2024-07-05 08:18:57 更新

屋根瓦の修理費用の相場とは?補修内容ごとの料金とリフォームが必要な劣化症状

屋根瓦の修理費用の相場とは?補修内容ごとの料金とリフォームが必要な劣化症状
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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屋根瓦は住宅に使われる屋根材の中でも最も耐久性が高く、粘土瓦であれば50年〜100年もの寿命があるとされています。スレート屋根や金属屋根とは異なり、耐久性を高めるための再塗装の必要もないのがメリットです。一方で、台風や落下物の影響によって屋根が割れてしまったり、屋根の隙間を埋める漆喰が劣化してしまったりすると、その都度補修・修理が必要になる屋根材でもあります。

今回の記事では、屋根瓦の修理を依頼した場合の費用相場や、補修が必要な時期・劣化症状について解説します。屋根瓦を自分でDIY修理できるのかどうかを含めてご紹介するので、屋根リフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。

屋根材に関する詳しい解説はコチラ

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屋根瓦の修理費用の相場を補修内容ごとに解説

屋根瓦の修理が必要な時期・劣化症状

屋根瓦は自分でDIY修理するのは避けた方が無難

屋根瓦の修理で気をつけたい注意点

まとめ

屋根瓦の修理費用の相場を補修内容ごとに解説

屋根瓦の修理費用は、建物ごとに必要な補修工事が大きく異なることから、一般的な相場を調べるのが非常に困難です。瓦一枚の破損を修理するだけであれば1万円以内の費用で収まることもありますし、屋根全体を交換する葺き替え工事を依頼する場合、200万円もの修理費用が発生することも考えられます。

ここでは屋根瓦の修理費用の目安について、瓦の補修内容ごとの料金を解説します。

部分修理の場合は5万円〜15万円が相場

屋根瓦を部分的に修理する場合、目安となる費用相場は5万円〜15万円ほどです。屋根瓦の部分修理には、以下のような補修内容が挙げられます。

  • 割れた瓦の交換・コーキング
  • 瓦の並べ直し
  • 漆喰の詰め直し
  • 屋根の棟(むね)の取り直し

広範囲で雨漏りなどが発生しておらず、一枚一枚の瓦や漆喰、屋根の頂上にある棟瓦だけの補修であれば、比較的小規模な補修工事なので15万円以下で収まることが多いです。屋根瓦は屋根材の中でも耐久性が高い傾向にありますが、メンテナンスが全く不要というわけではなく、定期的な点検や補修が必要になることに注意しましょう。

全体修理の場合は140万円〜200万円が相場

屋根瓦を全体的に修理した場合、発生する費用の相場は140万円〜200万円が目安になります。屋根瓦の全体リフォームとしては、以下のような補修工事が挙げられます。

  • 屋根瓦の葺き直し
  • 屋根の葺き替え

屋根瓦の葺き直し工事は、広範囲に雨漏りが発生し屋根の下地・防水シートなどが劣化している場合に、一旦瓦をすべてはがしてから下地・防水シートを交換後、屋根全体の瓦を再設置する工事を指します。一方で屋根の葺き替え工事は、瓦を含めた屋根材全体を新品に交換する工事のことを言います。いずれも大規模な屋根リフォームとなるため、100万円を超える見積もり金額を提示される傾向にあります。

今後も長く住む予定がある家では、将来のメンテナンスコストを抑えるためにも、葺き替え工事が適しているケースも多いです。また、葺き替え工事であれば瓦屋根ではなく金属屋根などの別の屋根材に交換することも可能なので、軽い屋根材に交換して耐震性を高めたい場合にも適しています。

関連記事:屋根修理では悪質な訪問営業に要注意!費用相場と信頼できる業者の選び方

関連記事:屋根の修理費用の相場はいくら?工事内容ごとの料金目安と業者の選び方を解説

屋根瓦の修理が必要な時期・劣化症状

次に、屋根瓦の修理が必要となる時期や劣化症状について詳しくご紹介します。以下に当てはまる項目がある場合には、修理業者に見積もりを依頼して屋根リフォームを検討しましょう。

