天井や壁から水滴が落ちてきたりシミができたりした場合、屋根やベランダ、外壁からの雨漏りを起こしていると考えられます。
雨漏りしている箇所ごとに適切な業者に修理を依頼するためにも、雨漏りの原因は早めに特定しておかなければなりません。
しかし屋根からの雨漏りであればわかりやすいものの、2階は問題ないが1階の天井から雨漏りしているなど、原因がわかりにくいケースもあります。
そこで本記事では、住宅で雨漏りが起きる原因について、5つに分類しながらご紹介します。雨漏りと勘違いしやすい水トラブルや、雨漏りが発生した際の応急処置なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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雨漏りが起きる5つの原因
雨漏りが起きる主な原因として挙げられるのは、次の5つです。
- 屋根板金の劣化・破損
- 屋根材の劣化・破損
- ベランダの床の劣化・破損
- 外壁・窓サッシの劣化・破損
- 天窓の劣化・破損
どの原因で発生した雨漏りなのかによって修理箇所が変わり、屋根修理業者・防水工事業者・外壁修理業者など依頼先も異なってきますので、まずは上記の5つを参考に雨漏りの原因を特定しましょう。
屋根板金の劣化・破損
棟板金・谷板金といった凹凸のある屋根板金は、屋根全体の中でも劣化が進みやすく、雨漏りを起こしやすい箇所です。2階や3階の屋根の天井からの雨漏りを引き起こす原因であり、板金(金属製の板)が浮いたり隙間ができたりすることで、建物の内部に雨水が侵入します。強風で飛んでしまったり釘が抜けたりして、一気に雨漏りが進むことも考えられるため、10年〜15年程度を目安にメンテナンスを行うことが大切です。
瓦屋根の場合には瓦の修理業者、スレート屋根や金属屋根の場合には板金工事を専門に請け負っている屋根板金業者に修理を相談しましょう。高所での点検や工事が必要になるので、自分で屋根に上ったり、DIYで修理したりするのは避けるようにしましょう。
屋根材の劣化・破損
屋根板金以外にも、屋根材が劣化して下地の防水シートが破損してしまうと、雨漏りが発生する原因になります。瓦屋根やスレート屋根がひび割れを起こしていたり、金属屋根のサビが広がって穴が空いているケースなども挙げられます。屋根から直接雨漏りを起こすため、2階や3階の天井に水滴やシミができる傾向があります。
ただし室内からは屋根のどの辺りから雨漏りを起こし、どのような経路で雨水が侵入しているのかがわかりにくく、専門業者の調査が必要になります。雨漏り修理の実績豊富な屋根修理業者に依頼することで雨漏りを改善することが可能ですが、場合によっては屋根材の内側が傷んでしまい、屋根全体を交換する葺き替え工事が必要となるケースもあります。
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ベランダの床の劣化・破損
雨漏りといえば屋根の劣化が原因で起こるイメージがありますが、実はベランダが原因で室内で雨漏りを起こすケースも珍しくありません。ベランダには雨水が入り込まないよう、床面に防水工事が施されていますが、経年劣化によって防水機能が失われ、劣化・破損が進むことによって建物の内部へと雨水が侵入します。
ベランダと外壁の継ぎ目や立ち上がり部分などにひび割れや隙間が発生し、2階ではなく1階の天井から雨漏りを起こすケースが多いです。屋根からではない雨漏りの場合、一度ベランダやバルコニーの床面をチェックしてみると良いでしょう。ベランダの劣化が原因の雨漏りであれば、防水工事業者に修理を依頼して新たな防水層を形成することで解消できます。
外壁・窓サッシの劣化・破損
1階の天井から雨漏りしている場合や、室内の壁にシミができている場合には、外壁や窓サッシが原因の雨漏りが考えられます。外壁のひび割れから建物の内側に雨水が侵入するケースのほか、窓サッシの隙間から雨漏りを起こすケースも少なくありません。雨漏りの原因となる外壁の劣化は、窓などの開口部周辺に起こりやすいので、窓の周辺から点検してみると良いでしょう。
軽度の雨漏りであれば、外壁や窓サッシのひび割れ・隙間を埋めることで修理できることもありますが、外壁からの雨漏りは被害に気付きにくく、シミができる頃には建材の腐食が進んでいるケースもあります。その場合には外壁全体の張り替え工事が必要になるためご注意ください。
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天窓の劣化・破損
通常の窓や屋根以外にも、天窓も雨漏りの原因になりえます。天窓部分と屋根部分の継ぎ目であるコーキングが劣化し、隙間が生まれて雨水が侵入してしまうケースが多いです。天窓の真下に雨漏りが集中している場合には、天窓周辺の劣化が原因であると判断して良いでしょう。天窓周辺のコーキングは、紫外線や風雨の影響を受けやすいため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
なお、天窓からの雨漏りは、結露による水滴やシミと見間違えやすいので注意しましょう。
雨漏りと勘違いしやすい水トラブル
天井から水滴が落ちてきたり、窓の周りに水たまりができている場合、まず雨漏りを連想する方が多いですが、原因を調べてみると実際には屋根や外壁には異常がないケースもあります。そうした状況で考えられるのは、結露もしくは漏水のいずれかの原因です。
結露によるシミ・水たまり
結露は屋内と屋外の温度差によって発生し、気温が低い冬場に部屋を暖めることで結露を起こしやすくなります。前述した天窓での結露であれば、天井付近から水滴が落ちてきて、雨漏りしているのではないかと感じることも多いでしょう。暖かい空気は上に移動しやすく、外気に触れる天窓では結露の量も多くなるので、ポタポタと落ちてきやすい箇所です。
