ベランダは紫外線や雨の影響を受けやすく、劣化しやすいため、定期的な防水工事が必要です。メンテナンスを怠ると症状が悪化して、建物全体の寿命を縮める原因になるので注意が必要です。
この記事では、ベランダに現れる劣化症状の特徴や、防水工事にかかる費用・日数について解説します。DIYによる防水工事や自分で防水工事をする場合の注意点も解説するので、ベランダのメンテナンスを考えている方はぜひ参考にしてください。
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ベランダ防水工事が必要な劣化症状
ベランダの防水工事は、築年数を問わず、劣化症状が現れた時点で早急に対応が必要です。ここでは、ベランダに現れる主な劣化症状を紹介します。
色あせ
ベランダの床の表面はトップコートと呼ばれる塗料を重ね塗りして防水加工が施されています。ベランダの床が色あせてきたらトップコートの機能が低下しているため、塗り替えが必要です。トップコートの塗り替えは5年に一度が目安となっているものの、それ以前に床が色あせてきたときは塗り替えのタイミングです。
表面が色あせている段階では深くまでダメージは広がっていませんが、放置しておくと紫外線の影響により、トップコートの下にある防水層の劣化が早まるので注意が必要です。
ひび割れ・剥がれ
幅0.3mm以上のひび割れが発生している場合は、防水層まで劣化している可能性があるため、すぐに補修が必要です。髪の毛程度の細さのひび割れであれば急いで対応する必要はありませんが、ひび割れの幅が広ければ深くまで割れている可能性が高いといえます。
症状が軽度であれば上記のトップコートだけの塗り直しで済みますが、防水層のシートや塗膜が剥がれたり膨れたりしている場合は、下地の補修も必要になることがあります。
水だまり
ベランダに水が溜まっている場合は、排水口(ドレン)周辺にゴミがたまっていて水はけが悪くなっている可能性があります。まずは清掃をして、それでも水だまりができるようであれば、防水層が破損して床の防水効果が低下しているかもしれません。
雨水を流すための勾配が十分に備わっていない設計上の問題が原因の可能性もあるため、業者に連絡して現状をチェックしてもらいましょう。なお、点検により床の防水効果が低下していた場合は、防水層の再リフォームが必要です。
雨漏り
ベランダから雨漏りが発生している場合は、早急に補修工事が必要です。ベランダの底に見られる雨染みは、ひび割れや剥がれのある箇所から雨水が侵入し、雨漏りに発展しているサインです。
雨漏りを放置しておくと水が建物内部へ浸入してしまい、建物を支えている柱や梁などが腐食して、建物全体に深刻なダメージが及ぶ可能性が高いため、早めの対処が必要になります。
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ベランダ防水工事の種類
ベランダ防水工事はFRP防水、ウレタン防水、シート防水の3種類があります。それぞれの特徴を把握しておくと、自宅のベランダに適したメンテナンス方法がわかるようになります。
ここでは、3種類それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
FRP防水
FRP防水は、FRPという液体状の防水剤にガラス繊維などの補強材を合わせた防水シートを敷き詰めて樹脂で固め、トップコートを塗布して仕上げる工法です。軽量のためベランダへの負担が少なく、耐水性や耐摩耗性に優れていることから、新築時のベランダに多く採用されています。
ただし、紫外線に弱く伸縮性が低いというデメリットがあるため、木材や鉄の下地への施工には向きません。広範囲に施工するとひび割れが起きやすいため、面積の小さいベランダに向いています。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布する工法です。乾いたときに弾力のあるゴム状の防水層ができあがるため、狭い場所や複雑な形状をした部分でも継ぎ目のない均一な仕上がりになります。
どのような下地にも施工できますが、厚みのあるウレタン樹脂を均一に塗装するには技術力が必要です。職人の手腕で品質に差がつくため、実績のある塗装が得意な業者に依頼することが大切です。工程で乾燥期間が必要なため、工期も長い傾向にあります。また紫外線に弱く、早期に劣化するため、定期的にトップコートの塗り替えが必要です。
シート防水
シート防水は、防水シートを敷き詰める工法です。シート防水には複数の種類がありますが、住宅のベランダに使用されることが多いのは「塩ビシート防水」です。
塩化ビニールシートは耐久性・耐摩耗性が高く、最低限の下地処理で施工が可能なため、短い工期で完成します。トップコートが不要の場合が多く、施工面積が広くなるほど安上がりになるため、広めのベランダに向いています。
一方で、経年劣化で硬化・破断しやすくなるデメリットがあり、凹凸があるような複雑な形状のベランダには施工できません。寿命が近づくと割れやすくなるため、早めのメンテナンスが必要です。
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ベランダ防水工事の費用相場と日数を比較
ベランダ防水工事にかかる費用と日数は、工事の種類によって異なります。各工事の費用相場と工事期間の目安は以下の通りです。
