2024-07-05 06:15:18 更新

外壁防水はなぜ重要?建物の劣化・雨漏りを防ぐための対策をご紹介

外壁防水はなぜ重要?建物の劣化・雨漏りを防ぐための対策をご紹介
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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住宅の寿命を延ばして資産価値を高めるためには、外壁の防水性能を維持することが欠かせません。外壁の防水性能が劣化すれば、外壁からの雨漏りが発生し、外壁材自体の劣化を招いてしまうからです。外壁防水は、主に外壁材の表面に施工する外壁塗装によって防水性を高めており、塗膜が劣化する前に定期的な再塗装を実施するのがポイントです。

本記事では、外壁防水の重要性と劣化のサイン、外壁の防水性能を高めるための対策などについてご紹介します。

目次閉じる

外壁防水はなぜ重要?定期的にメンテナンスすべき理由

外壁防水工事を行うべきタイミング

外壁防水が劣化した時にみられるサイン

外壁防水工事にかかる費用相場

外壁の防水性能を高めるための3つの対策

まとめ

外壁防水はなぜ重要?定期的にメンテナンスすべき理由

住宅の防水工事といえば、ベランダ・バルコニーや屋根の防水工事を連想することが多いですが、外壁の防水工事も建物の寿命を延ばすためには欠かすことができません。では、なぜ外壁防水が重要なのか、定期的にメンテナンスすべき理由について以下の3つをご紹介しましょう。

  • 外壁からの雨漏りを防ぐため
  • 雨水の浸入による建材の劣化を防ぐため
  • 張り替え工事など高額なリフォームを避けるため

それぞれ順番に解説していきます。

外壁からの雨漏りを防ぐため

外壁防水は、外壁からの雨漏りを防ぐという大きな役割があります。雨漏りといえば、屋根から室内にポタポタと落ちてくる状態をイメージすることが多いですが、実は外壁から雨漏りするケースも多くあります。屋根からの雨漏りと比べて室内からは気づきにくいので、壁にシミができる頃には外壁材が腐食してしまっていることも珍しくありません。

外壁からの雨漏りは、外壁にできたひび割れ・亀裂の隙間や、外壁の継ぎ目であるコーキングに隙間ができることで発生し、外壁の内側に雨水が浸入します。そのため外壁防水を考える際には、外壁のひび割れなどを点検し、塗膜やコーキングが劣化している場合には補修工事を行うことが重要です。

関連記事:雨漏り修理にかかる費用はいくら?修理箇所ごとの相場や火災保険の適用条件を解説

雨水の浸入による建材の劣化を防ぐため

外壁の防水性能が低下して雨水が浸入してしまうと、外壁の内側で使われている建材の腐食・劣化が進んでしまいます。外壁材や断熱材、建物を支える柱部分などの劣化が進んでしまうと、建物の耐久性が大きく損なわれてしまいます。湿気によるカビが広がって健康被害も懸念されるほか、湿った木材を好むシロアリが発生し、建材がボロボロになってしまうケースも珍しくありません。

こうした被害を抑えるためには、外壁の防水性能を高めて雨水の浸入を許さないことが重要です。だからこそ定期的に外壁の点検・メンテナンスを受けることや、塗膜の寿命に合わせて外壁塗装を行うことが推奨されるのです。

関連記事:雨漏りが起きる5つの原因とは?適切な対処法と修理業者の選び方

張り替え工事など高額なリフォームを避けるため

防水性能が低下した外壁をそのまま放置してしまうと、雨漏りの被害やシロアリの被害が広がり、建物の耐久性が大きく低下してしまうこともあります。建材の腐食が進み、修理のために大規模なリフォーム工事が必要になった場合には、リフォーム費用が高額になる原因にもなります。

たとえば一般的な広さの家で外壁塗装を依頼する場合、60万円〜90万円ほどが費用相場ですが、外壁全体を交換する張り替え工事を依頼する際には、170万円〜250万円ほどが相場となります。定期的な外壁塗装で防水性能を高めていなければ、一回のリフォーム費用が高額になる危険性があるのです。そのため住宅のメンテナンスや防水工事にかかる費用を節約したいと考えている場合にも、外壁の再塗装などの防水工事を定期的に実施するのが大切です。

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説

外壁防水工事を行うべきタイミング

外壁の防水性能を高める工事には、外壁塗装やコーキングの補修などが挙げられます。これらのリフォームは、塗膜やコーキングの寿命が残っている状態で依頼しても効果が薄れてしまうため、適切なタイミングで実施する必要があります。

大体の目安としては、前回の外壁リフォームから約10年経ったタイミングで、一度業者による点検を受けることをおすすめします。外壁塗装で主に使われている塗料の寿命が約10年、コーキングの寿命も約10年とされており、外壁全体の寿命を迎えることが多いのが10年という周期だからです。

ただし、外壁塗装やコーキングの寿命は、紫外線や風雨を受ける頻度によっても異なってくるため、後述する劣化サインが見られる場合には、10年を待たずに早めにメンテナンスを依頼することをおすすめします。

