最近はさまざまな遮熱塗料が販売されていますが、その中でもサーモアイシリーズは住宅の外壁・屋根塗装に使用されることが多い人気の商品です。太陽熱を反射して室内温度上昇を抑えられるため、暑い夏場も快適な住環境を実現できます。
この記事では、サーモアイシリーズの優れた特徴や費用相場、耐用年数などを解説します。施工する際の注意点も紹介するので、塗装工事をする際の参考にしてください。
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サーモアイとは?
サーモアイとは、日本ペイント株式会社が開発した屋根用の遮熱塗料の商品名です。一般的な塗料と異なる点は、太陽熱高反射という機能がある点です。
住宅の外壁や屋根に塗装すると、室内の温度上昇の原因である日光を効率よく反射するため、夏場の室内温度上昇を抑えることができ、冷房費の節約につながります。
遮熱塗料とは?断熱塗料との違い
遮熱塗料は太陽の光を反射させて温度の上昇を下げる塗料で、断熱塗料は熱の侵入を防いで温度を保つ塗料です。
どちらも太陽熱による温度上昇を防ぐ効果がありますが、断熱塗料には室内の熱を逃がさない効果も備わっています。遮熱塗料には熱を逃がさない効果がないため、冬場の寒さ対策にはあまり効果がありません。
夏の暑さ対策を重点的に行うなら、遮熱塗料の方がコストパフォーマンスが高くておすすめですが、冬も快適な住環境を実現したいなら、断熱塗料の使用を検討した方が良いでしょう。
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サーモアイシリーズの価格と耐用年数
サーモアイシリーズには5種類があり、それぞれ価格と耐用年数が異なります。
種類 | 価格(1平方メートルあたり) | 耐用年数 |
サーモアイSi | 3,930〜3,940円 | 8〜12年 |
サーモアイ4F | 4,610円 | 12〜15年 |
サーモアイUV | 3,490〜3,500円 | 6~10年 |
サーモアイヤネガード | 3,780〜3,850円 | 5~8年 |
サーモアイ1液Si | 3,950円 | 8~12年 |
それぞれの特徴を比較して、最も適した種類を選びましょう。
サーモアイSi
サーモアイSiは、高い遮熱性と耐久性を持つシリコン樹脂塗料です。戸建住宅をはじめ、マンションや工場の屋根など幅広い塗装に適しており、40種類ものカラーバリエーションから好みの色を選べます。
耐候性と価格のバランスがよく、シリーズの中で中間的な位置づけとなるため、どの種類を選ぶか迷ったときにおすすめです。
サーモアイ4F
サーモアイ4Fは、フッ化フッ素を配合した塗料です。 シリーズの中で最も耐候性と光沢保持性に優れており、遮熱効果も長く維持できるタイプです。
高性能なため価格は高いですが、耐用年数が12〜15年と長持ちするため、塗り替えの頻度を減らしたい方におすすめです。カラーバリエーションも40種類あり、幅広い建物の屋根に使用できます。
サーモアイUV
サーモアイUVは、耐UV特殊ウレタン樹脂を配合した塗料です。耐UV技術で紫外線に対しての耐久性があり、長い間太陽光にさらされても遮熱性能が劣化しにくいのが特徴です。
カラーバリエーションも40種類あり、好みの色を選びやすいメリットがあります。耐候性や光沢保持性に優れていながら価格が安いため、コスパの良い塗料といえるでしょう。
サーモアイヤネガード
サーモアイヤネガードとは、サビや腐食から保護する防食性に優れた塗料です。エアレススプレーで1回塗りするだけで十分な厚みに仕上げることができ、カラーは18色用意されています。一般住宅よりも、長期防食性が必要な工場や倉庫の屋根の使用に適しています。
サーモアイ1液Si
サーモアイ1液Siとは、スレート屋根専用のシリコン樹脂系塗料です。通常、シリコン塗料は異なる2液を混ぜて使いますが、1液タイプは希釈するだけで使用できるため、混ぜる時間や手間がかからず、作業をスムーズに進められます。
カラーがクールブラックやクールディープグレーなどの濃い色しかなく、選択肢が少ないのが難点ですが、2液タイプより価格が安いため、費用重視で選びたい方におすすめです。
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サーモアイのメリット
サーモアイは遮熱性が高いだけでなく、他にもさまざまな長所があります。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
遮熱効果が高く電気代を節約できる
サーモアイは遮熱性能に優れており、室内の温度が上昇しにくいため、夏場の電気代節約につながります。遮熱効果が高いほど室内の温度が低くなるため、夏場の消費電力が少なくなり、快適に過ごしやすくなります。
サーモアイの実証試験では、屋根の表面温度が最大で7.8度下がり、室内温度も1.8度下がったという結果が出ています。(参考:実証番号051-0968|環境省)
そのため、夏の暑さが厳しい地域に住んでいる方や、電気代の節約を考えている方におすすめです。
屋根材が長持ちする
サーモアイによって屋根の表面温度が下がれば、屋根材への負担も大幅に軽減され、長持ちするようになります。
屋根の表面温度は真夏になると80度近くになるため、屋根材のへの負担が激しく、劣化を進行させる原因になります。サーモアイで太陽熱を反射して屋根の表面温度を下げれば、劣化の進行も遅くなり、屋根材のメンテナンス頻度を抑えられます。
カラーバリエーションが豊富
サーモアイは約40種類ほどのカラーバリエーションがあり、好みの色を選びやすい利点があります。種類によって色の数は異なりますが、明るい色から暗い色まで一通り揃っており、洋風・和風を問わずさまざまなテイストの住宅に対応できます。性能だけでなく、カラーや見た目のデザインにこだわりたい人にはぴったりの塗料です。
コストパフォーマンスが高い
