モルタルはデザイン性に優れた外壁材ですが、ひび割れしやすい性質があります。放置すると症状が悪化して、住宅に深刻なダメージを与える恐れがあるので注意が必要です。外壁の劣化を防ぐには、適切なタイミングで補修が必要です。
この記事では、モルタル外壁で補修が必要になるタイミングと補修方法を解説します。DIYで補修する方法や注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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モルタル外壁の補修が必要な劣化症状
モルタル外壁で補修が必要になるタイミングは、劣化症状が現れたときです。劣化を放置すると建物の内部まで症状が及び、大規模な補修工事が必要になります。症状の悪化を防ぐためにも、劣化症状に気づいたときは迅速な対応が必要です。ここでは、補修が必要な劣化症状を5つ紹介します。
色褪せ・変色
外壁の塗膜に含まれる樹脂が紫外線や雨風などの影響で劣化すると、色褪せや変色を起こします。ツヤがなくなってくすんだ色味になったら、劣化が始まっているサインです。
劣化症状としては軽度ですが、放っておくと悪化する恐れがあるので、再塗装による補修が必要です。小範囲であればDIYで対応できますが、範囲が広く高い場所で色褪せや変色が起きている場合は、業者への相談をおすすめします。
チョーキング
チョーキングは、外壁表面に白い粉が吹いた状態です。モルタル外壁は、新築から5~10年ほどでチョーキング現象が発生します。外壁に触れたときに手のひらが白くなれば、補修が必要なサインです。
チョーキングは劣化の初期段階ですが、症状が進行すると外壁の美観を損ない、劣化が進んでしまう可能性があります。チョーキングが発生した段階で早めに対応することで、大規模な補修工事を防ぐことができ、メンテナンス費用を抑えられます。
関連記事:外壁に生じるチョーキング現象とは?原因や放置リスク、補修・対策方法を解説
コケ・藻・カビ
外壁が劣化すると防水性能が低下して雨水や湿気を含みやすくなり、コケ・藻・カビが発生しやすくなります。モルタルは水に弱い性質があり、特に日光の当たらない北側はコケ・藻・カビが繁殖しやすいので注意が必要です。定期的に外壁の状態を確認して、コケ・藻・カビが生えていたら早めに対策しましょう。
関連記事:外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説
ひび割れ・破損
ひび割れや破損は、乾燥や寒暖差、地震などが原因で発生します。放置すると症状が悪化し、大規模な補修が必要になるため早めの対応が必要です。
ひび割れには「ヘアクラック」と「構造クラック」の2種類があります。ヘアクラックは幅0.3mm未満、深さ4mm未満の髪の毛のように細いひび割れのことです。ひび割れの初期症状であり、緊急性はさほど高くありません。一方で、構造クラックは幅0.3mm以上、深さ4mm以上の深いひびが入っており、建物の基礎部分が腐食する恐れがあるため、早急な補修が必要です。
関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用
剥がれ
外壁の塗膜が劣化して密着力が低下すると、浮きや剥がれが発生します。そのまま放置すると雨水や湿気が侵入してカビやコケの繁殖が進み、外壁の美観が損なわれるとともに、外壁材の劣化にも繋がるので注意が必要です。
モルタル自体は防水性能が高くないため、剥がれが発生したら塗装が必要です。塗装することで防水性能を高めることができ、外壁の劣化を防ぐことができます。
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モルタル外壁をDIYで補修する方法と費用
ひび割れの症状が軽度である場合は、DIYで補修できます。多少手間はかかりますが、業者に依頼するよりも費用を抑えたい場合に便利です。
DIYで補修する方法には主に2種類あるので、症状に合わせて対応しましょう。
ひび割れを防水スプレーで埋める
ひび割れが軽度の場合は、モルタル外壁用の防水スプレーを使用して補修できます。補修する前に汚れを落として乾燥させてから、ひび割れしている部分とその周辺に防水スプレーを吹きかけましょう。
スプレーだけで簡単に補修できるため、作業に手間がかからず、費用も安く抑えられます。外壁の風化や汚れの付着を防止するものや、冬期の凍結防止効果を発揮するスプレーもあるので、状況や目的に合わせて適切なスプレーを選びましょう。
ひび割れをパテで埋める
軽度なひび割れは、モルタル用のパテで埋めることもできます。まず補修する部分の汚れを落として乾燥させ、ドライバーなどを使ってひびの中を綺麗にしておきましょう。準備が整ったら、ひび割れしている部分に補修材を塗りつけます。
パテで埋める方法は、ひび割れだけでなく、凹凸が発生した箇所にも使用が可能です。ただし、ひび割れの症状が軽度の場合はパテが入り込まないので、防水スプレーの利用をおすすめします。
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モルタル外壁を業者に依頼して補修する方法と費用
劣化症状が深刻な場合は、プロの専門業者に補修を依頼しましょう。DIYよりも費用は高額ですが、手間がかからず、劣化の進行を防ぐことができます。
ここでは、劣化症状別に補修方法と費用を解説します。
