外壁塗装工事は作業工程が非常に多いために、工期は、7~10日が目安と言われています。屋根の塗装も併せて行うならば、3〜4日余分にかかるので、10~14日は見ておくべきです。
工期を短縮したいからといって工程を省略してしまうと、塗装の「持ち」が悪くなり、耐用年数が短くなってしまうため、ある程度時間がかかるのは仕方ないとも言えます。
今回は、外壁塗装を行うときは、どんな塗装工程があり、工事を発注する側はどんな視点を持って工事を確認すればよいかをご紹介します。加えて、どんなことに気を配ればいいかもお知らせします。
1 . 外壁塗装の工程
「外壁の塗装工程はペンキを塗るだけだ」と思っている人がいますが、実は違います。外壁を工事する場合は、工程数が非常に多く、足場の設置→高圧洗浄→下地処理→コーキング→下塗り→中塗り→上塗り→確認作業→足場解体の順序で作業をします。それぞれの工程、工期を表にまとめました。
1-1 各工程の内容
スケジュール(工事期間)は、依頼主の行動を制約してしまうため、非常に重要なものです。手抜き工事をしていないか確認をする際や、近所に迷惑がかからないように手配する際に、スケジュールの把握は必要になるからです。通常は、契約書にスケジュール(工事期間)が書かれていることが多いのですが、そうでない場合は、工事業者に頼んで、別途提出してもらうようにしましょう。
1-1-1 近隣へのあいさつ
外壁塗装工事を行う際はご近所への挨拶を忘れず行うようにしましょう。
足場の組み立て時、金属がぶつかる音は思った以上に響きますし、塗装を吹き付ける音がしたり、塗料が飛散したりすることは、程度の差はあっても近隣に迷惑をかける行為だからです。
今後も近隣の方との良好な関係を続けていくためにも、挨拶は必ず行いましょう。
たとえば、「〇月〇日〇時頃から、足場を組み立てるので、大きな音がします。大変ご迷惑おかけいたします」というように、作業を行う前に、作業日時と作業内容を伝えておくのがポイントです。「塗料が飛ぶ恐れがあるので、洗濯物を外に干さないようにしてください」など、塗装作業によって予想される被害を伝えておくのもよいでしょう。
ご近所の人に、工事の情報を伝えるだけでなく、ご近所の情報を業者にも伝えておくと、さらに工事がスムーズに進みます。「右隣の○○さんは、細かい人だから丁寧に挨拶を」「裏の人は小さいお子さんがいる」など、家族構成や、その人の気質などを伝えておくことで、依頼主が介入しなくても、トラブルなく、工事が進む可能性が高くなります。
1-1-2 足場の設置
塗装を行う際は、足場を組むことが必須になります。足場を組む一番の目的は、作業員が事故に遭うのを未然に防ぎ、安全性を確保することです。外壁塗装は高所作業が伴いますので、万が一、転落してしまうと、最悪のケースでは死亡してしまう可能性がある、非常に危険な作業です。
足場からの転落事故は、意外にも多発しているため、足場の設置について法令が以前より厳しくなっているのが現状です。職人さんの命を守るために、足場の設置は非常に重要なものとなっています。
また、足場の設置は、塗装の仕上がりにも影響を及ぼします。安定した足場がないと、正確で丁寧な作業が難しくなり、塗り残しが生じる可能性が高くなります。
一般的に、建物から足場の柱までの距離が60cm以上あれば、足場の設置は可能だと言われていますが、大都市だと、30cm以下の住宅は少なくありません。その際は、「空中越境」といって、お隣の家の空中に足場をはみ出させる方法を取る、または、隣の土地に足場を設置させてもらうことがあります。建物の内側から塗装していく方法もありますが、作業効率が極端に落ちてしまうので、工期を長めに取っておく必要があります。
1-1-3 高圧洗浄
以前は、「高圧洗浄は必要ない」と言われていましたが、高圧洗浄機による洗浄は、近年、高性能になってきたため、外壁の塗装工程には必ず必要になりました。外壁塗装用の高圧洗浄機は、大きなバケツやタンクに水を溜め、機械で水を吸い上げて内部で圧縮し、発射する仕組みになっていて、機械の種類によっては、人の身体を貫通させるほどのパワーがあります。
外壁の塗装工程に高圧洗浄があるのは、高圧洗浄作業を行えば、手作業に比べ、外壁の表面にある古い塗膜をきれいに取り除くことが可能で、塗装の耐久性を持続させることができるからです。
