2024-07-05 08:17:33 更新

屋根の張り替え費用はいくらが相場?葺き替え工事の適正価格と安く抑えるコツ

屋根の張り替え費用はいくらが相場?葺き替え工事の適正価格と安く抑えるコツ
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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屋根の張り替え工事は、「葺き替え(ふきかえ)工事」とも呼ばれ、屋根のリフォームの中でも最も大規模な工事です。屋根塗装やカバー工法よりも費用相場が高額になる傾向があり、一般的な30坪の住宅で60万円~200万円が見積もり金額の目安となります。

屋根の張り替え工事が高額となる要因として、古い屋根材の撤去費用や処分費用がかかるほか、新しい屋根材に交換するための費用が発生することが挙げられます。家の外周に足場を設置することが欠かせない工事のため、外壁塗装工事と同時に依頼するとトータルコストを抑えられるでしょう。

本記事では、屋根の張り替え費用の相場と費用内訳、張り替え工事とカバー工法の違いや、張り替え工事で使用する屋根材の特徴についてもご紹介します。

屋根工事に関する詳しい解説はコチラ

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屋根の張り替え費用の相場は60万円~200万円

屋根の張り替え費用の内訳

屋根の張り替えとカバー工法の違い・選び方

屋根の張り替え工事で選ぶ屋根材ごとの特徴

屋根の張り替え費用を安く抑えるコツ

まとめ

屋根の張り替え費用の相場は60万円~200万円

屋根の張り替え工事(葺き替え工事)の費用相場は、30坪の家で60万円~200万円が目安になります。屋根の傾斜が急で作業に手間がかかる場合や、雨漏りの補修などを同時に依頼する場合、建物の規模が大きく屋根の面積が広い場合などは、相場よりも高額な見積もり金額が提示されることもあります。

なお、屋根のリフォームでは「屋根塗装」や「カバー工法」が検討されることもあり、屋根塗装の費用相場は40万円〜90万円、カバー工法は80万円~120万円が目安となっています。

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

屋根の張り替え費用の内訳

屋根の張り替え費用の内訳には、主に以下の5つの費用項目が含まれています。

  • 足場代・養生代
  • 古い屋根材の撤去・処分費用
  • 下地の補修費用
  • 新しい屋根材の設置費用
  • 諸経費

それぞれの費用相場について解説しますので、見積書をチェックする時の参考として押さえておくと良いでしょう。

足場代・養生代

屋根の張り替え工事は交渉での作業となるため、家の外周に足場の設置が必要となります。設置した足場の周囲には、飛散防止のための養生シートを設置する必要があり、30坪の場合で約20万円が相場となっています。平米単価では800円〜1,200円ほどが目安で、屋根や住宅の規模が大きくなるほど高額となる傾向があります。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

古い屋根材の撤去・処分費用

屋根の張り替え工事に伴って、古い屋根材の撤去・処分費用が発生します。30坪の場合で約20万円が目安ですが、アスベストの有無や屋根材の量によっては、相場を上回る請求となることも考えられます。平米単価では約1,500円〜3,000円が目安です。

下地の補修費用

古い屋根材を撤去した後は、屋根の下地部分の補修を行います。屋根材の劣化が進んだ住宅では、下地が腐食しているケースも多く、広い範囲で補修が必要となると高額な費用が発生します。下地の補修費用は約10万円〜30万円が目安で、平米単価は約2,000円~3,500円ほど。新たな屋根を取り付けると下地の補修が難しくなるため、コストカットせずにしっかりと補修することが重要です。

新しい屋根材の設置費用

新しい屋根材の設置費用は、使用する屋根材の種類によって上下します。スレート屋根の場合は4,000円〜8,000円、ガルバリウム鋼板では6,000円~12,000円、瓦屋根であれば9,000円~16,000円が平米単価の目安です。屋根の張り替え工事の場合、原則として従来の屋根材と同じ屋根材を使用します。屋根材の種類が変わり、屋根の重さが増加してしまうと、住宅の耐震性が下がってしまうからです。

関連記事:屋根材8種類の特徴まとめ!耐久性・費用相場とリフォームでの選び方を解説

諸経費

上記で解説してきた以外の費用は、諸経費として業者からの見積書にまとめられることが多いです。アスベストの除去費用や、交通費・駐車場代などが含まれ、費用全体の約10%が目安となります。もし10%以上の割合を占める金額が請求される場合には、諸経費の内訳について詳しく確認してみると良いでしょう。

屋根の張り替えとカバー工法の違い・選び方

屋根の張り替え工事は、既存の屋根材の上に新たな屋根材を被せる「カバー工法」と比較されることがあります。カバー工法では、古い屋根材をそのまま使用するため屋根材の処分費用がかからず、工期や費用を節約できるメリットがあります。

しかし下地となる屋根材の劣化が進んでいる場合、そのままでは新しい屋根材を載せることができず、張り替え工事が必要となるケースもあります。どんな状態の屋根でも使用できる工法ではなく、事前に業者による現地調査が必要となります。

屋根の表面だけが劣化している場合には、カバー工法または屋根塗装工事を依頼する。屋根の下地を含めた劣化が進んでいる場合には、張り替え工事を依頼するという選び方で工事内容を決めると良いでしょう。

関連記事:屋根カバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット、工事できない家の条件も

屋根の張り替え工事で選ぶ屋根材ごとの特徴

屋根の張り替え工事では、新しく用意する屋根材によって耐用年数や費用相場が異なってきます。ここでは屋根の張り替え工事で使われる「スレート屋根」「ガルバリウム鋼板」「瓦屋根」の3つの屋根材の特徴について、それぞれ詳しく解説します。

