2024-07-05 07:20:14 更新

断熱塗料とは?効果やメリット・デメリット、おすすめ商品を紹介

断熱塗料とは?効果やメリット・デメリット、おすすめ商品を紹介
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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断熱塗料は、室内の温度を快適に保つ効果がある外壁塗料です。断熱効果のほかにも、防音効果や節電効果があり、耐用年数も長いメリットがあります。

一口に断熱塗料といっても、さまざまなメーカーから多くの商品が販売されているため、よく比較して選定する必要があります。またメリットだけでなくデメリットもあるので、施工すべきか慎重な判断が必要です。

この記事では、断熱塗料の効果やデメリットを解説するとともに、おすすめの商品を紹介します。断熱塗装に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の塗料に関する詳しい解説はこちら

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断熱塗料とは

断熱塗料で得られる5つの効果・メリット

断熱塗料のデメリット

断熱塗料の種類・メーカー・商品5選

断熱塗料の効果を活かして建物の快適性を高めよう

断熱塗料とは

断熱塗料とは、屋外からの熱の侵入を抑え、屋内の熱を逃げにくくする効果を持った塗料です。建物の外壁や内部に塗布することで太陽熱の熱伝導が抑えられ、夏場は涼しく、冬場は暖かく室内温度を快適に保つことができます。

断熱塗料の費用相場と耐用年数

断熱塗料の耐用年数は15年以上とされており、一般的な塗料よりも耐久性に優れています。

1㎡あたりの施工費用は3,000円~4,000円(外壁の場合)であり、一般塗料に比べて高めです。しかし、塗り替えの頻度を抑えられるため、一回の塗装工事のコストパフォーマンスは良好だと言えます。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

断熱塗料と遮熱塗料の違い

断熱塗料と遮熱塗料は、暑さを軽減する効果がある点では共通していますが、暑さを軽減する仕組みが異なります。

断熱塗料は熱伝導を抑える塗料であるのに対し、遮熱塗料は熱を反射する塗料です。断熱塗料は夏の暑さと冬の寒さの両方の対策が可能ですが、遮熱塗料は熱の侵入を抑える暑さ対策の効果しかありません。

断熱塗料 遮熱塗料
費用相場 外壁:3,000円~4,000円屋根:3,500円~4,500円 外壁:2,000円~3,000円屋根:2,500円~3,500円
耐用年数 15~20年 10~15年
仕組み 熱伝導を抑えて、室内の温度変化を軽減 熱を反射する
性能 暑さ対策と寒さ対策の両方に対応 冬場は室温を保温しにくい

遮熱塗料は効果が限定的ですが、断熱塗料に比べて価格が安いメリットがあります。暑さだけ軽減したいなら遮熱塗料がおすすめですが、一年を通じて快適な室温を維持したいなら、遮熱塗料の利用をおすすめします。

遮熱塗料について、より詳しい情報については下記の記事も併せて参照ください。

関連記事:遮熱塗料は効果なしって本当?メリット・デメリットや選び方を解説

断熱塗料で得られる5つの効果・メリット

断熱塗料の使用により得られる効果やメリットは、以下の5つです。

  • ①日射反射効果
  • ②断熱効果
  • ③防音効果
  • ④節電効果
  • ⑤結露防止効果

それぞれの効果を詳しく解説します。 

①日射反射効果

断熱塗料は太陽光線を反射する日射反射効果があるため、外壁や屋根の表面温度の上昇を低減できます。塗料の色が明るいほど日射反射効果は高くなり、室内を快適な温度に保つ効果も上がります。

②断熱効果

断熱塗料は室内と室外の熱移動を抑制する機能を持つため、夏場は外気の熱が室内に伝わりにくくなり、室内の温度上昇を抑制できます。また冬場は室内の暖かい空気を外に逃しにくくなるため、保温効果を期待できます。

熱を屋内外に伝えにくくする断熱効果により、一年を通じて快適な温度で過ごせるでしょう。

③防音効果

断熱塗料の中には防音効果を持つものもあります。 断熱塗料の原料となるセラミックは音を反射するという性質があり、音の振動を軽減します。

外の音が室内まで聞こえづらくなるため、交通量の多い道路や線路の近くに住んでいる方におすすめの機能です。

④節電効果

断熱塗料を使うと夏場の室温上昇と冬場の室温低下を防げるため、冷暖房設備の稼働を最小限に抑えられます。冷暖房の使い過ぎを予防できるため、消費電力が減り、光熱費の削減につながります。

⑤結露防止効果

断熱塗料により壁面と室温の差を小さく抑えることで、結露防止効果を期待できます。 

結露は外気により冷えた壁面と室温の温度差で発生します。結露を放置するとカビやダニが繁殖し、家の劣化を早めてしまいますが、断熱塗料を使えば壁の表面温度が下がるのを防げるため、結露防止に効果を発揮します。

断熱塗料を内外装へ使用すれば、目に見えない場所に生じる内部結露も防止できるため、人体や建物への被害を抑えたいときに有効です。

断熱塗料のデメリット

断熱塗料には優れた効果がある一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 他の塗料に比べて費用が高め
  • 効果を実感できない場合がある

デメリットを踏まえたうえで、施工すべきかどうか慎重に検討しましょう。

他の塗料に比べて費用が高め

断熱塗料は、機能性のない一般塗料に比べて価格が高い傾向にあります。しかし耐用年数が15〜20年ほどと長く、耐久性に優れているため、耐久性の低い安価な塗料を何度も塗り直すよりは経済的です。