外壁に塗った塗膜は、紫外線や雨風、排気ガスなどに日々さらされていて、年月が経つと劣化していきます。劣化した塗膜は粉状に剥がれていき、外壁の表面を手で触ると塗装と同じ色の粉が手につくようになる「チョーキング現象」が発生します。
この現象が起こっている外壁に、そのまま塗料を塗っても、塗膜には粘着力がなくなっているので、一緒に新しく塗った塗料まで剥がれてしまいます。そのために、高圧洗浄機でキレイに塗膜を剥がすのです。
古い塗膜以外にも、カビや藻、コケ、汚れなども、塗装の耐久性に影響するために、高圧洗浄機で洗い流します。外壁表面の様々な汚れをまとめて落とすことも高圧洗浄の目的です。
落とす汚れの種類によっては、水道水ではなく、薬品を利用するケースもあります。カビや苔の除去には、薬品を利用するケースが多いようです。
1-1-4 下地処理
塗装する下地面の汚れや凹凸をなくすため、表面を滑らかにし、劣化部分に処理を施して平滑に整えるのが下地処理の目的です。どんなにグレードが高く、耐用年数が長い塗料を使ったとしても、下地処理がしっかりできていないと、塗料がすぐに剥がれる、劣化が早期に起こるなどのトラブルが発生します。塗装工事の質の良さは下地処理の質に大きく左右されるのです。
劣化部分の処理は、コーキングを使うことが多いです。コーキング剤で隙間を埋めて、サンドペーパーで磨いて、表面を滑らかにします。下地処理をしないと下記のことが起こる可能性が高いので、丁寧に作業しましょう。
1-1-5 シーリング
シーリングの工程は次のようになります。
<剥がし方> 既存シーリング撤去する 養生する プライマーを塗布する 新しいシーリング打ち込む 平らにならす 養生を撤去する
シーリングの成分の中には、ゴムを柔らかくする材料が入っています。その材料が上塗り剤に染み込んできて黒ずんでくることがあります。このことを「ブリード現象」と言います。
「ブリード現象」を防ぐためには、シーリングの上にこの現象を防止するための溶剤を塗ります。
また、シーリングを打ち込む際に、空気が入りやすいタイプのものがあり、1年くらいするとコーキングが割れてしまうことがあります。主剤と硬化剤を混ぜて使うタイプの「2型」と呼ばれるものが、空気が入りやすいようなので、注意しながら塗ることが大切です。
1-1-6 下塗り
外壁材と塗料との接着力を高め、外壁材への塗料染み込みを防ぐことが、下塗りをする目的です。外壁は、サイディングボード、コンクリート、モルタルなど種類があり、選んだ塗料と相性があまり良くないために、中塗り・上塗りが定着しない場合があり、表面をキレイに塗装しても、塗料が外壁材に染み込むため、時間が経過すると塗りムラが発生してしまうこともあります。
下塗りをすることで、外壁材と塗料との接着力を強くして耐久性を上げ、塗料の成分により外壁材を逆に傷める可能性を低くするのです。このように、下塗りは、外壁塗装の基本となる、重要な塗装工程なのです。
下塗りに使う面な塗料は、「シーラー」「プライマー」「フィラー」の3種類です。
a)シーラー
水性タイプと油性タイプがあり、油性のものは、PC板、ALC板、GRC板、押し出し成形板、窯業系サイディングボード、風化してしまったコンクリートやモルタルなど、いろいろな種類の外壁材に使えますが、水性タイプのものはコンクリート、モルタル、石膏ボードにしか使えない製品が多いです。油性タイプの「浸透性シーラー」は、水性タイプのシーラーと比べて接着力が強いのが特徴です。外壁材の下塗りに使用されます。
シーラーは、シミややひび割れがない外壁に適しています。シーラーを塗るとシミやひび割れが平らになり、中塗り・上塗り塗装がキレイに仕上がります。
b)プライマー鉄やステンレス、アルミなど金属系サイディングボードやパネルでできた外壁の場合に適しているのが「プライマー」です。「浸透性プライマー」「防錆プライマー」「導電性プライマー」の3つに分類することができます。
■ 浸透性プライマー主にコンクリートやモルタルなどの無機質系素材の表面強化のために使われる下塗り剤です。上塗り剤が外壁に染み込むのを防ぎます。外壁を強化する機能も持っていて、経年劣化したコンクリートやモルタルなどの耐久性を維持する目的で使われることがあります。
