2024-07-05 06:17:34 更新

外壁塗装は50万円の予算で依頼できる?坪数ごとの相場と費用を抑えるコツ

外壁塗装は50万円の予算で依頼できる?坪数ごとの相場と費用を抑えるコツ
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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自宅の外壁塗装のための予算として、一つの目安となるのが50万円です。水回りや屋根、ベランダなど、さまざまなメンテナンスが必要になる中で、外壁塗装にはあまり予算をかけられないと考える方は少なくありません。外壁塗装だけで100万円以下、なるべく50万円以下で依頼できないかを検討している方は多いです。

しかし外壁塗装の費用相場から考えると、50万円の予算で依頼するのは非常に難しく、手抜き工事を行う悪徳業者を選んでしまう危険性も高まってしまいます。外壁塗装の予算を考える時には、自宅の場合でどのくらいの金額が相場であり、なぜ50万円以上の費用が発生するのかを理解しておくことが大切です。

本記事では、外壁塗装は50万円の予算で依頼するのは難しい理由に加え、外壁塗装費用の内訳、50万円前後まで安く抑えるコツについてもご紹介します。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

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外壁塗装は50万円の予算では難しい

外壁塗装にかかる費用の内訳

外壁塗装を50万円前後まで安く抑えるコツ

まとめ

外壁塗装は50万円の予算では難しい

原則として外壁塗装を50万円の予算で依頼するのは、一般的な広さの住宅では難しいです。外壁塗装で50万円で依頼できる業者は、手抜き工事や施工不良を起こす悪質な業者を引いてしまう可能性が高まり、再塗装を依頼する必要が出てきて結果的に何倍もの費用がかかってしまうことも多いからです。

ただし、外壁塗装を安く依頼する方法がないわけではありません。なるべく外壁塗装にかかる費用をなるべく節約したい場合には、費用の内訳や計算方法を理解した上で、安く抑えるコツを実践するのが大切です。

外壁塗装の費用相場は30坪で60万円〜90万円

外壁塗装の費用相場は、延床面積が30坪の一般的な広さの戸建住宅の場合で、60万円〜90万円ほどとなっています。立地条件や依頼する業者によっては100万円を超えることもありますが、50万円以下で依頼できることはほとんどありません。

外壁塗装では、使用する塗料の代金だけではなく、人件費や足場代、塗料の飛散を防ぐための養生にかかる費用なども含まれますので、DIYで塗装する場合と比べると十分な予算が必要となるのです。

関連記事:30坪の外壁塗装費用は60〜90万円が相場!高額になる条件と適正価格で依頼するコツ

20坪以下の住宅では50万円に収まることも

ただし外壁塗装にかかる費用は、住宅の規模によって大きく左右されます。延床面積が20坪以下のコンパクトな住宅であれば、使用する塗料の量が少なく、塗装が必要な外壁の面積も小さくなるので、50万円以下の予算に収まるケースも出てきます。自宅がそれほど大きくない場合には、いくつかの業者に見積もりを依頼して、50万円程度で依頼できる業者に施工を依頼するのも良いでしょう。

なお、家の坪数ごとの外壁塗装の費用相場については、下記のページでも解説しているので参考にしてみてください。

20坪以下のお家の外壁塗装の費用相場に関する解説はコチラ

外壁塗装にかかる費用の内訳

外壁塗装に50万円以上の費用が発生する理由として、外壁塗装にかかる費用には次のような項目が含まれていることが挙げられます。

  • 塗料代
  • 養生代・足場代
  • 高圧洗浄代
  • コーキング補修代
  • 諸経費

それぞれどのような工事に使用される費用なのかを解説しますので、外壁塗装の適正価格について理解を深めておきましょう。

塗料代

外壁塗装費用の中で最も大きな割合を占めるのが、塗装に使う塗料代です。塗料代は、使用する塗料の単価に塗装面積を掛けて計算するので、グレードの高い塗料を選んだ場合や、規模の大きな建物を塗装する場合に高額になる傾向があります。使用する塗料ごとの費用相場をまとめると、下記の通りです。

