「近くで工事をしている者ですが、お宅の屋根が浮いて見えます」と突然声をかけられたら、屋根の状態も相手の話も、すぐには確かめられません。そのため、不安なままその場で点検や契約に進んでしまうことがあります。
先に結論をお伝えすると、屋根に不具合があるかどうかと、その業者と契約してよいかは別の問題です。訪問を断っても、屋根の確認は自分で選んだ施工店に頼めます。すでに契約してしまった場合も、契約書面を受け取った日などの条件によっては、クーリング・オフなどで見直せることがあります。
- 屋根修理の訪問営業でよく使われる手口と、注意したい行動
- 訪問を断ったあとに、屋根の不具合を自分で確認してもらう方法
- 契約・着工・支払いが進んだあとの対処法と、相談窓口の使い分け
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屋根修理詐欺でよく使われる手口
屋根修理の訪問営業のトラブルでは、似た流れの勧誘がよく見られます。次の表は、言われやすい言葉と、そのときに注意したい行動をまとめたものです。

国民生活センターに寄せられた相談事例には、無料点検の後に瓦がずれている画像を見せられて屋根工事を契約した例、近所の工事を口実に来訪した業者と親が契約したが、近所にそのような工事はなかった例、「今日なら割り引く」と言われて契約した例などがあります。
このほか、点検中の破損、無断の工事、前払いした後の未施工、工事中の追加請求といったトラブルも心配されます。ただし、一つの言葉や営業の方法だけで、相手を詐欺と決めつけることはできません。断っても勧誘を続ける、説明を求めても答えない、契約を急がせるといった行動を、判断の材料にしてください。
屋根が狙われやすい理由と、相談の状況
屋根は住んでいる人が自分の目で確かめにくい場所です。そのため、指摘された不具合が本当かどうか、その場で判断しにくいという事情があります。
国民生活センターによると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された「点検商法」の相談件数は、2023年度12,550件、2024年度19,249件、2025年度19,696件でした。なお、この件数は屋根工事に限らない点検商法全体の相談件数で、詐欺と認定された件数ではありません(2026年5月31日現在、消費生活センター等からの経由相談は含まない)。
出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」
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突然訪問されたときの断り方と対応
訪問されたときは、その場で点検や契約を決めないことが基本です。屋根の状態が気になっても、点検を誰に頼むかは自分で選べます。

特定商取引法では、訪問販売の事業者に対して、勧誘の前に事業者の名称や勧誘の目的を告げることを求めています。また、消費者が契約しない意思を示したときに、そのまま勧誘を続けることや、改めて勧誘することを禁止しています。
家族構成や留守の時間は伝えない
会話の中で、一人暮らしかどうか、家に誰もいない時間帯などを聞かれても、答える必要はありません。会社名と担当者名、連絡先を聞いておくと、あとで相談するときに役立ちます。
点検を受けてしまったときは、写真を確認する
すでに屋根の点検を受けた場合は、見せられた写真と説明を確認しておきましょう。
撮影日時の表示や写真があっても、それだけでその家の屋根だと確かめられるわけではありません。写真のデータを受け取ったうえで、別の施工店に実際の屋根を見てもらうと、判断がしやすくなります。
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関連記事:屋根の修理費用の相場はいくら?工事内容ごとの料金目安と業者の選び方を解説
訪問業者を断ったあと、屋根の不具合はどう確認する?
「営業は怪しいけれど、本当に屋根が壊れていたら困る」と感じる方は多いはずです。訪問営業への対応と、建物の安全確認は、分けて考えましょう。営業を断っても、屋根の確認は自分で選んだ相手に頼めます。
1 |
指摘された内容を記録する 場所・症状・説明された内容、相手の会社名と連絡先、見せられた写真を書き留める |
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自分で選んだ連絡先に確認を頼む 以前工事をした施工店や、自分で探した施工店に、指摘された内容を伝えて点検を依頼する |
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点検結果と資料を受け取る 写真、傷んでいる場所、補修が必要かどうか、急ぐ必要があるかの説明を受け取る |
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4 |
結果に応じて次を決める 経過観察、部分補修、詳しい調査や改修の検討など、説明を聞いたうえで判断する |
相談するときの質問例
「訪問者から棟板金の浮きを指摘されました。指摘が正しいかと、修理が必要なら範囲・急ぐ理由を確認したいです。」
点検では、写真を撮って傷んでいる場所を示してもらい、補修が必要かどうか、必要なら範囲と理由を説明してもらいましょう。この記事だけで、ご自宅の屋根の状態を判断することはできません。
雨漏りが続く・部材が落ちそうなときは、安全を優先
雨漏りが続いている、屋根の部材が落ちてきそうなど、安全に関わる心配があるときは、危ない場所から離れてください。そのうえで、すぐに施工店などの専門家に状況を伝えて相談しましょう。比較のための見積もりをそろえるために、安全の確保を遅らせる必要はありません。
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関連記事:【屋根修理】症状から分かる必要な工事と費用相場|部分修理と全面修理の見極め方
見積書と施工店を確認するポイント
工事を検討するときは、相手の会社と見積書の中身を確かめます。訪問営業かどうかにかかわらず、次の点を確認しましょう。
見積書に「一式」と書かれていることや、着手金を求められることだけで、不正と決めつける必要はありません。小さな作業は一式でまとめることもあります。一式に何が含まれるのか、なぜその支払い条件なのかを説明してもらえるかを確認しましょう。
部分補修と全面改修の違い
指摘された損傷に対して、工事の範囲が見合っているかも確認したい点です。
部分補修で済むか全面改修が必要かは、屋根材の種類や傷みの広がり、下地の状態によって変わります。築年数や屋根材だけで「工事は不要」とも「全面改修が必要」とも決められません。全面改修を勧められたときは、部分補修では対応できない理由を説明してもらいましょう。
「今日なら足場代を無料にする」といった値引きを示された場合も、それだけで手抜きと決めつけず、総額・内訳・施工内容と、値引きの根拠を確認してください。
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別の施工店でも修理が必要と言われたら?