■ 防錆プライマー外壁のサビ落としは「ケレン作業」という、円盤型のサンドペーパーを機械で回転させるなどして行いますが、やり過ぎると、外壁材の表面を大きく削ってしまい、耐久性が落ちてしまいます。それを回避するために有効なのが、「防錆タイプのプライマー」です。サビ止め塗料としてだけでなく、既に発生しているサビを黒錆に変えて保護層を作る効果があります。
■ 導電性プライマー電気が伝わりやすい性質を持つ「導電性プライマー」は、薬品や精密機械を扱う工場などの塗装で使われることが多いです。静電気がたまりやすい環境だと、火災や機械の故障を引き起こす可能性がたかくなりますが、導電性プライマーを下塗りし、導電性を確保しておけば、静電気が溜まりにくく、安全な環境を作ることができます。
c)フィラーフィラーの特筆すべき特徴は、ほかの下塗り材よりも粘度が高く、厚みをもった下地に仕上げられ、パテのような効果があることでしょう。モルタル壁や、劣化が進んだスレート屋根のデコボコをなるべく無くして平らにならすことで、スムーズに中・上塗りができるようにするための、素材です。「プライマー」「シーラー」ともに、油性・水性製品が販売されていますが、「フィラー」だけは水性製品のみ販売されています。
下地を厚くできるという「フィラー」の特徴は、サイディングには不向きで、施工不良の元になるため、注意が必要です。その理由は、真夏の直射日光などで温度が上がると、厚く盛られた下地の中に熱がこもって、塗膜自体が膨れ、剥がれ落ちてしまうケースが多いからです。
1-1-7 中塗り
「中塗り」の役割は、「上塗り剤」の補強効果や定着効果を高めることです。傷やひび割れなどで凹凸ができた表面を滑らかにし、「上塗り」に使う塗料の補強効果や定着効果を高めます。一般的に、中塗りと上塗りは同じ塗料・塗色(仕上げ剤)を用いますが、塗り残しをチェックする、塗った回数を分かるようにするなどの目的で、あえて異なる色で塗る場合もあります。
1-1-8 上塗り
上塗りの目的は、中塗りで生じた色ムラや気泡を隠す、雨や風、汚れから外壁を守ることです。また、外観の印象を決定づけるのは上塗りの発色や塗り方です。このように上塗りは外壁塗装の中でも重要な塗装工程です。
上塗り材の種類として代表的なのは「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」です。
a)ウレタン塗料ウレタン塗料はリーズナブルな塗料ですが、ほかの塗料に比べて耐久性が低いため、長期的な視点でみると、コストが割高になってしまいます。
b)シリコン塗料現在、日本の戸建て物件で多く使われているのが、シリコン塗料です。その理由は、施工費用と耐久性のバランスが取れているからです。
c)フッ素塗料フッ素塗料は高い耐久性、光沢感と防汚性があり、メンテナンスの手間を減らせる塗料ですが、イニシャルコストが高額になるのがデメリットです。
「ウレタン」が5~10年、「シリコン」が7~15年、「フッ素」が12~20年くらいと言われていますが、塗り方や、塗る回数、下地の仕上げ方によってもかなり「持ち」が異なります。
1-1-9 確認作業
上塗りが終わったら、塗り残しや塗りムラを点検するなどの、確認作業を行います。塗りムラの点検は近くだけでなく、遠くからも見るようにしましょう。必要に応じて手直しをしてもらうことになるので、最低でも1日の期間をみておくとよいでしょう。
場合によっては、見積書に入っていない箇所まで、塗装されてしまっている場合があります。当然、依頼していない部分なので、払う必要がありません。見積書および契約書と現況をしっかりと照らし合わせ、内容をしっかり確認しましょう。
1-1-10 足場解体
足場の解体は職人が行う作業なので、関係ないと思う人もいるでしょうが、とくに、高所に組み立てられた足場の解体は、危険が伴うため、万が一のことがないように、依頼する人も、どんなことに気を付けたらよいのか共通認識を持ち、通行の際に気を付けるなどして、作業が安全に終了するよう、協力した方がいいでしょう。
■ 足場の組み立てや解体は「足場の組立て等作業従事者」という資格を有する職人がいないと作業ができない 足場を解体する際は、鉄パイプが落下して怪我人が出ないように、足場の周りに人が誰もいないか、何もが置いてないかを業者・依頼者ともに確認を行うことを覚えておきましょう。