汚れをバイオ洗浄で落とす
外壁の汚れは高圧洗浄またはバイオ洗浄で落としましょう。汚れがしつこい場合は、高圧洗浄よりも、特殊な薬剤を使用したバイオ洗浄の方が効果的です。
バイオ洗浄では植物性成分を主成分とした薬剤を使用するため、人体や環境に悪影響が出る心配はありません。また、殺菌効果もあるため、カビやコケの繁殖を防ぐ効果も期待できます。特に日当たりが悪く、風通しの悪い場所はカビやコケが繁殖しやすいので、バイオ洗浄で定期的に清掃しましょう。
ひび割れをコーキングで埋める
ひび割れした部分は、コーキングを注入して補修ができます。コーキングは、隙間を埋めたり固定したりする際に使用される材料であり、水の侵入を防ぐ、衝撃を吸収するといった役割があります。コーキングを使った補修にかかる費用は、ヘアクラックだと約1,000~2,500円/㎡、構造クラックは約1,200~2,800円/㎡が相場です。
なお、コーキングの注入方法にはいくつか種類があり、ひび割れの状況によって採用される方法は異なります。外壁をU字やV字にカットをしてからコーキングを注入する場合もあるので、事前に業者に確認しておきましょう。
関連記事:外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説
塗膜の色褪せ・チョーキング・剥がれを塗り替える
色褪せ・チョーキング・剥がれなどの劣化症状は、外壁の塗り替えが必要です。塗装費用は塗料によって変わりますが、費用は1㎡あたり1,000~6,000円が相場です。一般的な30坪の住宅の外壁をシリコン塗料で塗装する場合、トータルで約60~120万円の費用がかかります。外壁を塗り替える際は、足場の設置が必要です。立地や建物の構造が複雑な場合は、足場費用が高くなり、補修にかかる総額費用も高くなるので注意が必要です。
塗り替えは最も費用がかかる補修方法ですが、劣化を防ぐとともに、外壁の美観を取り戻せるメリットがあります。見た目が新築のように綺麗に蘇るだけでなく、カラーやデザインの組み合わせ次第では外壁のイメージチェンジも可能です。外壁の雰囲気を一新したいときは、塗り替えをおすすめします。
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モルタル外壁を補修するときの注意点
モルタル外壁を補修するときは、気を付けるべきポイントがあります。対応の仕方を間違えると、かえって症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。間違った補修を防ぐために、補修時の注意点を確認しておきましょう。
劣化を放置すると補修費用が高くなる
劣化を放置すると、症状が進行して建物の内部まで被害が及び、補修費用が高額になってしまいます。劣化症状の初期の段階ですぐに補修を行えば費用も安く済みますが、劣化が進行した段階で補修する場合は大規模な工事が必要になり、数十万円〜数百万円の補修費用が発生します。
補修費用を抑えたいなら、日頃から外壁をこまめに点検して劣化のサインを見逃さないことが大切です。初期段階で早めにメンテナンスを行えば、補修費用を安く抑えることができ、結果として住宅の寿命を伸ばすことができます。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
DIYで補修すると症状が悪化する可能性がある
専門的な知識や技術のない素人がDIYで補修をすると、かえって症状を悪化させてしまい、結果的に費用がかかることがあります。
DIYで補修する際に使用する材料を間違えると、すぐに剥がれたり劣化したりしてしまいます。DIYで失敗した後で業者に補修を依頼すると、DIYの処理などが必要で余計に費用がかかってしまいます。また、外壁の補修は高所作業を伴うため、DIYで対応しようとすると転倒リスクがあり大変危険です。
劣化の進行状況は表面を見ただけでは判断しにくいため、専門家に依頼して適切な判断と補修を依頼しましょう。
専門業者に依頼するときは必ず相見積もりをする
専門業者に補修を依頼するときは、必ず相見積もりをしましょう。専門業者のなかには、他社よりも費用が極端に高いまたは安い場合があり、中には悪質な業者も存在します。そのため、2〜3社に相見積もりをして費用やサービス内容を比較することが大切です。
相見積もりをするなら、業界最大級の外壁塗装専門サイト「外壁塗装の窓口」が便利です。必要事項を入力するだけで外壁塗装の相場を診断でき、複数の業者に査定を依頼できます。
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関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
モルタル外壁に劣化症状が現れたら早めに補修をしよう
モルタル外壁は劣化症状によって補修方法が異なります。劣化症状を放置しておくと状況が深刻になり、住宅に深刻な被害が及びます。大事な住宅を守るためにも、劣化症状を見つけたら早めに補修を行いましょう。
症状が軽度の場合はDIYでも対応が可能ですが、間違った方法で補修すると、かえって症状が悪化して費用が高額になる恐れがあります。外壁の劣化は見た目だけではわからないので、専門業者に依頼して適切な補修をしてもらいましょう。
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