2024-07-05 07:17:04 更新

アレスダイナミックTOPの特徴とは?費用相場と外壁塗装に使うメリット・デメリット

アレスダイナミックTOPの特徴とは?費用相場と外壁塗装に使うメリット・デメリット
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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「アレスダイナミックTOP」は、大手塗料メーカー・関西ペイント株式会社が手掛けるラジカル制御型塗料で、外壁を紫外線による劣化から守る優れた耐久性を持った塗料です。高耐候性・超低汚染を備えた扱いやすい塗料であり、施工中の臭いが発生しにくい水性塗料でもあるため、近隣への影響が気になる方にも適しています。

また、アレスダイナミックTOPは別途「強化剤」を使用することで、高い付着力を実現し、雨の日でも施工できるのも大きな特徴です。一方でアレスダイナミックTOPに使われているラジカル制御機能は、発売されてから日が浅いこともあり、十分な実績がないことに注意が必要です。

本記事では、アレスダイナミックTOPの特徴は外壁塗装に使用するメリット・デメリットについて詳しく解説します。

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関西ペイント「アレスダイナミックTOP」とは?

アレスダイナミックTOPで外壁塗装するメリット

アレスダイナミックTOPで外壁塗装するデメリット

アレスダイナミックTOPを選ぶ時の注意点

まとめ

関西ペイント「アレスダイナミックTOP」とは?

アレスダイナミックTOPは、国内の大手塗料メーカーである関西ペイント株式会社が2016年に発売した「ラジカル制御型塗料」です。シリコン樹脂をベースとしており、耐用年数の目安は約15年、他社が発売するラジカル制御型塗料の中でも長い寿命を持つ塗料です。

シンナーの臭いが発生しない水性塗料となっており、強化剤を加えることで雨天でも施工可能なほどの強力な付着力を実現しています。また、ラジカル制御型塗料の中では選択できる光沢が幅広く、「艶あり・7分艶・5分艶・3分艶」から選べる点も特徴となっています。

ラジカル制御型塗料の仕組み

アレスダイナミックTOPが分類されるラジカル制御型塗料とは、外壁塗装を劣化させる原因物質である「ラジカル」の発生を抑制する機能を持った塗料を指します。ラジカルは、白色系の塗料に多く使われる「酸化チタン」という成分が紫外線を受けることで発生する物質です。このラジカルは塗料に含まれる顔料を劣化させてしまい、塗膜の寿命を縮めたり、顔料が欠落してしまうチョーキング現象が起こったりするのです。

なお、ラジカル制御型塗料は「ラジカル塗料」とも略されますが、アクリル樹脂を原料とするアクリル塗料、ウレタン樹脂を原料とするウレタン塗料などとは異なり、ラジカルという樹脂を使った塗料ではない点に注意してください。ラジカル制御型塗料は、シリコン樹脂などをベースにラジカルの発生を抑制する成分を加えた塗料であると理解しておきましょう。

関連記事:ラジカル制御塗料の特徴・耐用年数・費用相場!シリコン塗料との違いも解説

アレスダイナミックTOPの種類

アレスダイナミックTOPをはじめとする関西ペイントの「ダイナミックシリーズ」には、用途や機能性に応じて次のような種類が発売されています。

  • アレスダイナミックTOP
  • アレスダイナミックTOP遮熱
  • アレスダイナミックTOPクリーン
  • アレスダイナミックMUKI
  • アレスダイナミックTOPマイルド2液
  • アレスダイナミックMUKIマイルド
  • アレスダイナミックTOPマイルド
  • アレスダイナミックノキエ
  • アレスダイナミックルーフ
  • アレスダイナミックルーフ遮熱
  • アレスダイナミックルーフMUKI
  • アレスダイナミックルーフアクア

参考:アレスダイナミックシリーズ| 建築用塗料 | 関西ペイント

遮熱対策が可能なタイプや、無機原料を取り入れた高級タイプ、鉄部や軒裏にも使用できるタイプなど、塗料に求める性能ごとに豊富なラインナップから選ぶことができます。アレスダイナミックTOPの扱いに長けた業者に相談しながら、自宅に最適な塗料を選択して使用すると良いでしょう。

アレスダイナミックTOPの費用相場

アレスダイナミックTOPは、平米単価2,000円〜3,000円程度が相場のラジカル制御型塗料の中でも、やや高価な部類に入ります。実勢価格は平米単価2,600円ほどで、大手メーカーが発売するラジカル制御型塗料「プレミアムシリコン」「パーフェクトトップ」などと比べると、やや割高です。

しかしシリコン樹脂をベースとした高い耐久性を有し、雨天でも施工可能な高い付着力を持った塗料なので、追加料金を払ってでもアレスダイナミックTOPを使用したいという方は少なくありません。多少割高になったとしても、外壁塗装を長持ちさせてメンテナンスコストを抑えたい方に向いています。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

アレスダイナミックTOPで外壁塗装するメリット

次に、アレスダイナミックTOPを使って外壁塗装を行うメリットについて、次の3つをご紹介します。

  • 耐用年数が長く塗り替えコストを減らせる
  • 雨の日でも塗装できる
  • 水性塗料で臭いが少なく安全性が高い

それぞれ順番に解説していきます。

耐用年数が長く塗り替えコストを減らせる

アレスダイナミックTOPは、耐用年数は約15年と、外壁塗料で使う塗料の中では長い寿命を持ちます。30年単位で考えると、従来の耐用年数10年のシリコン塗料であれば3回の塗装が必要になる一方で、アレスダイナミックTOPであれば2回の塗装で済むことになります。塗料の単価がやや高いので初期費用は高額になりますが、再塗装の回数を減らせるため長期的に見ればトータルコストを大幅に節約できるでしょう。