万が一、けが人が出てしまった時のための保険として「請負業者賠償責任保険」があります。これは、工事等の請負業務に起因する対人・対物事故による賠償責任を保証するもので、塗装業者が加入するものです。業者を選定する際に、このような損害保険に加入しているかどうかを判断基準にするのもよいでしょう。
2 . 工期が伸びるケース
外壁塗装のスケジュールは、足場の設置→高圧洗浄→下地処理→コーキング→下塗り→中塗り→上塗り→確認作業→足場解体の順序で進み、10日くらいで作業が完了するのが普通です。しかし、場合によって、工期が延びるケースもあります。工期が延びるのは、天候に原因がある場合と、外壁の状態に原因がある場合があります。
工期が延びると追加料金がかかるかもしれないと心配する人がいますが、塗装工事の契約時に取り交わしている「工事請負契約書」に記載されている契約した金額と内容で工事を完了させることになっているので、たとえ工期が伸びても、追加でお金はかかりません。
2-1 雨が続いたとき
3月から5月、9月から11月は、空気が乾燥しており、塗料の乾燥が早いため、スケジュール通りに作業が進められることが多いのですが、台風が来たり、長雨が続いたりする晩夏から初秋の塗装作業は、工期が延びやすくなります。また、12~2月は地方によっては、積雪、霜によって工期が延びる可能性が高いというリスクがあります。
2-2 汚れがひどいとき
外壁塗装工事は、下地の状態を「いかにキレイにするか」が重要ポイントになります。外壁にコケや藻、ホコリ、汚れなどが付いている場合は、高圧洗浄機による洗浄を行います。高圧洗浄機は、近年、どんどん性能が良くなっているので、短時間でキレイにそれらを落とすことができますが、汚れがあまりひどい場合は、時間がかかります。
苔やカビを根こそぎ取り去る場合は、「バイオ洗浄」を行います。これは、バイオ洗浄剤という薬品を使い洗浄を行う作業です。バイオ洗浄は、バイオ洗浄剤が、よく馴染むよう、あらかじめ高圧洗浄で家全体を濡らし、その後で、ローラーやスプレーでバイオ洗浄剤を塗布します。
しばらく放置して、カビや苔を浮かし、高圧洗浄で全体を水洗いします。このように、工程数が多くなるので時間がかかってしまいます。
3 . 工事中の生活について
3-1 留守にしても大丈夫?
「外壁塗装中は、ずっと家に居る必要があるのだろうか」という疑問を持っている人はいませんか。基本的には、工事中に家を空けても問題ありません。
外壁塗装工事は屋外の工事なので、留守にしていても、工事は滞りなく進みます。ただし、つぎの場合は、立ち会いが必要になります。
3-1-1 足場を設置するとき
足場を設置する前に、塗装業者と足場業者の担当者が現場の確認をするので、立ち会うようにします。このとき、動かされては困る物や扱いに注意が必要なものがある場合は、伝えておき、対応してもらうようにしましょう。
このタイミングで伝えないと、足場が設置されてしまうので動かせなくなるなどのトラブルにつながります。動かしたものを元に戻せるよう、写真をとってもらいましょう。
3-1-2 完了検査のとき
完了検査は、仕上がりをチェックするためのものなので、必ず立ち会うようにしましょう。塗り残しがある、塗料が別のところについているなど、気になるところがある場合は、完了検査時に必ず伝えましょう。この段階では、まだ足場が組んであるので作業ができますが、解体した後になって、気になる箇所を指摘した場合は、足場がないために、対応までに時間がかかったり、対応自体が難しくなったりしてしまいます。
3-2 窓は開けられる?
「外壁塗装の工事中は窓を開けられない」と思っている人は少なくありません。しかし、窓が開けられないのはすべての期間ではなく、ある一定の期間だけ開けられないのです。窓を開けることができない時期は
■ 窓が養生されているとき 高圧洗浄をする日です。ほかの時期は、場合によっては窓を開けることができるので、業者の人に相談してみましょう。
窓を開けられないときには
■ 換気扇を活用する ■ 玄関ドアを開放するなどすると、快適になります。
3-3 エアコンは使える?
