結論から言うと、外壁塗装の訪問販売には悪質な業者が多く存在するため、依頼をするのは基本的におすすめしません。
もちろん、すべて訪問販売が「悪」というわけではありませんが、聞こえの良い言葉で顧客を騙して契約を結ぶ、注意すべき悪徳業者が潜んでいるのは事実です。
そこで本記事では、外壁塗装の訪問販売をおすすめできない理由や注意点、悪徳業者の手口や優良業者を見極めるポイントなどを解説します。
悪質な業者から身を守る予防・対応方法も紹介していますので、訪問販売からの依頼を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは
外壁塗装の訪問販売がおすすめできない理由と注意点
冒頭でも述べたように、訪問販売で外壁塗装の依頼をすることは基本的におすすめしません。
おすすめできない理由や訪問販売に関する注意点として、まずは以下3つの前提知識を押さえておきましょう。
- 相場よりも高額な見積もりを提示されやすい
- 訪問販売の営業マン自体には専門知識がない
- 【注意】訪問販売を行うすべての業者が「悪徳」ではない
相場よりも高額な見積もりを提示されやすい
外壁塗装の訪問販売では、相場よりも高額な見積もりを提示されるケースが多く見受けられます。
というのも、訪問販売は実際に塗装工事をする業者が行っているわけではなく、訪問販売を専門とした別会社が営業を請け負っている場合がほとんどです。
営業に複数企業が関わっている場合は、当然ながら中間マージンが発生するため、その分かかる費用も高くなります。
また、悪質な訪問販売の営業マンは歩合制で働いている場合が多く、契約の数や金額が自分の給料に直結するため、多少強引な勧誘をしてでも契約を取ろうとしてきます。
顧客が適切な相場を知らないのをいいことに、相場の2〜3倍もする法外な金額を提示される場合もあるため、悪質な訪問販売には十分注意が必要です。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
訪問販売の営業マン自体には専門知識がない
訪問販売の営業マンは、外壁塗装の業者ではなく、訪問販売を委託された別会社である場合がほとんどです。そのため、多くの営業マンは、塗装工事に関して深い知識を持っているわけではありません。
しかし、悪徳業者の場合は契約を取るためだけに「パッと見ただけでもかなり劣化が進んでますね」「うちの塗料は他社より長くもちますよ」などと、上辺だけ知識・セールストークを用いて、専門知識を持たない顧客を言葉巧みに騙します。
結果的に、契約時と施工時で話の食い違いが起きたり、自宅の外壁に適していない塗料が使われたりと、大きなトラブルにつながる可能性もあるため、悪質な訪問販売には十分注意が必要です。
また、訪問販売では、一見すると「人が良さそう」な営業マンが多い点にも注意しましょう。その業者が良い業者かどうかを、営業マンの見た目や雰囲気だけで判断することは不可能です。
【注意】訪問販売を行うすべての業者が「悪徳」ではない
ここまで見て、外壁塗装の訪問販売があまりおすすめできない理由、注意すべき理由が分かったと思います。
しかし中には、地元住民と深い信頼関係がある「地域密着型」の業者や、塗料メーカーとのつながりや企業努力による「理由のある安さ」で勝負している業者など、顧客満足度に重きをおいて活動している優良業者も存在します。
そのため、訪問販売を行うすべての外壁塗装業者が「悪徳」ではないことはしっかり理解しておきましょう。
大切なのは、訪問販売の営業マンが言うことを鵜呑みにしないこと、そしてしっかりと検討時間を設けて優良業者か悪徳業者かを見極めることです。
悪徳業者かも?外壁塗装の訪問販売で使われる悪質な手口4選
ここでは、外壁塗装の訪問販売で使われやすい以下4つの悪質な手口を詳しく紹介します。
- 「今すぐ工事しないと危険」と不安を煽る
- 専門的な調査なしで大雑把な見積もりを提示する
- 根拠不明な「大幅値引き」「特別価格」を提示する
- 限定性を強調してその場での契約決断を迫る
このような手口を使用してくる訪問販売は、消費者心理を言葉巧みに揺さぶり、不利な契約を結ぼうとしてくる悪徳業者の可能性があります。
