2024-03-26 10:50:43 更新

3つのステップでわかる!あなたの家の外壁塗装の塗料の種類

3つのステップでわかる!あなたの家の外壁塗装の塗料の種類
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁塗装を業者に依頼して見積もりが出てきた時、その見積書の中に塗装の記述があるが、そこには「水性セラミシリコン」という塗料の名前や塗料メーカーの名前が記述されており、その塗料の種類があなたの家に適切なのかどうか全くわからないはずだ。

塗料は数百種あり、それぞれの特徴を把握するのは素人には不可能だ。正直なところ、私でもその全てを把握してはいない。しかし安心して欲しい。実はその数百種ある塗料だが一般の屋根や外装に使われる塗料の種類は限られており,一般の家庭の外壁や屋根の塗装で使われる塗料とは「シリコン塗料」だからだ。

なぜなら「シリコン塗料」は耐用年数が高く、コストパフォーマンスに優れているからだ。 もし、あなたの希望ではなく不必要に高額な光触媒塗料やセラミック塗料が見積書に記載されているのなら注意が必要だし、見積書の塗料の金額が高額と思うのなら、見積書に記載されている単価を調べてみるといいだろう。

本日は3ステップにわけて、塗料の種類を説明する。

ステップ1:塗料のメーカーを確認する。
ステップ2:塗料の種類の特徴を確認する。
ステップ3:塗料で押さえておきたいポイントを確認する。

それでは本日は外壁塗装コンサルタントの私がステップ毎に説明する。

目次閉じる

ステップ1 塗料のメーカーを確認する。

ステップ2 各塗料の種類の特徴を調べる。

ステップ3 塗料で押さえておきたいポイントを確認する。

最後に

ステップ1 塗料のメーカーを確認する。

塗料メーカーで大手と呼ばれるのは下記の3社だ

・エスケー化研
・日本ペイント
・関西ペイント

この3社であれば、実績は十分だ。ただ他にも良い塗料を出しているメーカーはたくさんあるため、聞きなれないメーカーの塗料を使用している場合は、実績等を確認した方が良いだろう。

ステップ2 各塗料の種類の特徴を調べる。

 

Group of metal tin cans with color CMYK acrylic oil paint isolated on white background

ステップ2では、各塗料の特徴を説明する。塗料選びも業者まかせにするのではなく、各塗料の特徴をおさえよう。

シリコン系塗料

一般家庭の塗料としてメインになるのがこのシリコン系塗料だ。なぜなら耐久性にすぐれ、汚れが付きにくく、コスト も安い。コストについては大手各社が新しいシリコン系塗料を開発しており値段も下がってきている。このため、コストを考えた時、現在最も優れている塗料と 言える。 シリコン系塗料には以下の2種類があるから、あわせて覚えてほしい。

水溶性(塗料と水を混ぜる)

水溶性のメリットは、臭いを抑えることができ、人体や環境に優しいことだ。その反面塗料の性能(接着度)が落ちる。

溶製(塗料とシンナーを混ぜる)

溶製のメリットは塗料の性能を最大限に発揮し、接着面などが強いことだが、臭いがきつく環境面にもよくない。現在は水溶性のシリコン系塗料を選ぶことで間違いないはずだ。なぜならメーカー側も水溶性の塗料技術が進み、水溶性の弱点も克服されているからだ。

アクリル系塗料

耐用年数も低く、紫外線に弱く、汚れやすいがその反面コストが安いというメリットのある塗料だ。かつては多くの家で使われていた塗料であるが、最近では使われていない。安い以外にメリットがない塗料だ。もしあなたがコストをとにかく安くと、思っていても、耐用年数が低く、また塗り直しが発生してしまうため長期的にみればコストはかえって高くつくことになるだろう。

ウレタン系塗料

アクリル系塗料よりは、耐久性に優れており、塗料の密着度も高い。しかし近年シリコン系の塗料が各社とも開発しておりコストも下がってきている影響により、外壁・屋根の塗料としてはウレタン系塗料は使われなくなってきている。しかし現在でも金属屋根や付帯部分(破風、雨どい、配管等)の塗装には値段も安く重宝されている。

ラジカル系塗料

2015年に開発されたばかりの新しい塗料だ。コスト的にはシリコン塗料とフッ素系塗料の間の塗料。耐用年数はシリコン塗料よりも優れ、コストパフォーマンスも高いが、使用実績がまだまだ少ないためおすすめはできない。外壁塗装は10年〜15年に一度のお金のかかる工事だ。

あえてリスクを取る必要はない。また塗装業者もまだラジカル系塗料の特徴を掴めていないはずだ。 もしラジカル系塗料を使うのであれば、業者からなぜシリコン系塗料ではないのか、十分に説明を受ける必要があるだろう。

フッ素系塗料

外壁塗装の塗料としては耐用年数が最も高い塗料だ。しかし同時にコストも高い。シリコン系塗料も耐用年数が高まってきており、あえてフッ素塗料を選ぶことはないが、予算が十分にあり、とにかく耐用年数が高いものを!という方にはフッ素系塗料を使うとよいだろう。