外壁塗装中は、エアコンが使えなくなる可能性がります。それは、室外機が汚れないように養生シートで覆われるからです。外壁塗装をする際は、塗料や高圧洗浄の水が飛び散ったときに、外壁以外の付属物が壊れたり、汚れたりしないように、マスキングテープやビニールシートで覆って保護をします。
そのために、エアコンの室外機も養生され、使えなくなります。しかし、工期中ずっと使えないわけではないので、いつ、使えなくなるかを業者に確認しておき、使えない日は外出するなどしましょう。
3-4 洗濯物は干せる?
バルコニーを養生しているときはもちろんですが、ほかの作業工程でも、洗濯物が汚れたり濡れたりする可能性が高いときがあります。高圧洗浄の際に使われる水の水圧は、人に怪我をさせてしまうほどパワーがあるため、高圧洗浄機の水しぶきは、広い範囲に飛び散り、周囲の物を濡らしてしまいます。
また、ケレン作業中の鉄粉も非常に粒子が細かく、一見浮遊していないように見えても、飛散し、屋外に干した洗濯物に付着してしまいます。吹付け塗装の場合も塗料が飛散しますので、洗濯物を干してはいけません。
3-5 騒音は発生する?
塗装工事中、程度の大きさに差はありますが、騒音は発生します。その主な原因は以下のようなものです。
■ 足場設置・解体の金属音 ■ 高圧洗浄の音 ■ サビ落としのための削り音騒音は自分だけでなく、近隣の人の迷惑にもなり、ご近所トラブルのもとになります。放っておくと、塗装工事が終わってからも人間関係に溝が入ったままになるので、工事を始める前に、挨拶に行って、いつ頃、どんなことが想定されるかを伝えましょう。必要に応じて、これらのことを紙に書いて周知するようにしましょう。
4 . 工事期間中のチェックポイント
塗装作業は基本的に同じ場所を、2〜3回は塗ることが多いので、工事の様子を見にいくときも、おおまかな工事の流れを把握したうえでチェックをするようにしましょう。
4-1 作業の様子をチェックしに行く
同じ時期に同じ業者に外壁塗装を頼み、片方の家の外壁塗装は毎日見に行ったが、もう片方の家の塗装は見に行かなかったら、見に行かなかった方の家の塗装には施工不良が見られた、という話があります。業者に「ちゃんと見ている」という意思を伝えることで、塗装業者へ不正や手抜きを防ぎ、塗装の失敗を未然に防止できます。
塗装業者に嫌な目で見られたくないし、面倒と思うかも知れませんが、チェックするだけで塗装の耐久性が上がるとしたら、様子を見に行くべきです。
4-2 写真で施工の記録を残す
外壁塗装だけでなく、住宅工事の現場はバタバタしています。記憶だけを頼りにすると、詳細な部分が分からなかったりするために、写真撮影しておくことは非常に大切な作業です。撮影のポイントは「5W1H」を明確にすることです。
When(いつ):撮影日 Where(どこで):工事場所、部位 Who(誰が):請負業者、立会者 What(何を):工事名、工事種目、分類 Why(何のために):工事の目的、規格、表示マーク、寸法 How(どのように):施工状況、施工方法をハッキリさせておきましょう。
5 . 塗装工事の準備段階から業者に協力してもらいましょう
外壁塗装工事は、近所への挨拶に始まり足場の設置、塗装前の洗浄、下地処理、塗装前の養生、下塗り、中塗り、上塗り、点検と手直し、片付けと足場の解体・撤去と、多くの作業工程があり、天候や湿度がどんなに好条件だとしても、最低でも7~10日かかります。
塗装工事の準備段階から、金属音や洗浄の音など、騒音も少なからずありますし、エアコンが使えない日、窓が開けられない日もあり、依頼者や近隣に住んでいる人は、不快に思うことが少なくないでしょう。
工期中、快適に過ごすためには、どんな作業をいつ行うかを把握し、先立ってできることはしておくというのがポイントになります。最短期間で、ストレスをなるべく感じないように外壁を塗ってもらうには、業者との協力も必要です。