いざというときに悪質な訪問販売から自分の身を守れるよう、下記を参考によくある手口をしっかり理解しておきましょう。
関連記事:外壁塗装の悪徳業者を見分ける4つのチェックポイント
1.「今すぐ工事しないと危険」と不安を煽る
悪質な外壁塗装の訪問販売でもっとも多く使われるのが、外壁の劣化に関して必要以上に不安を煽る手口です。
具体的には「このままだと外壁が崩れる危険性がある」「今修理しないと1ヵ月には費用が倍になる」というような営業トークで不安や焦燥感を煽ることで、顧客の判断力を鈍らせます。
しかし、外壁塗装の劣化状況は、専門家ではない営業マンがパッと見ただけで診断ができるものではありません。さらに、外壁の劣化は徐々に進行するものなので、突然大きな問題が発生することは稀です。
そのため「今すぐ工事しなければ」と焦る必要はありません。複数の業者や専門家にじっくり相談し、本当に工事が必要かどうか慎重に判断することが大切です。
2.専門的な調査なしで大雑把な見積もりを提示する
悪質な外壁塗装の訪問販売では、専門的な調査をせずに大雑把な見積もりを提示する手口もよく使われます。
外壁塗装の見積もりは、劣化状態や塗装面積など様々な要素を考慮しつつ、顧客と相談しながら決める必要があるため、しっかりと時間をかけて事前調査を行うのが一般的です。
そのため、外壁をパッと見ただけで見積もりを提示してきた場合は、悪徳業者である可能性が高いです。
特に「外壁塗装 一式」のように、費用内訳が詳しく分からない大雑把な見積もりには要注意。このような見積もりはいいかげんな場合が多く、契約後にあれもこれもと追加料金を請求してくるリスクも考えられます。
かならず複数の業者に見積もりを依頼し、信頼できる診断結果に基づいた詳細な見積もりを取得しましょう。
3.根拠不明な「大幅値引き」「特別価格」を提示する
悪質な外壁塗装の訪問販売では、思わず目を引くような「大幅値引き」や「特別価格」を提示してくる手口もよく使われます。
この手法は、最初に提示した見積もりから「モニター価格で10万円引き」「今申し込めば足場代無料」などと大きな値引きを提示し、顧客にお得感を抱かせて契約を結ぶことが狙いです。
しかしながら、外壁塗装は「足場代+塗料代+人件費+諸経費」の工事に欠かせない4つの費用で構成されており、足場代無料や10万円引きなどの大幅な値引きは簡単にできるものではありません。
また、悪質な訪問販売では、最初に提示される見積もり自体がそもそも適正価格ではないことがほとんどです。値引き後の金額でさえ相場よりも高い場合や、後から追加請求がある可能性も。
悪質な訪問販売が提示するお得感に惑わされずにその場は断り、複数業者からの相見積もりで適切な費用相場を把握することが大切です。
関連記事:外壁塗装で値引きはできる?交渉を成功させるコツと注意点を解説
4.限定性を強調してその場での契約決断を迫る
限定性を強調してその場での契約決断を迫る手法は、多くの悪質な訪問販売で使われる手口です。
この手口では「本日契約のお客様限定」「先着順で残り2件です」など、時間や数量の制限を設けてることで十分な検討時間を与えず、その場での契約決断を急かしてきます。
このような営業トークに焦って契約してしまうと、後になって不利な条件が発覚したり、高額な追加費用を請求されたりする可能性もあります。
塗装工事には決して安くない費用が発生するため、契約前に十分な情報収集を行って慎重に判断することが大切です。訪問販売の悪質な手口に惑わされて、その場で契約することは絶対に避けましょう。
外壁塗装の訪問販売で信頼できる優良業者を見極めるポイント
外壁塗装の訪問販売が自宅に訪れた際には、優良業者か悪徳業者かどうかを見極めるために、以下4つのポイントをチェックしましょう。
- 会社に関する質問に対して濁さずしっかり答えている
- 専門的な現地調査の後で詳細な見積もりを提示している
- 相場と比べて安すぎるor高すぎる見積もり金額になっていない
- 悪質な手口を使った勧誘がなく、十分な検討時間を与えている
上述してきた2〜4の内容はもちろん、会社に関する質問にしっかり答えてくれるかどうかも非常に重要です。
優良業者であれば、自社情報は細かくはっきりと公開しています。詳しい説明を濁されたり、情報が曖昧だったりする場合には、悪徳業者である可能性が高いため注意しましょう。
