2024-12-20 09:40:50 更新

外壁塗装はアスベストの事前調査が必須!見分け方やメンテナンス方法を解説

外壁塗装はアスベストの事前調査が必須!見分け方やメンテナンス方法を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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2023年10月からは、外壁塗装をする際にアスベストの事前調査が義務付けられています。今までになかった調査が加えられることにより、今後は工事を依頼する業者の選定も慎重に行う必要があります。

この記事では、アスベストの事前調査や外壁塗装を依頼する業者の選定方法などを解説します。外壁塗装やリフォーム、解体工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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アスベストとは?

外壁塗装はアスベストの事前調査が必須

外壁にアスベストが含まれているかを確認する方法

アスベストがある外壁のメンテナンス方法

アスベストがある外壁の塗装を業者に依頼する時のポイント

外壁塗装をする際はアスベストの事前調査と業者選びに注意しよう

アスベストとは?

アスベストは、天然に産出する綿状・繊維状の岩石で、石綿とも呼ばれています。耐火性や断熱性、電気絶縁性に優れており、価格も安いことから、高度経済成長期にさまざまな分野で重宝されていました。

しかし、空気中に飛散して吸入すると深刻な健康被害を引き起こす可能性があることがわかり、現在では全面使用禁止となっています。禁止になったとはいえ、長らく多くの建材に使われていたため、現在でも健康被害の問題が続いています。

アスベストが引き起こす健康被害

アスベストを吸い込むと、肺細胞を刺激して肺がんや石綿肺、悪性中皮腫などの深刻な病気を引き起こします。体内に吸い込んでから発症までの潜伏期間が長く、10〜40年程度と言われています。20代で吸い込んだ人が、高齢になってから健康被害を引き起こすこともあるので注意が必要です。

アスベストを飛散させる恐れのある工事

アスベスト自体に毒性はありませんが、大気中に飛散したアスベストを吸い込むと人体にとって有害になります。飛散しなければ大きな危険はないため、住宅に住んでいるだけでは健康被害はありません。しかし、建物の改修工事や解体工事、高圧洗浄などは飛散リスクがあるため注意が必要です。

なお、外壁塗装工事は健康にはあまり影響がないとされていましたが、建物の経年劣化によって塗料に含まれるアスベストが飛散する恐れがあるため、近年では問題視されています。

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外壁塗装はアスベストの事前調査が必須

これまで外壁塗装をする際は、アスベストの事前調査は必要ありませんでした。しかし、法改正により、今後は工事前に事前調査が必要です。ただし、状況によっては調査が必要ない場合もあります。どのような場合に事前調査が必要になるかを、ここで確認しておきましょう。

2023年10月からは有資格者による事前調査が必須

2023年10月から施行された「アスベストに関する法改正」では、住宅の塗り替え工事をする前にアスベストの有無を調べる調査が義務付けられています。事前調査は誰でも行えるものではなく、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者による調査が必要です。有資格者が書面調査や目視調査、分析調査などを行い、調査に関する記録を作成・報告します。

なお、工事の発注者にも、工事に関する必要な情報提供が義務付けられています。事前調査を怠った場合は罰則規定があるため、工事を発注する際は注意が必要です。

アスベスト含有建材「レベル3」が規制対象

アスベスト含有建材は危険性のレベルが定められており、レベルが小さいほど発塵性が高まります。これまで規制対象だったのは、レベル1と2のみでしたが、法改正によりレベル3の建材も規制対象となります。

レベル1 石綿含有吹付け材
レベル2 石綿含有断熱材・石綿含有保温材・石綿含有耐火被覆材
レベル3 石綿含有建材(成形板・仕上塗材等)

レベル3の建材には、窯業系サイディングや化粧スレート屋根材など、住宅リフォームで人気の建材も含まれるので注意が必要です。

2006年以降に建てられた住宅は調査不要

2006年以降に着工された住宅は、すでにアスベストが使用禁止された後なので、調査は書類提出のみで完了します。アスベストは段階的に禁止されていきましたが、製造禁止になったのは2006年であり、完全に製造禁止となったのは2012年です。そのため、が2006年以前に建てられた住宅は調査は必要ありません。

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外壁にアスベストが含まれているかを確認する方法

自宅の外壁にアスベストが含まれているかを知りたい場合は、いくつか方法があります。建物の築年数や国土交通省のホームページなどで調べることもできますが、より詳しく知りたい場合は本格的な調査が必要です。ここでは、主に3つの方法を紹介します。

国土交通省の「アスベスト含有建材データベース」で確認する

国交省ホームページの「石綿(アスベスト)含有建材データベース」で、建材の商品名やメーカー名、型番を入力して検索すれば、アスベスト含有の有無を簡単に調べられます。縦材の商品名や型番が特定できる場合は、この方法がもっとも確実です。施工時の書類などが残っていれば、事前に確認しておきましょう。