種類 耐用年数 m2あたり費用相場
アクリル塗料 約5年~8年 約1,000円~1,800円
ウレタン塗料 約8年~10年 約1,700円~2,500円
シリコン塗料 約10年~15年 約2,100円~3,500円
ラジカル塗料 約8年~16年 約2,200円~4,000円
フッ素塗料 約15年~20年 約2,000円~5,000円
セラミック塗料 約10年~25年 約3,500円~5,000円
無機塗料 約20年~25年 約3,500円~5,500円

最も人気なのはシリコン塗料で、耐用年数と価格のバランスに優れていることから多くの住宅で使われています。アクリル塗料などの安価な塗料を使用することで外壁塗装費用を抑えることは可能ですが、耐用年数が短く次の再塗装が必要になる周期が短いので、長期的に見ると対象年数が長い塗料の方が節約につながるケースも多いです。

関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

養生代・足場代

外壁塗装を安全に実施するためには、家の周りに足場を設置し、飛散防止シートを設置する工事が必要です。窓やエアコンの室外機に塗料がついてしまわないように養生するための費用も、ここに計上されます。

特に足場代に関しては、30坪の住宅で15万円〜20万円ほどの費用が発生することが多く、50万円の予算では難しいとされる原因の一つでもあります。足場を組まず、脚立などを使って外壁塗装を行うのは現実的ではないため、必要不可欠な経費と考えておくと良いでしょう。

関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格

高圧洗浄代

外壁塗装を美しく仕上げるためには、外壁についた汚れや残っている塗料などをきれいに洗い流すため、高圧洗浄を行う必要があります。高圧洗浄代は、1平米あたり250円〜450円ほどが目安。業務用の高圧洗浄機を使用するので、やや割高に感じられるかもしれませんが、家庭用の高圧洗浄機と比べて汚れを落とすパワーが高く、美しい外壁を取り戻すことができます。

関連記事:外壁塗装で高圧洗浄機の清掃後、濡れたままコーキングをしても大丈夫か?

コーキング補修代

外壁塗装を施工する際には、外壁材の継ぎ目に使われるゴムのような部材「コーキング」の補修を同時に行うことが一般的です。コーキング材は約10年で寿命を迎え、耐用年数を過ぎると地震などの振動でクッションの役目を果たすことができず、外壁を傷めてしまう可能性が高まります。そのためコーキングの補修工事を省いたりはせず、外壁塗装と同時にメンテナンスしてもらうことをおすすめします。

関連記事:外壁コーキングの劣化を放置するリスクとは?ひび割れの原因や補修費用も解説

諸経費

外壁塗装における上記以外の費用は、「諸経費」「その他」といった項目で見積書にまとめられることが多いです。諸経費には、業者に支払う事務手数料や交通費・駐車場代などが含まれており、外壁塗装費用全体の2割〜3割以下となっているのが一般的です。もし諸経費の金額があまりにも多いようであれば、その内訳について業者に確認してみるのも良いでしょう。

外壁塗装を50万円前後まで安く抑えるコツ

最後に、外壁塗装を50万円前後まで安く抑えるコツとして、以下の5つのポイントをご紹介します。

  • 火災保険・補助金を利用する
  • 外壁塗装の閑散期に依頼する
  • 大手のハウスメーカーや工務店は避ける
  • 一部の外壁のみ塗装を依頼する
  • 使用する塗料のグレードを落とす

これらをうまく活用することで、相場よりも安い金額で外壁塗装を依頼できることがあるので、ぜひ参考にしてみてください。

火災保険・補助金を利用する

自然災害によって補修が必要になった住宅では、火災保険を使って外壁塗装を依頼できることがあります。また、省エネ性能を高める塗料を使うなど、国や自治体の補助金の対象となる場合には、補助金を使って外壁塗装の費用負担を抑えることも可能です。

