アドグリーンコートは、遮熱性能と放熱性能の両方を備えた新しい遮熱塗料として注目されています。暑い夏場も室内の温度上昇を抑えられるため、冷房の効率を高めることができ、電気代の節約に役立ちます。その一方で、価格が高いというデメリットもあるので、実際に施工する際は注意が必要です。
この記事では、アドグリーンコートの魅力を解説するとともに、施工時に注意すべきポイントを解説します。屋根の塗料選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
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アドグリーンコートとは?
アドグリーンコートは、世界で初めて「真球ナノファインセラミックス」を利用した遮熱塗料です。真球ナノファインセラミックスは、携帯電話やカメラなどの精密機器に用いられる素材であり、熱対策に効果的です。
アドグリーンコートは建物内部に熱を伝えにくい性質を持っているため、暑い夏場でも快適な室内温度を維持しやすく、光熱費を抑えられます。
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アドグリーンコートを販売する会社について
アドグリーンコートを製造・販売しているのは、2006年設立の日本中央研究所株式会社です。比較的新しい会社ですが、JIS認証製品を開発するなど、品質にこだわったものづくりを続けています。自社製品の施工には認定制度を設けるなど、施工品質にもこだわっており、高品質な塗料の提供を続けています。
アドグリーンコートの価格
アドグリーンコートの価格は、1㎡あたり3,650円となっています。この価格は、住宅に使用される塗料の中でグレードの高いフッ素塗料と同程度の価格です。性能が高い分、価格は高いので、実際に施工する際は予算オーバーにならないように注意が必要です。
アドグリーンコートの耐用年数
アドグリーンコートの耐用年数は、8~12年です。耐用年数はウレタン塗料と同じくらいであり、比較的短いといえます。しかし、ウレタン塗料は1㎡あたり2,000円前後で施工できるのに対し、アドグリーンコートは3,650円かかるため、同じ耐用年数でも価格は大きく異なります。
遮熱性能を重視するならアドグリーンコートがおすすめですが、耐用年数の長さや価格の安さを重視するなら、他の塗料も検討した方が良いでしょう。
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アドグリーンコートの種類
アドグリーンコートには2つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。満足いく施工を実現するためにも、種類ごとの違いを把握しておきましょう。
アドグリーンコートEX
アドグリーンコートEXは、ツヤが出にくい変性アクリルシリコン樹脂の水性塗料です。ツヤの度合いは3分艶なので、マットな仕上がりを好む人に適しています。ただし、カラー展開は14色と少なめなので、豊富なバリエーションから選びたい人はGLを選んだ方が良いでしょう。
アドグリーンコートGL
アドグリーンコートGLは、ツヤが出やすい変性アクリルシリコン樹脂の水性塗料です。価格と耐用年数はEXと同程度ですが、JIS認証を受けており、カラーが22色と豊富な点が特徴です。また、EXよりもツヤの出やすい5分艶なので、光沢感のある見た目が好きな人に適しています。
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アドグリーンコートのメリット
アドグリーンコートには、機能面だけでなく、作業性や環境面でさまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットを5つ紹介します。
遮熱・排熱効果が高く節電効果がある
アドグリーンコートは遮熱性能だけでなく排熱性能があるため、塗膜に熱を溜め込むことがありません。そのため、暑い夏場も屋根の温度上昇を抑えることができ、室内に熱がこもる状況を軽減できます。
室内に熱がこもらなければ、冷房効率が良くなるため、節電対策に有効です。夏場の電気代を節約にしたい人や夏の冷房の効きが悪いと感じている人、夜間の室内の暑さを改善したい人におすすめです。
耐久性が高く汚れにくい
塗料には小さく形状が整った真球無孔質セラミックスが配合されているため、他の遮熱塗料よりも塗装面が滑らかで、汚れがつきにくい性質があります。塗膜に凹凸が少なく、耐久性も高いため、メンテナンスの手間や労力を減らせます。いつまでも綺麗な外観を維持したい人には、ピッタリの塗料だといえるでしょう。
水性塗料で臭いが少ない
アドグリーンコートは水性塗料であるため、油性塗料のようなきつい臭いは発生しません。工事中に臭いに悩まされることがなく、人体への影響も少ないため、小さい子供のいる家庭やペットを飼っている家庭でも施工しやすいといえます。臭いのこもりやすい室内でも、水性塗料なら問題なく使用できます。
施工性が高く工期を短くできる
アドグリーンコートの塗装では刷毛やローラー、エアレスを使用できるため、施工性が高い利点があります。作業工程を簡素化できるため、工期を短くでき、短期間で工事が完了します。工期が短ければ日常生活への支障も少なく抑えることができ、周囲から苦情が来る頻度も少なくなります。