結露は雨漏りとは異なり、緊急で修理で必要となることはないですが、結露が進むと窓周辺にシミや水たまりができて、見た目が悪くなる可能性もあります。結露を防ぐためには適切な頻度で換気を行うか、二重窓を設置するなどして結露を起こしにくい窓に交換してみるのも良いでしょう。
配管からの漏水
雨がほとんど降っていない時期にも天井・壁からの雨漏りが続く場合、天井や壁の中の配管からの漏水を起こしている可能性もあります。マンションやアパートでも発生することが多く、天井・壁の内側を傷めてしまうため早めの修理が必要です。
屋根などに雨漏りしている箇所がなく、天井・壁に配管が通っている可能性がある場合には、一度水道メーターを確認してみると良いでしょう。水を流していないにも関わらずメーターが回る場合には、漏水を起こしていることが考えられます。配管からの漏水の場合には、自治体指定の水道工事業者などに修理を依頼するようにしましょう。
雨漏りが発生した場合の対処法
雨漏りが発生した際には、専門業者による修理を受けるまで、二次被害を防ぐための応急処置を施すのが大切です。ここでは雨漏りにすぐ対処するための2つの方法をご紹介します。
屋根やベランダにブルーシートを被せる
雨漏りの原因と修理箇所が明確にわかっている場合には、その部位にブルーシートを被せ、これ以上の雨漏りを招かないように対処するのが効果的です。正確な位置がわからなかったとしても、屋根のなるべく広い範囲を覆うようにブルーシートを敷くのも有効です。風で飛ばされてしまわないよう、防水テープもしくは土嚢を使って固定します。
ただし高所での作業になる場合には、無理にDIYで修理しないようにご注意ください。悪天候で雨が降る中であれば、足元も滑りやすくなっており、危険な事故につながる可能性があります。
水滴が落ちるところにバケツを置く
室内の水滴が落ちてくる場所には、バケツなどの水を溜めておける容器を置くことが多いですが、その際には水滴がバケツに落ちる時の水しぶきに注意が必要です。水量が多くなると水しぶきが周辺に飛び散ってしまい、畳やフローリングを傷める原因になります。そのためバケツの周囲にブルーシートなどを敷いておく方法や、底に穴を開けた大きめのビニール袋を天井から吊るし、なるべく低い位置から水滴が落ちるように工夫するのも良いでしょう。
雨漏りの原因を特定・修理するための業者選びのコツ
雨漏りの原因を特定し、速やかに修理して雨水から家を守るためには、信頼できる修理業者選びが欠かせません。ここでは雨漏り修理を依頼する業者を選ぶ時のコツとして、次の3つを解説します。
- 「雨漏り診断士」の資格を持つ業者を選ぶ
- 雨漏りの原因や工事内容を丁寧に説明する業者を選ぶ
- 複数の業者の相見積もりを取る
これらのポイントを踏まえながら、雨漏り修理を依頼しましょう。
「雨漏り診断士」の資格を持つ業者を選ぶ
雨漏りの原因を特定して修理を依頼する際には、「雨漏り診断士」の資格を持つ方が在籍する業者を選ぶと良いでしょう。雨漏り診断士は、NPO法人「雨漏り診断士協会」が認めた雨漏り修理のプロであり、雨水の侵入経路がわかりにくい雨漏りでも素早く原因を特定し、修理を実施できるスキルを持っています。もしくは家の構造を熟知した一級・二級建築士の資格を持った業者に依頼するのもおすすめです。
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雨漏りの原因や工事内容を丁寧に説明する業者を選ぶ
雨漏りの調査・修理を依頼する時には、雨漏りの原因や侵入経路のほか、必要な工事内容などを丁寧に説明してくれる業者を選ぶのも大切です。こちらの質問にも丁寧に回答し、施主に寄り添って工事を行う業者であれば、雨漏りを解決するために本当に必要な工事を実施してくれるでしょう。悪質な業者の中には、軽微な修理で対応できるにも関わらず葺き替え工事が必要であると主張したり、雨漏りが再発してしまう手抜き工事を行ったりするケースもあるため注意が必要です。
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複数の業者の相見積もりを取る
雨漏りの程度が軽く、向こう1週間ほど雨が降る予報ではない場合には、複数の業者の相見積もりを取って信頼できる業者を見極めると良いでしょう。天井から雨漏りが発生している場合、すでに屋根の内側で腐食が発生し、大規模なリフォーム工事が必要になるケースも珍しくありません。適正価格で修理を行い、悪徳業者に依頼してしまわないためにも、複数の業者に点検を依頼して比較しながら検討しましょう。
ただし雨漏りが広範囲に広がっており、雨の日が続く予報の場合には、すぐに修理できるよう自宅近隣の業者に連絡して、早めの工事を依頼してください。
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まとめ
雨漏りを起こす原因には、屋根板金や屋根材の劣化、ベランダや外壁・窓サッシの劣化などが挙げられます。一見すると雨漏りのように思えた水滴が、実は窓の結露だったり、配管からの漏水だったりするケースもあります。可能な範囲で屋根にブルーシートを被せたり、水が落ちる場所にバケツを設置したりする対処が効果的ですが、なるべく早めに専門業者の修理を受けることが大切です。
雨漏りの修理を依頼する際には、「雨漏り診断士」の資格を持った業者を選ぶ、もしくは雨漏りの原因や工事内容を丁寧に説明してくれる業者を選ぶのが効果的です。晴れの日が続き時間的に余裕がある場合には、複数の業者からの見積もりを取り寄せながら、信頼できる業者を見極めるようにしましょう。