スレート屋根

スレート屋根は費用単価が最も安価で、広く一般的に使われている屋根材です。デザインや色が豊富で建物の雰囲気に合わせて選びやすいのが特徴ですが、防水性に劣るため定期的な屋根塗装を必要とします。屋根材の耐用年数は15年〜25年程度と、やや短い部類です。

スレート屋根からスレート屋根への張り替えは最も安価に工事を行える組み合わせであり、金属屋根からスレート屋根に張り替える場合にも費用削減が期待できます。

関連記事:スレート屋根の特徴とは?寿命・補修時期・アスベスト処理について徹底解説

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は金属製の屋根材で、非常に薄く軽量であることから、カバー工法でもよく使われている屋根材です。ガルバリウム鋼板を使用した屋根にも豊富なデザインが登場しており、近年は高い人気を集めつつあります。金属製の屋根なのでサビに注意する必要がありますが、耐用年数は20年〜30年と長めに設定されています。

スレート屋根からガルバリウム鋼板の屋根への張り替えでは、費用が高額となる代わりに屋根の重さが軽量化されるため、耐震性が高まるメリットがあります。金属屋根からガルバリウム鋼板の屋根への張り替えは、見た目を大きく変えることなく家の雰囲気を壊さずに工事を行えます。

関連記事:ガルバリウム鋼板とは?メリット・デメリットと費用相場・耐用年数を解説

瓦屋根

粘土瓦やセメント瓦といった瓦屋根は、屋根材の中で最も耐用年数が長く耐久性に優れますが、一つひとつが重い素材なので、既存のスレート屋根やガルバリウム鋼板の屋根から交換することは不可能です。粘土瓦であれば屋根塗装の必要がなく、メンテナンスの手間が軽減できるメリットがあります。耐用年数は粘土瓦の場合で50年〜100年程度、セメント瓦では30年〜40年程度が目安です。

瓦屋根は屋根材に重量があることから、スレート屋根や金属屋根を使用していた家で使用されることはありません。瓦屋根を使っていた家で瓦屋根に張り替える場合は、費用が最も高価になる組み合わせのため、スレート屋根や金属屋根への交換を検討する方も多いです。

屋根の張り替え費用を安く抑えるコツ

屋根の張り替え工事は、古い屋根材の処分費用や新たな屋根材の設置費用がそれぞれ発生することから、60万円~200万円と高額な見積もり金額が請求されることも少なくありません。ここでは屋根の張り替え費用を安く抑えるコツとして、以下の3つのポイントをご紹介します。

  • 複数の業者からの相見積もりを取る
  • 補助金・助成金を利用する
  • 外壁工事と同時に依頼する

これらの方法も検討しながら、屋根の張り替え工事を依頼しましょう.

複数の業者からの相見積もりを取る

屋根の張り替え工事を依頼する業者を選ぶ時には、1社の見積もりだけで決めるのではなく、複数の業者からの相見積もりを取ることが大切です。相見積もりとは、使用する屋根材や工事内容などの条件を揃えて、複数の業者に見積もりを依頼することを指します。

同じ条件で見積もりを取ることにより、相場よりも安く工事を依頼できる業者を見つけられるほか、それぞれの業者の対応を比べることで信頼できる業者を探すことにも役立ちます。1社だけの見積もりで即決してしまうと、その金額が安いのか高いのか判断しにくくなるため、なるべく相見積もりを活用しましょう。

関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

補助金・助成金を利用する

お住まいの自治体で屋根の張り替え工事を対象とした補助金・助成金が設けられている場合には、工事着工前に申請手続きを行うことで、屋根リフォームの費用負担を軽減することができます。支給対象となる工事は自治体によってさまざまですが、遮熱・断熱性能の高い屋根材への張り替えで補助金・助成金が支給されるケースが多いです。

ただし、屋根の張り替え工事で補助金・助成金を受け取るためには、必ず工事を始める前に書類を揃え、自治体の窓口で申請する必要があります。工事が完了した後に補助金・助成金を申請しても受付できないため注意してください

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

外壁工事と同時に依頼する

屋根の張り替え工事で用いる足場を活用して、外壁塗装や外壁の張り替え工事などを同時に依頼すると、長期的なメンテナンスコストを節約することができます。外壁リフォームの費用が上乗せされるため一時的な工事費用は高額となりますが、設置した足場をそれぞれの工事で使い回せるため、別々に依頼するよりも費用総額が安くなるメリットがあります。

住宅の性能を維持するためには、屋根のリフォームだけではなく外壁のリフォームも重要になるので、この機会に同時にメンテナンスを依頼することも検討してみましょう。

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

まとめ

屋根の張り替え工事(葺き替え工事)にかかる費用は、30坪の住宅で60万円~200万円が相場です。住宅の規模が大きく屋根の面積が広い場合や、使用する屋根材によっては、相場よりも高額な見積もり金額が提示されることもあります。

屋根の張り替え費用の内訳には、足場代や古い屋根材の処分費用、下地の補修費用などが含まれており、屋根塗装やカバー工法と比べても高額となる傾向があります。屋根の張り替え費用をなるべく安く抑えるためには、複数の業者からの相見積もりを取ったり、自治体の補助金・助成金を活用したりするのがおすすめです。

足場をそのまま使い回せる外壁リフォーム工事との同時施工も視野に入れながら、自宅の屋根の張り替え工事を進めましょう。

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