環境への負荷が少ない
アドグリーンコートは、光科学スモッグの原因となる揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少ない塗料です。塗料に含まれる有害物質が少ないので、周辺に悪影響を及ぼす心配がなく、環境への負荷を抑えられます。
日本国内でも公的機関における様々な実証・認定を受けており、海外でもグリーンラベルを取得するなど、環境に優しい塗料として広く認められています。人体や環境にやさしい塗料を探している人や安全性を重視している人には、最適な塗料だといえます。
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アドグリーンコートのデメリット
アドグリーンコートには魅力が多い一方で、注意すべき点もあります。施工してから後悔しないためにも、ここでデメリットを確認しておきましょう。
塗料の価格が高い
アドグリーンコートは遮熱効果が高い点が魅力ですが、性能が高い分、価格も高いというデメリットがあります。初期費用だけでなく、メンテナンス費用も一般的な遮熱塗料に比べると1割程度割高です。
節電効果が高いので、長い目で見ればコスパは良いかもしれません。しかし、長期的な使用を考えていない場合や、夏場の暑さがさほど厳しくない地域で使用する場合は、節電効果が薄れてしまいます。初期費用だけでなく、施工後の節電効果もよく考えたうえで、価格面でお得になるかどうかを総合的に判断しましょう。
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濃い色が少ない
濃い色のバリエーションが少ないのも、デメリットの一つです。一般的に、遮熱性の塗料は薄い色の方が効果が高いため、濃い色の選択肢は少ない傾向にあります。濃い色は太陽の熱をため込みやすく、遮熱塗料を使用しても十分な効果は得られません。遮熱性能よりもカラーやデザイン性を重視するのであれば、別の塗料を選んだ方が良いでしょう。
冬場の断熱効果はない
アドグリーンコートは夏場の暑さ対策には効果的ですが、断熱性能がないため、冬場の寒さ対策には効果がありません。遮熱に特化した塗料であるため、冬場も太陽光の熱を反射してしまい、建物内部が温まりにくくなります。
夏だけでなく、冬も快適な室内温度を維持したいなら、遮熱性能だけでなく断熱性能が備わった塗料を選ぶ必要があります。
施工できる業者が少ない
アドグリーンコートを施工できる業者は、メーカーの認定を受けた企業のみです。メーカー認定を受けた業者は全国でも200~300店程度しかなく、他の塗料に比べて施工できる業者の数が圧倒的に少ない状況です。
自宅近くに施工業者が見つからない場合は、遠方の業者に依頼することも考えた方が良いでしょう。業者を探すのに時間と労力がかかるため、工事まで時間がない場合は、別の塗料を選ぶことも検討する必要があります。
なお「外壁塗装の窓口」では、外壁や屋根の施工を行っている全国の優良店のみを厳選して紹介しています。経験豊富なアドバイザーが、契約前の相談から施工後まで無料でサポートするため、業者探しで困ったときはお気軽にご相談ください。
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ガイナとアドグリーンコートはどちらがベスト?
アドグリーンコートは遮熱性能を持つ塗料ですが、ガイナは遮熱性能だけでなく、断熱性能も備えています。そのため、夏場の暑さだけでなく、冬の寒さを軽減できる利点があります。寒さを軽減できれば、暖房費も節約できるため、一年を通じて快適な居住空間を実現できます。
「夏場の温度上昇だけ軽減できれば良い」という場合はアドグリーンコートがおすすめですが、一年を通じて室内の温度変化を抑えたい場合は、ガイナを選ぶのがベストです。
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アドグリーンコートの評判
アドグリーンコートの良い評判では、「夏の蒸し暑さが解消された」「夏のエアコン温度が上がって節電できた」という声が目立ちました。その一方で、「価格が高い」「コストパフォーマンスが悪い」という悪い意見もあります。
アドグリーンコートは遮熱効果が高いのが魅力ですが、初期費用が高いため、手を出しづらい存在です。高い性能を維持するために定期的な塗り替えも必要になるため、メンテナンスにもコストがかかります。
「多少費用がかかっても良いから、家の遮熱対策を強化したい」という人にはおすすめですが、コスト最優先で塗料を選びたい人には不向きだといえるでしょう。
アドグリーンコートの特徴を把握して塗装工事に活かそう
アドグリーンコートは遮熱性に優れた塗料であり、夏場の電気代を節約できる利点があります。一方で、初期費用が高く、施工できる業者も少ないため、実際に工事をするときには苦労するかもしれません。アドグリーンコートの良い面と悪い面の両方を把握し、他の塗料も比較しながら、満足度の高い塗料を選びましょう。
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