2024-09-27 08:20:40 更新

モニエル瓦とは?種類や耐用年数、メンテナンス方法を解説

モニエル瓦とは?種類や耐用年数、メンテナンス方法を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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モニエル瓦は断熱性や防音性に優れたおしゃれな瓦です。耐用年数は20年以上ありますが、新築から10年ほど経過すると劣化症状が出始めるため、早めのメンテナンスが必要です。

この記事では、モニエル瓦の特徴や種類を紹介するとともに、適切なメンテナンス方法を解説します。メンテナンスにかかる費用相場も紹介するので、屋根をリフォームするときの参考にしてみてください。

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モニエル瓦とは?

モニエル瓦のメリット

モニエル瓦のデメリット

モニエル瓦をメンテナンスするタイミング

モニエル瓦のメンテナンス方法

モニエル瓦の特徴を把握して屋根のリフォームに活かそう

モニエル瓦とは?

モニエル瓦とは、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られたセメント瓦の一種です。正式には「乾式コンクリート瓦」と言いますが、旧:日本モニエル株式会社が製造していた屋根材が広く普及して人気があったため、社名である「モニエル」という呼び名がそのまま定着しました。

モニエル瓦は機能面とデザイン面で優れており、外観がおしゃれであることから、1970年代〜80年代にかけて流行しました。しかし、現在はメーカーが解散し、2010年に生産が終了しています。そのため、新築で使用されることはなく、リフォームする際も入手が困難な状態です。

モニエル瓦の種類

モニエル瓦の形状には、以下の4つの種類があります。

和型 波を打ったような自然なカーブが特徴。カーブが空気の層を作り、外気温が伝わりにくいのがメリット。
洋型 立体的なフォルムが特徴で、洋風の家に使用されることが多い。
平型 凹凸の少ない平たい形をした瓦。和風・洋風どちらでも合うのが特徴。
S型 南欧風の大きく波打った形状が特徴。カラフルな色合いがあり、主に洋風の家などで使用される。

デザインは異なるものの、瓦そのものの性能に変わりはありません。そのため、和風や洋風など、住宅の雰囲気やデザインに適した種類を選ぶことをおすすめします。

関連記事:屋根瓦の種類別に価格・耐用年数を比較!葺き替えや修理費用も紹介

モニエル瓦の価格・費用相場

モニエル瓦はすでに生産が終了しており、新たに購入して取り付けることはできません。そのため、ここではリフォームする際の価格・費用相場を解説します。

モニエル瓦のリフォームには「部分補修」「塗装」「葺き替え」の3種類があり、工事規模が大きくなるにつれて費用相場も高くなります。

リフォーム・メンテナンス方法 費用相場(30坪の戸建て)
部分補修 1〜5万円
塗装 30〜100万円
葺き替え 120〜260万円

塗装をする場合は、選ぶ塗料のグレードによって価格が変動します。葺き替え工事の場合も、新しく施工する屋根材の種類によって費用が変動します。

部分補修なら範囲が狭いため数万円ほどの費用で施工できますが、葺き替えは屋根全体をリフォームする大規模な工事となるため、費用は120万円以上かかります。

モニエル瓦の耐用年数

モニエル瓦の耐用年数は20~30年です。20~30年を過ぎると、表面が全体的に剥がれて瓦自体の耐久性が落ちてきます。瓦自体が劣化すると、瓦の内部の防水シートも劣化して雨漏りの危険性が高まるため、早めのメンテナンス・リフォームが必要です。

屋根は普段目に付かない場所なので、耐用年数が過ぎても気付かないことが多いです。これまで一度も点検をしていない場合は、専門業者に依頼して劣化がないかチェックしてもらいましょう。 

関連記事:屋根材ごとの耐用年数一覧!寿命を延ばすメンテナンス方法や注意点を解説

セメント瓦との見分け方

モニエル瓦とセメント瓦は見た目が似ているため間違えるケースが多いですが、見分け方は簡単です。

確認する部分 見分け方
瓦の小口(断面)部分 モニエル瓦:切り口の表面は凸凹・ギザギザしているセメント瓦:切り口の表面がツルツルとしている
瓦の裏面 モニエル瓦:Mのマークのロゴが刻印されているセメント瓦:刻印なし