火災保険の場合は、経年劣化や施工不良による外壁塗装は補償の対象外となる点に注意が必要なほか、自然災害によって被害を受けた外壁の工事であることを示す写真などを用意しなければなりません。補助金を利用する場合にも、必ず工事の着工前に申請し、予算の上限が埋まってしまう前に依頼する必要があります。

火災保険・補助金を使った外壁塗装については、下記のページも参考にしてみてください。

関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

外壁塗装の閑散期に依頼する

外壁塗装には1年を通じて繁忙期・閑散期が存在しており、外壁塗装の依頼が少なくなる閑散期に依頼することで、業者が値引きを受け入れやすくなり、当初の見積もりよりも安く依頼できることがあります。外壁塗装の繁忙期は、天候が安定していて雨・雪による中断が起こりにくい春・秋のシーズンです。

一方で、梅雨の時期や真冬の時期は、外壁塗装工事ができない日が続きやすく、閑散期と呼ばれます。こうした閑散期に外壁塗装を依頼することで、工事の中断・延期となる可能性は高まるものの、繁忙期よりも安い費用で工事できることがあるので、依頼する時期を調整してみるのも効果的です。

関連記事:外壁塗装に適した時期とは?季節ごとのメリットと塗り替え周期も解説

大手のハウスメーカーや工務店を避ける

外壁塗装を依頼できる業者には、大手のハウスメーカーや工務店、地域密着型の塗装業者など多くの種類があります。その中でも、大手のハウスメーカーや工務店を選んでしまうと、下請け業者に工事を依頼する際に中間マージンが発生し、相場よりも高額な費用が発生することが多いです。

なるべく費用を抑えて外壁塗装を依頼したい場合には、大手のハウスメーカーや工務店などは避け、下請け業者は使わずに自社施工を行っている塗装業者を選ぶのがポイントです。

関連記事:優良な外壁塗装業者の選び方を解説!警戒すべき悪徳業者の見極め方とは

一部の外壁のみ塗装を依頼する

外壁塗装にかかる費用を節約したい場合には、外壁前面の塗装を行うのではなく、劣化が激しい面の外壁だけを塗装するという選択肢もあります。紫外線による劣化が少ない北側の外壁は高圧洗浄を依頼するだけにとどめるなど、塗装面積を減らすことにより費用を削減できることがあります。

ただし、塗装を行った面とそうでない面で外壁の質感や色合いが変わってしまったり、次回以降のメンテナンス計画を立てにくくなったりするデメリットもあるため、業者と相談しながら慎重に工事を進める必要があります。

使用する塗料のグレードを落とす

外壁塗装にかかる費用は、使用する塗料のグレードによって大きく左右されます。そのため費用を節約したい場合には、塗料のグレードを落とすことも一つの選択肢です。外壁塗装で最も人気なのはシリコン塗料ですが、数年以内に建て替えの予定がある場合や、外壁の張り替え工事を予定している場合には、安価なアクリル塗料を使用するのも良いでしょう。

ただし、安価で耐用年数が短い塗料は、長期的に見ると再塗装の回数が増えてメンテナンス費用が膨らむ原因になるため、今後も長く住み続ける予定がある家には向かないことに注意しましょう。

まとめ

外壁塗装の費用相場は60万円〜90万円が目安となっており、50万円で依頼できるケースは少ないです。20坪以下のコンパクトな住宅であれば50万円の予算に収まることもありますが、外壁塗装費用には足場代・養生代・高圧洗浄代なども含まれるので、過度な値引きをせずに適正価格で依頼することが大切です。

外壁塗装をなるべく安く依頼するためのコツとして、火災保険・補助金が使えないかどうかを確認したり、外壁塗装の閑散期に依頼したりする方法が挙げられます。下請け業者を使わない自社施工の業者に依頼したり、塗料のグレードを見直したりするのも効果的なので、信頼できる業者と相談しながら後悔のない外壁塗装を進めましょう。

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