2024-11-07 05:00:59 更新

ウレタン防水とは?工法3種の費用単価やデメリット、メンテナンス方法を解説

ウレタン防水とは?工法3種の費用単価やデメリット、メンテナンス方法を解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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ウレタン防水は、ベランダや陸屋根などに用いられる防水工法の一つです。低コストかつ場所を選ばず施工できることから、国内でもっとも採用率の高い防水工法となっています。

しかし、具体的な費用単価や耐用年数・メンテナンス方法などの基礎知識を知らず、業者へ依頼するにあたって不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、ウレタン防水の特徴やメリット・デメリット、具体的な施工方法や費用単価を詳しく解説しています。

注意すべき劣化症状や寿命を延ばすためのメンテナンス方法も紹介していますので、ウレタン防水工事を検討している方、またすでに施工済みの方もぜひ最後までご覧ください。

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関連記事:防水塗装とは?ベランダ・外壁の防水性能を高める工事方法をご紹介

目次閉じる

ウレタン防水とは?特徴や耐用年数を解説【比較表】

防水工事でウレタン防水を選ぶメリット・デメリット

ウレタン防水の工法は3種類!それぞれの工程・費用単価は?

ウレタン防水に見られる不具合・劣化症状

ウレタン防水の寿命を延ばすメンテナンス方法

ウレタン防水の種類や単価を理解して適切な施工を行おう

ウレタン防水とは?特徴や耐用年数を解説【比較表】

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を使用して防水層を形成する防水工法となります。非常に柔軟性が高く、面積・形状など場所を問わず施工できることが最大の特徴です。

一般的な住宅でよく用いられる防水工法としては、ウレタン防水以外にも「FRP防水」や「シート防水」などが挙げられます。それぞれを比較すると以下の通りです。

防水工法 ウレタン防水 FRP防水 シート防水
費用相場 3000~7000円/㎡ 4000〜8000円/㎡ 3500〜7500円/㎡
耐用年数 8〜10年 10〜12年 10〜20年
施工期間 3〜10日 1〜2日 1〜4日

耐用年数はやや短いものの、低コストかつ場所を問わず施工できることから、国内ではもっとも採用率の高い防水工法となっています。

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参考文献:日本防水材料協会 施工実績データ 

防水工事でウレタン防水を選ぶメリット・デメリット

ここでは、様々な防水工法がある中で、ウレタン防水を選ぶメリット・デメリットを解説します。

  • ウレタン防水を選ぶメリット
  • ウレタン防水を選ぶデメリット

ウレタン防水の利点だけでなく、欠点や注意点もしっかり理解して、後悔のない選択をしてください。

ウレタン防水を選ぶメリット

ウレタン防水を選ぶメリットとしては主に以下の3点が挙げられます。

  • 初期費用を比較的安く抑えられる
  • 面積・形状を問わず幅広い場所に施工可能
  • 柔軟性・防水性が高く雨漏りなどのリスクが少ない

ウレタン防水最大のメリットは、低コストかつ場所を選ばずに施工できる点にあります。

1㎡あたり3000~7000円と比較的安い液体状のウレタン樹脂を用いるため、面積の大小や形状の影響を受けにくく、どのようなベランダ・陸屋根でも問題なく施工可能です。

また、その他の防水工法と異なり、ウレタン防水層には継ぎ目が一切なく、高い柔軟性でひび割れも起こりにくいため、雨漏りや水漏れのリスクをかなり低減できる点もうれしいポイント。

どのようなベランダ・陸屋根でも、初期費用を抑えつつ高い防水性を実現できるので、とにかく安く済ませたい方や、施工箇所の条件が複雑な場合にピッタリな防水工法です。

ウレタン防水を選ぶデメリット

一方、ウレタン防水を選ぶデメリットとしては以下の3つが挙げられます。

  • 乾燥に時間がかかり施工期間がやや長い
  • 職人の技術・腕次第で仕上がりに差が出る
  • 耐用年数が比較的短くこまめなメンテナンスが必要

特に注意すべきデメリットは、比較的長い施工期間を要する点や、職人の技術・腕次第で仕上がりに差が出る点です。

ウレタン防水に用いるウレタン樹脂は、湿気や温度に敏感なため乾燥に時間がかかり、通常3〜7日ほど、雨が降った場合にはさらに10日前後に施工期間が延びる可能性があります。

また、液体状の樹脂を均一な厚さで塗布するには熟練した技術が不可欠です。職人の腕次第で仕上がりに大きな差が出るため、しっかりと技術力や実績が分かる優良業者を選ぶことが大切です。

なお、ウレタン防水はその他の防水工法よりも耐用年数がやや短く、こまめなメンテナンスが欠かせません。長く住む家に施工する場合は、長期的な維持コストも考慮して導入するかを決めましょう。

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ウレタン防水の工法は3種類!それぞれの工程・費用単価は?

