「サングラッセ」とは、外壁や屋根などの住宅リフォームを広く手掛けている、新生ホームサービス株式会社が製造・販売している石調セラミック塗料です。
訪問営業で勧められることが多い塗料ですが、「本当に良い塗料なの?」「契約して大丈夫?」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、サングラッセの特徴やメリット・デメリット、同社・他社メーカー塗料との比較などを解説します。
結局おすすめできる塗料なのか、また向いている・向いていないケースも紹介していますので、サングラッセでの外壁塗装を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
外壁の塗り替え時期かも...
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「サングラッセ」とは新生ホームサービスの石調セラミック塗料
「サングラッセ」とは、新生ホームサービス株式会社が製造・販売しているオリジナル塗料です。
塗料の分類としては、天然石が配合された「セラミック塗料」となっており、まるで本物の石材を切り出して造ったような、石調の外壁を演出できるのが特徴になります。
新生ホームサービスは訪問営業を主な販路としているため、営業マンに勧められてからサングラッセを知った方も多いのではないでしょうか?
以下からは、サングラッセの耐用年数・費用相場、実際におすすめできる塗料なのかという点まで詳しく見ていきましょう。
外壁塗料「サングラッセ」の費用相場・耐用年数
新生ホームサービスのオリジナル塗料「サングラッセ」の費用相場や耐用年数、主な機能性は以下のとおりです。
製品名 | サングラッセ |
施工単価 | 6,000~11,000円/㎡ |
耐用年数 | 15〜20年 |
主な機能性 | 耐候性・撥水性防藻・防菌・防カビ |
サングラッセは、1㎡あたり約6,000〜11,000円の施工費用がかかる高級塗料です。
その分、耐用年数15〜20年の耐久性と様々な機能を備えており、高グレードの塗料や大手メーカーの塗料にも負けず劣らず、非常に高品質な塗料となっています。
【結論】サングラッセ塗料をあえて選ぶ必要性は薄い
サングラッセを使用すれば、耐久性とデザイン性の両方を兼ね備えた仕上がりが期待できますが、外壁塗装の塗料にあえてサングラッセを選ぶ必要性は薄いです。
というのも、サングラッセの販売元である新生ホームサービスは、訪問営業で契約した後に自社施工で外壁塗装を行っていますが、悪質な勧誘があったとして行政処分を受け、令和4年6月30日から9ヵ月のあいだ一部業務が停止していました。
参考文献:https://www.caa.go.jp/notice/entry/029327/
現在は消費者庁からの指導が入ってクリーンな業務がなされているはずですが、「営業と現場で話が噛み合わず、適切に施工されない可能性もあるのでは?」といった一抹の不安が残ります。
いくら高品質な塗料を使用しても、施工に手抜きや技術不足があれば、塗料本来の性能を十分に発揮させることはできません。そのため、どうしても石調外壁にしたい方であっても、施工に不安が残る新生ホームサービスの塗料をあえて選ぶ必要性は薄いと言えるでしょう。
なお、以下からはサングラッセを選ぶメリット・デメリットや、その他製品との比較などを解説していますので、より詳しく検討していきたい方はぜひ参考にご覧ください。
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外壁塗装にサングラッセ塗料を利用するメリット・デメリット
ここでは、外壁塗装にサングラッセ塗料を利用するメリットやデメリットを解説します。
- サングラッセ塗料を利用するメリット
- サングラッセ塗料を利用するデメリット
契約してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、良い点だけでなく悪い点もしっかり理解しておきましょう。
サングラッセ塗料を利用するメリット
外壁塗装の塗料にサングラッセを利用するメリットは以下の3つです。
- 天然石使用で重厚感や趣きのある仕上がりになる
- 全20種類の豊富なカラーで好みの色を見つけやすい
- 優れた耐久性・機能性で外壁の美観を長く維持できる
