2024-06-24 09:02:07 更新

外壁塗装の耐用年数は30年以下!再塗装の時期・劣化サインと寿命を延ばすコツ

外壁塗装の耐用年数は30年以下!再塗装の時期・劣化サインと寿命を延ばすコツ
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁塗装には、再塗装が必要な時期の目安として「耐用年数」が定められており、一般的には10年〜15年程度で寿命を迎えることが多いです。しかし業者によっては、「30年メンテナンスが不要です」というセールストークとともに、オリジナル塗料を勧めてくるケースがあります。

しかし耐用年数が30年の塗料は原則として使われておらず、遅くとも25年程度で寿命を迎える塗料が大半です。そのため耐用年数が30年と謳っている業者や塗料を勧められた時には、依頼するのを控えるかメーカー純正の塗料を使うよう依頼することをおすすめします。

本記事では、外壁塗装の耐用年数について、30年以下が大半であることや塗料のグレードごとの耐用年数、そして再塗装が必要になる本来の年数や劣化症状についても紹介します。外壁塗装の施工後、塗料の耐用年数を延ばすコツについても解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

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外壁塗装の耐用年数は30年以下が大半

外壁塗装の再塗装は約10年ごとに依頼するのがおすすめ

外壁塗装の耐用年数を超えて30年放置した場合の劣化症状

外壁塗装の耐用年数を延ばすコツ

まとめ

外壁塗装の耐用年数は30年以下が大半

まず外壁塗装の耐用年数は、大半が30年以下であることを覚えておきましょう。外壁塗装は10年〜15年で耐用年数を迎えて、再塗装が必要になります。耐用年数が長ければ長いほど、リフォームまでの周期が長くなり、長期的なコストを抑えることは可能です。そのため初期費用がやや高額になったとしても、耐用年数の長い塗料を選ぶのは大切ですが、原則として30年持つ塗料は存在しないことに注意してください。

30年の耐用年数を持つ外壁塗装を売り込まれるのは、塗装業者のオリジナル塗料を勧められるケースです。しかしメーカー製の塗料ではない塗装業者のオリジナル塗料は、メーカー製の塗料よりも品質が劣る可能性が高く、業者の利益が上乗せされているためグレードに対して割高になると考えられます。

そのため塗装業者から耐用年数30年のオリジナル塗料を提案されたとしても、そのまま依頼せずメーカー製の塗料を使用してもらうのがおすすめです。

外壁塗装の耐用年数に関する詳しい解説はこちら

最長でも約25年の耐用年数が限度

外壁塗装の耐用年数は、使用している塗料のグレードによって決まります。最も安価なアクリル塗料は3年〜5年程度で寿命を迎えますが、紫外線で劣化しにくい無機塗料を使用すると20年〜25年の耐用年数が期待できます。耐用年数が長くなるほど高価な原料を使っているため、塗装にかかる費用は高額になります。

住宅の外壁塗装で一般的に使われるのは、シリコン塗料もしくはラジカル塗料と呼ばれる種類です。これらの耐用年数は10年〜15年ほど。そのため多くの住宅の塗料は10年〜15年で寿命を迎えることが多く、たとえ最高級の無機塗料を使っていたとしても25年経過すれば再塗装が必要となるのです。

「外壁材」の耐用年数は30年以上のものも

ここまで「外壁塗装」の耐用年数について解説してきましたが、住宅の外壁の寿命やリフォーム時期を考える時には「外壁材」の耐用年数も知っておく必要があります。外壁材とは、塗料を塗っている外壁の建材のことで、モルタル外壁やタイル外壁、サイディングなどの種類があります。

こうした外壁材自体の耐用年数は、サイディングやモルタル外壁で30年〜40年ほど。耐久性に優れたタイル外壁は50年以上使い続けられることもあります。「耐用年数30年」が指すのが外壁材のことであれば、間違ったことは言っていないと判断できます。

なお、外壁塗装の耐用年数が残っていても、外壁材の耐用年数を迎えて建材が劣化している場合には、外壁の張り替え工事が必要になるので注意しましょう。

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外壁塗装の再塗装は約10年ごとに依頼するのがおすすめ

ここまでご紹介してきた通り、外壁塗装の耐用年数は10年〜15年であることが多く、約10年経過すると外壁塗装の劣化も目立つようになってきます。まだ耐用年数が残っている可能性もありますが、新築もしくは前回の外壁塗装から10年経ったタイミングで、専門業者に点検を依頼して劣化が進んでいないかをチェックしてもらうのが効果的です。

また、外壁材の継ぎ目や目地に「コーキング」と呼ばれるゴムのような素材を使っている場合、このコーキングの耐用年数も考慮しないといけません。コーキング材の耐用年数は10年程度。こちらも10年を目安に寿命を迎えるので、外壁塗装とともにコーキングの劣化についても点検してもらうと良いでしょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

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外壁塗装の耐用年数を超えて30年放置した場合の劣化症状

外壁塗装の一般的な耐用年数である10年〜15年、もしくはグレードの高い塗料を使った場合の25年を経過し、30年間再塗装をせずに放置してしまうと、さまざまな劣化症状が現れ始めます。ここでは外壁塗装の劣化症状として、以下の3つをご紹介します。

  • チョーキング現象
  • 塗膜のひび割れ・はがれ
  • カビ・コケの発生

これらの劣化症状は、紫外線や風雨の影響が強い住宅では、耐用年数を迎える前に発生することもあります。その場合には早急なメンテナンスが必要になることもあるので、しっかりと押さえておきましょう。