地上から見分けるのは困難なので、屋根に登る必要があります。高所作業は危険なため、補修や点検の際に専門業者に見てもらい、どちらであるかを判断してもらいましょう。

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モニエル瓦のメリット

モニエル瓦はすでに生産が終了していますが、他の屋根材にはない魅力があります。ここでは、モニエル瓦の主なメリットを3つ紹介します。

デザインが豊富

モニエル瓦には様々な形や色があり、見た目がおしゃれです。デザインのバリエーションが豊富なため、和型や洋型など建物の雰囲気に合わせて選べます。

また、モニエル瓦は着色スラリーという塗材を使用しており、他の瓦よりもカラーバリエーションが豊富です。多様性がある屋根材なので、屋根のデザインにこだわりたい方や、他の家とは異なるオリジナリティを演出したい方におすすめです。

断熱性と防水性が高い

モニエル瓦の主成分はセメントと砂であり、粘土瓦に比べて軽量なため、耐震性や断熱性に優れています。セメントは水分吸収に弱い性質がありますが、塗装メンテナンスをすることで40~50年以上の高い耐久性を発揮します。 

また、表面に着色スラリーやアクリル樹脂系塗料などの特殊な塗装効果が施されており、強風や豪雨にも耐えられる強度があります。ほかの瓦に比べて防水性や耐火性に優れているのが、モニエル瓦の魅力です。

遮熱性や防音性に優れる

モニエル瓦は素材自体が頑丈なため、夏場の暑い日差しを屋根でとどめて室温が上昇するのを防ぐ遮音性に優れています。また防音性にも優れており、雨音や雑音なども気になりません。モニエル瓦なら一年を通じて快適な室温を維持しやすく、屋外の音も気にならないため、快適な居住環境を実現できます。

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モニエル瓦のデメリット

モニエル瓦は機能性やデザイン性に優れたメリットである一方で、デメリットも存在します。ここでは、モニエル瓦の主なデメリットを2つ紹介します。

耐震性が低い

モニエル瓦はセメントと砂利を混ぜたコンクリート製の瓦のため、日本古来の粘土瓦と比べると軽量な屋根材です。しかし、金属屋根と比べると重量は6倍以上に及びます。そのため、屋根の重さが建物に負担がかかり、耐震性が低いといったデメリットがあります

屋根が重い建物は、地震が起きたときに揺れが大きくなり、倒壊のリスクが高まります。屋根は軽い方が耐震性が高まるため、耐震性を重視したい場合は他の屋根材を選んだ方が良いでしょう。

メンテナンスに手間がかかる

モニエル瓦の表面には特殊な塗装効果が施されているため、メンテナンスをする際に手間がかかります。

モニエル瓦には着色スラリーと呼ばれるセメントの着色剤が塗装されており、その上からアクリル樹脂系のクリヤー塗料で塗装して仕上げています。表面の塗装は経年劣化するため、塗り替えが必要ですが、事前に表面に施されているスラリー層を高圧洗浄などで除去してから塗装をしなければなりません。

スラリー層が残ったままの状態で塗装すると、古いスラリー層が剥がれたときに塗装が一緒に剥がれてしまいます。他の屋根材と同じように通常の工程で塗装できないのは、モニエル瓦のデメリットといえます。

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モニエル瓦をメンテナンスするタイミング

モニエル瓦の耐用年数は20〜30年ですが、築10年前後で劣化症状が現れるためメンテナンスが必要です。ただし、住んでいる地域によっては劣化症状が早まり、早めにメンテナンスをした方が良い場合もあります。

ここでは、メンテナンスをする目安の劣化症状を3つ紹介します。

ひび割れ

塗膜の防水機能が低下すると、下地が水を吸って乾燥する膨張収縮を繰り返し、ひび割れが発生します。ひび割れを放置すると、さらに膨張収縮を繰り返して破損や割れにつながります。