特に天然石を使用していることにより、本物の石材のような重厚感や趣きのある外壁に仕上げられることが大きな魅力です。
基本カラーも全20色と種類豊富に用意されており、選択肢が限られがちな石調塗料でも、サングラッセなら好みに合った色が見つけやすくなっています。
また、高級塗料にふさわしい耐久性・機能性を備えており、防藻・防カビ性能があることははもちろん、優れた撥水性と天然石を使用している効果で、雨や紫外線による劣化を抑えて美しい状態を長期的に維持可能です。
サングラッセ塗料を利用するデメリット
一方、サングラッセを利用するデメリットとしては以下の2つが挙げられます。
- 一般的な塗料と比べて高額
- 塗装や補修に高度な技術が必要
サングラッセのもっとも大きなデメリットは「初期費用の高さ」にあります。主な外壁塗料5種と比較した以下の表をご覧ください。
塗料の種類 | 耐用年数 | 施工単価 |
サングラッセ | 15〜20年 | 6,000~11,000円/㎡ |
アクリル塗料 | 3〜8年 | 1,000〜1,800円/㎡ |
ウレタン塗料 | 5〜10年 | 1,700〜2,200円/㎡ |
シリコン塗料 | 8〜13年 | 2,000〜3,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 15〜20年 | 3,500〜5,000円/㎡ |
無機塗料 | 20〜25年 | 4,500〜5,500円/㎡ |
サングラッセは1㎡あたり6,000~11,000円となっており、もっともグレードの高い無機塗料と比べても約2倍の施工費用がかかります。同じ耐用年数のフッ素塗料だと価格差はさらに広がるため、石調にこだわりがない方はいま一度じっくり検討する必要があるでしょう。
また、石調塗料の塗装や補修には、一般的な塗料を使用している場合よりも高度な技術を要します。そのため、仕上がりの質が職人の腕に大きく左右される点や、施工難易度が高い分かかる施工・メンテナンス費用が増大する点にも注意が必要です。
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【比較】サングラッセとその他石調セラミック塗料の違いは?
ここでは、サングラッセと同社・他社メーカーの石調セラミック塗料を徹底比較しています。サングラッセを導入するか迷っている方は、ぜひ参考にご覧ください。
- 新生ホームサービスの同シリーズ製品との比較
- 他社メーカーの石調セラミック塗料との比較
新生ホームサービスの同シリーズ製品との比較
新生ホームサービスでは、サングラッセ以外にも「グラファイン」「フォーシーズン」という石調セラミック塗料を販売しています。
塗料としてのグレードは「グラファイン<サングラッセ<フォーシーズン」の順に高くなっており、シリーズ製品それぞれの違いは以下のとおりです。
製品名 | グラファイン | サングラッセ | フォーシーズン |
メーカー | 新生ホームサービス | 新生ホームサービス | 新生ホームサービス |
施工単価 | 5,000~10,000円/㎡ | 6,000~11,000円/㎡ | 7,000~12,000円/㎡ |
耐用年数 | 15〜20年 | 15〜20年 | 15〜20年 |
基本カラー | 8色 | 20色 | 20色 |
特徴・機能性 | 耐候性・撥水性防藻・防菌・防カビ | 耐候性・撥水性防藻・防菌・防カビ | 珪藻土配合耐候性・撥水性防藻・防菌・防カビ |
グラファインとサングラッセで大きく異なる点は、選べるカラーの豊富さです。グラファインの基本カラーは8色と選択肢がかなり限られていますが、気に入った色があれば、耐用年数や機能性はそのままにコストだけ抑えることが可能です。
一方フォーシーズンは、サングラッセには含まれていない「珪藻土(けいそうど)」が配合されている点が大きく異なります。塗料に珪藻土を配合することで、以下のような機能・性質が付加されます。
【珪藻土配合による付加機能】
- 耐火性・遮音性・脱臭効果
- 吸湿性(結露・ダニ・カビを防ぐ)
- ホルムアルデヒド吸着効果(シックハウスを防ぐ)
耐用年数・カラーバリエーションはそのままで、費用は若干高くなりますが、より優れた機能性を求める方はフォーシーズンを検討してみてください。