工法 | 単価(㎡) | 工期 |
FRP防水 | 4,000~8,000円 | 1~2日 |
ウレタン防水 | 3,000~8,000円 | 3~7日 |
シート防水 | 2,500〜8,000円 | 1~4日 |
いずれの工事も高圧洗浄や養生などの費用が別途必要になるため、工事費用の総額は10~15万円ほどになります。ベランダの広さや劣化状態によっては、さらに高額な費用がかかる場合もあります。
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ベランダ防水工事をDIYで行う手順
ベランダ防水工事は業者に依頼せずに、DIYで行うことも可能です。ここではDIYで防水工事をする手順を紹介します。
1.ベランダの洗浄・養生
まずはベランダ周りを片付け、きれいに洗浄しましょう。床の表面が汚れていると塗装してもうまく定着せず、防水機能が薄れてしまいます。高圧洗浄機やデッキブラシを使用して、細かな汚れもしっかり落としておきましょう。
洗浄が終わったら、壁や窓などが汚れないようにビニール防水材で養生します。養生の作業が雑だと仕上がりに影響するため、細かな部分まで丁寧に対応しましょう。
2.下塗り
下準備が終われば、下塗り塗料を塗っていきます。下塗り塗料には防水材の接着力を高める効果があり、しっかり塗らないと防水層が剥がれる原因になります。
隅々まで丁寧に塗り終えたら、3時間から4時間程度乾燥させましょう。乾燥が不十分だと施工不良が生じやすいため、しっかり時間をかけることが大切です。乾燥時間は材料ごとに異なるため、材料の容器に書いてある乾燥時間を目安にしましょう。
3.中塗り
下塗り塗料が乾燥したら、防水層を塗布していきます。スキージかコテを使用して、厚みのムラをできる限りなくしながら丁寧に塗るのがポイントです。
防水層は十分な厚みがないと防水機能を果たさないため、一般的には二度塗りを行います。乾燥前に二度塗りしてしまうと防水層の剥がれや膨れの原因になるため、12〜16時間程度しっかり乾燥させてから二度塗りをしましょう。
4.上塗り
防水層が乾燥したら、最後にトップコートを塗布します。トップコートがないと紫外線の影響で防水層の傷みが早くなるため、防水工事には欠かせない作業です。トップコートは防水工事の仕上げの工程でもあるため、美観を向上させるために表面に均一に塗っていきましょう。
トップコートが乾燥したら養生を取り、すべての作業が終了です。トップコートが乾いてない状態で歩くと足跡やほこりなどが表面に残ってしまうので注意しましょう。
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ベランダ防水工事を自分で行うときの注意点
ベランダ防水工事を自分で行うときは注意すべき点があります。工事の失敗を避けるためにも、ここで注意点をしっかり確認しておきましょう。
DIYで対応できるのはトップコートの再塗装のみ
自分でできる防水工事は、トップコートの再塗装のみです。また、DIYでトップコートの塗装ができるのは、劣化症状のないベランダのみとなります。
DIYで施工するトップコートは密着性が低いため、プロの業者が施工した場合に比べて長持ちはしません。そのため、ベランダが劣化する前にDIYによるこまめなメンテナンスが必要です。ベランダの日当たりにもよりますが、5年に1度を目安に塗り替えると良いでしょう。
雨漏りがある場合はプロに依頼する
ある程度の補修やメンテナンスならDIYでも対応は可能ですが、すでに雨漏りがある場合はDIYではなくプロの業者に依頼して補修を行いましょう。DIYで施工するトップコートでは、防水層の劣化を防止できません。DIYでトップコートを塗装したとしても、すぐに剥がれるリスクが高いです。
ベランダを洗浄したときに下地にひび割れや剥がれ、雨漏りを見つけたときは、業者に相談しましょう。下地ではなくトップコートにひび割れがある場合も、DIYで再塗装するのは控えた方が無難です。
雨漏りなどの劣化症状がなくても、前回の防水工事から10年以上経過している場合は専門業者に依頼しましょう。前回の工事から時間が経過している場合は、目に見えない箇所で劣化が進んでいる可能性が高いため、プロに点検してもらって適切な工事をすることが大切です。
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ベランダ防水工事はプロへの依頼がおすすめ
ベランダは紫外線や雨の影響で劣化しやすいため、数年おきに防水工事が必要です。まだ築年数が浅くても、ひび割れや雨漏りなどの劣化症状が現れたら工事をするタイミングだといえます。
ベランダ防水工事はFRP防水、ウレタン防水、シート防水の3種類があり、それぞれ費用や工期が異なります。費用を安く抑えたい場合はDIYで対応するのも一つの方法です。しかし、DIYで対応できる範囲には限界があるため、劣化症状がある場合はプロに相談して防水工事をしてもらいましょう。
なお、プロへの相談を行う場合はまずは「外壁塗装の窓口」を活用して、複数業者から相見積もりを取得し、より信頼できる優良業者を見つけましょう。
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