ひび割れは塗装の防水性が切れてからしばらく経っており、劣化が進んでいる状態です。放っておくと割れている箇所から雨水が屋根の内部に侵入し、雨漏りや建物全体の劣化が進む可能性もあるので、早急にメンテナンスをしましょう。

チョーキング

チョーキングとは、紫外線などの影響によって塗膜が劣化し、粉末状になる現象のことです。触れたときにチョークの白っぽい粉が指に付いたら、チョーキングの劣化症状が起きています。

軽度のチョーキングであれば、急いで補修する必要はありません。しかし、触れたときに粉が手にベッタリと付くような場合は、塗膜の保護機能が失われているため、早めにメンテナンスが必要です。

チョーキングを放置すると雨を吸い込みやすくなり、瓦自体の劣化が進んでしまいます。劣化が進むほどメンテナンスの規模も大きくなり、費用も高額になるため、早めに対処しましょう。

瓦のズレ

地震や台風などの何らかの衝撃で瓦がズレることがあります。瓦がズレると、瓦の下にある防水シートや屋根下地が紫外線や雨風の影響を直接受けてしまい、雨水が入りやすくなってしまいます。雨水が入り込めば雨漏りのリスクが高まるだけでなく、内部の建材の劣化につながるため、早めの補修が必要です。

瓦のズレが軽症なら部分補修で対応できるので、専門業者に相談して最適な補修方法を提案してもらいましょう。

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モニエル瓦のメンテナンス方法

モニエル瓦のメンテナンスには「部分補修」「塗装」「葺き替え」の3つの方法があります。どの方法を用いるかは、劣化症状によって異なります。

ここでは、各メンテナンスの特徴を解説します。

部分補修

ひび割れやズレが生じている範囲が限られている場合は、部分補修で対応が可能です。パテや防水テープなどを使って割れた箇所を埋めれば、ひび割れやズレの広がりを防げます。瓦は1枚が割れただけでも屋根のズレや雨漏りの原因につながるので、早めに業者に相談して補修してもらいましょう。

ただし、瓦が大きく割れていたりひび割れが広範囲に起きていたりする場合は、瓦の交換が必要です。モニエル瓦は入手が困難なため、在庫がない場合は葺き替えが必要になります。

塗装

モニエル瓦の表面の塗装は10年前後で経年劣化の症状が現れ始めるため、遅くても10〜15年の間には再塗装が必要です。特にコケや汚れなどが目立つ場合は、早めに塗装メンテナンスを行ないましょう。瓦に大きなひび割れやズレがなく、チョーキングのみ発生している場合も、塗装で補修できます。

モニエル瓦は表面に着色スラリーという着色剤が塗られており、スラリー層を取り除くために事前に高圧洗浄を念入りに行う必要があります。モニエル瓦の塗装方法はほかのセメント瓦とは異なるので注意が必要です。 

葺き替え

部分補修や塗装で対応できないほど瓦が損傷・破損している場合や、下地材まで劣化が進行している場合には、葺き替え工事が必要です。葺き替え工事とは、既存の屋根材をすべて撤去し、躯体部分の補修をしてから新しい屋根材を取り付ける工法です。

他のメンテナンス方法よりも工事が大掛かりになるため、費用は高くなりますが、屋根材すべてを新しくできるため、見た目が新築のように綺麗になります。ただし、モニエル瓦の生産は終了しているため、葺き替えを行う場合は他の屋根材を使用しましょう。 

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モニエル瓦の特徴を把握して屋根のリフォームに活かそう

モニエル瓦は耐久性や防水性、デザイン性などに優れており、和風から洋風までさまざまな住宅に使用できる優秀な屋根材です。現在生産は終了していますが、モニエル瓦にはさまざまなメリットがあるため、定期的にメンテナンスをすることで長く使い続けられます。

モニエル瓦にチョーキングやひび割れなどの劣化症状が現れたときは、専門業者に依頼して早めに補修をしましょう。早めに対応すれば、メンテナンス費用も安く抑えられます。

なお、業者を探す際には、「外壁塗装の窓口」が役立ちます。全国の優良なリフォーム・塗装業者のみを厳選して紹介。相見積もりも、複数社から無料で取得することが可能です。まずは是非一度お問い合わせください。

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