2024-08-08 05:38:06 更新

外壁塗装工程を一覧で紹介!手順や日数、注意点を詳しく解説

外壁塗装工程を一覧で紹介!手順や日数、注意点を詳しく解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
詳細を見る

外壁塗装工事をする際に、どのような工程で行われるのか、工事完了までにどれくらいの日数がかかるのか等、疑問や不安を感じている方もいるでしょう。工事の全工程を把握しておくと、スケジュールを調整しやすくなり、事前準備も進めやすくなります。

この記事では、外壁塗装工程を一覧で紹介するとともに、工事にかかる日数を解説します。工事中に注意すべきポイントも紹介するので、外壁塗装を検討している方は参考にしてみてください。

目次閉じる

外壁塗装工程の流れ・手順

外壁塗装工程にかかる日数・期間

外壁塗装工程で注意すべきポイント

外壁塗装工程を把握して工事をスムーズに進めよう

外壁塗装工程の流れ・手順

外壁塗装工程は、主に以下10のステップで進められます。

  1. 近所へ挨拶まわり
  2. 足場設置
  3. 高圧洗浄
  4. 下地処理
  5. 養生
  6. 下塗り
  7. 中塗り
  8. 上塗り
  9. 完了検査
  10. 足場の解体

現場の立ち会いが必要になる作業もあるので、ここで全体の流れをしっかり把握しておきましょう。

1.近所への挨拶まわり

工事への理解と協力をお願いするため、事前に近所に挨拶まわりを行い、工事内容や工期、車両の通行制限などを説明します。

工事中は車両の通行が増える他、足場の架設や施工中の騒音、塗料の臭いなどで近隣の方には迷惑をかけることが多くなります。工事が原因で近所トラブルが発生しないよう、事前に十分な説明が必要です。

基本的には塗装業者が近隣に挨拶をしてくれますが、業者に任せきりにするのではなく、依頼者自身も一緒に挨拶にまわることをおすすめします。

2.足場設置

外壁塗装は高所での作業になるため、安全性と作業性を高めるために足場が必要です。

工事を始める前に現場確認を行い、作業の障害になりそうなものを動かした後で、足場を設置します。

足場の仮設は半日〜1日で終わりますが、足場材は金属製のため、運搬や組み立ての際にどうしても大きな音が出てしまいます。騒音トラブルにならないよう、事前に足場を設置する時間帯を聞いて、近所に説明をしておくと良いでしょう。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

3.高圧洗浄

足場の設置が終わったら、高圧洗浄機を使って外壁を洗浄します。外壁に汚れが付着していると、塗装した後に塗料の剥がれなどのトラブルが発生して仕上がりに影響するため、事前に洗浄が必要です。

高圧洗浄は雨の日でも作業できますが、加圧した水で丸洗いした後は外壁を乾燥させる時間が必要です。そのため、高圧洗浄だけでも丸一日かかります。

作業をする前に水飛沫の飛散を防止するシートを足場のまわりに取り付けますが、突風があると汚水が近所に飛散する可能性があります。そのため、近隣へ挨拶まわりをする際に高圧洗浄を行う日時を説明し、洗濯物を外に干すことを遠慮してもらいましょう。

関連記事:外壁塗装で高圧洗浄機の清掃後、濡れたままコーキングをしても大丈夫か?

4.下地処理

高圧洗浄が終わったら、外壁のひび割れやサビなどの劣化部分を補修する下地処理が行われます。下地処理は、塗装工事の良し悪しを決める非常に重要な工程です。下地処理を行わないと、上から塗料を塗ってもきれいに仕上がらず、早い段階で劣化症状が現れます。

劣化箇所が多い場合は下地処理に時間がかかるため、スケジュールが後ろ倒しになる可能性もあります。そのため、見積もりの段階で丁寧に建物の調査をしてもらい、どのような補修が必要なのか、予算や日数がどれくらいかかるのかを事前に聞いておきましょう。

5.養生

窓やドアなどの塗装をしない部分に塗料が付着しないように、ビニールやテープなどで覆います。玄関や植栽、窓やエアコンの室外機など、塗料が付着しそうな箇所はすべて養生シートで覆われることになります。

養生は塗料の付着を防ぐだけでなく、塗り分け部分の境目を綺麗に見せる役割も担っています。養生は仕上がりに大きく影響するため、丁寧な作業が必要です。この工程だけでも1日かかると見積もっておいた方が良いでしょう。

6.下塗り

養生が終わったら、いよいよ塗装の工程に入ります。塗装は下塗りから始まり、中塗り、上塗りの順番で進めていきます。

下塗りでは外壁と塗料の密着をよくする液材を塗布しますが、どの液剤を使用するかは外壁材との相性によって変わります。下塗りに使用する液剤には、主に3種類あります。

下塗りの液剤 使用に適した外壁 特徴
シーラー 窯業系サイディング 下地と塗料を密着させ、塗装面の塗料の吸い込みを防止する
フィラー モルタル 粘度が高く、下地の凸凹やヒビを埋めて平滑に仕上げる
プライマー 金属 サビ止めの役割をするだけでなく、すでに発生しているサビを黒錆に変えて保護層を作る効果もある

