2024-08-07 13:45:01 更新

漆喰外壁にすると後悔する?耐用年数と塗り替え費用について解説

漆喰外壁にすると後悔する?耐用年数と塗り替え費用について解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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漆喰外壁に興味はあるものの、どのくらいの耐用年数があるのか、塗り替え費用にいくらかかるのか把握していない方も多いのではないでしょうか。漆喰外壁にして後悔しないためにも、事前にメリット・デメリットをきちんと把握しておく必要があります。

本記事では漆喰外壁の特徴や費用を紹介するとともに、施工するときの注意ポイントを解説します。外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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漆喰外壁とは?

漆喰外壁のメリット

漆喰外壁のデメリット

漆喰外壁の塗り替え・メンテナンス方法

漆喰外壁で後悔しないためのポイント

漆喰外壁の特徴を把握して後悔しない選択をしよう

漆喰外壁とは?

漆喰外壁とは、石灰にのりや粘土を混ぜ合わせた壁材のことです。日本では古くから建築物に使用されており、モルタル外壁やサイディング外壁が主流になった現代でも、根強い人気を持っています。

漆喰外壁の種類

漆喰外壁には、大きく以下4つの種類に分けられます。

本漆喰 真っ白な見た目が特徴。城や日本家屋などの古くからある建造物の多くは本漆喰が使われている。
土佐漆喰 高知県で古くから使用されている漆喰。紫外線に当たると白くなるのが特徴。とても丈夫で防火性も高いことから、かまどに使用されている。
琉球漆喰 優れた断熱性と調湿効果、耐久性が特徴。その高い機能性が再評価され、近年はリフォームなどで使用する住宅が多い。
西洋漆喰 西洋の教会やお城などに使用される漆喰で、白く輝いているのが特徴。ピラミッドの内壁などにも使われており、耐久性が非常に高い。

上記の表の通り、漆喰といっても、地域独特の漆喰などもあり、見た目の特徴もそれぞれ異なります。中でもヨーロッパで使用されることが多い西洋漆喰は、注文住宅の外壁で使用されることの多い人気の種類となっています。

漆喰外壁の耐用年数

漆喰は二酸化炭素を吸収すると硬くなる性質があるため、時間が経つほど耐久性が高まります。耐久年数は100年を超えると言われており、他の外壁材と比べても耐久年数はかなり長いのが特徴です。

外壁材 耐久年数
漆喰 30〜100年以上
サイディング外壁 20〜30年
モルタル外壁 30〜40年

100年以上前に建てられた漆喰の建物も美しい状態で残っていることから、漆喰外壁の耐久性が高いことがわかります。

ただし、100年以上長持ちさせるには適度なメンテナンスが不可欠です。定期的に塗り直しや補修を行えば、さらに長持ちさせられるでしょう。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

漆喰外壁の塗り替え・メンテナンス費用

漆喰外壁の塗り替え・メンテナンスにかかる費用は施工業者によって異なりますが、相場は他の外壁材よりも高くなっています。

外壁材 1平米あたりの価格
漆喰 6,000〜8,000円
窯業系サイディング 5,000円〜
モルタル 4,000円〜

漆喰壁のメンテナンスには、「重ね塗り」と「下地を撤去して塗り替える」の2つの方法があります。重ね塗りなら費用も比較的安価ですが、塗り替える場合は費用が高くなります。

漆喰は依頼する左官職人の経験や腕によって費用が変動するので、気になる方は見積もりを依頼してみましょう。

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漆喰外壁のメリット

漆喰外壁には主に3つのメリットがあります。

  • デザイン性が高い
  • 調湿効果がある
  • 消臭性が高い

それぞれ詳しく解説します。

デザイン性が高い

漆喰外壁は、左官職人がコテを使って手作業で仕上げるため、さまざまな色や模様を施すことが可能です。オリジナリティのあるデザインに仕上げることもできるため、建物の個性や雰囲気を自由に表現できるでしょう。

また漆喰の白く美しい見た目には、他の外壁材にはない風合いと高級感があります。漆喰外壁はつなぎ目がなく平らでマットな仕上がりなので、日本建築はもちろん、洋風建築にも合います。

経年変化によって独特の風合いが出てくるため、時間が経つたびに愛着が出てくるでしょう。

関連記事:外壁塗装のデザイン|おしゃれな外壁にするための基礎知識

調湿効果がある

漆喰の表面は小さな穴が無数に空いている多孔質構造であるため、湿気をコントロールして湿度を適切に保つ効果があります。湿度の高い夏は湿気を吸い取り、乾燥した冬は湿気を放出して、1年中快適な湿度に調整できます。

この調湿効果により、結露やカビ・ダニの発生を抑えることが可能です。漆喰は結露やカビの発生源となる水分を吸収するため、湿度が高い時期や外気との温度差があるときも、結露やカビ・ダニの発生を抑制できます。

消臭性が高い

漆喰の主成分である消石灰には殺菌効果があり、ニオイやカビの発生を抑える効果を期待できます。また漆喰は多孔質構造なため、ニオイをともなう水蒸気を吸収・放出することで悪臭を消してくれます。

漆喰自体が強アルカリ性であるため、排水溝や加齢臭などの酸性タイプのニオイの中和も可能です。これらの消臭性により、日常生活の中で発生する体臭やペット臭などのニオイを効果的に軽減し、快適な生活環境をもたらします。 