建物が建てられた年代・築年数を確認する

建物が建てられた年代が2006年以前である場合は、外壁にアスベストを含んだ建材が使われている可能性があります。特に高度経済成長期は建材に多く使用されていたため、1988年以前に建てられた住宅の外装材は、アスベストを使用している可能性が高いです。古い建物の外壁塗装をする場合は、事前に専門業者に依頼して調査をしてもらいましょう。

専門業者に調査を依頼する

より詳しく知りたい場合は、建築物石綿含有建材調査者の資格を持つ業者に調査を依頼しましょう。資格のない業者に調査を依頼して工事をすると、その調査結果は無効となり、施工主にも罰則が適用されるので注意が必要です。そのため、一般的な建築業者に依頼するのではなく、必ず専門業者に依頼しましょう。

調査する際は、外壁だけでなく、屋根や屋根裏、内装まで調査をしてもらうことが大切です。 住宅のどの部分に使用されているかを知ることで、今後のとるべき対策が明確になります。

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アスベストがある外壁のメンテナンス方法

アスベストがある外壁をメンテナンスする方法は、主に3つあります。どの方法を選ぶかによって工事費用も大きく変わってくるので、業者とよく相談しながら判断しましょう。

外壁塗装

塗装は、外壁の表面を塗り替える方法です。他のメンテナンス方法に比べて価格が安いのが特徴で、一般住宅の費用相場は70~90万円程です。アスベストの飛散リスクはありませんが、塗装ができるのは劣化が軽度である場合に限られます。

傷などの劣化症状が塗膜層のみであれば塗装できますが、ヒビなどの劣化症状が外壁材に達している場合は、塗装では対応できません。まずは専門業者に外壁を点検してもらい、塗装できるかどうかを相談しましょう。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

カバー工法

カバー工法は、既存の外壁材の上から新しい外壁材を重ね張りする方法です。既存の外壁材を撤去する手間と費用がかからない分、工事費用が安く、アスベストが飛散する心配もありません。カバー工法の費用は140~150万円が相場です。

ただし、カバー工法ができるのは、外壁材は傷んでいない場合のみです。外壁の下地に劣化あると、張り替えが必要になります。

関連記事:外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説

張り替え

張り替えは、既存の外壁材を撤去してから新し外壁材を貼り付ける方法です。工事中にアスベストが飛散するリスクがあるため、特殊な防塵対策のために20~60万円ほどの追加費用がかかります。追加費用を含めると、トータルで230~300万円程の費用がかかります。

工事費用は高額ですが、アスベストの危険を完全に除去できる利点があります。外壁材と下地ともに傷んでいる場合は、張り替えが必要になるので、信頼できる業者に工事を依頼しましょう。

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関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説

アスベストがある外壁の塗装を業者に依頼する時のポイント

外壁塗装を依頼するときは、業者選定が重要になります。適当に選んでしまうと、手抜き工事が発生して費用が高額になるといったリスクもあるため注意が必要です。

満足いく工事を実現するには、優良な業者への依頼が不可欠です。ここでは、優良業者を選定するポイントや、工事費用を抑える方法を紹介します。

アスベストがある外壁の工事において実績が多い業者に依頼する

外壁塗装工事を依頼するときは、その分野で実績の多い業者に依頼しましょう。アスベスト入りの外壁工事は、通常の工事とは異なる工程が発生します。壁の状況によっては高い技術力が求められる場合もあるので、実績豊富な業者に依頼するのが無難です。

また、アスベストの撤去作業ができるのは、石綿作業主任者や特別管理産業廃棄物管理責任者などの専門知識や技術を有する業者に限られます。過去の施工実績だけでなく、どのようなスタッフが在籍しているかどうかもチェックして、信頼できる業者に工事を依頼しましょう。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

自治体の助成金・補助金が使えるかを確認する

自治体によっては、住宅の外壁塗装で補助金を使える場合があります。外壁のリフォーム費用を助成する制度をはじめ、事前調査の費用を一部を負担する制度など、補助金制度の内容は自治体によって異なります。

アスベストを含む外壁の塗装は、工事費用が大きくなる傾向にあるため、費用負担を軽減できるかどうかは重要なポイントです。まずは自治体のホームページをチェックして、補助金が使えるかどうかを確認してみましょう。業者に相談すると使用できる補助金制度を教えてもらえる場合もあるので、契約前に一度聞いておくことをおすすめします。

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関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

外壁塗装をする際はアスベストの事前調査と業者選びに注意しよう

住宅の外壁塗装をする際は、アスベストの事前調査が必要です。調査を怠ると罰則が適用されるだけでなく、健康被害を及ぼす恐れがあります。リスクを防ぐためにも、外壁塗装は信頼できる業者に依頼しましょう。有資格者のいる実績豊富な業者に依頼することで、安全かつ満足のいく工事を実現できます。

外壁塗装の窓口」では、全国5,000社以上の優良施工店のみを紹介しています。専門の外壁アドバイザーによる無料サポートを受けられるので、業者選びを迷ったときはお気軽にご相談ください。

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