の種類が決まったら、次に遮熱・断熱塗料やラジカル制御型塗料など、屋根塗装に求める機能性を決めておきましょう。ご自身のライフスタイルや立地条件、住宅の省エネ性能などに合わせて機能性を選ぶことにより、長く住みやすい家を目指すことができます。遮熱・断熱塗料が必要かどうか、ラジカル制御型塗料を使うとどのくらい寿命が伸びるのかといった疑問は、信頼できる塗装業者に相談しながら解消すると良いでしょう。

塗料のカラーとツヤの有無を決める

屋根塗装は、費用相場や耐用年数だけではなく、カラーやツヤの有無などのデザインも考慮しながら決めるのが大切です。遮熱効果を重視してホワイト系を選ぶ、もしくは熱を吸収しやすいブラック系で室温を高めるなどの工夫が考えられます。どのカラーを選べば良いか迷った時には、外壁のカラーと同系色で揃えると統一感が生まれやすくなります。塗料のカラーはカタログや見本によって確認することができますが、日当たりによって印象が異なることもあるので、事前にしっかりとシミュレーションしておきましょう。

まとめ

屋根塗装で使われる塗料には、「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」の主に5種類があることをご紹介してきました。それ以外にも、遮熱・断熱塗料や光触謀塗料、ラジカル制御型塗料なども販売されているため、自宅に求める機能に合わせて選択すると、後悔のない屋根塗装を実現できるでしょう。

自宅に最適な屋根塗料を選ぶためには、予算・寿命をもとに塗料の種類を選び、屋根塗装に求める機能性を考慮しながら、カラーやツヤの有無を決めるのがおすすめです。どの塗料を使えば良いか迷った時には、信頼できる塗装業者と打ち合わせを重ねながら、最適な塗料を選択しましょう。

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