屋根瓦の修理が必要になる劣化症状

屋根瓦は50年〜100年の寿命を持つとも言われる耐久性の高い屋根材ですが、次のような劣化症状がみられる場合には補修工事が必要となります。

  • 瓦の割れ・ズレ
  • 漆喰の割れ・崩れ
  • 瓦の釘浮き
  • 棟瓦の破損
  • 下地・防水シートの劣化

瓦の割れ・ズレなど、瓦自体の交換が必要な劣化症状もありますが、漆喰の崩れや棟瓦の破損など、瓦以外の部分が劣化して補修工事が必要となるケースも多いです。地震や台風による落下物、大雪による重みなどが原因で修理が必要になるケースが多く、ほとんどの場合で部分修理で対応できます。

しかし屋根瓦の劣化をそのまま放置してしまうと、雨漏りが発生して屋根の内部が腐食し、葺き替え工事などの大規模なリフォームが必要となる可能性があるため注意が必要です。

築20年〜30年で屋根瓦の点検を

屋根瓦の寿命は50年〜100年と非常に長いですが、漆喰や棟瓦、下地・防水シートの寿命はそれよりも短く、定期的なメンテナンスが必要になります。一つの目安として、築20年〜30年が経過したタイミングで、一度屋根瓦の点検を行うと良いでしょう。

屋根瓦の状態は素人では調べるのが難しく、ドローンなどを利用した専門業者の点検を受ける必要があります。外壁塗装などのタイミングで一緒に屋根の点検も受けるようにすると、屋根瓦の劣化を防ぎ、より長持ちさせることができるでしょう。

屋根から雨漏りしている場合にはすぐ修理が必要

すでに屋根から雨漏りが発生している場合、瓦の割れや防水シートの破損など、大きな劣化症状が現れている可能性が高く、屋根の内側が腐食している可能性もあるため、早めに修理を依頼する必要があります。広範囲の雨漏りや長期的な雨漏りを放置してしまうと、屋根全体が激しく傷んでしまい、大規模な屋根リフォームが必要になります。

そのため信頼できるリフォーム会社に相談し、すぐに屋根の点検・修理を依頼するようにしてください。

関連記事:雨漏り修理にかかる費用はいくら?修理箇所ごとの相場や火災保険の適用条件を解説

屋根瓦は自分でDIY修理するのは避けた方が無難

屋根瓦の部分的な補修であれば、自分でDIY修理ができないか考える方も少なくありません。瓦が一枚だけ割れているケースなどであれば、自分で交換したり、コーキングしたりして修理することも可能です。修理費用も安く済むメリットもありますが、一方で広範囲に被害を広げてしまうこともあるため注意が必要です。

たとえば屋根瓦の上を歩く時に、劣化した瓦を不用意に踏んでしまうと、踏んだ瓦が割れてしまう危険性があります。自分で屋根瓦の修理を行ったが、施工不良を起こして雨漏りなどのトラブルにつながり、業者を呼ぶ必要が出てきて高額なリフォーム費用がかかってしまうケースも少なくありません。

そのため屋根瓦を自分でDIY修理するのは避けて、最初から専門業者に点検・修理を依頼することをおすすめします。

屋根瓦の修理で気をつけたい注意点

最後に、屋根瓦の修理を行う上で気をつけたい注意点についてもご紹介しましょう。

  • 屋根瓦では基本的に屋根塗装は不要
  • 屋根瓦でカバー工法は実施できない
  • 耐震性を高めたい場合は金属屋根への葺き替えの検討を
  • 台風・強風による屋根の被害は火災保険が申請可能
  • 屋根修理の悪質な訪問営業に要警戒

それぞれのポイントを詳しく解説しますので、屋根瓦の修理を依頼する時の参考にしてください。

屋根瓦では基本的に屋根塗装は不要

粘土瓦と呼ばれる屋根瓦では、基本的に屋根塗装は不要であり、耐久性を高めるための塗り替えは必要ありません。再塗装を行わなくても50年〜100年の寿命を持つのが瓦の特徴だからです。そのため瓦屋根を使っている自宅で屋根塗装の訪問営業があった場合にも、基本的に契約する必要はない点に注意しましょう。