関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説

雨の日でも塗装できる

アレスダイナミックTOPは、別途「強化剤」を加えることにより、これまでは塗装ができなかった湿った外壁にも施工可能になります。湿度の高い季節にも外壁塗装を依頼できるため、外壁塗装の閑散期に依頼して塗装費用を抑えたり、雨天による工期の延長を防いでスケジュール通りに工事を行えたりするメリットがあります。なお、アレスダイナミックTOPの強化剤は、ツヤなしタイプの塗料を選んでしまうとムラが生じる原因となるため、雨天の塗装はできない点に注意しましょう。

水性塗料で臭いが少なく安全性が高い

アレスダイナミックTOPは、塗料を希釈する時にシンナーを使わない水性塗料なので、施工時にペンキの臭いが少なく近隣への影響も最小限に抑えることができます。低刺激で引火する危険性も低いので、シンナーの臭いが気になる方はもちろん、安全性に優れた塗料を選びたい方にも適しています。

アレスダイナミックTOPで外壁塗装するデメリット

一方でアレスダイナミックTOPを使用するデメリットには、次の3つが挙げられます。

  • 発売から日が浅く実績が少ない
  • 最安値の塗料ではない
  • 濃彩色では材料費が割高になる

これらの点も踏まえた上で、使用する塗料を選択するようにしましょう。

発売から日が浅く実績が少ない

アレスダイナミックTOPは2016年に発売された比較的新しい塗料であり、耐用年数の約15年を迎えた施工事例が存在しないことから、実績面では従来のシリコン塗料やフッ素塗料などに劣ります。メーカー側でも十分な試験を行い、耐用年数を見込んでいますが、何らかの原因で15年以内に外壁塗装の劣化症状が現れる可能性もゼロではありません。豊富な実績に裏打ちされた塗料を選びたい場合には、ラジカル制御型ではない従来のシリコン塗料・フッ素塗料などを選ぶことをおすすめします。

最安値の塗料ではない

アレスダイナミックTOPはラジカル制御型塗料に分類され、外壁塗装で使う塗料のグレードではややハイグレードな種類です。現在主流のアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料の中では最安値のグレードではないため、とにかく塗装費用を安く抑えたい方には不向きです。ただし最安値のアクリル塗料では、耐用年数は5年〜8年と大幅に短くなる点にご注意ください。

濃彩色では材料費が割高になる

アレスダイナミックTOPなどのラジカル制御型塗料は、白色系顔料に含まれる酸化チタンから発生するラジカルを抑制するため、基本的に白色系のカラーバリエーションが豊富です。アレスダイナミックTOPの場合、原色に近い濃彩色のカラーも用意されていますが、一部のカラーでは材料費が高額になる点に注意しましょう。外壁塗装で人気のベージュ系・グレー系・アイボリー系のカラーであれば、特にデメリットはありません。

アレスダイナミックTOPを選ぶ時の注意点

最後に、アレスダイナミックTOPを選んで外壁塗装を行う際の注意点を3つご紹介します。

  • ツヤなしの塗料では雨天の施工ができない
  • 他社のラジカル塗料とも比較する
  • 相見積もりを取りながら業者を選ぶ

これらの注意点も考慮しながら、外壁塗装を進めるようにしましょう。

ツヤなしの塗料では雨天の施工ができない

アレスダイナミックTOPは、雨天での施工が可能かつ、ラジカル制御型塗料の中では光沢の種類を選べる点が大きな特徴ですが、ツヤなしタイプを選ぶと強化剤を配合できず雨天の施行はできないことに注意しましょう。晴天であれば、ツヤなし塗料でも問題なく施工可能です。

他社のラジカル塗料とも比較する

アレスダイナミックTOPをはじめとするラジカル制御型塗料は、安価かつ耐用年数が長いコストパフォーマンスに優れた塗料として、近年注目が集まっている種類です。大手メーカーの中でも、日本ペイントの「パーフェクトトップ」、エスケー化研の「プレミアムシリコン」など、さまざまな選択肢が存在しますので、他社のラジカル制御型塗料の特徴や性能もチェックしながら、外壁塗装に求める条件に合わせて自宅に適したものを選ぶことをおすすめします。

相見積もりを取りながら業者を選ぶ

外壁塗装で失敗しないためには、訪問営業の業者1社の見積もりだけで即決することなく、2社〜3社以上の業者から相見積もりを取りながらどこに依頼するかを選ぶのが大切です。相見積もりは、使用する塗料や塗装面積などの条件を揃えた上で、別々の業者の見積もりを取り寄せることを言います。同じアレスダイナミックTOPを使用していても、材料費が多少変動したり、足場代や人件費で価格差が生まれたりすることもあるので、各社の見積もりを比較しながら依頼する業者を選びましょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

まとめ

関西ペイントのアレスダイナミックTOPは、シリコン樹脂をベースとしたラジカル制御型塗料で、雨天でも施工可能な点やツヤなしを含めた光沢の種類を選べることが特徴の塗料です。ラジカル制御型塗料の中でも特に耐用年数が長く、水性塗料なので安全性が高いメリットがあります。

一方で2016年に発売された比較的新しい塗料のため、実績が少ない点が気になるかもしれません。濃彩色では材料費が割高になる点や、ツヤなしの塗料を選ぶと雨天の施工ができなくなる点にも注意が必要です。アレスダイナミックTOPで施工する時には、他社のラジカル制御型塗料とも比較したり、相見積もりで信頼できる業者を見極めたりしながら、失敗のない外壁塗装を目指しましょう。

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