ウレタン防水には、主に以下3種類の工事方法があります。それぞれ工程や費用単価が異なるので、自分の条件や予算に合わせて適した工法を選びましょう。

  • 密着工法
  • メッシュ工法(クロス貼り工法)
  • 通気緩衡工法(絶縁工法)

工法ごとにおすすめなケースも紹介していますので、ぜひ防水工事を行う際の参考にしてください。

密着工法

費用単価 3000〜5000円/㎡
施工期間 3〜7日
作業工程 1:高圧洗浄・下地処理2:プライマー(下塗り材)の塗布3:ウレタン樹脂1層目の塗布4:ウレタン樹脂2層目の塗布5:トップコートの塗布

密着工法とは、下地とウレタン樹脂を密着させて防水層をつくる、もっともベーシックな工法です。

ウレタン樹脂を下地に直接塗布するため、作業工程が比較的シンプルで、平米単価は3000〜5000円、施工期間は最短3日と、施工費用と工期を抑えられるのが特徴的。

ただし、下地の影響を受けやすく、雨漏りや膨れが起きている場合や、経年劣化の激しい場所には適しません。密着工法での施工は、以下のようなケースにおすすめです。

【密着工法がおすすめなケース】

  • 施工費用や工期を抑えたい場合
  • 新築・築浅物件など経年劣化が少ない場合

メッシュ工法(クロス貼り工法)

費用単価 4000〜6500円/㎡
施工期間 3〜9日
作業工程 1:高圧洗浄・下地処理2:プライマー(下塗り材)の塗布3:メッシュシート(補強クロス)の貼り付け4:ウレタン樹脂1層目の塗布5:ウレタン樹脂2層目の塗布6:トップコートの塗布

メッシュ工法(クロス貼り工法)とは、下地とウレタン樹脂の間に「メッシュシート(補強クロス)」を挟むことで、防水層の強度を高める工法です。

密着工法と同じ工程に加えて、ガラス繊維でつくられたメッシュシートを貼り付けることで、地震による衝撃やひび割れなどに強い防水層になります。

平米単価4000〜6500円と密着工法よりもやや高めですが、耐久性がその分優れているため、以下のようなケースで特におすすめの防水工法です。

【メッシュ工法がおすすめなケース】

  • 地震が多い地域にある建物の場合
  • 耐久性を高めてひび割れを予防したい場合

通気緩衡工法(絶縁工法)

費用単価 5000〜7000円/㎡
施工期間 4〜10日
作業工程 1:高圧洗浄・下地処理2:プライマー(下塗り材)の塗布3:通気緩衡シート(絶縁シート)の貼り付け4:脱気筒の取り付け5:ウレタン樹脂1層目の塗布6:ウレタン樹脂2層目の塗布7:トップコートの塗布

通気緩衡工法(絶縁工法)とは、下地とウレタン樹脂の間に「通気緩衡シート(絶縁シート)」と「脱気筒」を設置することで、防水層の通気性を高める工法です。

下地に直接ウレタン樹脂を塗布する密着工法とは反対に、通気緩衡シートを挟んで下地と防水層が密着しないように施工されるため、下地の影響を受けにくいのが特徴となります。