他社メーカーの石調セラミック塗料との比較
石調セラミック塗料は、他社メーカーでも様々な製品が販売されています。大手塗料メーカー2社の石調セラミック塗料と、サングラッセを比較した以下の表をご覧ください。
製品名 | サングラッセ | エレガンストーン | ジキトーンセラローラー |
メーカー | 新生ホームサービス | エスケー化研 | 日本ペイント |
施工単価 | 6,000~11,000円/㎡ | 4,000~6,000円/㎡ | 5,000~12,000円/㎡ |
耐用年数 | 15〜20年 | 15〜20年 | 15〜20年 |
基本カラー | 20色 | 30色以上 | 15色 |
特徴・機能性 | 耐候性・撥水性防藻・防菌・防カビ | 超低汚染仕様 | 高耐候性・透湿性防藻・防カビ微弾性(ひび割れ耐性) |
いずれも耐用年数は変わりませんが、価格やカラーバリエーション、機能性などは大きく異なるため、塗装の目的や予算、自分が重視する内容などにあった塗料を選びましょう。
【目的別のおすすめ石調塗料】
- 機能性の高さで選ぶなら「ジキトーンセラローラー」
- コスパ・デザイン性の高さで選ぶなら「エレガンストーン」
- 機能性・デザイン性をバランスよく求めるなら「サングラッセ」
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結局おすすめ?サングラッセ塗料が向いている・向いていないケース
結論でも述べたように、サングラッセをあえて選ぶ必要性は薄いのが実状です。しかし、以下の3点すべてに当てはまる方には、自信を持ってサングラッセをおすすめできます。
【向いているケース】
- 高いコストをかけても重厚感・趣きのある石調外壁に仕上げたい方
- 雨や紫外線による劣化進行を抑えて外壁の美観を長く維持したい方
- 塗装する外壁が劣化の少ないモルタル・コンクリート外壁である場合
逆に、以下のような方・家にサングラッセは向いていないため、その他塗料での外壁塗装を検討しましょう。
【向いていないケース】
- デザイン性よりも価格と耐久性のコストパフォーマンスを重視する方
- サイディング外壁および劣化が激しい外壁の場合(重量に耐えられず反りが頻発)
- 既存の塗料に柔らかい弾性塗料を使用していた場合(相性が悪くクラックが頻発)
向いていないケースに1つでも当てはまる方は、訪問営業でサングラッセを勧められても焦って契約するのはNGです。
外壁塗装は多くの時間とコストがかかる工事のため、本当に今すぐ必要なのか、他に良い塗料はないかなど、家族や専門家と相談しながらじっくり検討することをおすすめします。
なお、すでに契約してしまった場合の対処法や、訪問営業で優良業者を見極める方法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はあわせて参考にしてください。
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関連記事:外壁塗装のしつこい営業に注意!しつこい理由と対処方法を解説
訪問営業には要注意!サングラッセ塗料の採用は慎重に
本記事では、サングラッセの特徴やメリット・デメリット、類似塗料との比較やおすすめできるケースなどを解説しました。
新生ホームサービスの「サングラッセ」は、耐久性とデザイン性の両方を兼ね備えた高品質な石調セラミック塗料です。以下の3点すべてに当てはまる方には、特に適した塗料となっています。
【サングラッセがおすすめなケース】
- 高いコストをかけても重厚感・趣きのある石調外壁に仕上げたい方
- 雨や紫外線による劣化進行を抑えて外壁の美観を長く維持したい方
- 塗装する外壁が劣化の少ないモルタル・コンクリート外壁である場合
ただし、新生ホームサービスの施工に少しでも不安を感じる方は、訪問営業が来たからといって無理してサングラッセを選ぶ必要性はありません。
外壁塗装は「どのような塗料を使うか」よりも「どのような施工業者に依頼するか」がもっとも重要です。耐久性・デザイン性が高い塗料や、コストを安く抑えられる石調塗料も存在するため、家族や専門家と相談しながらじっくり検討することを強くおすすめします。
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