一方で、セメント瓦やモニエル瓦と呼ばれる屋根材の場合、再塗装を行うことで耐久性を伸ばすことが可能です。自宅でどの瓦を使用しているかわからない場合には、一度専門業者に点検してもらうと良いでしょう。

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

屋根瓦でカバー工法は実施できない

屋根リフォームでよく使われる工事内容として、既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せることで耐久性を高める「カバー工法」が挙げられます。しかし屋根瓦を使用している建物の場合、カバー工法は選択できない点に注意が必要です。

というのも、屋根材の重量がある瓦の上から別の屋根材を被せてしまうと、建物への負担が大きくなり耐震性が低下する危険性があるからです。屋根瓦の全体修理を依頼したい場合には、葺き直しまたは葺き替えの工事を依頼すると良いでしょう。

関連記事:屋根カバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット、工事できない家の条件も

耐震性を高めたい場合は金属屋根への葺き替えの検討を

屋根瓦は屋根材の中でも重量がある素材のため、建物の重心が上に移動しやすく、地震によって被害を受けやすい屋根でもあります。築年数が経過し、建物の耐震性に不安が出てきた場合には、より軽量な金属屋根への葺き替え工事を検討しても良いでしょう。

屋根瓦よりも軽量な金属屋根に交換することで、地震の被害を最小限に抑えられることに加えて、屋根材の寿命をリセットして将来のメンテナンスコストを節約することも可能です。大規模なリフォームとなるため工事費用は高額となりますが、耐震性を重視する場合には金属屋根への葺き替え工事も検討してみてください。

関連記事:屋根の葺き替え工事とは?費用相場やカバー工法・屋根塗装との違いを解説

台風・強風による屋根の被害は火災保険が申請可能

屋根瓦の修理を行う際、その修理が台風・強風といった自然災害による被害が原因の場合には、火災保険が適用される可能性があります。住宅の火災保険では、自然災害によって被害を受けた屋根や外壁の修理費用も補償対象となっているからです。

火災保険が適用されれば、修理費用の負担を抑えて屋根瓦を補修することが可能です。ただし、加入している火災保険のタイプや申請後の審査によって保険金の金額が変わってくるため、まずは手元にある保険証券を確認するか、保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。

関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ 

屋根修理の悪質な訪問営業に要警戒

屋根瓦をはじめとする屋根修理では、悪質な訪問営業による詐欺が多く発生しています。たとえば、メーカーの定期点検を装って屋根に上がり、意図的に瓦を破壊することで、屋根修理が必要であるかのように見せかける手口などが挙げられます。

こうした屋根修理の詐欺被害を防ぐためには、訪問営業の業者を屋根に上がらせないこと、訪問営業の業者で即決しないことが大切です。屋根修理を依頼する場合には、必ず複数の業者の見積もりを取り、費用相場を把握した上でどの業者を選ぶかを決めると良いでしょう。

関連記事:屋根修理詐欺に要注意!点検商法に騙されない対策と被害に遭った時の対処法

関連記事:納得できる屋根修理業者の探し方とコツ|悪徳業者を見分ける方法も

まとめ

屋根瓦の修理費用は、部分的な修理の場合で5万円〜15万円、全体的な修理の場合で140万円〜200万円が目安です。割れている瓦一枚の補修・交換のみの工事なのか、広範囲の雨漏りによって屋根全体のリフォームが必要な工事なのかによって、費用相場は大きく異なる点に注意しましょう。

屋根瓦の修理が必要となる時期として、築20年〜30年以上経過しているタイミングや、瓦の割れ・ズレ、漆喰の崩れなどが発生している場合が挙げられます。屋根からの雨漏りが発生している場合には、内部の腐食が起こっている可能性も高いため、早めに点検・修理を依頼することが大切です。

本記事で解説してきた屋根瓦修理の注意点も参考にしながら、自宅の屋根リフォームを検討してみてください。

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