2024-06-24 09:06:50 更新

外壁塗装が必要ない外壁材とは?放置した場合のリスクと適切なタイミング

外壁塗装が必要ない外壁材とは?放置した場合のリスクと適切なタイミング
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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住宅の寿命を延ばすためには、外壁の表面を保護する「外壁塗装」が必要ですが、古い家の中には外壁塗装を一度も行うことなく30年以上住み続けているケースもあるため、「外壁塗装は必要ないのでは?」と感じることもあるかもしれません。しかし外壁塗装は家の外壁材を守るために欠かせない工事であり、放置してしまえば資産価値の低下やメンテナンスコストの増加を招いてしまいます。

そのため外壁塗装の役割や重要性を理解し、寿命や劣化症状に合わせた適切なタイミングで再塗装を依頼することが重要なのです。自宅で使用している外壁材の種類によっては外壁塗装が必要ないケースもあるので、本記事では外壁塗装をせずに放置した場合のリスクや、外壁塗装が必要ない状態を延ばすコツとともに解説します。

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外壁塗装が必要ない外壁材はタイル・レンガのみ

外壁塗装しないとどうなる?放置した場合の5つリスク

外壁塗装が必要になるタイミング

外壁塗装が必要ない状態を延ばすためのコツ

まとめ

外壁塗装が必要ない外壁材はタイル・レンガのみ

「外壁塗装は必要ない」と言われるのは、自宅の外壁がタイルまたはレンガでできている場合です。日本国内では流通量が少ないですが、樹脂系サイディングを使っている場合にも外壁塗装は不要です。これらの外壁材は耐久性が非常に高く、外壁塗装は必要ないと判断されます。ただし外壁材の継ぎ目・目地は劣化が進むため、完全にメンテナンスフリーというわけではない点に注意しましょう。

一方で、国内の住宅のほとんどで使われている窯業系サイディングや金属系サイディング、モルタル外壁、木質系サイディングなどはすべて外壁塗装が必要な外壁材です。定期的に外壁塗装を行わなければ防水性が失われ、外壁材が水分を含んで反り・浮きが発生したり、カビ・コケが繁殖する原因になったりもします。

そのため外壁塗装が必要ないのかどうかを判断する時には、自宅の外壁でタイルまたはレンガを使っているかどうかを基準に考えると良いでしょう。自分では外壁塗装の必要性を判断できない場合には、プロの業者の点検を受けてみると安心です。

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外壁塗装しないとどうなる?放置した場合の5つリスク

次に外壁塗装が必要な外壁材にも関わらず、再塗装せずに放置した場合に考えられる5つのリスクをご紹介します。

  • 住宅の資産価値が低下する
  • 外壁のメンテナンスコストが増加する
  • 住宅の寿命が縮んでしまう
  • 外壁材の張り替え工事が必要になる
  • 住宅の美観が悪化する

一つひとつ順番に解説するので、それぞれのリスクを理解しておきましょう。

住宅の資産価値が低下する

外壁塗装は必要ないと判断して塗装の劣化を放置してしまうと、住宅の資産価値が低下するリスクがあります。外壁塗装せずに放置した結果、外壁材が傷んで建材の内側が腐食したり、シロアリの被害を受けたりした結果、建物の評価額が大幅に低下してしまう可能性があるのです。

将来は家を解体するまで住み続ける予定がある場合には大きな影響はないかもしれませんが、ライフステージに合わせて住み替えを考えている場合には、家の売却額が下がってしまうリスクに直面します。それを防ぐためには、費用をかけて定期的に外壁塗装を行うことが大切です。

外壁のメンテナンスコストが増加する

外壁塗装をせずに放置した結果として、長期的なメンテナンスコストが増加するリスクも挙げられます。一般的な広さの家の外壁塗装では、1回あたり60万円〜90万円ほどの費用がかかりますが、外壁塗装は必要ないと判断して放置してしまえば、外壁材が傷んで張り替え工事が必要になる可能性が高いです。シロアリの被害が広がり、断熱材や内装の交換が必要になることもあるでしょう。