別の施工店に見てもらったところ、やはり「修理が必要」と言われることもあります。そのとき「最初の業者も正しかったのでは」と感じるかもしれません。しかし、損傷があることと、最初の業者の提案や契約条件が妥当だったことは別の話です。
同じ不具合が確認されても、全面改修や即日の契約まで妥当だったとは限りません。次の4つに分けて比べましょう。
点検の結果が施工店によって違う場合は、どちらかがうそをついていると決めつけず、見た場所、写真、調べ方、補修の目的の違いを聞いてみましょう。説明を聞いても判断がつかない場合は、住宅の相談窓口などの第三者に相談する方法もあります。見積もりを依頼する会社を増やし続けるより、判断できない点をはっきりさせるほうが近道です。
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親が屋根修理を契約しそうなとき、家族が確認すること

離れて暮らす親が、訪問業者と屋根の工事を進めようとしていると知ったら、心配になるのは当然です。ただ、親が相手を信頼している場合、「詐欺だ」と言うと話がこじれてしまうこともあります。本人を責めたり判断力を否定したりせず、心配していることと、一緒に確認したいことを伝えるところから始めましょう。
※会話は説明のための例です。
離れて暮らしている場合は、本人の同意を得たうえで、書類や見積書の写真を送ってもらうと状況を整理しやすくなります。
家族が本人に代わって契約を解除できるかどうかは、本人の意思や状況によります。本人と一緒に相談窓口へ連絡するなど、進め方は窓口に確認してください。
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契約・着工・支払い後に気づいたときの対処法

「契約してしまったけれど、不安になった」という場合も、まずは手元の資料を確認し、早めに相談しましょう。
クーリング・オフの考え方
訪問販売で契約した場合、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録(メールなど)で、申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。期間は、申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から数えます。契約した日と同じとは限らないため、書面の日付を確認してください。
クーリング・オフを行った場合、すでに工事などのサービスが提供されていても、その対価を支払う必要はないとされています。また、損害賠償や違約金を支払う必要もなく、頭金などを支払っている場合は返してもらえます。土地や建物の現状が変えられている場合は、無償で元に戻してもらうことができます。
通知は、はがきの場合は両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留など送付の記録が残る方法で送ります。メールなどの場合は、送信した記録や画面を保存しておきます。クーリング・オフができる取引かどうか分からない場合や、書き方が分からない場合は、消費生活センターに相談できます。
8日を過ぎたように見える場合
8日を過ぎているように見えても、あきらめる前に相談してください。次のような場合は、手続きができることがあります。
取消しや解除が認められるかは、個別の事情によります。契約書面や勧誘のときの説明の記録を持って、消費生活センターなどに相談してください。
工事や支払いの状況別の整理
返金や工事の扱いは、契約の内容や工事の状況によって変わります。自分だけで業者と交渉を続けたり、危険な形で証拠を集めたりせず、相談窓口の助言を受けながら進めてください。
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屋根修理のトラブルを相談できる窓口
相談の内容によって、適した窓口が異なります。
※受付時間や連絡先は変わることがあります。利用する前に、各窓口の公式サイトで最新の情報を確認してください。
当サイトのお問い合わせは、施工店探しのご相談を受け付けるものです。契約トラブルの解決や、公的な相談の受付ではありません。トラブルについては、上記の窓口に相談してください。
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まとめ
屋根修理の訪問営業では、屋根の不具合の有無と、その業者と契約してよいかを分けて考えることが出発点になります。今の状況に合わせて、次の行動を選んでください。
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