チョーキング現象

チョーキング現象とは、外壁を手で擦った時に白い粉のようなものが付着することを言います。紫外線によって外壁塗装の塗料が劣化し、顔料のみが欠落することで起こる現象です。チョーキング現象がみられるということは、外壁塗装が紫外線によって大きく劣化しているサインです。チョーキング現象が発生しているからといって早急な再塗装が必要となるわけではないですが、劣化を判断する一つのサインになることを覚えておきましょう。

塗膜のひび割れ・はがれ

外壁塗装の耐用年数を超えて放置していると、塗膜のひび割れ・はがれが起こりやすくなります。塗料の膜がボロボロとはがれてしまい、下地の外壁材が見えてしまっている状態です。こうした塗膜の劣化をそのままにしてしまうと、ひび割れ部分から雨水が侵入したり、はがれた部分に紫外線があたって外壁材が劣化したりと、外壁材にダメージを与えてしまう危険性が高まります。

外壁材が傷んでしまえば、シロアリの被害が広がり、大規模な張り替え工事を必要とすることもあるので注意しましょう。耐用年数を迎えていなかったとしても、外壁の広い箇所で塗膜のひび割れ・はがれがみられる場合には、なるべく早めに再塗装を依頼することをおすすめします。

関連記事:外壁のひび割れは危険信号!ひび割れ補修の方法と費用

カビ・コケの発生

外壁に白っぽいカビや緑色のコケが発生していることも、外壁塗装の劣化症状の一つです。外壁塗装の防水機能が失われると、外壁の表面に水分が溜まりやすくなり、その水分を栄養としてカビ・コケが繁殖しやすくなるためです。カビ・コケが発生してしまうと、室内に胞子が入り込んでアレルギー症状を引き起こす可能性があるほか、建物の美観を損ねるデメリットもあります。

軽度のカビ・コケであればブラシやスポンジを使って洗い流すこともできます。しかし広範囲にカビ・コケが広がっている場合には、外壁塗装が劣化している可能性が高いので、専門業者による外壁クリーニング、または高圧洗浄を伴う外壁塗装を依頼すると良いでしょう。

関連記事:外壁のコケをスッキリ落とすには?繁殖の予防法や放置した時のリスクを解説

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外壁塗装の耐用年数を延ばすコツ

最後に、外壁塗装の耐用年数をできるだけ延ばし、メンテナンスの手間や費用を抑えるコツについてもご紹介します。

  • 寿命が長い塗料を選ぶ
  • こまめに洗浄・点検を行う
  • 高い技術力を持った業者に依頼する

上記のようなポイントを踏まえて依頼することで、塗料の本来の耐用年数を引き出し、外壁塗装を長持ちさせることができます。それぞれ順番に解説しましょう。

寿命が長い塗料を選ぶ

将来のメンテナンスの手間・費用を抑えて、外壁塗装の耐用年数を延ばすためには、寿命が長い塗料を選んで施工するのが効果的です。住宅の外壁塗装で人気の塗料として、シリコン塗料やラジカル塗料が挙げられますが、いずれも10年〜15年程度で寿命を迎えます。

そうではなく「無機塗料」と呼ばれる紫外線によって劣化しにくい塗料を選ぶことで、最大で25年程度まで耐用年数を延ばすことが可能です。塗装費用は高価になりますが、長期的なメンテナンス費用を抑えられるので、トータルコストを節約できることも多いです。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

こまめに洗浄・点検を行う

外壁塗装の耐用年数を延ばすためには、こまめに洗浄・点検を行うのも大切です。外壁の汚れが目立つ部分があれば、ブラシやスポンジを使って手入れすることにより、塗料の劣化を防ぐことができます。汚れが付着してしまうとカビ・コケの栄養となるので、こまめな洗浄はカビ・コケの繁殖を防ぐメリットもあります。

また、外壁塗装の劣化は素人では気付きにくい部分も多いため、定期的に業者の点検を受けるのも効果的です。新築であればハウスメーカーや工務店、すでに再塗装を行っている家では前回依頼した塗装業者などに相談して、外壁塗装の状態をチェックしてもらうと良いでしょう。

高い技術力を持った業者に依頼する

外壁塗装の耐用年数は、施工を行う塗装業者の技術力にも左右されます。たとえば無機塗料での塗装を依頼したが、業者が無機塗料の扱いに慣れておらず施工不良を起こしてしまった結果、本来の耐用年数よりも早い段階で劣化症状が現れてしまうケースもあります。そのため外壁塗装の耐用年数を延ばすためには、依頼する業者選びも重要になります。

高い技術力を持った業者かどうかを見極めるためには、会社ホームページの施工実績を確認したり、「塗装技能士」などの資格を持っているかどうかを調べたりすると良いでしょう。点検や見積もりの際、担当者の対応が信頼できるかどうかもチェックしておきましょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

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まとめ

耐用年数30年の外壁塗装は存在せず、いずれの塗料を使用した場合にも10年〜15年で寿命を迎えるケースが多いです。グレードの高い無機塗料を選んだ場合にも、約25年で耐用年数を迎えることになります。そのため耐用年数30年のオリジナル塗料を勧めてくる業者は、依頼を控えるかメーカー製の塗料を使うよう依頼したほうが良いでしょう。

外壁塗装の再塗装を行う時期として、新築もしくは前回の外壁塗装から10年を目安に、業者による点検を受けることをおすすめします。耐用年数を迎えていなかったとしても、チョーキング現象や塗膜のひび割れ・はがれ、カビ・コケの発生が見られる場合には、早めに再塗装を依頼する必要があります。

本記事で解説してきた外壁塗装の耐用年数を延ばすコツについても参考に、外壁塗装の業者選びや塗料選びを進めてみてください。

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