なお、外壁塗装において、より安く費用を抑えたい場合は下記の記事もご覧ください。

関連記事:外壁塗装を安く依頼する12のコツ!費用相場よりも割安に工事するには

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

効果を実感できない場合がある

断熱材が使用されている住宅に断熱塗料を塗装すると、断熱効果が実感できない場合があります。断熱塗料には熱移動を抑制する効果がありますが、近年の住宅に使われる断熱材と比較すると断熱性能は劣ります。

また熱の吸収をしにくい白い屋根や壁の住宅は、断熱塗料の効果を感じにくいかもしれません。工事をしたあとに悔やむことがないよう、事前に建物の現状を把握し、断熱塗料により効果を得られるのか調査しましょう。 

断熱塗料の種類・メーカー・商品5選

断熱塗料は数多くのメーカーからさまざまな種類が販売されているため、どれを選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、たくさんある断熱塗料の中からおすすめの商品5つをご紹介します。

  • ガイナ
  • 断熱コートEX
  • キルコート
  • ドリームコート
  • ヒートカットパウダー

性能や価格を比較して、希望や建物に合うものを選びましょう。

ガイナ

ガイナは、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)がロケットに用いる断熱技術を応用して開発された一般消費者向けの商品です。特殊セラミックによる断熱効果の高さが特徴で、戸建て住宅の外壁をはじめ、工場や船舶の甲板など幅広い箇所に用いられています。

また塗膜の表面積が大きいため防音効果にも優れており、音漏れや外からの音を抑える効果も期待できます。建物自体を長持ちさせる耐久性にも優れていますが、性能は高い分価格は高めです。仕上がりのバリエーションも少なめですが、デメリットを許容できるならおすすめの断熱塗料です。

販売元 株式会社日進産業
塗料価格 14kg缶:56,000円1kg:4,000円
耐用年数 15年

ガイナについて、詳しい内容については下記の記事もご覧ください。

関連記事:ガイナ(塗料)とは?メリット・デメリットや価格相場を解説

断熱コートEX

外壁塗装にあまり費用はかけたくない方には、東日本塗料の「断熱コートEX」がおすすめです。 断熱コートEXは高い防汚性能をもっているため、トップコートを塗布する工程と費用を省けます。

耐用年数がやや短いのがデメリットですが、価格が安く、ツヤあり仕上げを選べるので、仕上がりのバリエーションの多さを求める方にもおすすめです。

販売元 東日本塗料株式会社
塗料価格 10kg缶:15,400円1kg:1,540円
耐用年数 8〜12年

キルコート

断熱性だけでなく耐久性も重視する方には、シンマテリアルワンの「キルコート」がおすすめです。キルコートは一般的な塗料に比べて伸縮性に優れており、ひび割れをおこしにくいため、外壁の耐久性を高められます。ひび割れが発生しやすいモルタルを使用している外壁におすすめの塗料です。

ただし、トップコートを上塗りする工程が必要なため、費用はやや高めです。価格が高い分、外壁が汚れにくいため、普段お手入れする手間を軽減できます。

販売元 株式会社シンマテリアルワン
塗料価格 キルコート主剤12kg缶:46,000円1kg:約3,800円
耐用年数 15年~

キルコートについての詳細は、下記の記事からも確認できます。

https://gaiheki-madoguchi.com/articles/112

ドリームコート

住宅の結露が気になる方には、関西ペイント株式会社の「ドリームコート」がおすすめです。ドリームコートは断熱機能だけでなく、外からの雨水に対する防水機能と、壁内空間の結露発生を緩和する透湿機能を持っています。そのため、梅雨の時期でも湿気を外に逃しながら快適に過ごせます。

カラーバリエーションも豊富で、ツヤのある仕上がりに施工することも可能です。性能だけでなく見た目にもこだわりたい方におすすめです。

販売元 関西ペイント株式会社
塗料価格 14L:12,870 円(白)14L:15,250円(淡彩色)
耐用年数 12~15年

ヒートカットパウダー

自分で断熱塗料を塗装したい方には、東亜クリエイトシステムの「ヒートカットパウダー」がおすすめです。ヒートカットパウダーは他の塗料や接着剤と混ぜて使用できるため、使える材料の幅が広く、DIYでの塗装に向いています。

塗料だけでなく接着剤などにも混ぜられるため、手軽かつ低コストで断熱効果をつけられます。ただし、耐用年数は混ぜ合わせた塗料に左右されるため、塗料選びには注意しましょう。

販売元 有限会社東亜システムクリエイト
塗料価格 24L:89,100円1L:約3,712円
耐用年数 10〜12年

断熱塗料の効果を活かして建物の快適性を高めよう

断熱塗料で得られる効果は、断熱効果から節電・防音効果まで多岐にわたります。夏の暑さと冬の寒さの両方に対応できるため、住宅やオフィスの快適性を高めるうえで有効です。

性能や耐久性が高い分、価格は高めなので、実際に施工するときは予算を考慮する必要があります。また建物によっては満足な効果を得られない場合もあるので、事前調査が必要です。

商品のバリエーションは多岐に渡るため、塗装業者とよく相談しながら、建物に合った断熱塗料を選びましょう。

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