また、通気性を高める脱気筒の設置により、湿気や水分の逃げ道ができるため、防水層の膨れや雨漏りなどの経年劣化がある場合や、古い建物の防水工事に最適な工法です。

【通気緩衡工法がおすすめなケース】

  • 雨漏りや防水層の膨れが起きている場合
  • 築年数が長い物件や経年劣化が激しい場合

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ウレタン防水に見られる不具合・劣化症状

ウレタン防水は優れた防水性能を持っていますが、時間の経過とともに以下のような不具合や劣化が生じる可能性があります。

【ウレタン防水の主な劣化症状】

  • 表面(トップコート)の色あせ・ひび割れ
  • 防水層のひび割れ・膨れ

特に注意すべきなのは、トップコートに表れる色あせやひび割れなどの劣化症状です。

トップコートは、防水層を紫外線から保護する重要な役割を担っていますが、その保護性能は年月を経て徐々に低下していき、色あせやひび割れなどの劣化症状として表面に現れます。

また、トップコートのひび割れは水分が侵入する原因となり、やがてもっとも深刻な症状である防水層のひび割れや膨れにまでおよぶ可能性も。

その他にも、下地の乾燥不足や施工不良、大きな地震による建物の揺れなど、ウレタン防水の劣化原因は様々な理由が考えられますが、初期症状として表れるトップコートの劣化には十分に注意しましょう。

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ウレタン防水の寿命を延ばすメンテナンス方法

上述したようなウレタン防水の劣化症状は、適切にメンテナンスをすることで予防・早期発見が可能です。

ここからは、ウレタン防水を長持ちさせるために効果的なメンテナンス方法を2つ紹介します。

  • 表面・排水溝のこまめな清掃・点検
  • 定期的なトップコートの塗り替え

これらを実践すれば、ウレタン防水の寿命を延ばすだけでなく、長期的なコスト削減にもつながるので、しっかり把握してこまめなメンテナンスを心がけましょう。

表面や排水溝のこまめな清掃・点検

ウレタン防水の表面や排水溝は、こまめに清掃と点検を行うことが大切です。

表面の汚れていたりや排水溝にゴミや落ち葉が蓄積していたりすると、水はけの悪化や苔・雑草の発生を促してしまい、雨水の侵入や防水層のひび割れ・膨れといった、緊急性の高い劣化症状につながる恐れがあります。

このようなリスクを未然に防ぐためにも、月1〜2回の清掃・点検を心がけましょう。特に梅雨や台風シーズンは、強風や大雨でゴミが溜まりやすいので要注意です。

なお、表面の汚れを落とす際、デッキブラシなどでゴシゴシ擦るとトップコートや防水層を傷つけてしまうため、やわらかいモップなどを用いて丁寧に洗い落とすようにしてください。

定期的なトップコートの塗り替え

ウレタン防水を長持ちさせるためは、定期的にトップコートを塗り替えることがもっとも重要です。

トップコートは、紫外線に弱い性質を持つウレタン防水層を保護する、非常に重要な役割を担っています。しかし、防水層を保護する力は経年とともに低下していくので、機能を回復させるために定期的な塗り替えが必要になるのです。

具体的な塗り替えのタイミングや費用相場は以下のとおりです。

塗り替えのタイミング 5年ごと
塗り替えの費用単価 1500〜2500/㎡

なお、トップコートの塗り替えを怠ると、紫外線によるダメージを受けて防水層まで劣化が進行し、大規模な補修や再施工が必要になる可能性があるため注意が必要です。

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ウレタン防水の種類や単価を理解して適切な施工を行おう

本記事では、ウレタン防水のメリット・デメリットや施工方法・費用単価、注意すべき劣化症状やメンテナンス方法などを解説しました。

ウレタン防水には、施工場所や条件に応じて選べる3つの工法があり、それぞれの費用単価とおすすめなケースは以下のとおりです。

ウレタン防水工法 費用単価 おすすめなケース
密着工法 3000〜5000円/㎡ 施工費用や工期を抑えたい場合新築・築浅物件など経年劣化が少ない場合
メッシュ工法 4000〜6500円/㎡ 地震が多い地域にある建物の場合耐久性を高めてひび割れを予防したい場合
通気緩衡工法 5000〜7000円/㎡ 雨漏りや防水層の膨れが起きている場合築年数が長い物件や経年劣化が激しい場合

防水工事を行う際は、工法それぞれの特徴をしっかり理解し、自宅のケースに応じた適切な方法を選ぶことが大切です。

なお、実際にかかる費用は、施工場所の面積や形状、劣化具合など様々な要因によって変動します。まずは3〜4社の複数業者から見積もりを取得して、より具体的なイメージをつかむところから始めましょう。

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