外壁塗装をせずに放っておいた結果、建物の寿命が縮んで大規模リフォームが必要になるまでの期間が短くなり、トータルで見た時のメンテナンスコストが膨らんでしまうのです。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

住宅の寿命が縮んでしまう

本来必要な外壁塗装をしなかった場合、外壁材や住宅の寿命が縮んでしまい、早期の建て替えや交換が必要になる可能性が高まります。外壁塗装は、外壁材に雨水などの水分が浸透しないように防ぐ役割があるため、外壁塗装せずに放置した結果、本来の寿命よりも早く劣化が進んでしまいます。

そうした状況になる前に定期的に外壁塗装を行い、外壁材の防水性を維持することで、住宅本来の寿命まで住み続けることが可能です。

外壁材の張り替え工事が必要になる

外壁塗装をせずに放置して外壁材の劣化が進むと、外壁の張り替え工事が必要になります。張り替え工事は、傷んだ外壁材を撤去して下地を補修し、新たな外壁材を設置する工事です。工期がかかる大規模なリフォームとなることが多く、費用負担も大幅に増加します。

外壁の張り替え工事は170万円~250万円ほどが相場となっており、60万円〜90万円が相場の外壁塗装と比べて、2倍以上の費用がかかることも少なくありません。本来であれは外壁塗装で十分だった住宅が、メンテナンスを怠ったことで張り替え工事が必要な状態に劣化してしまうことも考えられますので、適切なタイミングで外壁塗装を行うことが重要です。

関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説

住宅の美観が悪化する

外壁塗装は、外壁表面の汚れや古い塗料を取り除く作業も含まれますので、定期的に実施しなければ住宅の美観が悪化するリスクもあります。ご自身でブラシや洗剤を使って外壁を掃除することも可能ですが、2階部分などの高所の清掃は難しく、塗料がはがれた部分を補修しなければ色ムラも発生しやすくなります。

自宅の外観を美しい状態に保ちたいと考えている方は、外壁の汚れを落とし、新しい塗料でムラのない外壁に仕上げるためにも、定期的に外壁塗装を依頼しましょう。

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外壁塗装が必要になるタイミング

タイル・レンガを使った外壁を除けば外壁塗装は必ず必要になる工事ですが、今の塗料の寿命が残っているうちに外壁塗装を行ってしまっては意味が薄れてしまいます。ここでは外壁塗装が必要となるタイミングとして、築年数や劣化症状の観点からご紹介します。

築10年が外壁塗装の最初のタイミング

外壁塗装が必要となるタイミングの目安として、新築から築10年ほど経った時期が挙げられます。外壁塗装の耐用年数は、使用する塗料や立地条件などによって変動しますが、約10年〜15年で寿命を迎えることが多いです。また、外壁材の継ぎ目に使われるコーキング材の寿命も約10年で寿命を迎えるため、外壁全体のメンテナンスを行うために築10年で外壁塗装を依頼するのがおすすめです。

同様に、前回の外壁塗装が10年経過したタイミングも、再塗装を行う適切なタイミングの一つとなりますので、業者による点検を受けてみましょう。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

外壁に劣化症状が現れている場合

外壁塗装が必要になるタイミングとして、外壁に次のような劣化症状が現れている場合も挙げられます。

  • チョーキング現象(手で擦ると白い粉が付着する)
  • ひび割れ
  • サビの発生
  • 色褪せ
  • 塗膜の膨れ・はがれ
  • コケ・藻の発生

これらの劣化症状がみられる場合には、塗膜が劣化して外壁の防水機能が失われている可能性が高いです。劣化症状が軽度であれば早急な外壁塗装は不要なこともありますが、素人では判断しにくい外壁の劣化がないかを調べるためにも、早めに点検を受けると良いでしょう。