下塗り塗料の選定を間違えると、仕上がりに影響するだけでなく、塗装がすぐ剥がれる場合もあるため注意が必要です。

関連記事:外壁塗装で下塗りは不可欠!下塗りの重要性と役割、作業手順を解説

7.中塗り

下塗りが終わって乾燥させてから、外壁に色をつける中塗りの作業を行います。中塗りと次の工程の上塗りでは同じ塗料を使用します。

中塗りは、塗装の厚みを確保するための作業です。塗料はそれぞれ膜厚が定められていますが、一度に多くの塗料を塗ってしまうと、表面だけ乾いて中身が固まらないといった初期不良を引き起こす可能性があります。そのため、中塗りと上塗りの2回に分けて同じ塗料を塗り、厚みを確保する必要があるのです。

8.上塗り

外壁塗装の仕上げとして上塗りを行います。塗料は中塗りと同じものを使用しますが、中塗りの塗料はすでに乾いているため、同じ色で塗っても上塗りとの区別はつきます。そのため、塗り残しの心配はなく、きれいに仕上げることが可能です。

塗り終わった後は乾燥時間が必要になるため、一日がかりの作業となります。上塗りが完全に乾く前に、養生はすべて剥がしておきます。乾燥してから養生を剥がそうとすると、テープと一緒に塗膜が剥がれてしまうため、必ず上塗りの直後に剥がしましょう。

9.完了検査

すべての作業が終わった後で完了検査を行います。いわば最終チェックのようなもので、塗り残しがないか、塗装がはみ出していないか等、細かく確認していきます。

完了検査には立ち会いを求められるので、当日は予定を空けておきましょう。業者と一緒にチェックしながら、気になることがあればその場で伝えます。検査によって必要な補修があれば、すぐに対応してもらえます。

完了検査に立ち会わず、工事終了後に気になる箇所を伝えても、そのときにはすでに足場を解体しているため、業者の対応が困難です。そのため、完了検査には必ず立ち会うようにしましょう。

10.足場の解体

完了検査が終われば、足場を解体していきます。解体作業では、仕上がった外壁に傷がつかないように、丁寧に外していく必要があります。足場を設置するときと同様に、車両の出入りや騒音などが発生するため、近隣の方には事前に説明しておきましょう。

足場を解体して周辺の清掃が終われば、すべての工程が完了となります。業者から完工報告書と保証書を渡されるので、紛失しないように大切に保管しておきましょう。

外壁塗装工程にかかる日数・期間

外壁塗装工程にかかる日数は10日前後です。各工程にかかる日数・期間の目安は、以下のとおりです。

近所挨拶 1〜2時間
足場設置 半日〜1日
高圧洗浄 1日
下地処理 1日
養生 1日
下塗り 1日
中塗り 1日
上塗り 1日
完了検査 1時間程(補修作業が必要な場合は延びる可能性あり)
足場の解体 半日〜1日

天候不良などで工事が中断した場合は工期が延びてしまうため、余裕を持って日数を多めに見ておくと良いでしょう。

なお、塗装の工程には乾燥時間が欠かせないため、工期を大幅に短縮することはできません。きれいな仕上がりを実現するには、基本的に各部位1日1工程で進めていく必要があります。1日に2〜3工程をやる業者は信用できないので注意しましょう。

関連記事:外壁塗装の工期は最低でも2週間?工程中のチェックポイントも解説

外壁塗装工程で注意すべきポイント

外壁塗装が完了するまでの間、普段の生活に多少の不便が生じます。ここでは、工事を始める前に確認しておくべき注意点を紹介します。

洗濯物を外に干せない

工事が終わるまでの間、洗濯物を外に干すことはできません。ベランダはもちろん、庭に干すのもNGです。

洗濯物があると工事の邪魔になるだけでなく、工事中に塗料や汚れが付着する可能性があります。そのため、工事が完了するまでの間は、部屋干しやコインランドリーを利用するといった対策が必要です。

ただし、塗料が飛散する恐れがない作業中は洗濯物を外に干せる場合があるので、事前に業者に確認しておくと良いでしょう。

窓を開けられない日がある

塗装工事では窓を養生するため、窓を開けた換気ができません。窓が開けられるように養生してもらうことも可能ですが、足場の設置や高圧洗浄、塗装の工程では窓を開けられなくなります。工事中の3分の1の期間は窓を開けられないと考えておいた方が良いでしょう。

窓を開けられたとしても、塗料の独特な臭いが室内に入り込んでしまい、不快に感じる場合があります。窓が開けられない期間中に快適に過ごすためにも、換気扇を活用しましょう。キッチンに付いている換気扇を活用することで、室内の空気の滞留を感じにくくなります。換気扇の通風孔はフタをしないので、工事中でも換気扇は問題なく使用できます。

工程表を都度確認する

工事が始まったら工程表をもらい、工事の詳細なスケジュールを確認しておきましょう。工程表を見れば、一つひとつの工程にどれくらいの時間がかかり、どの日に行われるのかがわかります。工程によっては近所への配慮が必要になったり、窓を開けられなくなったりするため、都度確認が必要です。

ただし、天候不良などによって工程にズレが生じることもあります。スケジュールが大幅にずれる場合は工程表を修正する業者が多いため、修正版の工程表ももらえるようにしておきましょう。

外壁塗装工程を把握して工事をスムーズに進めよう

外壁塗装工程には全部で10のステップがあり、すべての工程が終わるのに約10日かかります。工程によっては窓を開けられなかったり騒音が生じたりするため、事前に業者から工程表をもらい、いつどんな作業をするのかを事前に確認しておきましょう。

天候や作業の進み具合によっては工事が長引く可能性もあるので、あらかじめスケジュールに余裕を持っておくと安心です。工事前に近所への挨拶もしっかり行い、業者との連絡を密に取りながら、外壁塗装をスムーズに進めていきましょう。

外壁塗装の窓口で相場チェックしてみませんか?
ページトップ