サーモアイの価格は種類によって異なりますが、1平方メートルあたり4,000円前後が相場です。外壁塗装で最も人気なシリコン塗料と比べると、相場は500〜1,000円ほど高いですが、遮熱性に優れているため、コストパフォーマンスは良好です。
価格と機能のバランスに優れた塗料であるため、一般住宅にも取り入れやすく、冷房費の節約効果を考慮すれば十分にもとは取れます。
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サーモアイのデメリット
住環境の改善に役立つサーモアイですが、選び方や施工方法を間違えると十分な効果を感じられない場合があります。施工してから後悔することがないように、サーモアイの欠点を確認しておきましょう。
濃い色は遮熱効果が低い
サーモアイはカラーバリエーションが豊富な点が魅力ですが、選ぶ色によって遮熱効果が落ちる場合があります。
例えばサーモアイSiの場合、クールホワイトの全日射反射率は91.0%ですが、クールブラックを選ぶと全日射反射率は28.4%まで下がります。(参考:サーモアイSi|日本ペイント株式会社)
明るい色は太陽光を反射しやすく、高い遮熱効果を期待できますが、暗い色は反射率が低く、遮熱性も低いです。塗り替え前よりも濃い色を選ぶと、遮熱効果を十分に感じられない場合があるので注意が必要です。
専用の下塗り塗料と併用しないと効果が薄れる
サーモアイは、上塗りと下塗りの塗料を合わせることで遮熱効果を発揮するため、専用の下塗り塗料を使用しないと効果が薄れてしまいます。
塗装は通常、下塗り・中塗り・上塗りの3回に分けて実施されます。サーモアイは、上塗りに赤外線透過テクノロジー、下塗りに反射率の高い下塗り材を使用しており、上塗りで反射できない赤外線を下塗りで反射できる仕組みです。これにより、一般的な遮熱塗料に比べて高い遮熱効果を発揮しますが、別の下塗り塗料を選んでしまうと十分な遮熱効果を得られません。
業者に施工を依頼するときは、見積書に記載されている下塗り塗料も確認しておきましょう。
ツヤの度合いを選べない
サーモアイシリーズは「ツヤあり」のものしかなく、ツヤの度合いを選択できません。そのため、外壁や屋根の表面をマットな仕上がりにしたい場合は、不向きな塗料です。
他の塗料であれば、「ツヤ消し」「3分ツヤ」「5分ツヤ」「7分ツヤ」「ツヤあり」というように、ツヤの度合いが細かく分類されており、好みに合わせて自由に選択できます。ツヤありが好きな方であれば問題ありませんが、ツヤを出したくない場合は他の塗料を検討した方が良いでしょう。
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サーモアイを塗装する業者の選び方
サーモアイが持つ優れた効果を発揮するには、業者選びが重要なポイントになります。業者によって仕上がりや費用が異なるので、安易な判断は禁物です。
ここでは、優良な施工業者を選ぶポイントを紹介します。
相見積もりを取る
業者を選ぶときは、必ず相見積もりを取りましょう。複数の会社に見積もりを依頼して工事価格を比較すれば、予算内で依頼できる業者を見つけることができ、無駄な出費を抑制できます。
ただし、 ほかの会社よりも費用がかなり低い業者は手抜き工事をされる可能性が高いため注意が必要です。工事の総額だけでなく費用の内訳も確認して、信用できる業者に依頼しましょう。
「外壁塗装の窓口」では、塗装専門会社とのネットワークを持ち、優良施工店のみ厳選して紹介しています。全国5,000社以上の優良店の中から要望に沿った施工店を紹介できますので、相見積もりをする際はお気軽にご相談ください。
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関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
見積もりの内容が曖昧な業者は避ける
見積もりの内容が曖昧でわかりにくい業者は悪徳業者の可能性があるため、依頼するのは避けた方が無難です。例えば、見積書の項目に「一式」とまとめて記載されている場合、具体的にどの費用が含まれるかがわからないため、あとでトラブルになることが多いです。
逆に、数量や単価、塗料のメーカーや商品名などが記載されていて、費用の根拠が分かる見積書の内容であれば、安心して依頼できる業者といえます。 塗装工事には高い費用がかかるため、見積書の内容もしっかり確認したうえで依頼しましょう。
関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは
訪問営業を行っている業者には依頼しない
訪問営業や飛び込み営業を行っている業者は、トラブルの多い会社である可能性が高いので注意が必要です。
悪徳業者はいきなり訪問してきて不安を煽り、その場で契約するように急かしてきます。「今なら通常よりも安い費用で工事ができます」などと費用の安さをアピールしてくる場合もありますが、実際に契約すると、あとで高額な追加費用を請求されるケースが大半です。
優良な業者は顧客を継続して獲得できているため、訪問営業をすることはありません。自宅へ訪問営業に来る業者には依頼せずに、地元で評判の良い業者に依頼しましょう。
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関連記事:外壁塗装の訪問販売での依頼はNG?悪質な手口や見極め方、予防方法を解説
サーモアイの施工は信頼できる業者に依頼しよう
サーモアイは高い遮熱効果を持ち、快適な住環境を実現できる優良塗料です。ほとんどの一般住宅で施工できるため、省エネ住宅を実現したいと考えている方に最適です。
ただし、色や下塗り塗料の選び方を間違えると、優れた効果が十分に発揮されない可能性があります。業者に依頼する際は相見積もりを取り、経験豊富で信頼できる業者に施工を依頼しましょう。
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