最適なタイミングはプロの点検を受けて判断を

築10年以上経過しているが外壁の劣化がみられない場合や、外壁塗装が必要な劣化症状が現れているのか判断しにくい場合には、一度プロの業者による点検を受けて判断するのもおすすめです。信頼できる業者に点検を依頼することで、外壁塗装が必要な状態なのか、もう少し様子を見ても問題ないのかといったアドバイスを受けることができます。

その際には、悪質業者による無理な売り込みから身を守るためにも、2社〜3社以上の複数の業者から点検を受けて意見を聞いてみることをおすすめします。

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外壁塗装が必要ない状態を延ばすためのコツ

最後に、外壁塗装が必要ない状態を長く延ばすためのコツとして、以下の3つをご紹介します。

  • 耐用年数が長い塗料を選ぶ
  • 外壁塗装が不要な外壁材に張り替える
  • 汚れが目立ちにくいカラーで塗装する

外壁塗装の手間や費用を節約したい方は、ぜひ参考にしてください。

耐用年数が長い塗料を選ぶ

外壁塗装でなるべく耐用年数が長い塗料を選ぶことにより、再塗装が必要ない状態を長くすることができます。外壁塗装で使われる主要な塗料には、アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料などがありますが、アクリル塗料は約5年、ウレタン塗料は約10年が寿命の目安です。約15年の耐用年数があるシリコン塗料やフッ素塗料を選ぶと、再塗装までの期間を延ばすことが可能です。

また、無機塗料と呼ばれる劣化しにくい塗料を選ぶことで、約20年間再塗装が不要な状態を保てることもあります。ただし、長寿命の塗料を使用すると、外壁材自体が先に寿命を迎えてしまうこともあるので、寿命の長い塗料を使いたい旨を業者に相談しながら塗料選びを進めると良いでしょう。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

外壁塗装が不要な外壁材に張り替える

自宅の外壁材の寿命が近い場合には、外壁塗装が不要な外壁材に張り替えるのもおすすめです。たとえば、モルタル外壁や窯業系サイディングの外壁から、樹脂系サイディングやタイル外壁に張り替えることで、外壁塗装が不要な外壁を実現できます。張り替え工事では外壁塗装よりも高額な初期費用が必要となりますが、将来の外壁塗装が不要になることを考えると、トータルコストを節約することが可能です。

ただし、従来の外壁よりも重い外壁材を使用すると、建物に負担がかかり耐震性が低下する可能性も出てくるため、張り替え工事で使用する外壁材選びについてもプロの意見を参考にすることをおすすめします。

関連記事:外壁材の種類はどれがおすすめ?サイディングの特徴や費用相場とともに解説

汚れが目立ちにくいカラーで塗装する

外壁にコケ・藻が発生しやすく、汚れが目立ちやすい立地条件の場合には、汚れが目立ちにくいカラーで外壁塗装を行うのも効果的です。たとえば、ベージュ系・グレー系・アイボリー系などの色は汚れが目立ちにくいです。一方で、ホワイト系やブラック系など、原色に近い色は汚れが目立ちやすいため注意しましょう。

これらのカラーを選んで外壁塗装を依頼することで、汚れが気になるからという理由で再塗装を行う回数を減らすことが可能です。ただし外壁塗装の寿命を延ばすわけではないため、寿命を迎えて劣化症状が出始めたら、早めに再塗装を依頼するようにしてください。

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まとめ

外壁塗装が必要ないとされるのは、タイル・レンガまたは樹脂系サイディングなどの外壁材を使っているケースです。窯業系サイディングや金属系サイディング、モルタル外壁などの場合には、定期的な外壁塗装は必ず必要となるため、寿命を迎えたにも関わらず放置してしまわないように注意しましょう。

本来必要な外壁塗装を放置してしまうと、住宅の資産価値が低下したり、将来のメンテナンスコストが増加したりするリスクが高まります。外壁の張り替え工事が必要になれば、外壁塗装の2倍以上の費用が発生することもあるのでご注意ください。本記事で解説してきた外壁塗装のタイミングや、外壁塗装が必要ない状態を延ばすコツも参考にしながら、自宅のメンテナンスを行いましょう。

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