【確認すべき会社情報】
- 会社名・創業年数
- 所在地・電話番号
- 施工実績・保有資格
- 社長やスタッフの顔・名前
- 保証・アフターフォローの内容
また、営業マンに直接尋ねることに加えて、ネット上のホームページや口コミ・評判も確認すると、より信頼できる業者を見極めるための良い判断材料となります。
関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説
悪質な外壁塗装の訪問販売から身を守る予防・対応方法
悪質な外壁塗装の訪問販売から身を守るためには、以下3つの予防・対応方法を実践することがポイントです。
- 防犯カメラやお断りシールを設置する
- 訪問販売の撃退方法や上手な断り方を理解する
- 見積もりを比較して適切な費用相場を把握する
悪徳業者に騙されて損をしないためにも、ぜひ取り組みやすいものから実践してみてください。
防犯カメラやお断りシールを設置する
悪質な訪問販売は強引な勧誘を行うことが多いため、防犯カメラや訪問販売お断りシールなどの物理的な対策が有効です。
これらの設置は業者の訪問自体を抑制する効果があり、「訪問販売お断り」や「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼っておくだけでも、多くの営業を避けやすくなります。
また、実際に防犯カメラを設置しておけば、万が一トラブルが発生した時の証拠にもなるため、悪質な業者の予防対策として非常におすすめです。
訪問販売の撃退方法や上手な断り方を理解する
訪問販売でしつこく契約を迫られたときに備えて、適切な撃退方法・断り方を理解しておくことが大切です。
【しつこい訪問販売の撃退ポイント】
- 玄関は開けずにインターホンで対応、または居留守を使うこと
- 訪問販売員からの質問や営業トークには返答しないこと
- 「必要ない」「お断りします」ときっぱり端的に伝えること
- あまりにしつこい場合は躊躇なく警察に通報すること
実際に対応するときは、絶対にドアを開けずにインターホン越しに対応すること。そして「必要ないです」と明確に伝え、それ以上の会話に応じないことが重要です。
なお、やってはいけないNG対応例や契約してしまった場合の対処法などは、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
関連記事:しつこい訪問販売の撃退方法とは?上手な断り方や悪徳業者の手口を解説
見積もりを比較して適切な費用相場を把握する
悪質な訪問販売から身を守るためにもっとも重要なのは、複数業者から取得した見積もりを比較し、適切な費用相場を把握することです。
外壁塗装の費用は、家の大きさや使用する塗料だけでなく、依頼する施工業者によっても大きく変動します。
訪問販売に来た1社のみの見積もりで決めてしまうと、不当な価格設定に気付けない可能性があるため、最低でも3社以上の塗装業者から相見積もりを取り、金額・施工方法・スケジュールなどを総合的に比較して、より信頼できる優良業者を選びましょう。
関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
外壁塗装の訪問販売の特徴を理解して悪徳業者から身を守ろう
本記事では、外壁塗装の訪問販売の特徴や手口、優良業者を見極めるポイントや悪徳業者から身を守る予防・対応方法などを解説しました。
訪問販売が訪れた際には、優良業者・悪徳業者を見極めるために以下4つの項目をチェックしましょう。
【優良業者を見極めるポイント】
- 会社に関する質問に対して濁さずしっかり答えている
- 専門的な現地調査の後で詳細な見積もりを提示している
- 相場と比べて安すぎるor高すぎる見積もり金額になっていない
- 悪質な手口を使った勧誘がなく、十分な検討時間を与えている
なお、これらを正しく判断するためには、訪問販売の注意点や悪質な手口をしっかり理解しておくこと、そして複数業者からの相見積もりで適切な費用相場を把握しておくことが大切です。
悪徳業者から大切な家と自分の身を守るためにも、ぜひ本記事を参考に正しい知識と冷静に対応する方法を身につけましょう。