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漆喰外壁のデメリット

機能性の高い漆喰外壁ですが、以下のようなデメリットも存在します。

  • 施工時間が長く施工費用が高い
  • ひび割れのリスクがある
  • メンテナンス頻度が高い

施工してから後悔しないように、デメリットもしっかり把握しておきましょう。

施工時間が長く施工費用が高い

漆喰の塗装には2〜3週間ほどの長い乾燥期間が必要になるため、施工に約2~4ヶ月程度の長い日数がかかります。

施工期間が長くなれば人件費もかかるため、施工費用は自ずと高まります。現在は左官職人の数が減っているため、一般的なサイディング外壁の施工に比べて2~4倍程度の人件費がかかるとも言われています。

施工はコストと時間がかかりますが、一度施工してしまえば100年以上長持ちするため、長期的に見ればコストパフォーマンスは良好です。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

ひび割れのリスクがある

乾燥後の漆喰には弾力性がほとんどなく、表面がひび割れやすい素材です。地震や天候・気温などの影響を受けやすく、伸び縮みを繰り返すことでひび割れが発生しやすいリスクがあります。

ひび割れを放置すると、さらにひび割れが広がり、外壁の強度が低下して雨漏りの原因になります。ひび割れの補修は可能なので、症状を見つけたら早めに対処しましょう。

ただし近年は下地処理の技術が向上し、問題も解消傾向にあるので、施工前に業者に確認しておきましょう。

関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用

メンテナンス頻度が高い

漆喰は汚れが目立ちやすく、経年変化によってひび割れが発生しやすいため、他の外壁材に比べてメンテナンス頻度が高めです。

漆喰壁は引っ掻きに弱く、簡単に傷がついてしまいます。漆喰の表面には細かい凹凸があり、汚れが付着しやすく落ちにくいのもデメリットです。

メンテナンスを怠ると汚れが蓄積し、外壁の美しさが損なわれてしまいます。外壁を漆喰に塗り替えるときは、定期的な清掃が必要になることを考慮したうえで判断しましょう。

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漆喰外壁の塗り替え・メンテナンス方法

漆喰外壁は汚れやすく傷がつきやすいため、普段からこまめなメンテナンスが必要です。

漆喰外壁の美しい外観を長持ちさせるために、塗り替える方法やメンテナンス方法を確認しておきましょう。

軽い汚れは消しゴムでこする

漆喰表面についた黒ずみや手垢などの軽い汚れは、消しゴムでこすって簡単に落とすことができます。

消しゴムで汚れが落ちなかった場合は、市販されているメラミンスポンジを利用しましょう。メラミンスポンジは、メラミンフォームと呼ばれる素材から作られているスポンジのことです。洗剤を使わなくても、水に濡らして軽くこするだけで汚れを落とせます。

漆喰は汚れが目立ちやすいので、定期的に掃除をして、きれいな見た目を維持しましょう。

傷やシミはサンドペーパーで削る

漆喰外壁に染み込んだシミや傷は、サンドペーパーで軽く削って落としましょう。漆喰外壁は中身も同じ成分でできているため、削るときれいな漆喰が下から出てきます。

ただし、削りすぎると剥がれる可能性もあるので、サンドペーパーは細目の280~300番から試しましょう。細目のサンドペーパーで落ちない場合は、150番くらいの中目のサンドペーパーを使用します。 

シミを落とした後に、細め目のサンドペーパーで仕上げておくと、表面が滑らかになり汚れが付きにくくなります。 サンドペーパーを購入するときは、目の粗さの違う複数枚セットを選びましょう。

ひび割れや剥がれは塗り直す

ヒビが入ったり一部分が剥がれたりした場合は、塗り直しが必要です。上から漆喰を塗り重ねて部分補修する方法が一般的ですが、 外壁全体が劣化している場合は、表面の漆喰を剥がしてから塗り直す必要があります。

塗り直しを行うタイミングは10~15年程度が目安です。一面を塗り替える場合は費用も高額になるため、ひびを見つけたら広がる前に早めに補修を行いましょう。

漆喰はひび割れしやすいので、日頃からこまめな点検を心がけることが大切です。

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漆喰外壁で後悔しないためのポイント

漆喰外壁を施工してから後悔しないために、ここで注意すべき2つのポイントを解説します。

DIYで塗り替えはしない

漆喰製品にはDIY用のものもありますが、DIYで塗り替えると剥がれ等のリスクが高まるため注意が必要です。

DIYで作業すれば業者に依頼するよりも費用を安く抑えられますが、漆喰の塗り替えは業者にとっても難しい作業です。そのため、外壁を塗り替えたことのない素人が対応しようとすると、浮いたり剥がれたりといったトラブルにつながります。

特に材料を適度な固さで練り、均一に仕上げるといった工程は、専門の職人以外には難しい作業です。日が当たる環境で作業となると、漆喰の乾きが早まり、塗りムラも出やすくなります。

トラブルを防いできれいに仕上げるためにも、塗り替えは専門家に依頼しましょう。

施工する会社を慎重に選ぶ

漆喰の仕上がりは職人の腕に大きく左右されるため、しっかりと施工できる会社を選ぶ必要があります。

現在、漆喰を施工する左官職人は少なくなっており、場合によっては施工まで長期間待たされる場合もあります。しかし、漆喰外壁の施工には熟練した技術力が欠かせません。

美しく長持ちする漆喰外壁を実現するために、多少待たされても技術力の高い会社を選びましょう。早い段階で予約を申し込んでおけば、施工待ちを防げます。

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関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

漆喰外壁の特徴を把握して後悔しない選択をしよう

漆喰外壁はデザイン性が高く、調湿性や消臭性などの優れた機能性を持ちます。一方で、施工費用が高く、メンテナンスに手間がかかるのが難点です。

漆喰外壁を検討している方は、メリットだけでなくデメリットもきちんと把握したうえでリフォームを行いましょう。塗り替えるときはDIYで行うのではなく、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。

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