特殊塗料の種類

断熱塗料

断熱塗料とは、時間とともに伝わる熱が内部に伝わるのを断つ塗料だ。内部に伝わる熱を遅らせる機能がある。しかし塗料であるため、断熱素材とは異なり厚さがなく、通常は遮熱塗料と断熱素材の組み合わせで熱を防ぐことが多く、断熱塗料は遮熱塗料に比べると種類が少ない。

遮熱塗料

太陽の光を効率よく反射させることで、熱を防ぐことのできる塗料だ。太陽のエネルギーの50%は赤外線である。そしてその赤外線が熱となる。その赤外線を反射させることができる塗料が遮熱塗料で、種類も豊富にある。

セラミック配合塗料

塗料の中に無機質のセラミックを入れる事で親水性を高め、汚れがつきにくい。また耐熱性に優れており、仕上がりのデザイン性も高い。しかしコストが高くつく。

光触媒塗料

光触媒塗料とは、太陽の光を利用して、付着した汚れを自分自身で落とす機能がある特殊塗料である。チリやホコリなどの小さな汚れ程度は太陽と雨を利用して自分自身で洗い流してしまう。また耐用年数も長く、長い間美観を保つ事ができる。しかしコストが非常に高くつく。

ステップ3 塗料で押さえておきたいポイントを確認する。

ステップ2までで自分の塗料の特徴について押さえられたはずだ。ステップ3では外壁や屋根の塗装を依頼する前に抑えておいたほうがよいポイントを説明する。 今から説明するポイントを一読しておけば、業者の塗装工事内容が適切かどうか一助になるはずだ。

1液と2液とは?

塗料には「1液型」「2液型」があり、1液型が水やシンナーで希釈しながら使うものにたいして、2液型は硬化剤を混ぜて使うものだ。現在ほとんどの外壁塗装で使われているのは1液型だ。なぜなら職人の工数もかからないのに対して、2液型は毎回決まった分量で混ぜ合わせなくてはならず、工数がかかるからだ。

また2液型は余ったからといってとっておくこともできず、塗り切らねばならず運用性も悪い。しかしその分塗料としての効果は高い。

塗料の「つやあり」と「つや無し」の違いとは?

「つやあり」と「つや無し」は最終的には好みになるが、一般的にはつやありがおすすめだ。その理由は耐久性が高く、塗りの際のムラが出るリスクを抑えられるからだ。

  メリット デメリット
つやあり まるで新築のような光沢がでる。 3年もすればつやがきえる。
汚れがつきにくい。 つやが出すぎる場合もある。
つや無し 高級感がでる。 質素に感じる場合もある。
落ち着いた雰囲気。 汚れがつきやすい。

下塗りの塗料の種類

塗装工事には「下塗り」「中塗り」「上塗り」があり、「中塗り」と「上塗り」は通常同じ塗料を使うが、「下塗り」は役割が異なるため違う塗料を使うので、その種類について押さえてほしい。 中塗り、上塗りの仕上がりのためにも下塗りは重要な工程になる。下塗りの塗料は外壁や屋根の状態によって使うべき塗料がかわってくるし、また中塗りと上塗りの塗料によっても使うべき下塗り塗料は決められている。 下塗り塗料には、「シーラー」「バインダー」「フィラー」「プライマー」「サーフェイサー」など種類があり各々説明する。

シーラー

クラック(ひび割れ)がない場合はシーラーを使用する。シーラーを塗る事で、中塗り・上塗り塗料が下地にしみこむのを抑えられる。シーラーを塗ると、中塗り・上塗りも塗りやすい。ただしコンクリートやモルタル、石膏ボード壁などの外壁にしか使用出来ない。それ以外の壁の場合は、浸透性シーラーを使用する。

バインダー

シーラーと似ているものだが、下地が吸い込みづらい素材の場合に、中塗り・上塗り塗料と結合させるものだ。

フィラー

外壁にクラック(ひび割れ)などの損傷がある場合は、シーラーではなくフィラーを用いる。あまりにキズが多い場合や劣化が進んでいる場合は、微弾性フィラーを用いる。微弾性フィラーはシーラーとフィラーの両方の特性をもっており、近年下塗り塗料としてよく使われている。

プライマー

基本的にはシーラーと近いが、プライマーは鉄、ステンレス、アルミなどの鉄製部分の下地に使われる塗料で、上塗りが付着しやすくする。

サーフェイサー

下塗りの上塗りとして中塗りで使われる塗料だ。下塗りを使わないサーフェイサーもあり、それはプライマーも兼ねるため「プラサフ」と呼ばれている。

最後に

ここまで読み進め、あなたの見積書の塗装の種類の特徴や単価も理解できたはずだ。ただ最後に注意点をあげる。 業者の中には、塗料を必要以上に多くの水で薄める業者や、中塗りを工程から省く業者が存在する。

なぜなら塗料を薄めたりして量を少なくすることができれば、利益がそれだけ増すからだ。 また悪徳業者の見分け方については過去の記事で紹介したので、そちらを見てほしい。

過去のおすすめ記事:外壁塗装の悪徳業者を見分ける4つのチェックポイント

そういった悪徳業者に騙されないためにも、1つの業者だけで工事を検討するのではなく、複数業者から見積もりをとって、施工業者を選ぶべきだ。このページ下の入力フォームから入力すれば、弊社があなたの地域の複数の業者を紹介することができるから試してみてほしい。

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