関連記事:防水塗装とは?ベランダ・外壁の防水性能を高める工事方法をご紹介

外壁防水が劣化した時にみられるサイン

続いて、外壁の防水性能が劣化した場合に現れる症状・サインについてご紹介しましょう。

  • 手で擦った時に白っぽい粉が付着する
  • 0.3mm以上のひび割れ・亀裂がある
  • コーキングの割れ・痩せがある

自宅でこれらの劣化サインが見られる場合には、外壁の防水性能が大きく低下している可能性が高いため、早めにプロの業者による点検を受けるようにしてください。

手で擦った時に白っぽい粉が付着する

外壁の防水性能が低下するサインとして、外壁を手で擦った時に白っぽい粉が付着する症状が挙げられます。これは「チョーキング現象」とも呼ばれ、塗膜が寿命を迎えるタイミングで現れる症状でもあります。この症状が見られる場合、外壁塗装の防水性能が失われ、外壁材が雨水にさらされてしまう状態です。早めに外壁の再塗装を行い、防水性能を復活させることが重要です。

0.3mm以上のひび割れ・亀裂がある

幅0.3mm以上のひび割れが外壁に発生している場合、亀裂から雨水が浸入して外壁材を傷めてしまう可能性が高いです。幅0.3mmに満たない場合には早急な修理は不要ですが、幅0.3mm以上に拡大している場合には早めにメンテナンスを行う必要があります。DIYでひび割れを補修するだけではなく、外壁の内側に問題がないかをプロの業者に点検してもらうのがおすすめです。

関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用

コーキングの割れ・痩せがある

外壁の継ぎ目部分で使われるゴムのような部材のことをコーキング(シーリング)と呼び、このコーキングも経年劣化によって割れてしまったり、肉痩せして隙間が生まれたりすることがあります。この隙間からも雨水が浸入する可能性があり、建材を傷める可能性が出てきます。外壁の防水性能を高めるためには、外壁塗装だけではなくコーキングの点検と補修を依頼することが重要です。

関連記事:外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説

外壁防水工事にかかる費用相場

外壁の防水性能を高める工事は、工事内容ごとに次のような費用相場が目安となっています。

いずれの工事の場合にも、職人が高所で作業するための足場代や養生代などを含みます。そのため外壁塗装とコーキング補修を同時に依頼する場合などは、足場代が節約できて相場を下回る費用になることもあります。外壁塗装と屋根塗装、もしくはベランダの防水工事を行う場合なども、同様に費用を抑えることが可能です。

外壁のリフォーム費用は、業者に依頼する工事の規模によって大きく変動し、外壁全体を交換する張り替え工事の場合には200万円を超える費用が発生することもある点に注意しましょう。これらの工事内容について詳しくは後述します。

外壁の防水性能を高めるための3つの対策

最後に、外壁の防水性能を高める3つの対策について、それぞれの工事内容ごとに詳しくご紹介しましょう。

  • 防水性能の高い塗料で再塗装する
  • コーキングの打ち直し工事を依頼する
  • 外壁材の張り替え工事を依頼する

外壁の防水性能を高めるため、プロの業者と相談しながらこれらの工事を検討してみてください。

防水性能の高い塗料で再塗装する

外壁の防水工事で最も一般的なのが、外壁塗装です。古くなった塗膜を剥がして新たな塗料を塗ることにより、外壁の表面の防水性を向上させることができます。小さなひび割れがある外壁の場合にも、弾性を持った伸縮性の高い塗料を使うことで、雨水の便乳を防止できるメリットがあります。

外壁の防水性能を高めたい場合、低汚染性を備えた汚れに強い塗料を選ぶと良いでしょう。低汚染性の塗料であれば、汚れが付着して塗膜の劣化が進んでしまうことを防止できるので、耐久性が高く防水性能が長持ちする外壁を実現することが可能です。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

コーキングの打ち直し工事を依頼する

外壁のコーキングが劣化している場合には、古いコーキングを取り除き、新たなコーキングを充填する打ち直し工事を依頼しましょう。外壁塗装の際に同時に依頼することも多いですが、コーキングの劣化だけが激しい場合には別々に工事しても良いでしょう。

なお、コーキングの補修工事では、古いコーキング材を取り除くことなく追加で充填する「増し打ち」という工法も存在します。増し打ちの方が補修費用は安くなりますが、新しいコーキング材が古いコーキング材に馴染まずに劣化するケースも多いため、原則として打ち直し工事を依頼することをおすすめします。

外壁材の張り替え工事を依頼する

外壁の防水性能が失われた状態を放置してしまい、外壁材が腐食してしまった場合などは、外壁全体を交換する張り替え工事を依頼しましょう。張り替え工事であれば、傷んでしまった下地を含めて外壁をすべて新品に交換するので、外壁の寿命を大幅に伸ばすことができます。

外壁のリフォーム工事では最も規模が大きな工事となるため、かかる工期・費用も増加しますが、今後も長く住み続ける予定がある場合には積極的に検討してみましょう。張り替え工事は外壁の見た目も一新されるので、住宅のデザインを大きく変更したい方にも適しています。

関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説

まとめ

外壁防水は住宅を雨漏りから守り、傷んでしまった建材を交換する高額なリフォーム費用が発生しないためにも、非常に重要な役割を果たします。ベランダ・バルコニーや屋根の防水工事とは異なり、外壁の防水工事では主に外壁塗装・コーキング補修・張り替え工事を実施するのが特徴です。

外壁の防水工事は、新築または前回のリフォームから約10年の周期で依頼するのがおすすめですが、チョーキング現象や大きなひび割れ、コーキングの劣化などが見られる場合には、早めに補修工事を依頼するのが大切です。本記事でご紹介した外壁の防水工事を参考に、家の寿命を延ばすためのメンテナンスを行いましょう。

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